「純也」
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#100 [あぃみ]
するとまた携帯が光った。ワンコール。
まさるがいつも「ついたよ」で送るサイン。


私は半信半疑で外に出てみた。


いつもの愛車のバイクにまたがる姿。


懐かしい制服を着たまさるがそこにいた。


まさるーー!


叫ぼうとしても声が出ない。
走ってまさるに近づいた。

⏰:07/11/06 11:05 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#101 [あぃみ]
いつもそうだった。
まさるは私の気持ちをすぐに理解する

なんでもお見通しで、

なにかあるとすぐに謝りにやってくる。
「ごめんな」って。
「嫌いにならないで」って。

事故にあった夜も喧嘩していた。

たしか…

まさるが、どこに行くか言わなかったから、私がすねて……

⏰:07/11/06 11:09 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#102 [あぃみ]
まさるの元に着くと
息を切らした私に優しい笑顔で言った

「走らなくてもいーのに、ごめんな。」


私をギュッと抱き寄せてくれて頭をポンと叩く。


まさるの香り。
安心できる温もり。


私は嬉しくて涙が溢れる。心の中で何度もまさるの名前を呼んだ。

⏰:07/11/06 11:14 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#103 [あぃみ]
なんか遠くから音楽が聞こえる。
だんだん音が近くなり、
私はハッと目を覚ました。


たしかに感じたはずなのに、まさるはいない。


まさるの優しさ…


夢…だったのか?


すごく切ない気持ちになった。


私がボーっとしているのをさっきから邪魔するのはこの着信音。
着信音? …電話だ!!

⏰:07/11/06 22:21 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#104 [あぃみ]
着信元は…




「純也」




時間は…あれから、
大分たっていた。

⏰:07/11/06 22:23 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#105 [あぃみ]
私は頭がこんがらがっていて、平常心をたもってなんていられなかった


「純也!誰とどこ行ってたのよー!」


三秒後に、後悔した。


「はー?なんでそんな事俺がお前に言わなくちゃいけないわけ?うざいんですけどー!」


私はガーーっと一気に落ちた。


「……ごめん。」

⏰:07/11/06 22:29 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#106 [あぃみ]
謝る他は考えつかなかった。


「あんま調子のんなよ」


すっごい悔しいけど、
たしかに…調子に乗っていた私もいた。

純也も自分が好きだって。どこかで信じてた。


「…ごめん。」


また謝る私。

⏰:07/11/06 23:41 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#107 [あぃみ]
電話をきると、涙が一気に溢れた。

悔しいよ…
純也に優しくされたい。
まさるみたいに、あいにきて ごめんねって抱き寄せて欲しい。


女なんていないよ。
お前だけだよって…

純也を私の妄想で作りあげていたみたい。現実の純也はとても冷たい。

⏰:07/11/06 23:45 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#108 [あぃみ]
純也……


純也……



まさる、


まさる?



まさる……


まさる……

⏰:07/11/06 23:47 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#109 [あぃみ]
気付いたら朝だった。
もちろん、純也からは着信ない。

ついでに昨日のまさるの着信もない。

あるわけがないか。


いつものように支度を始めた。最近の習慣になっている純也への報告、
「行ってきます」
ってメール作ってはみたけど勇気がなくて送信できなかった。なんか気まずい…

⏰:07/11/06 23:51 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#110 [あぃみ]
お昼休みも、何度も文章作ったけど結局送れなくて、でもその日は運よく仕事が忙しく、あっというまに上がる時間になった。


私は忙しい。
2時間後には夜の顔になる。
純也の事をできるだけ考えないように、ひたすら話した。いつもよりお客とベタベタした。
私の求めているのとは違う温もり、優しさ。


こんなにもてる私。
ねぇ純也、私、こんなに優しくされるんだよ?

