「純也」
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#1 [あぃみ]
私、純也に会いたい。

私、純也を見たい。

私、純也に見せたい。


ねぇ、純也……。

⏰:07/10/04 23:51 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#2 [あぃみ]
その日私は産まれて初めて「一目惚れ」を体験した。


水商売の友達と二人で、
いつものボーイズに飲みに行った時の事、
店に久しぶりに顔を出したので、いつも私が指名しているトオルはとびきりの笑顔で私を迎えてくれた。
友達のりんちゃんはりんちゃんで指名する、その店のNo.1の男がいて、
同じように迎えてられていた。名前はりょう。

⏰:07/10/04 23:58 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#3 [あぃみ]
りんちゃんはりょうの事をかなり気に入っている。
どこの店にいくよりテンションが上がるから私にはよくわかる。
そう言うとりんちゃんは否定してくるが。


私はと言えば、

実はトオルの事は好きじゃない。
いや、嫌いかもしれない。私はいつも、りんちゃんの付き合いでボーイズバーに立ち寄るのだ。

⏰:07/10/05 00:04 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#4 [あぃみ]
トオルは私を見つけてすぐ笑顔をくれて、まだ指名していないのに近づいてきた。

「あ〜い〜、まじお前に逢いたかったわー」

わざとらしい所も苦手。

ここのボーイズバーはアットホームである。

乗りがよくて、馬鹿キャラが多いから飽きない。

⏰:07/10/05 00:09 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#5 [あぃみ]
二人で席についた。
店は客がほとんどいない。私達ともう一組。
一人で店に来る人の気が知れない。


トオルはぴったり私の横に座り私の頬をツンツン指でつっついた。

「あいちゃんっ!
逢いたかったっ」


甘えキャラのトオルは私に猫撫で声。


私は何も嬉しくない。
むしろ普通にしていてほしかった。

⏰:07/10/05 16:59 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#6 [あぃみ]
しばらくそんなトオルに付き合っていると、周りがにぎやかな事に気がついた。
暇だったからだろう。
店の男達はあいとりんの席に集まりだした。

勝手に酒のんでワイワイやってる。これだから水男は嫌いだ。


りんちゃんはコールをかけられて、一気に酒を流し込んでいた。


しかし、面白い奴がいる。みんなそれなりの美形なのに一人だけ馬のような顔の人。名前はたかし。

たかしは落ちキャラだ。
本当に面白い。
私はトオルから逃げるようにたかしと話した。

⏰:07/10/05 17:06 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#7 [あぃみ]
トオルは少し不機嫌になったのか、席を立ち、
お酒を作るカウンターの所に歩いて言った。


カウンターには一人男がいた。
その後ろ姿は綺麗だった。背が高くて細身な体。


なんどか店に来ていたけど多分見た事のない男。


じっとカウンターの方を見ていた私にたかしが隣で言った。

⏰:07/10/05 22:30 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#8 [あぃみ]
「気になる?
平気だょ。トオルは怒ったりする奴じゃない。」


「え?違う、トオルじゃなくて、」


「ああ、あいつ?新入りだよ。」


「ふーん。名前は?」


「純也だょ‥」

⏰:07/10/05 22:35 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#9 [あぃみ]
しばらくするとトオルは戻ってきた。
異常なテンションになっていた。


「あーいー?
こっちおいで?」


しょうがないから隣に座ろうとした。
その瞬間、トオルに腕を引っ張られて膝の上に座る形になってしまった。


「あい?あいはまじで可愛いなぁ」


顔が近い。酒臭くはないけど、このテンションを保てるのに酒がいらないとかスゴイ奴だな。


そんなことを思っていたらトオルは更にエスカレート。私の胸をつんつん突きだした。

⏰:07/10/05 22:41 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#10 [あぃみ]
「あいちゃん、おっぱい柔らかぁぃ!」


いつの間にか揉みはじめて、私は恥ずかしさを隠し切れず、人前で、こんなふうにされたのは初めてで、誰も気付いてくれなくて、どうしたらいいのかわからなかった。


みんなに助けを求めても、みんな楽しそうにしていて気付いてくれない。
気付いてもにやっと笑って見ないふり。


私は18年間生きてきて、
こんななんとも悲しい気持ちを初めて体験した。

⏰:07/10/05 22:48 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#11 [あぃみ]
カウンターの方に目をやった。
新入りはもうそこには居なかった。


でも、私達の席の横にグラスを持って立っていた。


「初めまして。
純也でーす。混ざっていいっすか?」



その笑顔に一瞬、時が止まった気がした。

⏰:07/10/05 22:55 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#12 [あぃみ]
「えー!カッコイイ。
なんでそんな綺麗な顔してんの?顔見せて」


私は思ったことそのまんま口に出していた。


「あっ、失礼しますっ」


私がぐいぐい腕を引っ張り自分の隣に座らせた。

⏰:07/10/05 22:59 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#13 [あぃみ]
くっきり二重、上がった眉毛、高い鼻、薄い唇。


本当にカッコイイ。


見とれてしまっていた。


純也は気付いているはずなのにこちらを見る様子もなく、緊張している様子だった。


私も少しお酒がまわっていたので
純也をいじめてみたくなった。

⏰:07/10/05 23:35 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#14 [あぃみ]
そんな純也のおかげで気付いたらトオルも手を離してくれていた。


「ねぇ、ありがとう!
トオルから開放できた」


顔を覗きこむと
ちらっとだけこちらを見て笑ってくれた。


私の胸に衝撃が走った。
痛い。苦しい。
私は純也に積極的に話しかけた。

⏰:07/10/05 23:41 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#15 [あぃみ]
「いくつなのー?」


「あっ、17です。」


「年下?可愛いぃ!
あいみだょ!よろしく」


「…美人っすね。」


私は、綺麗だとか可愛いだとか、美人だとか、スタイルがいいとか言われる事が多い。
でもお世辞とすぐわかる。わかっていたけど、純也に言われると、
胸が強く波打った。

⏰:07/10/06 08:57 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#16 [あぃみ]
純也よりも水商売の先輩の私。すこし嬉しくてお姉さんぶって話していた。すごく気分がいい。


純也がニコニコ笑って
ただ隣にいるだけで気持ちが乗った。


私は純也の腕をしっかり掴んで座っていた。


「純也まじカッコイイ
ははは!あいの番号はねぇ、090〜〜〜」


純也はニコっと笑うだけ。同じお水だった私にはわかった。メモるほどでもない。その場限りなんだと

⏰:07/10/07 00:12 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#17 [あぃみ]
なんだか
悲しくなった。


トオルがそばに来て慰めるかのように甘えてきた。


「あい〜〜チュウしてよ?」

「いいよっ」


私は純也達みんなの前でトオルとキスをした。


純也は相変わらずニコニコしていた

⏰:07/10/07 00:16 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#18 [あぃみ]
「あいちゃん、じゃあね、気をつけてね。また会いにきてね。ありがとうございました!」


トオルを始め、店の男達が挨拶をする。
りんちゃんと私は店をでた。



帰りの車の中でりんちゃんとボーイズでの事で盛り上がった。


「でもね、あい、純也ともっと話したかった‥。」

急にテンション落ちた私にりんちゃんは言った。


「あい、大分惚れてたね。でもまじ純也はカッコイイよ!あんな奴が近くにいたとは」


純也はあい達の地元近く住んでいた事がわかった。


「店でじゃなくて偶然とかで逢いたいな‥」

⏰:07/10/07 00:26 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#19 [歩]
頑張ってねぇ応援してすからねぇ

⏰:07/10/07 00:32 📱:SH702iS 🆔:☆☆☆


#20 [あぃみ]
歩さんありがとう

⏰:07/10/07 09:43 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#21 [あぃみ]
家に着いた直後、電話がなった。
トオルからだ。


「あい、お前いつ見てもまじ可愛いな、今度さ、店じやなくて外で会わないか?」


「そうだね、今度ね。」


「まじー?やったー楽しみにしてるわ!」


正直会う気はしない。


「あいは俺の女だよ」


どうぞ。勝手にしてください。

⏰:07/10/07 09:48 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#22 [あぃみ]
私は、昼間も働いている。飲食店でウエイトレス 。夜は派遣でコンパニオン。


次の日の昼間はもう仕事をしていた。

お昼休み。携帯を開く。
着信2件、メール1件。

どうせトオルだろうと思いながら開いた。


着信は知らない番号。
メールもその番号からだった。

⏰:07/10/07 09:53 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#23 [あぃみ]
題名「純也だよ」
「何してんの?電話したの俺だから」


それだけ。
びっくりした。でも胸が締め付けられて喜びが混みあげてきた。


私は昼間も仕事していて今は休暇中と答えると、
終わったら電話してと嬉しい言葉がかえってきた。


私の胸の中は純也で埋め尽くされ、高なっていた。

⏰:07/10/07 09:59 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#24 [あぃみ]
あの緊張して、可愛くて、シャイで、ニコニコしている純也が頭からはなれない。


仕事が終わり、
早速電話をかけた。


「あいみだよ。
純也、よく番号わかったね


「暗記したんだよ」


純也は酔っ払った私が一回だけ言ったあの時に頭に叩き込んでくれたらしい。なんて可愛い奴…

⏰:07/10/07 10:03 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#25 [あぃみ]
電話だと
あの夜とは違う純也で、
男らしく、たくましい感じがして私はさらに惹かれていった。



ここから
純也とあいみの関係が始まった。

⏰:07/10/07 10:05 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#26 [あぃみ]
「植物人間って…」

当時の私には理解できなかった。
いつも一緒にいたから。

突然の出来事に泣く事しかできずに、彼のためにお金を稼ぐ事を決意した。

私には両親がいない。
祖父と祖母と暮らしていたが、その彼の家に転がり込んだ。

⏰:07/10/07 22:23 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#27 [あぃみ]
彼は片親で母と暮らす。
三人で二年間一緒に過ごしていた。

彼の家は貧乏で彼の母がかむしゃらに働いて稼いでいた。そのお金で私の面倒も見てくれていた。

彼が交通事件に合って呼ばれた時、私は入院費を出そうと決めて、高校を辞めて仕事を始めた。

見込みは20%と言われたが、頑張って生きている
私の彼氏。
もぅ二年前の事だった。

⏰:07/10/07 22:31 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#28 [あぃみ]
「あなたは自由にしてなさい。きっとまさるもそう望んでいるから。」


