「純也」
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#151 [あぃみ]
居酒屋を出ると
足がない私は困った。
純也の車に乗るか、りんちゃんの車に乗るか。
自然な流れに身を任せるとりんちゃんが明るく言った。
「じゃーあい、また明日ねー!」
そして意味深な笑顔を見せて一瞬真剣な目をして頷いた。
…いや、ごめん。
そんな風に合図されても
何の意味か全然わからないよ。
そして足早に去っていった。
:07/11/12 00:13 :911SH :☆☆☆
#152 [るリ]
おも∪ろあげ♪♪
:07/11/12 00:56 :N900iS :☆☆☆
#153 [*]
楽しみ〜(´∀`)
:07/11/12 07:26 :D902iS :☆☆☆
#154 [あぃみ]
153さん
感想板にもよかったら来てくださぃ
るりちやん
ども
:07/11/12 11:41 :911SH :☆☆☆
#155 [あぃみ]
続き〜
「彼女なんていらねーし」
酒でぐるぐる回る頭の中を純也のこの言葉がさらに掻き回す。
まいったなぁ〜
ため息と一緒に肩を落とした。
「いくぞ?」
純也は私の腕を引っ張り車に向かおうとした。
「お前本当細いな」
……あれ?……
:07/11/12 11:55 :911SH :☆☆☆
#156 [あぃみ]
…手。
手が…。
あったかい。
あれ?
純也?
なんで?
手をつないでる。
そういえば、
私が腕を掴んで歩く事はあっても手を繋いだのは初めてだ。
私は一気に酔いがさめた。気がした。
:07/11/12 11:59 :911SH :☆☆☆
#157 [あぃみ]
純也のほうに目をやると
ただ前を向いていた。
嬉しい。
嬉しいよ。
やっぱり純也が好きだよ。だから苦しいよ。
純也、ずるいよ。
:07/11/12 12:06 :911SH :☆☆☆
#158 [あぃみ]
車につくと、あの純也がレディーファースト。
助手席のドアを開けて私を乗せてくれた。
調子、くるっちゃうな。
無言のまま発進した車の中は音楽だけが流れていた。
かける言葉が見つからない。
私は寝たふりという逃げ道に入った。
純也は何も言わない。
車は信号なのか
ゆっくり停車した。
:07/11/12 12:20 :911SH :☆☆☆
#159 [あぃみ]
純也が咳ばらいをする。
「んっんー!」
私は起きない。
すると純也の手が私の頭に触れる。
優しく叩く。
ポンポンと…まさるのように。
私はまた目の奥が熱くなり涙がじわじわ染みてくる。
やばい。
:07/11/12 12:25 :911SH :☆☆☆
#160 [あぃみ]
純也なのか…
まさるなのか…
目をあけないとわからない。確認したい。
私はそっと目をあける。
同時に涙が頬を伝う。
するとすぐ近くに純也のどあっぷの顔があった。
:07/11/12 12:28 :911SH :☆☆☆
#161 [あぃみ]
「っへ?」
びっくりする間もなく
純也は私の涙を手ですくい、唇を…
そっと重ねた。
意味がわからない。
混乱しすぎて、苦しくて
さらに涙が流れた。
純也はまたそっと唇をはなすとくすっと笑って言った。
「お前、子供みたいだだな。」
そしてまた頭をポンポンと撫でられて、純也は運転し始めた。
:07/11/12 13:33 :911SH :☆☆☆
#162 [あぃみ]
愛を感じるのは
気のせいだろうか…
胸が締め付けられる。
:07/11/12 16:30 :911SH :☆☆☆
#163 [あぃみ]
しばらくボーってしてしまい身動きが取れないでいた。
すると純也の携帯が光る。ジューススタンドで
カタカタ…カタカタ。
いつも純也は出ない。
私は聞いた。
「なんでいつも出ないの?」
:07/11/12 17:46 :911SH :☆☆☆
#164 [あぃみ]
さっきから純也が優しいから、勇気を振り絞ることなく、すんなりと聞いた
…まだ
優しい純也でありますよーに。そんな願いもあった。
純也はビクっと動いてガバっとこちらを見た。
変な顔。
「なんだよ、お前起きてるの?もぅ酔いは平気?びびったぁー」
そして少し笑顔になって運転に戻った。
カッコイイな。
やっぱり見とれてしまう私。
:07/11/12 17:53 :911SH :☆☆☆
#165 [るリ]
あげ
:07/11/13 07:12 :N900iS :☆☆☆
#166 [あぃみ]
:07/11/13 09:47 :911SH :☆☆☆
#167 [あぃみ]
「って、じゃなくて、
電話出なよ?」
こちらをみることもなく、携帯に手をのばした。
…怒っているのか?