⏰:07/11/07 00:57 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#111 [あぃみ]
23時。
気持ちが入りきらなくて
お客からクレームを受けてしまった私は、「今日は上がっていいよ」と言われ、トボトボ歩いていた。もう、目がつねにボーっとしてしまう。


純也に電話したいけど
どう接したらいいのかわからないし、


もうすぐ家だ。
最後の角を曲がろうとしたとき、見覚えのある車が停まっていることに気がついた。


同時に携帯が鳴った。

⏰:07/11/07 01:17 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#112 [*]
あツ!更新されてる

応援してるから

頑張ツてネ(´∀`)

⏰:07/11/07 08:45 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#113 [るる]
おも∪ろLI

⏰:07/11/07 17:26 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#114 [あぃみ]
112さんるるさん
ありがとぅ一人の時しか更新できないからちょぃちょぃでごめんなさい頑張って書くので応援これからもお願いします

⏰:07/11/08 08:50 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#115 [あぃみ]
重いまぶたは一気に開いた。

純也だ!

車も純也の車。

私はとっさに車から見えないところに隠れてしまった。

私の心臓と携帯は同じリズムで鳴り続ける。


通話ボタンに指を当てて
どうしたらいいか考えた。

⏰:07/11/08 08:57 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#116 [あぃみ]
謝りに来てくれたのかな?でも、ごめんって言われても彼女じゃないしおかしいかな…
でも でも
純也のそばに行きたい。


電話にでる決意をした時、純也からの呼び出しは止まってしまった。


また私は どうしよう と考えていると今度はメールが届いた。
青いランプだから純也に間違えない。

⏰:07/11/08 09:04 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#117 [あぃみ]
「お疲れ!
仕事?何時に終わる?
俺今友達と飲んでんだけど終わったら行こうかと思って!終わったら連絡して!」


…嘘をつく意味がわかんない。強がりなのか。


車のところにむかって行って驚かせてやろうかと思ったけどそんな勇気はない。


メールに返事を打った。


「仕事だよ、もうすぐ上がる、来てくれるの…」


いや…
なんかな…

⏰:07/11/08 09:40 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#118 [あぃみ]
「今終わって帰ってるよ、まだ友達でしょ?何時くらい……」


違う。


「この前はごめんね。なんか連絡しずらくなっちゃって…」


んー。


何度も何度も打ち直した。

⏰:07/11/08 09:43 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#119 [あぃみ]
するとボタンの反応がにぶくなり、また青いランプが光った。


「やっぱやめた!
ねみぃしダルイからめんどくせー。」


私は焦った。


会えなくなっちゃう。
行かないで…

⏰:07/11/08 09:47 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#120 [るる]
あげ♪♪

⏰:07/11/08 18:00 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#121 [あぃみ]
るるさんあげありがとう

⏰:07/11/08 21:26 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#122 [あぃみ]
そんな願いも虚しく、
純也の車はランプが付き、中で純也は座り直し、
ハザードを出して、
いつの間にか見えないところまで走っていってしまった。


ほんとは逢いたかったのに…


せっかくのチャンスだったのに…


すぐそばにいたのに…

⏰:07/11/08 21:30 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#123 [あぃみ]
私は家に帰ってからも
勇気が出なくて連絡すらできないでいた。


純也は何を思っているのかな。私からの連絡待っていたりするのかな。
それともあのまままた女の所へ遊びに行ったのかな。ねぇ、純也…






気付いたら朝になっていた。

⏰:07/11/08 21:35 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#124 [あぃみ]
支度を始めようとした時、携帯が光った。


…純也?


私は慌てて電話をとった。


「………」


まただ。声が出ない。


「あ、俺だけど、昨日ごめんな。お前が仕事終わる頃に電話して迎えいこうかと思ってたのに寝ちゃったよー。起きてもお前から連絡ないから心配して電話してみた!無事ならいいんだ。よかったよー。」

⏰:07/11/08 21:41 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#125 [あぃみ]
まさるからだった。

なんか妙に安心して私はまた泣いていた。


自分の泣き声で目が覚めた。また夢をみていたんだ。


まさるは私のツボをつく。まさるが私の思いを叶えてくれる。


…たぶん、私は純也にこれを望んでるんだ。
純也に優しくされたい。

⏰:07/11/08 21:45 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#126 [あぃみ]
純也から次に連絡が来たのは夜だった。