「でもママ、あいは信じてるんだよ。まさるは元気になるんだから!」


事故当時はこんなに一途で純粋だった私も、時がたち、男達にちらほやされるようになり、いつのまにかこの気持ちがどこかに隠れてしまって
月に一回お金を振り込むだけになってしまった。

⏰:07/10/07 22:37 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#29 [あぃみ]
純也にであった事で、彼氏と深めた愛の事を更に私から離して行った。


「あい、俺、仕事辞めたく。仕事終わったらでんわして?」


「え?…わかったよ!」


純也とは一日に何回も連絡する程になっていた。


私は忙しいから合間合間に連絡をした。

⏰:07/10/07 23:53 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#30 [あぃみ]
夜中コンパニオンをやって家に付き、純也に電話をする。


「純也なんで仕事辞めたの?どした?」


「いやぁーいろいろあってね…」

少しため息まじりで答えた純也の反応に、
言いたくない感じをとらえたのでそれ以上は聞かなかった。


「ぁ!そんなことより、俺今日車免許とれたよ」


あの笑顔が浮かんでくるくらいに純也は弾んだ声で言った。

⏰:07/10/07 23:59 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#31 [あぃみ]
「きっとあいが頑張ってって言ったのが効いたんだね!おめでとー!」


「いや、お前に言われなくても俺は受かったけどねっ」


純也は私の事をお前と呼ぶようになった。
それくらい近い存在になったのかと思うとそれだけで嬉しい。


「じゃぁ今度ドライブに連れてってね!」


純也とはあの日店で会った依頼、一度も会ったことがない。

⏰:07/10/08 22:18 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#32 [あぃみ]
「お前今どこいる?」


「…家。だけど…」


「俺早速ドライブしてんだ。今から行くよ!」


「は?無理だよ!」


「は?なんで?」


「だってもうパジャマだしスッピンだし…」


「いいじゃん、別に。」

⏰:07/10/08 22:22 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#33 [あぃみ]
正直、こんな強引な奴とは思っていたかったので私は同様した。

…逢いたいさ、そりゃ。
でも急にもほどがある。
やっぱりオシャレして可愛い姿で逢いたいし、可愛いって思われたいし、なにより心の準備が出来ていない。

「ごめんだよ。本当今は無理だ。また誘って?」


「あー、そうゆう事言うんだぁー、でもお前ならきっと出て来てくれると俺は信じるねっ」


なんて強引な…

だけど、やっぱりちょっと嬉しくて…

⏰:07/10/08 22:28 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#34 [あぃみ]
純也のスイッチが入ったのはこの時からだ。


「じゃあ俺、とりあえず西川駅着いたら電話するからそれまでに支度しといてよ?」


「えー。何分くらいなの?」


「20分くらいかな。」


「はい。わかりました」



私をコントロールする男。「純也」が目覚めた。

⏰:07/10/08 22:32 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#35 [あぃみ]
20分でまず髪を乾かして、軽く化粧をした。
着替えた。
私は無我夢中で支度をした。


「駅着いたよー、お前んちどこ?電話でナビしてよ?」


純也は本当に20分ジャストで来た。
とりあえず家の近くまで教え、そこまでは歩いて向かった。
夏が終わりかけた秋の夜は心地よくて、清々しい気分になれた。

⏰:07/10/08 22:37 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#36 [あぃみ]
車を発見して窓から除くと、あの綺麗な顔の美しい純也がこちらを見た。
私の胸はまた大きな音をたてて波打った。

ジェスチャーで「乗れ」と合図されたので助手席に向かい、ドアを開けた。


「純也、私の顔覚えてたの?」


乗り込みながら聞いた。


純也はこちらを見て顔全部で笑った。


「おう!忘れるわけねーじゃん」


キャラは少し変わってしまったけどこの笑顔にはやっぱりやられてしまう。

⏰:07/10/08 22:46 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#37 [あぃみ]
「忘れるわけねー」と言う言葉の意味が気になったが、やっぱり良い意味でとらえておきたいから聞くのはやめた。


車は走りだし、夜の街をこの車だけが輝いている。 そんな気持ちだった。

「純也、二人で会うの初めてだね!どこ行く?」


「てかお前、化粧ちゃんとしてきたじゃん!着替えてるし、エライ!」


純也はしっかりと前を向いて、エライ!と大きな声で言った。そして笑った。私はその笑顔から目がはなせない。


すると純也はちらっとこちらを見ていった。

⏰:07/10/08 22:55 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#38 [あぃみ]
「☆+*#〇△!!」


…?

「へっ?なんて言った?」

「ガハハハ!お前まぬけな顔〜!!おもしろ!」


純也はテンションが高い。楽しく思ってくれている事がすごい嬉しくて、楽しい。


何処へ行くでもなく、
グルグルとドライブを楽しんでいた。

⏰:07/10/08 23:51 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#39 [あぃみ]
純也のペースで、会話は盛り上がった。


しばらくして気付いた事。私はつい純也を見つめてしまう。その度に彼は意味不明の言葉を発して自分で笑う。



照れ隠し……。

⏰:07/10/08 23:54 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#40 [あぃみ]
純也のペースで、純也の世界で純也を中心にして、そのすぐ傍に私がいる。大満足だ。それでいい。むしろそれがいい。


私は純也に染まりたい。


1番傍に置いてほしい。


この日はそんな気持ちになって朝方家に帰った。

⏰:07/10/08 23:59 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#41 [あぃみ]
次の日からはもう、
抑えることができなかった。純也の事ばかり。
仕事も上の空。休憩が楽しみでしょうがない。
純也と電話できるから。
純也しか見えなくて。



私は男を落とすのに自信がある。純也もいつか…
私のものにする。



…もう、純也しか見えない。

⏰:07/10/09 00:05 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#42 [あぃみ]
次の日も、同じ時間に同じ場所に純也は迎えにきた。同じ笑顔をみせてくれた。


「あー、腹減ったぁー」


純也が言うので何が食べたいのか聞くとハンバーグが食べたいと言うので、夜中まで営業しているところまでハンバーグを食べに行くことになった。


「あいちゃぁん、
おいら金ないんだ。」


その顔が余りにも愛おしくて…


「任してっ!」

⏰:07/10/09 00:17 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#43 [あぃみ]
私は人にごちそうするのが好き。プレゼント送るのも好き。喜ぶ顔を見るのが大好き。


18才にして昼と夜の収入合わせて手取り40〜50万はあるのでお金に困ったことはない。


純也は仕事を辞めてしまったのでお金がない。


ガソリン代金もあげた。


ハンバーグ屋さんでは仕事を辞めた理由を聞いてみた。

⏰:07/10/09 00:23 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#44 [あぃみ]
すると純也は少し声を低くして話しだした。

「俺、殴られた。あそこの連中みんな頭おかしいんだよ。薬やってるし、店で客とSexするし、トオルがあいに手を出してたじゃん?あの時も裏で薬やってきて、戻ってからあいとやろうとしてたんだぜ?だから俺行ったじゃん?あのタイミングがまずかった。」


「え?私のせい?」


「そうじゃなくて、俺はそうゆうせこい奴ら嫌いなんだ。言い合いになって、しまいにはイキがるな、生意気だっつってボコボコよ…ありえねぇ」


「まじで?でも私は純也が正しいと思うよ。もうあんな店二度と行かない!」


「うん。そのほうがいいと思う。りんちゃんにも教えてあげなよ」


純也の優しさに触れた。

⏰:07/10/09 00:33 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#45 [あぃみ]
さらに純也は給料も払ってもらえなかった。


会計を済ませ、また車に乗った。帰りはあっと言う間で寂しい。


そして次の日も次の日も純也はいつもの場所に迎えにきた。


純也の中で私はどうゆう存在なんだろう?
最近はちょっとした悩みやその日の出来事など私に話してきてくれるようになった。

⏰:07/10/09 00:42 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#46 [あぃみ]
純也は少しずつ、私に心を開き始めている。

そうだよね?

純也の世界に私がしっかり立っている。

そうだよね?


