○ビー玉ラバーズ○
最新 最初 全 
#231 [向日葵]
スタスタ歩く私を実砂は追いかけてきて、慌てて私を止めた。
「薫!お線香あげるだけでもしよっ?言いたい事あるの分かるけど……。」
「なんで?裏切られたのに私が惜別する訳ないじゃない。」
結局はそう言う事だったのだ。
私だけが騙されて、真実を聞けないまま勝手にいなくなられた。
涙は出なかった。
ううん。出したくなかった。出る訳もなかった。
私が泣く意味なんて、どこにも無いのだから。
:07/11/01 00:52
:SO903i
:☆☆☆
#232 [向日葵]
「じゃあね薫。」
「ウン。またメールするよ。」
実砂と別れて、私は家へ向かった。
着いてから、まるでそこら辺に遊びに行ってたように「ただいま」と言い、部屋に戻った。
着ていた制服を次の始業式の為にハンガーに綺麗にかけた。
そしてお葬式だからと思い、置いていった携帯を持ってベッドに仰向けにダイブ。
開けば2人で撮った写メの待ち受け。
しばらく黙ってみていた私は、伊月に関係あるアドレス、番号、写真を全部消した。
:07/11/01 00:56
:SO903i
:☆☆☆
#233 [向日葵]
伊月なんて人は、いなかったかのように…………。
暑い夏が始まった。
蝉はうるさい。
でも空は綺麗。
何もこんな天気の良い日にお葬式なんて…………。
「バイバイ。」
私は伊月に別れを告げた。
青い空に、入道雲が見えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その夜。夢を見た。
いや、夢かどうかも分からない。
もしかしたら現実?
:07/11/01 00:59
:SO903i
:☆☆☆
#234 [向日葵]
そこは私の部屋。
時は夜。丁度寝ている時間だ。
ベッドでいつも通り寝ていた私は、なんとなく意識が起きた。
時計を見ればまだ1時。
「薫……。」
少し視線を横にすると、そこには伊月がいた。
私が病気に伏せっているみたいに、すぐそこに座って頭を撫でている。
でも撫でられている感触は全く無い。
「い……つき……。」
……。違う違う。そうじゃない。アンタはもういないし、ここに来るのも間違ってる。
:07/11/01 01:03
:SO903i
:☆☆☆
#235 [向日葵]
未練があるの?
それなら、大事に出来なかった、あのアンタの元で泣いてたあの彼女の元に行きなさいよ。
「出ていけ。」
それだけ言うと、私の意識は彼方へ行って、気づけば朝だった。
首元に手をやってコキコキ骨を鳴らす。
結構……リアルだったなぁ……。
でも所詮夢は夢だ。
もう出てこないだろう。
ぼーっとしていると携帯が鳴った。
実砂からだ。
:07/11/01 01:07
:SO903i
:☆☆☆
#236 [向日葵]
「薫。お葬式行こう?今日は通夜だけど一目相馬君に会ってたほうがいいと思うよ?」
「いいから。もう伊月の話なんかしないで。行きたいなら実砂1人で行きなよ。」
「……知らないよ。後悔しても……。」
後悔?
なんで私が後悔なんてしなくちゃいけないの。
後悔する事なんて無い。
私は裏切られたと思う事で頭が支配されていた。
伊月の“い”の字も見たくないし聞きたくない。
もう知らない。
:07/11/01 01:11
:SO903i
:☆☆☆
#237 [向日葵]
そして次の日。
生身の伊月に会う事は出来なくなった。
伊月が火葬場へ向かったねだ。
今頃煙になって、入道雲に紛れてるのかなって、ベッドに寝転びながら空を見上げて思った。
本当のバイバイだ。
でもやっぱり私は泣かなかった。
冷たいかな。
冷たいよね。
なら聞くよ。
もし貴方の恋人が、こんな死に方をしたら、貴方達はどう思うの?
:07/11/01 01:15
:SO903i
:☆☆☆
#238 [向日葵]
―――――――……
その晩の事だった。
やっぱり夢か現実かわからない場所に私はいた。
そしてまた同じくシチュエーション。
伊月は私の頭を撫でている。
悲しそうな顔をしながら。
哀れみでそんな顔をしてるの?だったらいらないから。いちいち私の夢の中まで来ないでよ。
目を瞑って、彼方へ行く瞬間、伊月が私のおでこに唇を触れた。
それは頭を撫でているのと同じ様に感触なんかなかったけど、でも何故か分かった。
:07/11/01 01:19
:SO903i
:☆☆☆
#239 [向日葵]
「ゴメンナ……。」
確かにあれは、伊月の声だった。
目が覚めるとなんだか体がダルかった。
体をあちこちに伸ばしてスッキリさせようとしても、体の芯が重い……。
そう感じながら、私はおでこに指先を当てる。
どうしてそんな事するんだろうか。
私なんてどうでもいいんじゃないの?
私に飽きたから浮気したんでしょ?
なら何故毎晩現れるのよ……っ。
訳が分からない……。
:07/11/01 01:23
:SO903i
:☆☆☆
#240 [向日葵]
その日は珍しく雨だった。体がダルいのはそのせいかもしれない。
今日は私んちで宿題をやる日。実砂が雨の中やって来た。
傘はさしてるものの風が強いせいか実砂はあちこち濡れていた。
「タオルいる?」
「あ、ゴメン。ありがとう。」
拭きながら私の部屋に入り座る。
音楽でもかけよっかと、コンポから音を流す。
この曲いいよねーと喋りながら勉強の用意。
:07/11/01 01:28
:SO903i
:☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194