表情が見えない。
「はい」
不機嫌に出た
「あー、まぢ?おぅ、
ハハハ、お前馬鹿ぢゃん!」
次第に純也の表情は柔らかくなる
:07/11/13 09:54 :911SH :☆☆☆
#168 [あぃみ]
長い…長いよ。
出ればなんていわなきゃよかった。
声が漏れてる。
女の子のキンキン声。笑い事。甘い声。
「お前」って純也が私を呼ぶ為の言葉。
その娘にも使うんだね。
純也は私に向けてくれる笑顔を見せて話し続けた。
痛い。
逃げたい。聞きたくない。
私はなぜか鳴るはずのない携帯へ発信していた。
:07/11/13 09:59 :911SH :☆☆☆
#169 [あぃみ]
「まさる」
しかし、奇跡的に繋がった。呼び出し音をただひたすら聞いていた。なんか、それだけでも純也の声が耳に入りにくいし、安心できた。
20回くらいコールがなったのでそろそろ切ろうと思った瞬間、
プチッ
出た音がした。
:07/11/13 10:06 :911SH :☆☆☆
#170 [あぃみ]
慌てて耳に戻した。
「あいみちゃん?」
「ママ?」
それはまさるのママだった。ご無沙汰すぎて言葉が出てこない。
ママが一瞬の沈黙を破った。
:07/11/13 22:02 :911SH :☆☆☆
#171 [あぃみ]
「久しぶりだねー。」
「はい。でもなんで携帯繋がるんですか?まさるのでしょう?」
私は挨拶も忘れ、勢いよく聞いた。
ママはかすれた、か細い声でゆっくりと答えてくれた。
:07/11/13 22:06 :911SH :☆☆☆
#172 [あぃみ]
「うん。解約しようと思ったんだけど、きっとあいみちゃん、何かあったらかけてくる気がして…無理はしないでほしいの。あいみちゃんのこと、おばさん大好きだから。
自分の子供のように思えるの。
辛い想いをさせて、ごめんなさい…
まさるもいい方向に向かっているの。
だからもぅ大丈夫。
あいみちゃんから頂いたお金は、ちゃんと貯めてあるからまさるが元気になったら返しに行くね。今まで重荷になってしまってホントに申し訳なく思ってる。あいみちゃんの人生なんだから、
縛られることないのよ。
自由に生きていって。
おばさん、ずっと伝えたくて、ずっと電話待ってた。こっちからかける勇気がなくてごめんね。」
:07/11/13 22:29 :911SH :☆☆☆
#173 [あぃみ]
私は頭の中がごちゃごちゃで何も話せないでいた。結局、何も伝えられないまま電話を切った。
…重荷なんて思ったことないのに、ママは私がそう感じてるって思ってるんだ…
しばらく一点を見つめたまま考えていた。
この空間は静かだ…
:07/11/14 08:52 :911SH :☆☆☆
#174 [あぃみ]
純也が電話終わっていることを意味していた。
私は今の気持ちをひきずらないように明るく笑いかけた。
「あっ。電話終わってたんだ?」
…純也は答えない。
:07/11/14 08:55 :911SH :☆☆☆
#175 [るリ]
がんばれ
:07/11/14 16:06 :N900iS :☆☆☆
#176 [*]
あげ
:07/11/14 21:54 :D902iS :☆☆☆
#177 [あぃみ]
「お前さぁ、俺が女と電話するだけでそんな落ちるわけ?」
…やばい。
また痛い事言われそう。
「えっ違うよ」
私のか弱い否定は純也に聞こえていないかのように純也は続けた。
:07/11/17 00:41 :911SH :☆☆☆
#178 [あぃみ]
「てかさぁ、俺にだって女の一人や二人いるわけ。お前にどうこう言われる筋合いないわけ。
でも、ただの友達だよ?
今も、教習行ってたときの奴で、笑える教官の話しだっただけだし…
だから…
まぁいいや。
てか腹減った!ラーメンごちって」
坦々と話す純也。
:07/11/17 00:46 :911SH :☆☆☆
#179 [あぃみ]
だから…
その続きが聞きたかった
心配するなって言うつもりだった?