あいの世界には純也がいつもいるよ。

⏰:07/10/09 20:54 📱:PC 🆔:☆☆☆


#47 [あぃみ]
私には彼氏がいる。


彼氏以上の男なんていないと思ってた。私は一生彼の為に生きるって決めた。彼は私のすべてだった。

その気持ちは忘れないよ。でも…

純也に出会った。
純也のことまだ知らないし、何処がいいのかなんてわからない。
でもこの気持ちは止められない。

⏰:07/10/09 21:01 📱:PC 🆔:☆☆☆


#48 [あぃみ]
純也がほしくてたまらない。


いつものように純也が迎えにきた。


夜中ただただ
ドライブをする。
何の意味もないけど、
一緒に居られる事が私を嬉しくさせる。


まだ免許を取り立ての純也はしっかりと前を向いて両手でハンドルを握り、真剣な顔をしている。


「純也、真剣な顔もカッコイイね!」


純也はちらっとこちらを見た。

⏰:07/10/09 21:10 📱:PC 🆔:☆☆☆


#49 [あぃみ]
私はいつも素直にストレートに伝える。
そんな時いつも純也はちらっとこちらを見るだけで、何も言わない。

なぜか不機嫌そうな顔を見せる。

だからそれ以上なにも言えない。


私はいつも俯き黙り込む。


その度に純也は笑う。

⏰:07/10/09 21:15 📱:PC 🆔:☆☆☆


#50 [あぃみ]
「ハハ!お前面白いなぁー、そんなへこむなよー」


「だって…純也よくわからないんだもん」


純也は私をからかっているようだった。


「海、行くかぁー!」


急に空気を変えるのも純也の魅力。


「行きたぁい!」


純也のペースに流される私。

⏰:07/10/09 21:20 📱:PC 🆔:☆☆☆


#51 [あぃみ]
「よし!着いたぞ!」


純也は車を先に降りて、海に向かって歩きだした。
目の前に広がる海に純也の後ろ姿がとてもよく似合っている。
見とれてしまう私。


すると純也はクルリとこちらを振り返り、こちらに小走りでむかってきた。

⏰:07/10/09 21:30 📱:PC 🆔:☆☆☆


#52 [あぃみ]
助手席のドアを開けると
私の腕をひっぱった。


「おい!降りるぞ」


そして可愛い笑顔を見せた。


私が車を降りると


「ドーン!」


と言って私の手を引っ張って走り出した。

⏰:07/10/09 21:37 📱:PC 🆔:☆☆☆


#53 [あぃみ]
広い海は高速道路の光に照らされてキラキラ光っていた。


そんな綺麗な海を目の前に純也が隣にいる嬉しさを噛み締めていた。


「お前さぁ…」


二人で砂浜に腰を下ろすと純也が話だした。


「お前さぁ、なんで水商売なんかやってんの?」


私はまさるの事を思いだした。


「んー、話せば長くなるからなぁー」

⏰:07/10/09 21:45 📱:PC 🆔:☆☆☆


#54 [あぃみ]
この時の純也はなんでも受け入れてくれる気がしたんだ。私に興味を持ち初め、好きになりかけてるんだって。
だから

その「話せば長い」を聞いてほしくてそう答えたんだ。


それなのに純也は


「ふ〜ん」


それだけ。

⏰:07/10/09 21:52 📱:PC 🆔:☆☆☆


#55 [あぃみ]
「どーしてか気にならないの?」


純也はタバコを加えて海を見ながら答えた。


「気になってほしいの?」


少し返事に困ったけれど素直に答えた。


「…うん。」

⏰:07/10/09 22:01 📱:PC 🆔:☆☆☆


#56 [あぃみ]
少し沈黙が続いた。
波の音だけが響いている。すると純也は大きい声で笑いだした。


「ハハハ!」


「何がおかしいのよ」


「お前単純だな!」


そう言って私の頭をポンと叩くと車に向かって歩きだした。
私は急いで立ち上がり走ってついて行った。


「じゃあ手繋いでやるよ」


そう言って可愛い笑顔で手をだした。


「悔しいーー!」


叫んで私はそんな純也を通り越して車に乗った。

⏰:07/10/09 22:08 📱:PC 🆔:☆☆☆


#57 [あぃみ]
あの、シャイで緊張して、片言だった純也が今ではエラそうな自分勝手な男に変わっていた。


変わったんじゃなくて、

これが「純也」だった。



それでも私は

純也が好き。

⏰:07/10/09 22:14 📱:PC 🆔:☆☆☆


#58 [あぃみ]
純也はなぜ私を誘うの?

なんであの時、携帯番号を暗記したの?

なんでメールくれたの?

なんで笑わせてくれるの?

なんで冷たくしたり優しくなったりするの?

なんで会いにくるの?

⏰:07/10/10 00:30 📱:PC 🆔:☆☆☆


#59 [あぃみ]
ねぇ、なんで私をトオルから助けたの?


なんで…


なんで好きだって言ってくれないの…?


なんでいつもそうゆうムードになると ごまかして逃げるの?


わからないよ。

⏰:07/10/10 00:34 📱:PC 🆔:☆☆☆


#60 [あぃみ]
帰りの車はなんだか気まずい空気が流れていた。


きっと私だけがそう思ってるのだろう。


純也はノンキに鼻歌を歌っていた。


いつも私を迎えに来てくれる所についた。
お別れの時間。


純也は突然自分のシートの背もたれを倒した。


「ふぁ〜、ねみぃ」


「えっ?寝るの?」


私が驚いて純也をみると起き上がって私のシートも倒してきた。

⏰:07/10/10 00:39 📱:PC 🆔:☆☆☆


#61 [あぃみ]
「お前も寝ればいいじゃん!明日休みだろ、起きたらそのまま遊びに行こうぜ?」


ノンキにブイサインを私に向けた。


たしかに休みだ。何日か前に一回言っただけ。


「私が休みってよく覚えてたね?」


「当たり前じゃん!」


当たり前なのか?
純也はたまに意味深な答えを堂々と言う。


私も横になり、車の天井をボーっと眺めていた。

⏰:07/10/10 00:52 📱:PC 🆔:☆☆☆


#62 [あぃみ]
するといきなり純也は私の胸に手のひらを乗せて、軽く握った。


「え?何?」


私は驚いて純也を見た。


純也は目をそらすとボソッと言った。


「Bカップぐらいか?」


「意味わかんないんだけど!」


純也は照れたように笑った。
キスもなく、ムードもなく、いきなり胸だけ触られた。
でも嫌な気はしない。

⏰:07/10/10 08:30 📱:PC 🆔:☆☆☆


#63 [あぃみ]
そんな純也のテンポにはまり込んで予測不可能な行動にも楽しんでいるようになった。


「あいみ!」


私は少し恥ずかしくなったので身体を起こしていた。寝転んだままの純也は後ろから私を呼んだ。


しかも、名前で。


私はドキドキして振り返った。

⏰:07/10/10 08:41 📱:PC 🆔:☆☆☆


#64 [あぃみ]
「ん?」


純也を見ると、今までにない優しい微笑みで私を見ている。


「ちょっとこいよ?」


私は恥ずかしくて意地をはった。


「なんでよ。純也私の事好きでもないくせに」


少し睨んだ。


「まぁまぁまぁまぁ」


私をなだめるように純也は優しく笑う。
そして腕を引かれて純也の腕の中に入った。

⏰:07/10/10 08:48 📱:PC 🆔:☆☆☆


#65 [あぃみ]
…普通ならここで好きだよって言ってくれるよね?私勘違いしてる?好きって言ってよ…純也…


心の中でそう願っていると、純也は私の顔に顔を近づけてキスしようとしているのがわかった。


嬉しいけど悔しくて、

私はまた意地をはる。


「嫌だよ。」

⏰:07/10/10 08:53 📱:PC 🆔:☆☆☆


#66 [あぃみ]
すると純也から優しい笑みが消えた。


「あっそぉー。トオルとは平気でするくせに俺は嫌なんだ?」


「………」


私は言葉につまる。
違うよ。気持ちが欲しいの…

でも 言えない。

⏰:07/10/10 18:23 📱:PC 🆔:☆☆☆


#67 [あぃみ]
わたしが黙っていると純也は少し空気を変えた。


「あっそ。今しなかったらもう絶対しないからな。」


ずるい純也。


私は何も言わず純也に寄り添った。


「はい!して?」


笑顔の後、口をとがらせて目をつぶる純也。


いきなり受け身になるなよ…


私はそっと近づき、
唇を重ねた。

⏰:07/10/10 18:29 📱:PC 🆔:☆☆☆


#68 [あぃみ]
キスなんて慣れているはずなのにドキドキがおさまらない。

でも純也はお構いなしに舌を入れてきた。


すごぃ透き通った気持ち。


純也が私の口の中で私の舌を探す。

私はここだよと私も絡める。


気持ちぃぃ。


そぅ思い始めた時、純也は動かしていた舌をピタリと止めた。


辞めないで……。

⏰:07/10/10 22:11 📱:PC 🆔:☆☆☆


#69 [あぃみ]
そして口から舌を出して甘い顔で私を見つめる。


私は夢中でその舌に愛撫する。想いを込めてひたすら舐めた。


何分そうしていただろう。私は顔を離して純也を見つめた。


「はぁ。気持ちいい」


純也の目はとろーんとしていてすごく可愛い。


私は熱があるときみたいに身体と顔がほてってボーっとしてしまう。

⏰:07/10/10 22:21 📱:PC 🆔:☆☆☆


#70 [あぃみ]
今の時間だけでもいい、純也は私だけを見てる。

そうだよね?

純也は私を抱き寄せた。

心臓の音…
純也もドキドキしてるの?

目を閉じて純也の温もりに浸っていた。


幸せな気がした。

⏰:07/10/11 09:52 📱:PC 🆔:☆☆☆


#71 [あぃみ]
すると何かひらめいたように純也は私の手をとった。


「どうしたの?」


純也を見ると目線を前に向けたままわたしの手を自分の下半身へ招いた。


私はただ純也が愛おしくてウットリしていただけだからエッチは方向に持って行こうとしている純也に驚いた。


「…純也?」


「俺、興奮しちゃった!お願い!あいみ、舐めて?あいみ上手そう。」


「…えっ?」


動揺している私をかまうことなく純也はカチャカチャとベルトを外して脱ぎだしてしまった。

⏰:07/10/11 10:01 📱:PC 🆔:☆☆☆


#72 [あぃみ]
純也のモノは見た事なぃ大きさですごくキレイだった。男の人のモノを見てキレイなんて思うのは初めてだ。


鼻が高い人は大きいと聞いた事があるけど、本当なんだぁ


そんな事を思って見ていたら純也からキスしてきた。


「あんまジロジロ見るな」


照れた顔が本当可愛い。

⏰:07/10/13 09:54 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#73 [あぃみ]
私は純也の下半身に手をのばした。
純也は触れられた瞬間、ビクっと身体を動かした。


「…純也、可愛いよ」


私が純也の顔を覗き込むようにして言うと純也は私から目をそらしてまた照れて言った。


「うるせー」


私は楽しくなって、たくさんじらして
上下にさすったり、先をクリクリやったり、玉をなぞったり、ウラスジをなぞったりしながら反応を楽しんでいた。

⏰:07/10/13 10:02 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#74 [あぃみ]
しばらく夢中でそうしていると、純也は大きく波うった。


「ぅっ♂≦☆〇×!」


また変な言葉。

照れている証拠。


純也の白い分身を私はごくりと飲み込んだ。


「…あい、ありがとう」


頬がピンク色になって
はにかんだ純也。

愛おしい…

⏰:07/11/03 22:29 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#75 [あぃみ]
私は、私にも触れてほしくなった。
純也に近づき、ねだるように寄り添った。

でも純也はさっさと服を戻し、何もなかったかのような顔をしている。


「よし!続きはまた今度なっ?次はここに入れてやるよ」


ドキ…


パンクしそうに胸がギュットなった。
一瞬だけ、純也が触ってくれた。

⏰:07/11/03 22:35 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#76 [あぃみ]
ズキン…