珍しく夜のほうは休みだったのでりんちゃんと飲んでいた。


「あい、電話だよ?」


りんちゃんはトイレから戻った私に慌てて電話を渡して来た。
それにつられて私は慌てて電話に出た。


「もしー?」


「…久しぶりぃ!」


電話の向こうからは純也の甘い声。でも元気な声

⏰:07/11/08 21:50 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#127 [あぃみ]
「純也?」


一言だけ言うとりんちゃんは心配そうに私を覗き込んだ。
たった今まで純也の話しをしていたから。


純也は気まずさを感じさせないテンポで話してきた


「仕事?何時まで?俺今日そっちの方に用があるから迎え行くよ!!」

⏰:07/11/09 10:25 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#128 [*]
あげ(・∀・)

⏰:07/11/09 22:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#129 [るリ]
あげ

⏰:07/11/10 06:41 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#130 [あぃみ]
128さん毎度っありがとう

⏰:07/11/10 09:49 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#131 [あぃみ]
るりさんあげありがとうこれからもよろしくです

⏰:07/11/10 09:50 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#132 [あぃみ]
続き〜


純也は自分が私に言った事など忘れているようだった。
聞きたい事は沢山あるはずで、少しムカついてて、気まずいはずなのに、純也のペースにまた流される私。


「今日は休みでー、今りんちゃんと飲んでるよー!」


「まぢー、じゃ俺も今から行くよ?」


「えっ無理だよ。」


りんちゃんといるんだから… なんて自分勝手なんだろぅ。


「なんで無理なの?男?」


「…男はいないけどりんちゃんといるんだってば!」

⏰:07/11/10 09:58 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#133 [あぃみ]
「無理」と「なんで」のキャッチボールを繰り返していると、りんちゃんが「なんだって?」の顔で私を見た。


私はマイクに指を当てて小声で言った


「純也が来るとか言い出した」


少し驚いた表情のりんちゃん。

⏰:07/11/10 10:01 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#134 [あぃみ]
「まぢ変な奴だね、来るのは全然いいよ?あぃが大丈夫なら!」


優しいりんちゃん。


私は受話器に耳を戻した。


「おーーーい!聞いてんのかよー!電波わりぃのかぁー?」


純也は一人で大きい声を出していた。元気がありあまってる様子。


私は答えた。


「純也?りんちゃん来ていいって言ってくれたよ?」


「おう!当たり前じゃん!」

⏰:07/11/10 10:12 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#135 [あぃみ]
始めの頃はすぐに
「当たり前じやん」と言う純也に腹をたてたり、期待したりしていたけど
純也のこれは単なる口癖だった。時と場合を選ばない。


電話を切るとりんちゃんが身を乗り出して聞いてきた。


「あい?大丈夫なの?私だったら調子のんなとか言われたらまじ潰すけどね!まぁそこがあぃの優しいいいところなんだけどさ。優しすぎるのもよくないよ、使われて終わる。あぃが聞けないならあたしが純也に聞いてあげるよ!」

⏰:07/11/10 20:32 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#136 [あぃみ]
りんちゃんは私よりも興奮している様子だった。


私は、好きな人の前だと強くいられない。たくさん我慢する。

純也は特に謎だらけで、すごく知りたいのに踏み込めない。怖い。
だから…りんちゃんに頼ってもいいよね。


何を聞くかを二人でまとめた。だいたい二人とも同じ事を知りたかった。
りんちゃんには何も隠さず純也への気持ちや今まであった出来事などを話していたからよくわかってくれていた。

⏰:07/11/10 20:37 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#137 [あぃみ]
しばらくすると純也が現れた。


テーブル席で
私の隣に座り、向かいの 席にりんちゃんが座っている状態で、とりあえず一杯乾杯した。


私もりんちゃんもやっぱプロだから純也を酔わすのはあっという間


ほろ酔いで少し頬がピンク色になった純也を見て、私とりんちゃんは目を合わせた。

スタートの合図。

⏰:07/11/10 20:43 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#138 [あぃみ]
りんちゃんがグラスを置きながら話した。


「てかさー、純也とあぃみってお似合いだよねー!美男美女って感じ!
てかさ、付き合ってんだっけ?」


口は笑っていても鋭い目で純也を見てる。
見てる。見てる。


私はチラリとも純也の方を向けないでいる。

⏰:07/11/10 20:49 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#139 [るリ]
どき(^ω^)どき

