○ビー玉ラバーズ○
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#234 [向日葵]
そこは私の部屋。
時は夜。丁度寝ている時間だ。
ベッドでいつも通り寝ていた私は、なんとなく意識が起きた。
時計を見ればまだ1時。
「薫……。」
少し視線を横にすると、そこには伊月がいた。
私が病気に伏せっているみたいに、すぐそこに座って頭を撫でている。
でも撫でられている感触は全く無い。
「い……つき……。」
……。違う違う。そうじゃない。アンタはもういないし、ここに来るのも間違ってる。
:07/11/01 01:03
:SO903i
:☆☆☆
#235 [向日葵]
未練があるの?
それなら、大事に出来なかった、あのアンタの元で泣いてたあの彼女の元に行きなさいよ。
「出ていけ。」
それだけ言うと、私の意識は彼方へ行って、気づけば朝だった。
首元に手をやってコキコキ骨を鳴らす。
結構……リアルだったなぁ……。
でも所詮夢は夢だ。
もう出てこないだろう。
ぼーっとしていると携帯が鳴った。
実砂からだ。
:07/11/01 01:07
:SO903i
:☆☆☆
#236 [向日葵]
「薫。お葬式行こう?今日は通夜だけど一目相馬君に会ってたほうがいいと思うよ?」
「いいから。もう伊月の話なんかしないで。行きたいなら実砂1人で行きなよ。」
「……知らないよ。後悔しても……。」
後悔?
なんで私が後悔なんてしなくちゃいけないの。
後悔する事なんて無い。
私は裏切られたと思う事で頭が支配されていた。
伊月の“い”の字も見たくないし聞きたくない。
もう知らない。
:07/11/01 01:11
:SO903i
:☆☆☆
#237 [向日葵]
そして次の日。
生身の伊月に会う事は出来なくなった。
伊月が火葬場へ向かったねだ。
今頃煙になって、入道雲に紛れてるのかなって、ベッドに寝転びながら空を見上げて思った。
本当のバイバイだ。
でもやっぱり私は泣かなかった。
冷たいかな。
冷たいよね。
なら聞くよ。
もし貴方の恋人が、こんな死に方をしたら、貴方達はどう思うの?
:07/11/01 01:15
:SO903i
:☆☆☆
#238 [向日葵]
―――――――……
その晩の事だった。
やっぱり夢か現実かわからない場所に私はいた。
そしてまた同じくシチュエーション。
伊月は私の頭を撫でている。
悲しそうな顔をしながら。
哀れみでそんな顔をしてるの?だったらいらないから。いちいち私の夢の中まで来ないでよ。
目を瞑って、彼方へ行く瞬間、伊月が私のおでこに唇を触れた。
それは頭を撫でているのと同じ様に感触なんかなかったけど、でも何故か分かった。
:07/11/01 01:19
:SO903i
:☆☆☆
#239 [向日葵]
「ゴメンナ……。」
確かにあれは、伊月の声だった。
目が覚めるとなんだか体がダルかった。
体をあちこちに伸ばしてスッキリさせようとしても、体の芯が重い……。
そう感じながら、私はおでこに指先を当てる。
どうしてそんな事するんだろうか。
私なんてどうでもいいんじゃないの?
私に飽きたから浮気したんでしょ?
なら何故毎晩現れるのよ……っ。
訳が分からない……。
:07/11/01 01:23
:SO903i
:☆☆☆
#240 [向日葵]
その日は珍しく雨だった。体がダルいのはそのせいかもしれない。
今日は私んちで宿題をやる日。実砂が雨の中やって来た。
傘はさしてるものの風が強いせいか実砂はあちこち濡れていた。
「タオルいる?」
「あ、ゴメン。ありがとう。」
拭きながら私の部屋に入り座る。
音楽でもかけよっかと、コンポから音を流す。
この曲いいよねーと喋りながら勉強の用意。
:07/11/01 01:28
:SO903i
:☆☆☆
#241 [向日葵]
実は勉強する気なんかなかったりする。
実際に友達と勉強するのははかどらないし。
でも私達はこれでも一応受験生。
行きたい大学の合格圏内にはいるけど油断してはいけないと親からの叱咤。
こんな口実をつけない限り遊ぶなんて出来ないのだ。
「自由登校になったらバイトする?」
実砂が言った。
「私はやらないな。家でゴロゴロしときたい。」
「ハハ!薫らしい!きっと……。ハッ……。……。」
:07/11/01 01:32
:SO903i
:☆☆☆
#242 [向日葵]
その続きなら安易に想像出来る。
実砂は伊月の事を言いたいのだ。実砂はいい子だから、気を遣ってくれているらしい。
「いいよ。もう気にしてないから。私そう言うの苦手だし。」
「う……うん。」
沈んでしまった実砂に、私からワザと伊月の話題を出した。
「そういえばね、この頃毎晩夢に伊月が出てくんの。」
「現実とかじゃなくて?」
「私霊感なんかないもの。見える筈ないでしょ。」
:07/11/01 01:36
:SO903i
:☆☆☆
#243 [向日葵]
実砂は少し黙って、真剣な目で私を見つめた。
「ねぇ薫。私やっぱりおかしいと思う。相馬君はきっと薫を裏切るような人じゃないよ。薫達見てたら分かる。あの人、そんな人じゃない。」
私は見つめ返しながら何も言わなかった。
しばらくして息を吐いた。
「今更何弁護しても遅いよ。それは本当かもしれないじゃない。私や実砂が見てる伊月が伊月じゃないんだし。」
実砂は少しうつ向いて悲しそうな顔をして黙ってしまった。
その顔には「どうしてそんな事言うの?」と書いてある。
:07/11/01 01:42
:SO903i
:☆☆☆
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