同時に胸が痛んだ。


めのまえに
入院してるはずの彼氏が見えた。悲しい顔して俯いた彼氏が立っていた。


その日は色々不思議な現象が起きた。


純也と分かれて家まで歩いている時、懐かしい温もりを感じた。
気がついた時、私の目からはポロポロと涙が落ちて

彼氏への想い、純也への想いに どうしたらいいのかわからない気持ちで泣く事しかできなかった。

⏰:07/11/03 22:43 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#77 [我輩は匿名である]
久しぶりやぁ
待ってましたぁ
がんばってねツ

⏰:07/11/03 22:50 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#78 [あぃみ]
77の匿名さん
ありがとぅ読んでくれていると嬉しいです

⏰:07/11/03 23:24 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#79 [あぃみ]
純也は自分勝手で都合のいいときだけ私を誘う。


くだらない事で私を呼ぶ。


タバコを買いたいとき…
お腹が空いた時。


そのたびに私は行ってしまう。純也の無邪気な喜んだ顔が見たいから。


単純に誘ってくれる事が嬉しくて。
私は純也の元へ行く。

⏰:07/11/03 23:29 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#80 [あぃみ]
何回かに一回は
普通のデートみたいに出かける事もある。

純也の運転で二人でしりとりとかしながらドライブして、ゲーセン行って
買い物行ったり、おいしい物を食べたり。


二人の距離が縮まるたび純也の行動はどんどんエスカレートしていたのに、浮かれて気付かない私は、かまわず純也に溺れていた。


純也のたまに見せる優しさがほしくて欲しくて…
求めて求めて
追い掛けても追い付かなくて…
答えてくれない純也。

⏰:07/11/03 23:36 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#81 [あぃみ]
気付かないんじゃない。
気付きたくなかったから気付かない振りをしていた。


私のお金がどんどん減っていく事。


都合のいい女になっている事。


わかっていても
我慢していたんだ。

⏰:07/11/04 00:08 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#82 [あぃみ]
携帯に貼った、純也と撮ったたった一枚だけのプリクラ。

私はそれを見るだけで嬉しくなる。

毎日のように見た。


コンパニオンの仕事が終わり、帰りの車でりかと話していた。

「そいえばあぃみ、純也とどうなの?」

どうって…
どうなんだろう…
付き合ってるわけじゃないしな…

「何それー?プリ?チョー見たい!」

携帯に貼ったプリをのぞきこまれた。

⏰:07/11/05 00:43 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#83 [あぃみ]
「えー あいみちゃんの彼氏ー?見たい見たい!」

仕事の仲間に回された。


内心、嬉しい私。
だって純也は誰が見てもカッコイイ。自慢したいくらいだ。


そんな中、一人が意外な反応をした。


「あれ?これ純也じゃない?」


うん。純也。
え??


「知ってるの?」

⏰:07/11/05 00:47 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#84 [あぃみ]
彼女は歳も地元も近かった。

なんだか聞きたくない気もしたけど彼女を覗き込む。


「えっ?あいみちゃんの彼氏だったの?」

目を大きくして私を見ている。


「んー。微妙。」

私はそっけなく答えた。
純也は私のなんなのか…

⏰:07/11/05 01:04 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#85 [あぃみ]
そんな事より、なんで彼女は純也を知っているのか…


「てかなんで純也知ってるの?」

少し嫉妬している自分がいた。


「たしか、元ホストだよね?この前飲み会に誘われて行ったらいたよ?私の友達の後輩らしく、女と来てたよ?」


血の気が引いていくのを感じた。封印されていた、私の嫉妬心がまた目を覚ました。

⏰:07/11/05 01:12 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#86 [あぃみ]
だけと私は彼女じゃない。でも純也の中で私は特別な気がしてる。

だってほぼ毎日誘われてるし、腕を組んでも嫌がらない。


先に歩くと振り向いてくれる。


だから…
彼女に近いよね。


本気で気持ち伝えるのは怖い。純也は私の気持ちを知ってるはずだから。

⏰:07/11/05 16:48 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#87 [さぁや]
すごくおもしろいです!頑張って

⏰:07/11/05 17:40 📱:F902iS 🆔:☆☆☆


#88 [あぃみ]
さぁやさんおもしろいですか?嬉しいですうまく完結できるか心配です頑張って書いて行きますのでよろしくです

⏰:07/11/05 22:43 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#89 [あぃみ]
彼女…
純也に女がいるなんて考えもしなかった。

そういえば聞いた事がない。怖い。


その日から私は純也の行動がいちいち気になるようになった。


そういえば…
一緒にいるときいつも電話が鳴っても出ていない。私がいいムードにしようとすると怖い顔になる。

⏰:07/11/05 22:56 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#90 [あぃみ]
彼女…いたのかな?


嫌だよ。
そんなはずない。
だって…


だって? だってなんだろう、何もない。


嫌だ。知りたくない。
でも知りたい。
でも怖くて聞けないよ。

⏰:07/11/05 22:59 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#91 [あぃみ]
次の日は私から連絡をした。思えば自分から誘ったりしたことはなかった。


呼び出しは3コール聞くとすぐに純也の甘い声

私は変に緊張していたせいかいきなりデカイ声。


「今日は?!逢える?」


「てか声でけぇよ、何怒ってんの?
そんなに俺に逢いたいの?」


ナンデスカそれは…


「いや、ごめん。違う。違わない…」


「ハハハ!わりぃ今日は出かけるんだ!じゃな」


ツーっ。ツーっ。

⏰:07/11/05 23:10 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#92 [あぃみ]
出かける?どこへ?
聞きたくても聞けなかった。聞く前に電話を切られた。


かけ直して「どこ行くの?」なんて聞けないし…
いつも「〇〇行ってから行くわ」とか具体的に言うのに。
出かけるって……


……女かも。

⏰:07/11/05 23:13 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#93 [あぃみ]
その日は一日が長かった。何度も適当な用事をつけて電話しようと思ったけど勇気がない。


ムカツク…ムカツク…


連絡してこいよ


あぁぁ〜


もーぅ!


イラつく〜〜!

⏰:07/11/05 23:20 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#94 [*]
めツちヤおもしろい

続き楽しみ〜(・∀・)

主さん頑張ツてネ

⏰:07/11/06 10:03 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#95 [あぃみ]
このやり場のない気持ちを手紙に書いた。

純也。
私は一目惚れなんて信じていなかった。
どんな純也も好き。
最初はそばにいられるだけでいいって思ってたよ。でも、今は純也が欲しい。もっとたくさん優しさに触れたい。特別でいたい。ねぇ、私を見て?
………


すると、携帯が光った。
すぐ気付けるように音量は6にしたはずなのに
ただ光った。

⏰:07/11/06 10:35 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#96 [あぃみ]
94さんありがとう
頑張りますこれからも応援してくれると嬉しいデス

⏰:07/11/06 10:36 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#97 [あぃみ]
私は急いで通話ボタンを押し平然をよそおい、冷めた声で出ようとした。


「…………!」


…声が出ない。
なんで?純也?

そういえば電話誰からか確認しなかった。
純也?


…声が出ないよ。


…どうしよう。

⏰:07/11/06 10:41 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#98 [あぃみ]
「あ、俺だけど。」


…えっと、
この声は、純也じゃない。えっと、懐かしい感じ。

……!

最後に聞いたのは……



………!!!



まさる!?

⏰:07/11/06 10:44 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#99 [あぃみ]
懐かしい声に耳をかたむけた。


「なぁ、出かけるなんて、わかりづらい事言ったの気にしてんだろ?なんもないよ。心配かけてごめんな。」


…純也?まさる?
でもまさるの声。


「いまから逢いたい。
行くから、そこにいてよ」


電話が切れた。
まさるが来るはずがない。だってまさるは入院してるし、話せないし、動けないし、、
頭がパニックになる。

⏰:07/11/06 11:01 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#100 [あぃみ]
するとまた携帯が光った。ワンコール。
まさるがいつも「ついたよ」で送るサイン。


私は半信半疑で外に出てみた。


いつもの愛車のバイクにまたがる姿。


懐かしい制服を着たまさるがそこにいた。


まさるーー!


叫ぼうとしても声が出ない。
走ってまさるに近づいた。

⏰:07/11/06 11:05 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#101 [あぃみ]
いつもそうだった。
まさるは私の気持ちをすぐに理解する

なんでもお見通しで、

なにかあるとすぐに謝りにやってくる。
「ごめんな」って。
「嫌いにならないで」って。

事故にあった夜も喧嘩していた。

たしか…

まさるが、どこに行くか言わなかったから、私がすねて……

⏰:07/11/06 11:09 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#102 [あぃみ]
まさるの元に着くと
息を切らした私に優しい笑顔で言った

「走らなくてもいーのに、ごめんな。」


私をギュッと抱き寄せてくれて頭をポンと叩く。


まさるの香り。
安心できる温もり。


私は嬉しくて涙が溢れる。心の中で何度もまさるの名前を呼んだ。

⏰:07/11/06 11:14 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#103 [あぃみ]
なんか遠くから音楽が聞こえる。
だんだん音が近くなり、
私はハッと目を覚ました。


たしかに感じたはずなのに、まさるはいない。


まさるの優しさ…


夢…だったのか?


すごく切ない気持ちになった。


私がボーっとしているのをさっきから邪魔するのはこの着信音。
着信音? …電話だ!!

⏰:07/11/06 22:21 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#104 [あぃみ]
着信元は…




「純也」




時間は…あれから、
大分たっていた。

⏰:07/11/06 22:23 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#105 [あぃみ]
私は頭がこんがらがっていて、平常心をたもってなんていられなかった


「純也!誰とどこ行ってたのよー!」


三秒後に、後悔した。


「はー?なんでそんな事俺がお前に言わなくちゃいけないわけ?うざいんですけどー!」


私はガーーっと一気に落ちた。


「……ごめん。」

⏰:07/11/06 22:29 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#106 [あぃみ]
謝る他は考えつかなかった。


「あんま調子のんなよ」


すっごい悔しいけど、
たしかに…調子に乗っていた私もいた。

純也も自分が好きだって。どこかで信じてた。


「…ごめん。」


また謝る私。

⏰:07/11/06 23:41 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#107 [あぃみ]
電話をきると、涙が一気に溢れた。

悔しいよ…
純也に優しくされたい。
まさるみたいに、あいにきて ごめんねって抱き寄せて欲しい。


女なんていないよ。
お前だけだよって…

純也を私の妄想で作りあげていたみたい。現実の純也はとても冷たい。

⏰:07/11/06 23:45 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#108 [あぃみ]
純也……


純也……



まさる、


まさる?