⏰:07/11/10 21:13 📱:N900iS 🆔:☆☆☆


#140 [あぃみ]
るりちゃん総合板のほぅにコメントしときましたありがとう

⏰:07/11/11 11:18 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#141 [あぃみ]
純也がどんな反応を、表情をするのか 怖くて見れないでいる。


しかし純也は少しのためらいもないようすで即答した。


「は?付き合ってねーし」


チーーン。。
私の心の中で金がなる。


そしてじわじわと目が熱くなる。胸が痛くなる。


りんちゃんは私を見て慌てて 続けた。

⏰:07/11/11 11:23 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#142 [あぃみ]
「なんで?彼女いるの?」


ストレートすぎるりんちゃん。もっと遠回しに聞いて欲しかった。


そんなりんちゃんに、純也は少し溜めて答えた。


「…彼女?いねぇよ。
てか、彼女とかいらねーし」


私はとどめを刺されたかのように動けなくなる。

⏰:07/11/11 22:19 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#143 [あぃみ]
私が純也を好きな事、純也は気付いているはず。
それなのに、私がいるなんてわすれているのか、純也はのうのうと答えた。と、いうことは、
「諦めてくれ」
そうゆうことなのか?

でもきっと、私といるとき、純也は楽しいはず。
わざわざ嘘をついてまであいに来てくれる。プライドなのか?

純也は私の休みを記憶してくれる。迎えにも来てくれる。さっきだって、ここから30分以上離れた私の夜の職場の近くにいるみたいなこと言った癖に 純也はすぐに現れた。

⏰:07/11/11 22:26 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#144 [あぃみ]
なんで純也はここにいるんだ?なんで私に電話したんだ?



今、純也の一言を聞いた瞬間から私の頭はフル回転した。
今、おかれている状況を理解しようと一生懸命考えた。




でも、
すべてが謎。


わかないよ、純也。

⏰:07/11/11 22:30 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#145 [あぃみ]
訂正
わかないよ×
わからないよ〇

⏰:07/11/11 22:32 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#146 [あぃみ]
私は飲むしかなかった。
ぐいぐい飲んで
ぐいぐい飲んで。


目がまわりだした。


気がつくと
隣の肩にもたれ掛かり、うでにシッカリしがみついていた。


顔をあげて純也の顔を覗き込んだ。


「酔っちったぁ!」

⏰:07/11/11 22:36 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#147 [あぃみ]
純也はこちらを向かない。


純也の名前を呼ぼうとした。そのときだった。


「……」


声が出ない


まさる…?


振り向いたその顔を見て胸の奥が熱くなる。
そしてまた涙が流れた。この涙はなんなのだろう。
私がしがみついている腕は彼氏のまさるの腕だった。

そしてまさるはいつもの優しい笑顔で私に微笑みかけている。

⏰:07/11/11 22:42 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#148 [あぃみ]
私を安心させるぬくもり、表情、優しさ…

まさる…


「……まさるぅ。」


「うぇーん!まさるー」

私は声を出して泣き出した。


まさるが頭を「よしよし」って撫でて慰めてくれるから…


ん?
声が出た?
あれ?

⏰:07/11/11 22:46 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#149 [あぃみ]
私は誰かに肩を叩かれている。


バッと身体をおこすと目の前にはりんちゃんがいた。
横を確認すると純也がいた。


「…夢、かぁー。」


でも涙で頬は濡れている。


…声、出してた。あれは聞こえていたのだろうか。急に恥ずかしくなる私。

⏰:07/11/11 22:55 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#150 [あぃみ]
りんちゃんは笑った。


「もぉー飲みすぎー!あい、30分は寝てたよ笑」


「まじ?ごめん!笑」


純也が続いた


「てかお前化粧落ちすぎ笑」


「まじ?ごめん。」


鏡を出して顔を確認する。


すると…
二年前に見た事がある自分がいた。
まさるが事故にあった日。私は同じ顔をしていた。


私…
まさるに逢いたい。

⏰:07/11/12 00:04 📱:911SH 🆔:☆☆☆


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