笑ってそんなふうに言えたら楽なのにね。
私は純也には弱いから
何も言えずに
今くれた言葉を噛み締めて
「いーよ。」
そう答える。
:07/11/17 00:51 :911SH :☆☆☆
#180 [るり]
:07/11/18 03:09 :N900iS :☆☆☆
#181 [しまじろー]
あげ(∵)
:07/11/20 08:54 :D902iS :☆☆☆
#182 [るり]
:07/11/20 20:54 :N900iS :☆☆☆
#183 [あぃみ]
:07/11/20 21:34 :911SH :☆☆☆
#184 [あぃみ]
でもね、
今日は少しだけ
二人の間に生ぬるい風がふいた。
これがいつか暖かい風に変わる気がした。
:07/11/20 21:38 :911SH :☆☆☆
#185 [あぃみ]
いつもよりちょっとだけ優しい純也と
いつものようにご飯を食べて、
いつものように私が会計して
いつもより長いキスをして
いつものように別れた。
家に帰るなりりんちゃんに電話をした。
夜中で、少し眠たそうなりんちゃんは私の言葉に目が覚めたようだ。
:07/11/20 21:53 :911SH :☆☆☆
#186 [あぃみ]
「まじで?純也が優しくなったー?ふふふ」
なぜか意味深に笑うりんちゃん。
「なんで笑う?なんか逆に怖くて…」
少し落ち込みぎみの私にりんちゃんは嬉しそうに
声をはずませて答えた。
「そっかそっかぁー!」
:07/11/20 21:57 :911SH :☆☆☆
#187 [あぃみ]
「どーゆー意味?!」
一人で納得するりんちやんに少しムっとなる私。
「今日あいが飲み屋で寝てる間、純也にいろいろ言ってみたのだよ!」
「え!何言ったの?」
「ふふふ。知りたい?」
:07/11/20 22:01 :911SH :☆☆☆
#188 [あぃみ]
「んもーじれったい!いーよもう。」
りんちゃんにはいつもすぐへそまがりになる。
でもりんちゃんは
そんな私を扱い慣れている。1番の理解者。
ちょっとだけお姉ちゃんのように優しく笑って話してくれた。
:07/11/20 22:24 :911SH :☆☆☆
#189 [あぃみ]
「だってさ、純也あいに対して意味わかんないじゃん?だから言ったの。
あいのことどう思ってるか知らないけど、あいは俺の事好きとか思ってない?もっと優しい男あいのまわりにはたくさん居るんだから、あんたもたもたしてると取られるよ?って。」
「それで、純也はなんて言ったの?」
「『うるせーよ』って」
「そっかぁ。」
嬉しくてそのさきを期待した私は少しガッカリした。
:07/11/20 23:06 :911SH :☆☆☆
#190 [あぃみ]
「ちょっとあい、ガッカリするとこ?
それで優しい態度に変わったなんてかなりの脈ありだよ?」
…あっそっか。
え?純也が私を?
「そうかなぁ。なんか微妙だけどなぁ」
「ばか!あい、絶対そうだって!あいつなんだかんだであいのこと気になってしょうがないんだよ」
:07/11/20 23:12 :911SH :☆☆☆
#191 [あぃみ]
そうかな。
そうだといいな。
りんちゃんとは笑って電話を切った。
純也が振り向いてくれたらどれだけ嬉しいか。
冷たい純也もなれたけど、優しくなったらどれほど嬉しいか。
…純也の彼女。
ゆっくりと目を閉じて、いつもより暖かい気持ちをだしきめて眠りについた。
:07/11/21 08:53 :911SH :☆☆☆
#192 [あぃみ]
「おい!起きろって」
すぐ近くで声がした。
重たい目を頑張って開くとまさるが優しい笑顔で私を覗き込んでいる。
「……!」
…声が出ない。
いつものだ。
これはまた夢だってすぐにわかった。
まさるを見つめるとまさるはクスっと笑って話し出した。
:07/11/21 08:58 :911SH :☆☆☆
#193 [あぃみ]
「あいみ、もうすぐ誕生日だな。何が欲しい?
俺バイト代貯めておいたから好きなもん買ってやるよ!」
腰に手を当てて得意げなまさる。
私は…
指輪が欲しかった。
まさるが元気な頃はよくそう言っていた。
まさるは決まって
「指輪は結婚の時なっ」
って言っていたね。
:07/11/21 09:03 :911SH :☆☆☆
#194 [あぃみ]
まさるが元気だったら
今頃は結婚していたのかな?私はこんな人生歩まなかったのかな。
欲しいもの?
今私は…
『愛』が欲しいよ。
安心出来る場所が…
:07/11/21 09:06 :911SH :☆☆☆
#195 [しまじろー]
あげ(
、∀`)
:07/11/24 08:42 :D902iS :☆☆☆
#196 [しまじろー]
もう01回あげ(・∀・)
:07/11/26 22:51 :D902iS :☆☆☆
#197 [極]
上げる
:07/11/27 19:54 :W51S :☆☆☆
#198 [あぃみ]
:07/11/29 10:38 :911SH :☆☆☆
#199 [あぃみ]
純也には一度誕生日の事を話したことがある。
純也はいつも私の休みなど把握している。だからきっと覚えていると思う。「覚えてないだろ」なんて保険をかけながらひそかに期待している私がいた。
誕生日前日。
純也に電話をかける。
:07/11/29 10:45 :911SH :☆☆☆
#200 [あぃみ]
「もし?なに?」
不機嫌な純也。
「あ、ごめん。
明日空いてるかなって」
「明日?んーわかんね」
「そっか。じゃあもし暇だったら電話して?」
「おう。」
あれ?覚えてない?
:07/11/29 10:48 :911SH :☆☆☆
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