まさる……


まさる……

⏰:07/11/06 23:47 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#109 [あぃみ]
気付いたら朝だった。
もちろん、純也からは着信ない。

ついでに昨日のまさるの着信もない。

あるわけがないか。


いつものように支度を始めた。最近の習慣になっている純也への報告、
「行ってきます」
ってメール作ってはみたけど勇気がなくて送信できなかった。なんか気まずい…

⏰:07/11/06 23:51 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#110 [あぃみ]
お昼休みも、何度も文章作ったけど結局送れなくて、でもその日は運よく仕事が忙しく、あっというまに上がる時間になった。


私は忙しい。
2時間後には夜の顔になる。
純也の事をできるだけ考えないように、ひたすら話した。いつもよりお客とベタベタした。
私の求めているのとは違う温もり、優しさ。


こんなにもてる私。
ねぇ純也、私、こんなに優しくされるんだよ?

⏰:07/11/07 00:57 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#111 [あぃみ]
23時。
気持ちが入りきらなくて
お客からクレームを受けてしまった私は、「今日は上がっていいよ」と言われ、トボトボ歩いていた。もう、目がつねにボーっとしてしまう。


純也に電話したいけど
どう接したらいいのかわからないし、


もうすぐ家だ。
最後の角を曲がろうとしたとき、見覚えのある車が停まっていることに気がついた。


同時に携帯が鳴った。

⏰:07/11/07 01:17 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#112 [*]
あツ!更新されてる

応援してるから

頑張ツてネ(´∀`)

⏰:07/11/07 08:45 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#113 [るる]
おも∪ろLI

⏰:07/11/07 17:26 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#114 [あぃみ]
112さんるるさん
ありがとぅ一人の時しか更新できないからちょぃちょぃでごめんなさい頑張って書くので応援これからもお願いします

⏰:07/11/08 08:50 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#115 [あぃみ]
重いまぶたは一気に開いた。

純也だ!

車も純也の車。

私はとっさに車から見えないところに隠れてしまった。

私の心臓と携帯は同じリズムで鳴り続ける。


通話ボタンに指を当てて
どうしたらいいか考えた。

⏰:07/11/08 08:57 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#116 [あぃみ]
謝りに来てくれたのかな?でも、ごめんって言われても彼女じゃないしおかしいかな…
でも でも
純也のそばに行きたい。


電話にでる決意をした時、純也からの呼び出しは止まってしまった。


また私は どうしよう と考えていると今度はメールが届いた。
青いランプだから純也に間違えない。

⏰:07/11/08 09:04 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#117 [あぃみ]
「お疲れ!
仕事?何時に終わる?
俺今友達と飲んでんだけど終わったら行こうかと思って!終わったら連絡して!」


…嘘をつく意味がわかんない。強がりなのか。


車のところにむかって行って驚かせてやろうかと思ったけどそんな勇気はない。


メールに返事を打った。


「仕事だよ、もうすぐ上がる、来てくれるの…」


いや…
なんかな…

⏰:07/11/08 09:40 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#118 [あぃみ]
「今終わって帰ってるよ、まだ友達でしょ?何時くらい……」


違う。


「この前はごめんね。なんか連絡しずらくなっちゃって…」


んー。


何度も何度も打ち直した。

⏰:07/11/08 09:43 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#119 [あぃみ]
するとボタンの反応がにぶくなり、また青いランプが光った。


「やっぱやめた!
ねみぃしダルイからめんどくせー。」


私は焦った。


会えなくなっちゃう。
行かないで…

⏰:07/11/08 09:47 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#120 [るる]
あげ♪♪

⏰:07/11/08 18:00 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#121 [あぃみ]
るるさんあげありがとう

⏰:07/11/08 21:26 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#122 [あぃみ]
そんな願いも虚しく、
純也の車はランプが付き、中で純也は座り直し、
ハザードを出して、
いつの間にか見えないところまで走っていってしまった。


ほんとは逢いたかったのに…


せっかくのチャンスだったのに…


すぐそばにいたのに…

⏰:07/11/08 21:30 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#123 [あぃみ]
私は家に帰ってからも
勇気が出なくて連絡すらできないでいた。


純也は何を思っているのかな。私からの連絡待っていたりするのかな。
それともあのまままた女の所へ遊びに行ったのかな。ねぇ、純也…






気付いたら朝になっていた。

⏰:07/11/08 21:35 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#124 [あぃみ]
支度を始めようとした時、携帯が光った。


…純也?


私は慌てて電話をとった。


「………」


まただ。声が出ない。


「あ、俺だけど、昨日ごめんな。お前が仕事終わる頃に電話して迎えいこうかと思ってたのに寝ちゃったよー。起きてもお前から連絡ないから心配して電話してみた!無事ならいいんだ。よかったよー。」

⏰:07/11/08 21:41 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#125 [あぃみ]
まさるからだった。

なんか妙に安心して私はまた泣いていた。


自分の泣き声で目が覚めた。また夢をみていたんだ。


まさるは私のツボをつく。まさるが私の思いを叶えてくれる。


…たぶん、私は純也にこれを望んでるんだ。
純也に優しくされたい。

⏰:07/11/08 21:45 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#126 [あぃみ]
純也から次に連絡が来たのは夜だった。


珍しく夜のほうは休みだったのでりんちゃんと飲んでいた。


「あい、電話だよ?」


りんちゃんはトイレから戻った私に慌てて電話を渡して来た。
それにつられて私は慌てて電話に出た。


「もしー?」


「…久しぶりぃ!」


電話の向こうからは純也の甘い声。でも元気な声

⏰:07/11/08 21:50 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#127 [あぃみ]
「純也?」


一言だけ言うとりんちゃんは心配そうに私を覗き込んだ。
たった今まで純也の話しをしていたから。


純也は気まずさを感じさせないテンポで話してきた


「仕事?何時まで?俺今日そっちの方に用があるから迎え行くよ!!」

⏰:07/11/09 10:25 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#128 [*]
あげ(・∀・)

⏰:07/11/09 22:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#129 [るリ]
あげ

⏰:07/11/10 06:41 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#130 [あぃみ]
128さん毎度っありがとう

⏰:07/11/10 09:49 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#131 [あぃみ]
るりさんあげありがとうこれからもよろしくです

⏰:07/11/10 09:50 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#132 [あぃみ]
続き〜


純也は自分が私に言った事など忘れているようだった。
聞きたい事は沢山あるはずで、少しムカついてて、気まずいはずなのに、純也のペースにまた流される私。


「今日は休みでー、今りんちゃんと飲んでるよー!」


「まぢー、じゃ俺も今から行くよ?」


「えっ無理だよ。」


りんちゃんといるんだから… なんて自分勝手なんだろぅ。


「なんで無理なの?男?」


「…男はいないけどりんちゃんといるんだってば!」

⏰:07/11/10 09:58 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#133 [あぃみ]
「無理」と「なんで」のキャッチボールを繰り返していると、りんちゃんが「なんだって?」の顔で私を見た。


私はマイクに指を当てて小声で言った


「純也が来るとか言い出した」


少し驚いた表情のりんちゃん。

⏰:07/11/10 10:01 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#134 [あぃみ]
「まぢ変な奴だね、来るのは全然いいよ?あぃが大丈夫なら!」


優しいりんちゃん。


私は受話器に耳を戻した。


「おーーーい!聞いてんのかよー!電波わりぃのかぁー?」


純也は一人で大きい声を出していた。元気がありあまってる様子。


私は答えた。


「純也?りんちゃん来ていいって言ってくれたよ?」


「おう!当たり前じゃん!」

⏰:07/11/10 10:12 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#135 [あぃみ]
始めの頃はすぐに
「当たり前じやん」と言う純也に腹をたてたり、期待したりしていたけど
純也のこれは単なる口癖だった。時と場合を選ばない。


電話を切るとりんちゃんが身を乗り出して聞いてきた。


「あい?大丈夫なの?私だったら調子のんなとか言われたらまじ潰すけどね!まぁそこがあぃの優しいいいところなんだけどさ。優しすぎるのもよくないよ、使われて終わる。あぃが聞けないならあたしが純也に聞いてあげるよ!」

⏰:07/11/10 20:32 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#136 [あぃみ]
りんちゃんは私よりも興奮している様子だった。


私は、好きな人の前だと強くいられない。たくさん我慢する。

純也は特に謎だらけで、すごく知りたいのに踏み込めない。怖い。
だから…りんちゃんに頼ってもいいよね。


何を聞くかを二人でまとめた。だいたい二人とも同じ事を知りたかった。
りんちゃんには何も隠さず純也への気持ちや今まであった出来事などを話していたからよくわかってくれていた。

⏰:07/11/10 20:37 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#137 [あぃみ]
しばらくすると純也が現れた。


テーブル席で
私の隣に座り、向かいの 席にりんちゃんが座っている状態で、とりあえず一杯乾杯した。


私もりんちゃんもやっぱプロだから純也を酔わすのはあっという間


ほろ酔いで少し頬がピンク色になった純也を見て、私とりんちゃんは目を合わせた。

スタートの合図。

⏰:07/11/10 20:43 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#138 [あぃみ]
りんちゃんがグラスを置きながら話した。


「てかさー、純也とあぃみってお似合いだよねー!美男美女って感じ!
てかさ、付き合ってんだっけ?」


口は笑っていても鋭い目で純也を見てる。
見てる。見てる。


私はチラリとも純也の方を向けないでいる。

⏰:07/11/10 20:49 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#139 [るリ]
どき(^ω^)どき

⏰:07/11/10 21:13 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#140 [あぃみ]
るりちゃん総合板のほぅにコメントしときましたありがとう

⏰:07/11/11 11:18 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#141 [あぃみ]
純也がどんな反応を、表情をするのか 怖くて見れないでいる。


しかし純也は少しのためらいもないようすで即答した。


「は?付き合ってねーし」


チーーン。。
私の心の中で金がなる。


そしてじわじわと目が熱くなる。胸が痛くなる。


りんちゃんは私を見て慌てて 続けた。

⏰:07/11/11 11:23 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#142 [あぃみ]
「なんで?彼女いるの?」


ストレートすぎるりんちゃん。もっと遠回しに聞いて欲しかった。


そんなりんちゃんに、純也は少し溜めて答えた。


「…彼女?いねぇよ。
てか、彼女とかいらねーし」


私はとどめを刺されたかのように動けなくなる。

⏰:07/11/11 22:19 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#143 [あぃみ]
私が純也を好きな事、純也は気付いているはず。
それなのに、私がいるなんてわすれているのか、純也はのうのうと答えた。と、いうことは、
「諦めてくれ」
そうゆうことなのか?

