○ビー玉ラバーズ○
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#269 [向日葵]
誰かいるのか……?
戸を開けると、窓側に誰か寝ていた。
あの姿は……。
そろーっと近づくと、気づいた。
橘雪女だ。
これだけ近くで見るのは初めてだ。
見れば見るほど
「綺麗だなー……橘って……。」
まつ毛長いなぁー。
肌も透き通りそうなぐらい綺麗……。
ほっぺ柔らかそうだなぁ。
ぼんやり思いながら指先でそっと顔に触れた。
:07/11/03 15:08
:SO903i
:☆☆☆
#270 [向日葵]
パチッ
「おわぁっ!」
いきなり橘が目を開けたので、驚いた俺は思いっきり飛び退いた。
橘はまだ眠いのか目をショボショボさせながら手で擦っている。
「ゴメン!別に俺、何もしてないからね!」
「別に何とも思ってないわよ。」
そう言いながら橘は帰る支度をしている。
橘の雰囲気に似てる少し水色が入った白いマフラーを巻くと、カバンを持って席を立った。
:07/11/03 15:13
:SO903i
:☆☆☆
#271 [向日葵]
「あ、ねぇっちょっと待って!1人で帰るの?」
「そうだけど?」
そうだけどって……。
こんな暗い中、ずっと1人で帰ってたのか?
「なら一緒に帰ろう?送るから!」
俺は急いでカバンを取りに向かった。
「……余計な事しない方がいいと思うわよ。」
教室に彼女の澄んだ声が小さく響く。
橘を見ると、ドアの方を見たままだった。
:07/11/03 15:17
:SO903i
:☆☆☆
#272 [向日葵]
「貴方も知ってるんでしょ?私が怒ると吹雪になるって。もし帰りに貴方が私を怒らせて吹雪いてしまったら」
「吹雪になんかならないよ。」
橘は少しびっくりしたのか、目を見開いて俺を見た。
「俺知ってるよ?吹雪なった日って、その日の天気予報大抵天気悪い事伝えてるもん。だから俺、信じてないけど?」
橘は黙ったまま俺を見つめて、しばらくするとマフラーを口元まで上げて呟いた。
「貴方……変な人。」
:07/11/03 15:22
:SO903i
:☆☆☆
#273 [向日葵]
その白い頬が、うっすら赤くなっているのに俺は気づいた。
どうやら彼女は感情表現が苦手らしい。
それがなんだか可愛く感じた。
「さ、帰ろっかっ。」
俺も上着とマフラーを巻いて、帰る準備をした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「さっみぃーなぁー。」
橘と歩きながら、雪で濡れている道を歩いた。
「ねぇねぇ。雪女って事はやっぱり生まれはここら辺なの?」
:07/11/03 15:27
:SO903i
:☆☆☆
#274 [向日葵]
「もっと北の方。ここよりも寒いわ。」
「そっかー。綺麗な名前だよな。」
そう言うと橘は無言になった。
そしてまたマフラーで口元を隠す。
照れた時に口元を隠すのが彼女の癖らしい。
それに気づいた俺はうっすら微笑んだ。
すると橘がマフラー越しに呟いた。
「貴方だって綺麗な名前じゃない。」
「俺?どこが?」
「燈立。名前の中に火が入ってる。とっても……あったかそう。」
:07/11/03 15:33
:SO903i
:☆☆☆
#275 [向日葵]
目を細めて少し笑う彼女に、俺はドキッとした。
自分の名前を誉められた事は初めてだったし、何より橘の笑顔を見るのも初めてだった。
「じゃあ俺達の名前足して2で割ったら丁度いいかもね!」
「そうかもね。」
ハァーっと、白い指先に息をかけた。
今思えば橘はこの寒いのに手袋をしていない。
「寒い?」
「少しね。」
俺は口元にある彼女の手を握る。
:07/11/03 15:37
:SO903i
:☆☆☆
#276 [向日葵]
俺の行動に彼女は目が点になった。
じっと俺の顔を見る。
「俺手袋してるし。この方があったかいでしょ?」
今度は橘の行動よりも、顔が赤くなる方が早かった。
白い肌だから余計に赤いのが分かる。
「やっぱり貴方変だわ……。」
橘にとって、“変”って意味は照れ隠しの1つで、本当は“ありがとう”って言いたいのかもしれない。
そう思うと、また俺は微笑んだ。
:07/11/03 15:42
:SO903i
:☆☆☆
#277 [向日葵]
何分か歩くと
「ここまで来たらすぐだから。どうも。」
「そっか。手袋いる?」
橘は首を振った。
繋いでいた手を離してしまうのがなんだか寂しかった。繋いでいる手を俺はただじっと見つめる。
「……。離してもらってもいいかしら……?」
「ハッ!あ、ゴメン!!じゃあまた明日な!」
「ウン。じゃあ。」
そう言ってサラサラの紙をフワッとなびかせて彼女は帰って行ってしまった。
:07/11/03 16:15
:SO903i
:☆☆☆
#278 [向日葵]
やっぱり“雪女説”は嘘だったんだ。そりゃ本当だったら驚いてしまうけど、世界って広いからなぁ。
「橘かぁ……。」
意外と不器用でそんでもって優しい子みたいだな……。勘違いされてるのが可哀想なくらい……。
しばらく俺は橘と別れた場所で橘についてを考えてから家へ帰った。
帰ると7時半を回っていて、やっぱり母ちゃんにはゲンコツをくらったけど、痛かった反面、橘にこの話したら笑ってくれるかなとか考えていた。
:07/11/03 16:22
:SO903i
:☆☆☆
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