でもきっと、私といるとき、純也は楽しいはず。
わざわざ嘘をついてまであいに来てくれる。プライドなのか?

純也は私の休みを記憶してくれる。迎えにも来てくれる。さっきだって、ここから30分以上離れた私の夜の職場の近くにいるみたいなこと言った癖に 純也はすぐに現れた。

⏰:07/11/11 22:26 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#144 [あぃみ]
なんで純也はここにいるんだ?なんで私に電話したんだ?



今、純也の一言を聞いた瞬間から私の頭はフル回転した。
今、おかれている状況を理解しようと一生懸命考えた。




でも、
すべてが謎。


わかないよ、純也。

⏰:07/11/11 22:30 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#145 [あぃみ]
訂正
わかないよ×
わからないよ〇

⏰:07/11/11 22:32 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#146 [あぃみ]
私は飲むしかなかった。
ぐいぐい飲んで
ぐいぐい飲んで。


目がまわりだした。


気がつくと
隣の肩にもたれ掛かり、うでにシッカリしがみついていた。


顔をあげて純也の顔を覗き込んだ。


「酔っちったぁ!」

⏰:07/11/11 22:36 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#147 [あぃみ]
純也はこちらを向かない。


純也の名前を呼ぼうとした。そのときだった。


「……」


声が出ない


まさる…?


振り向いたその顔を見て胸の奥が熱くなる。
そしてまた涙が流れた。この涙はなんなのだろう。
私がしがみついている腕は彼氏のまさるの腕だった。

そしてまさるはいつもの優しい笑顔で私に微笑みかけている。

⏰:07/11/11 22:42 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#148 [あぃみ]
私を安心させるぬくもり、表情、優しさ…

まさる…


「……まさるぅ。」


「うぇーん!まさるー」

私は声を出して泣き出した。


まさるが頭を「よしよし」って撫でて慰めてくれるから…


ん?
声が出た?
あれ?

⏰:07/11/11 22:46 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#149 [あぃみ]
私は誰かに肩を叩かれている。


バッと身体をおこすと目の前にはりんちゃんがいた。
横を確認すると純也がいた。


「…夢、かぁー。」


でも涙で頬は濡れている。


…声、出してた。あれは聞こえていたのだろうか。急に恥ずかしくなる私。

⏰:07/11/11 22:55 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#150 [あぃみ]
りんちゃんは笑った。


「もぉー飲みすぎー!あい、30分は寝てたよ笑」


「まじ?ごめん!笑」


純也が続いた


「てかお前化粧落ちすぎ笑」


「まじ?ごめん。」


鏡を出して顔を確認する。


すると…
二年前に見た事がある自分がいた。
まさるが事故にあった日。私は同じ顔をしていた。


私…
まさるに逢いたい。

⏰:07/11/12 00:04 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#151 [あぃみ]
居酒屋を出ると
足がない私は困った。
純也の車に乗るか、りんちゃんの車に乗るか。


自然な流れに身を任せるとりんちゃんが明るく言った。


「じゃーあい、また明日ねー!」


そして意味深な笑顔を見せて一瞬真剣な目をして頷いた。


…いや、ごめん。
そんな風に合図されても
何の意味か全然わからないよ。


そして足早に去っていった。

⏰:07/11/12 00:13 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#152 [るリ]
おも∪ろあげ♪♪

⏰:07/11/12 00:56 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#153 [*]
楽しみ〜(´∀`)

⏰:07/11/12 07:26 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#154 [あぃみ]
153さん感想板にもよかったら来てくださぃ
るりちやんども

⏰:07/11/12 11:41 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#155 [あぃみ]
続き〜

「彼女なんていらねーし」
酒でぐるぐる回る頭の中を純也のこの言葉がさらに掻き回す。

まいったなぁ〜

ため息と一緒に肩を落とした。


「いくぞ?」


純也は私の腕を引っ張り車に向かおうとした。


「お前本当細いな」


……あれ?……

⏰:07/11/12 11:55 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#156 [あぃみ]
…手。


手が…。


あったかい。


あれ?


純也?


なんで?


手をつないでる。


そういえば、
私が腕を掴んで歩く事はあっても手を繋いだのは初めてだ。


私は一気に酔いがさめた。気がした。

⏰:07/11/12 11:59 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#157 [あぃみ]
純也のほうに目をやると
ただ前を向いていた。


嬉しい。
嬉しいよ。


やっぱり純也が好きだよ。だから苦しいよ。


純也、ずるいよ。

⏰:07/11/12 12:06 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#158 [あぃみ]
車につくと、あの純也がレディーファースト。
助手席のドアを開けて私を乗せてくれた。

調子、くるっちゃうな。

無言のまま発進した車の中は音楽だけが流れていた。


かける言葉が見つからない。
私は寝たふりという逃げ道に入った。


純也は何も言わない。


車は信号なのか
ゆっくり停車した。

⏰:07/11/12 12:20 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#159 [あぃみ]
純也が咳ばらいをする。


「んっんー!」


私は起きない。


すると純也の手が私の頭に触れる。
優しく叩く。
ポンポンと…まさるのように。


私はまた目の奥が熱くなり涙がじわじわ染みてくる。


やばい。

⏰:07/11/12 12:25 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#160 [あぃみ]
純也なのか…
まさるなのか…


目をあけないとわからない。確認したい。


私はそっと目をあける。
同時に涙が頬を伝う。


するとすぐ近くに純也のどあっぷの顔があった。

⏰:07/11/12 12:28 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#161 [あぃみ]
「っへ?」


びっくりする間もなく
純也は私の涙を手ですくい、唇を…
そっと重ねた。


意味がわからない。
混乱しすぎて、苦しくて
さらに涙が流れた。


純也はまたそっと唇をはなすとくすっと笑って言った。


「お前、子供みたいだだな。」


そしてまた頭をポンポンと撫でられて、純也は運転し始めた。

⏰:07/11/12 13:33 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#162 [あぃみ]
愛を感じるのは

気のせいだろうか…


胸が締め付けられる。

⏰:07/11/12 16:30 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#163 [あぃみ]
しばらくボーってしてしまい身動きが取れないでいた。


すると純也の携帯が光る。ジューススタンドで
カタカタ…カタカタ。


いつも純也は出ない。


私は聞いた。


「なんでいつも出ないの?」

⏰:07/11/12 17:46 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#164 [あぃみ]
さっきから純也が優しいから、勇気を振り絞ることなく、すんなりと聞いた


…まだ
優しい純也でありますよーに。そんな願いもあった。


純也はビクっと動いてガバっとこちらを見た。
変な顔。


「なんだよ、お前起きてるの?もぅ酔いは平気?びびったぁー」


そして少し笑顔になって運転に戻った。


カッコイイな。
やっぱり見とれてしまう私。

⏰:07/11/12 17:53 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#165 [るリ]
あげ

⏰:07/11/13 07:12 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#166 [あぃみ]
るリちやん
ありがとう頑張る気になります

⏰:07/11/13 09:47 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#167 [あぃみ]
「って、じゃなくて、
電話出なよ?」


こちらをみることもなく、携帯に手をのばした。


…怒っているのか?
表情が見えない。


「はい」


不機嫌に出た


「あー、まぢ?おぅ、
ハハハ、お前馬鹿ぢゃん!」


次第に純也の表情は柔らかくなる

⏰:07/11/13 09:54 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#168 [あぃみ]
長い…長いよ。
出ればなんていわなきゃよかった。


声が漏れてる。
女の子のキンキン声。笑い事。甘い声。


「お前」って純也が私を呼ぶ為の言葉。
その娘にも使うんだね。


純也は私に向けてくれる笑顔を見せて話し続けた。


痛い。
逃げたい。聞きたくない。


私はなぜか鳴るはずのない携帯へ発信していた。

⏰:07/11/13 09:59 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#169 [あぃみ]
「まさる」

しかし、奇跡的に繋がった。呼び出し音をただひたすら聞いていた。なんか、それだけでも純也の声が耳に入りにくいし、安心できた。


20回くらいコールがなったのでそろそろ切ろうと思った瞬間、


プチッ


出た音がした。

⏰:07/11/13 10:06 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#170 [あぃみ]
慌てて耳に戻した。


「あいみちゃん?」


「ママ?」


それはまさるのママだった。ご無沙汰すぎて言葉が出てこない。


ママが一瞬の沈黙を破った。

⏰:07/11/13 22:02 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#171 [あぃみ]
「久しぶりだねー。」


「はい。でもなんで携帯繋がるんですか?まさるのでしょう?」


私は挨拶も忘れ、勢いよく聞いた。


ママはかすれた、か細い声でゆっくりと答えてくれた。

⏰:07/11/13 22:06 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#172 [あぃみ]
「うん。解約しようと思ったんだけど、きっとあいみちゃん、何かあったらかけてくる気がして…無理はしないでほしいの。あいみちゃんのこと、おばさん大好きだから。
自分の子供のように思えるの。
辛い想いをさせて、ごめんなさい…
まさるもいい方向に向かっているの。
だからもぅ大丈夫。
あいみちゃんから頂いたお金は、ちゃんと貯めてあるからまさるが元気になったら返しに行くね。今まで重荷になってしまってホントに申し訳なく思ってる。あいみちゃんの人生なんだから、
縛られることないのよ。
自由に生きていって。

おばさん、ずっと伝えたくて、ずっと電話待ってた。こっちからかける勇気がなくてごめんね。」

⏰:07/11/13 22:29 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#173 [あぃみ]
私は頭の中がごちゃごちゃで何も話せないでいた。結局、何も伝えられないまま電話を切った。


…重荷なんて思ったことないのに、ママは私がそう感じてるって思ってるんだ…


しばらく一点を見つめたまま考えていた。


この空間は静かだ…

⏰:07/11/14 08:52 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#174 [あぃみ]
純也が電話終わっていることを意味していた。


私は今の気持ちをひきずらないように明るく笑いかけた。


「あっ。電話終わってたんだ?」



…純也は答えない。

⏰:07/11/14 08:55 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#175 [るリ]
がんばれ

⏰:07/11/14 16:06 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#176 [*]
あげ

⏰:07/11/14 21:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#177 [あぃみ]
「お前さぁ、俺が女と電話するだけでそんな落ちるわけ?」


…やばい。
また痛い事言われそう。


「えっ違うよ」


私のか弱い否定は純也に聞こえていないかのように純也は続けた。

⏰:07/11/17 00:41 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#178 [あぃみ]
「てかさぁ、俺にだって女の一人や二人いるわけ。お前にどうこう言われる筋合いないわけ。

でも、ただの友達だよ?
今も、教習行ってたときの奴で、笑える教官の話しだっただけだし…


だから…


まぁいいや。

てか腹減った!ラーメンごちって」


坦々と話す純也。

⏰:07/11/17 00:46 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#179 [あぃみ]
だから…
その続きが聞きたかった


心配するなって言うつもりだった?


笑ってそんなふうに言えたら楽なのにね。


私は純也には弱いから
何も言えずに
今くれた言葉を噛み締めて


「いーよ。」


そう答える。

⏰:07/11/17 00:51 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#180 [るり]
(′∀`)

⏰:07/11/18 03:09 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#181 [しまじろー]
あげ(∵)

⏰:07/11/20 08:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#182 [るり]
げげ(′∀`)

⏰:07/11/20 20:54 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#183 [あぃみ]
しまじろるりちやんいつもありがとう

⏰:07/11/20 21:34 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#184 [あぃみ]
でもね、


今日は少しだけ


二人の間に生ぬるい風がふいた。



これがいつか暖かい風に変わる気がした。

⏰:07/11/20 21:38 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#185 [あぃみ]
いつもよりちょっとだけ優しい純也と
いつものようにご飯を食べて、
いつものように私が会計して
いつもより長いキスをして
いつものように別れた。



家に帰るなりりんちゃんに電話をした。
夜中で、少し眠たそうなりんちゃんは私の言葉に目が覚めたようだ。

⏰:07/11/20 21:53 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#186 [あぃみ]
「まじで?純也が優しくなったー?ふふふ」


なぜか意味深に笑うりんちゃん。


「なんで笑う?なんか逆に怖くて…」


少し落ち込みぎみの私にりんちゃんは嬉しそうに
声をはずませて答えた。


「そっかそっかぁー!」

⏰:07/11/20 21:57 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#187 [あぃみ]
「どーゆー意味?!」


一人で納得するりんちやんに少しムっとなる私。


「今日あいが飲み屋で寝てる間、純也にいろいろ言ってみたのだよ!」


「え!何言ったの?」


「ふふふ。知りたい?」

⏰:07/11/20 22:01 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#188 [あぃみ]
「んもーじれったい!いーよもう。」


りんちゃんにはいつもすぐへそまがりになる。


でもりんちゃんは
そんな私を扱い慣れている。1番の理解者。


ちょっとだけお姉ちゃんのように優しく笑って話してくれた。

⏰:07/11/20 22:24 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#189 [あぃみ]
「だってさ、純也あいに対して意味わかんないじゃん?だから言ったの。

あいのことどう思ってるか知らないけど、あいは俺の事好きとか思ってない?もっと優しい男あいのまわりにはたくさん居るんだから、あんたもたもたしてると取られるよ?って。」


「それで、純也はなんて言ったの?」


「『うるせーよ』って」

「そっかぁ。」


嬉しくてそのさきを期待した私は少しガッカリした。

⏰:07/11/20 23:06 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#190 [あぃみ]
「ちょっとあい、ガッカリするとこ?
それで優しい態度に変わったなんてかなりの脈ありだよ?」


…あっそっか。
え?純也が私を?


「そうかなぁ。なんか微妙だけどなぁ」


「ばか!あい、絶対そうだって!あいつなんだかんだであいのこと気になってしょうがないんだよ」

⏰:07/11/20 23:12 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#191 [あぃみ]
そうかな。
そうだといいな。


りんちゃんとは笑って電話を切った。


純也が振り向いてくれたらどれだけ嬉しいか。
冷たい純也もなれたけど、優しくなったらどれほど嬉しいか。


…純也の彼女。


ゆっくりと目を閉じて、いつもより暖かい気持ちをだしきめて眠りについた。

⏰:07/11/21 08:53 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#192 [あぃみ]
「おい!起きろって」


すぐ近くで声がした。


重たい目を頑張って開くとまさるが優しい笑顔で私を覗き込んでいる。


「……!」


…声が出ない。


いつものだ。

これはまた夢だってすぐにわかった。
まさるを見つめるとまさるはクスっと笑って話し出した。

⏰:07/11/21 08:58 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#193 [あぃみ]
「あいみ、もうすぐ誕生日だな。何が欲しい?
俺バイト代貯めておいたから好きなもん買ってやるよ!」


腰に手を当てて得意げなまさる。


私は…


指輪が欲しかった。
まさるが元気な頃はよくそう言っていた。

まさるは決まって
「指輪は結婚の時なっ」
って言っていたね。

⏰:07/11/21 09:03 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#194 [あぃみ]
まさるが元気だったら
今頃は結婚していたのかな?私はこんな人生歩まなかったのかな。


欲しいもの?


今私は…



『愛』が欲しいよ。



安心出来る場所が…

⏰:07/11/21 09:06 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#195 [しまじろー]
あげ(、∀`)

⏰:07/11/24 08:42 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#196 [しまじろー]
もう01回あげ(・∀・)

⏰:07/11/26 22:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#197 [極]
上げる

⏰:07/11/27 19:54 📱:W51S 🆔:☆☆☆


#198 [あぃみ]
しまじろちゃん極さん遅くなりましたすいません

⏰:07/11/29 10:38 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#199 [あぃみ]
純也には一度誕生日の事を話したことがある。
純也はいつも私の休みなど把握している。だからきっと覚えていると思う。「覚えてないだろ」なんて保険をかけながらひそかに期待している私がいた。



誕生日前日。


純也に電話をかける。

⏰:07/11/29 10:45 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#200 [あぃみ]
「もし?なに?」


不機嫌な純也。


「あ、ごめん。
明日空いてるかなって」


「明日?んーわかんね」


「そっか。じゃあもし暇だったら電話して?」


「おう。」



あれ?覚えてない?

⏰:07/11/29 10:48 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#201 [あぃみ]
そっけない態度から覚えてないことが確信できた。


自分から、
「誕生日なんだけど」なんてミジメで言えない。


一緒にいてくれたら
それだけでいいと思っていた。

⏰:07/11/29 10:54 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#202 [あぃみ]
ついに誕生日。
朝起きるとメールが八件入っていた。
友達からおめでとうメールが沢山入っている。


何度も繰り返し受信Boxを見ても、純也からのメールはない。


一件気になるアドレスがあった。登録されていないアドレス。

⏰:07/11/29 11:01 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#203 [あぃみ]
「あいみちゃん、今日誕生日だよね。昨日まさるが夢に出てきて教えてくれたよ。おめでとうって伝えろって私にしつこく言ってたよ。もう19歳になったんだね。初めて会ってから四年もたつね。おばさん、あいみちゃんが大好きよ。あなたの幸せを願っています。」


まさるママからのメール。このメールを読む時だけゆったりと時間が流れたきがする。

⏰:07/11/29 11:08 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#204 [あぃみ]
それぞれに返事を打ち、
ありがとうを伝える。


りんちゃんからもメールが来ていた。


可愛いデコメールで
「おめでとう!純也とはどうなった?てか、あいとゆっくり話がしたい。」


そんな内容だった。
普段ゆっくり話がしたいなんて言わないのに
不思議に思った。


そして、純也が私の誕生日忘れているってこと、りんちゃんに話そうと電話をかけた。

⏰:07/11/29 14:16 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#205 [あぃみ]
眠たそうなりんちゃんは、「絶対覚えてるって!サプライズで脅かすつもりなんだよ!」なんてのんきに話してくれた。


…サプライズかぁ。




携帯ばかり気にする一日はいつもの倍くらい長く感じた。
純也からの連絡はない。

⏰:07/11/29 14:20 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#206 [あぃみ]
もうすぐいつも電話してくる時間。

いつのまにかサプライズを待ち望んでいる私。


まだかなまだかなー


なんて昔のCMソングが頭をぐるぐる回り、携帯をにぎりしめていた。

サプライズって…
覚えてないふりをして、突然花束とか?
いや、今更キザ男はないだろう。

⏰:07/11/29 14:24 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#207 [あぃみ]
それか…
「付き合う?」なんて言われたり?


んー、プレゼント用意してくれていたり?


おいしい物をご馳走してくれるのかな。



私の気持ちは勝手にウキウキしている。

⏰:07/11/29 14:27 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#208 [あぃみ]
事務所の控え室で一人、鏡の前で着替えていた時だった。


なんか急に胸がしめつけられて呼吸が上手く出来ないでいた。


金縛り?
起きてるのに?


身体が動かなくなる。


声が出ない。

⏰:07/11/29 14:38 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#209 [あぃみ]
まさるだってわかった。
まさるの匂いがたしかにした。


後から私を抱きしめているような感覚。
でもすごく力強い。


苦しいよ…やめて…



まさる、もう私はまさるを好きじゃないの。


心の中で必死に訴えた。

⏰:07/11/29 14:43 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#210 [あぃみ]
さらに強い力が加わったあと、徐々にほどけ、やがてスーっとなくなった。


顔をあげた。鏡の中の私は涙で見えない。


自分の荒い呼吸だけが控え室に響いていた。


なんだったんだろう。


すると電話がなった。

⏰:07/11/29 14:47 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#211 [あぃみ]
純也だっ!


「もしもし?」


電話にでると純也はいつもより優しい声で言った


「どうした?鼻声だぞ?泣いてた?」


「ううん。平気」


私はまさるのことなんて言えなくて鼻をすすりながら答えた。

⏰:07/11/29 14:52 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#212 [あぃみ]
「俺時間あいたから遊べるけどもう終わったの?」



そして純也は迎えに来てくれた。いつもの場所で待っててくれた。



私は嬉しさを隠しきれず走って車にむかった。
お気に入りの服を着ていつもより気合いをいれてメイクヘアを整えて。

⏰:07/11/29 14:56 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#213 [あぃみ]
勢いよく助手席に乗り込み嬉しくてニタニタしていた。


純也はこちらをちらっとみると、ボソッっと小さな声で少し笑顔で言った。


「やっぱお前は綺麗なんじゃん。」


そういえば
純也と会う時はいつも夜中とかでスッピンに近いのが多かった。
綺麗って言ってもらうのは久しぶりな気がする。

⏰:07/11/29 15:16 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#214 [るり]
はげ(′∀`)

⏰:07/11/29 20:07 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#215 [あぃみ]
るりちゃんはげって笑

ありがとう

⏰:07/11/29 20:33 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#216 [あぃみ]
車はなかなか出発しない。私は純也を見る。


純也は私を見ていた。


「ん?」


少しとまどって首を傾げて見た


純也は目をそらさない。

…見つめあっているってこうゆうこと?

⏰:07/11/29 20:37 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#217 [しまじろー]
僕今日誕生日だツた

あげ(・∀・)

⏰:07/11/29 22:33 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#218 [あぃみ]
しまじろ誕生日なの?
おめでとうございますっちなみ、私のパパも今日で61歳

⏰:07/11/29 23:39 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#219 [あぃみ]
続き…


純也の目はすんでいる。
瞳がうす茶色でその瞳の上の綺麗な二重が、すんだ冷たい印象を和らげる。



吸い込まれてしまいそうだ。



「キレイ…」


思わず声になった

⏰:07/11/29 23:44 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#220 [あぃみ]
純也はたまにこの優しい笑顔を向けるんだ。


そしてそっと近づいてきて


唇がふれる。


とろけてしまいそう。
幸せ。


私だけのものになってくれたらどんなに幸せなんだろう。

⏰:07/11/29 23:47 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#221 [あぃみ]
純也、
今私のこと大好きでしょ?ねぇ そう言って?





私は
大好きだよ。




ねぇ、純也。

⏰:07/11/29 23:49 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#222 [あぃみ]
甘い時間は
すぐに終わった。


車は発車してどこかへ向かう。


「ねぇ、どこ行くの?」


運転している純也に聞いた。


「んー
腹減った!」


無邪気に可愛く答える純也。


焼き肉屋さんに着いた。

⏰:07/11/29 23:56 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#223 [あぃみ]
焼き肉…
誕生日っぽくていいな


ビールで乾杯。
気取ってなくていいね。


純也と二人。
少し酔ってきてしまった。


勢いで聞いてみた。


「ねぇ誕生日プレゼントはぁ?」

⏰:07/11/30 00:00 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#224 [あぃみ]
「はぁ?なんでだよ

あれ?あ!お前もしかして誕生日?」



泣きそうだった。
焼き肉おごってくれて


そのあとプレゼントくれて…告白して…


「覚えててくれてるんだと思った。」

⏰:07/11/30 00:03 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#225 [あぃみ]
「わりー完全に忘れてたわ!金ねぇし、
ごめんな…」


肩をポンポンと叩かれた。


「痛いよ。」


胸が痛い。


凍りついた空気。
せっかく純也と居られるのに それは嫌だった。

⏰:07/11/30 00:07 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#226 [あぃみ]
「けど前に一回言っただけだもんね!覚えてたら逆にすごいか!」


私はちゃんと笑エテイマスカ?

誕生日に会計も私がすませる。
どんだけ悲しいんだ。


「おいしかったね!」


ちゃんと笑えてイマスカ?

⏰:07/11/30 00:12 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#227 [あぃみ]
電話がなった。


まさるママからだった。


純也と居るし、出たくなかったから出なかった。



また電話がなった。


りんちゃんからメールだった。メールを開く

⏰:07/11/30 00:14 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#228 [あぃみ]
「やっほぅ!
純也から連絡きた?
あいつ忘れてんのかどーか確かめるために昼間連絡してみたんだよ。
したらちゃんと覚えてたよ今頃ラブラブかぁー!」


何ですか?
純也は知ってたって事?


するとまた電話がなった。携帯をいじっていたから瞬間的に出てしまっていた。


「もしもし?」

⏰:07/11/30 00:18 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#229 [あぃみ]
電話の相手は鼻声で泣いているようだった。


「あいみちゃん、

まさるが11時すぎに

やっと楽になったよ。

今までありがとう。

でも、まさるの事は

忘れないであげて。」


ママ?何言ってるかわからない。
11時って…私が控室でまさるを突き放した時間。

⏰:07/11/30 00:22 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#230 [あぃみ]
…ごめん。
そんなことない。まさるのことも大好きだよ。


苦しかったからとっさに思っちゃっただけ。


もう会えないの?


あれは、最後に会いに来てくれたの?


ごめんなさい。
そんなつもりじゃなくて…嫌だよ。死ぬなんて嫌だ。

⏰:07/11/30 00:26 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#231 [あぃみ]
パニック状態で
一気に涙が溢れだしてくる。
車に乗っても涙は止まらない。


純也はちらちらとこちらを見ながら車を走らせた。少し不機嫌そうな顔付きだ。


そして信号で止まると口を開いた。


「てかお前めんどくせーよ。」

⏰:07/11/30 00:32 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#232 [あぃみ]
この時初めて純也に対して強く言った。

「は?あんた誕生日だってわかってて来たんでしょ、何?あたしを馬鹿にしてんの?ふざけんなよ!誕生日に自分がご馳走するなんて初めてだよ!
しかもあんたに対しての涙じゃない!
あたし彼氏いるんだよ!
彼氏が今死んだって聞いて 突き放したのは私で、でもやっぱり好きなんだよ。もう遅いけど、彼氏はあんたなんかよりずっと思いやりがあって優しい人だった!」

泣きわめいた。

⏰:07/11/30 10:03 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#233 [あぃみ]
そんな私をみて純也はうっすらと悲しい顔で笑った。


「なんだよ、お前彼氏いたのか。知らなかった。

まぁ所詮俺はお前のこと金としてしか見てねえし、これで終わりでいいんじゃねえ?」


「金…」


一気に怒りが込み上げた。


目が血走るとはこうゆうことか。

⏰:07/11/30 10:07 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#234 [あぃみ]
「降りる!」


道路だろうと関係ない!
いますぐまさるに会いに行く。


「おま…無理だよまじ、あぶねーから!」


その言葉を聞いた後
私は勢いよく飛び出した

⏰:07/11/30 10:11 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#235 [あぃみ]




立ち止まり、一瞬だけ純也を振り返って見た。



あの透き通った目が

とびたしてきそうに

大きく瞼を開いている。



「あいみーー!!」



ずいぶん大きな声が出るんだね。

⏰:07/11/30 14:31 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#236 [あぃみ]
「パーーーン!」



純也の声をかきけした
トラックのホーン。



「キーーー!」


ブレーキの叫び声

⏰:07/11/30 14:33 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#237 [あぃみ]






赤色かな?






⏰:07/11/30 14:38 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#238 [あぃみ]






黒?
かもしれない






⏰:07/11/30 14:39 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#239 [あぃみ]





わからないみたい。





⏰:07/11/30 14:42 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#240 [あぃみ]





そんな大きな声で泣いたら
子供みたいだよ
ねぇ、純也。




⏰:07/11/30 14:44 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#241 [あぃみ]
−−−−−−−−−−−


キーンコーンカーンコーン。キーンコーンカーンコーン。


「あい、帰るぞー?」


「待ってよぉ、今行くからぁー」


自転車に飛び乗る私。


今日は私の誕生日。

⏰:07/11/30 14:48 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#242 [あぃみ]
「よっしゃー!ダッシュだぁー!」


「まさるの運転怖いよー」


「うるせー!
しっかり掴んでおけば大丈夫だって!」


急いで教会に向かう。

⏰:07/11/30 14:51 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#243 [あぃみ]
教会についた二人は
制服のまま中に入った。


まさるは、立ち止まると振り返り、向き合った状態で私の肩に手を置いた。


「あいみ、ついてきてくれてありがとう。
俺はあいみが全てだよ。もう悲しませることはない。だからこれからもずっと一緒にいてくれる?」


私は嬉しくて言葉が出なかった。

⏰:07/11/30 14:55 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#244 [あぃみ]
「お前がずっと欲しがってた指輪、高くてなかなか買えなかったけどやっとプレゼントできるよ」


まさるがはめてくれた指輪。手が震えて視界が歪んでよく見えない。
でも反射している光はなによりもキレイで…
宝物だよ。



…白色?
かもしれない。ここの色は様々な色に変化する。

⏰:07/11/30 15:00 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#245 [あぃみ]




今私、まさるとの赤ちゃんにおっぱいあげているの。



ここにはまさるとこの娘、たったの三人だけだけど
こんなに温かい気持ち。



幸せなの。

⏰:07/11/30 15:02 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#246 [あぃみ]
ねぇ純也、
ここには何も不都合なんてないよ。


今あなたは幸せなの?


ちゃんと優しさを覚えた?



私…

⏰:07/11/30 15:05 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#247 [あぃみ]
純也に会いたい。



そちらの世界を覗いてみたい。



そしてこの娘を見せたい。



ねぇ、純也…?




「end」

⏰:07/11/30 15:08 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#248 [☆]
すごいおもしろかったです
純也SIDEでも書いて欲しい

⏰:07/11/30 15:20 📱:N903i 🆔:☆☆☆


#249 [我輩は匿名である]
えっ最後なんかよくわからん。死んだの?

⏰:07/11/30 16:17 📱:P903i 🆔:☆☆☆


#250 [極]
純也Side読みたいかも咸

⏰:07/11/30 17:33 📱:W51S 🆔:☆☆☆


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