○ビー玉ラバーズ○
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#322 [向日葵]
「あ、ゴメン。私行きたいトコ……そうだ。肇も一緒に行かない?」
肇は何が何だか分からないようだったけど「ウン」と言って一緒についてきた。
「あ、碧っ。」
教室を出るとすぐに呼び止められた。
元カレ。もとい、浮気男の長田。
「あ、のさ!昨日は……ゴメン。」
「もういいから。昨日の彼女とお幸せに。」
今頃何言っても遅い。ってかアンタに未練なんかない。
:07/11/08 12:29
:SO903i
:☆☆☆
#323 [向日葵]
私は肇の手を引っ張って走って行った。
後ろで長田が何回も私を呼んだけど、私はもう長田なんて眼中になかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ん?駅前に来てなんかするの?」
人が行き交うのを避けながらキョロキョロしてる私に肇が聞いた。
「違うの?確かこの辺だったんだけどなぁ……。」
人混みがさっと切れた時、その人はいた。
「あ!」
私はまた肇の手を引いて、あのお兄さんがいる場所に行った。
:07/11/08 12:32
:SO903i
:☆☆☆
#324 [向日葵]
――――――

――――――
キリます(。・ω・。)
>>283に感想板がありますんで良ければ感想お願いします

:07/11/08 12:34
:SO903i
:☆☆☆
#325 [向日葵]
お兄さんは丁度準備してる所で、ギターを肩にかけていた。
「お兄さん!」
私の声に気づいたお兄さんは準備する手を止めて私の方を向いた。
「こんにちはっ。私のこと覚えます?」
「……誰?」
……昨日の今日なのにもう忘れるだなんて、早いよお兄さん……。
シュンとうなだれていると、クククと声が聞こえた。
「嘘嘘っ。覚えるから。碧ちゃん。」
:07/11/10 16:36
:SO903i
:☆☆☆
#326 [向日葵]
私の顔が笑っていくのを自覚した。
良かった。覚えてもらって。
「今日はお友達と一緒?」
「うん!肇って言うの!」
お兄さんは肇に向かってにっこりと笑うと、ギターの調子を確かめ為か小さく音を鳴らした。
「ウン。今日もいい音。」
まるでギターが恋人かのようにお兄さんは優しく柔らかく笑った。
:07/11/10 16:40
:SO903i
:☆☆☆
#327 [向日葵]
お兄さんの恋人がうらやましい……。
こんな素敵な歌を毎日側で聞いていられるんだもん。
「では初めてのお客さんの肇ちゃん。なんかリクエストありますか?」
お兄さんはにっこり笑って肇に聞いた。
肇はリクエストが出来る嬉しさに目を輝かせていた。
「私、恋の歌がいいな!」
「かしこまりました。」
ギターを鳴らし始めるお兄さん。
恋の歌はバラードのようで、優しく、そしてどこか切ないメロディーだった。
:07/11/10 16:44
:SO903i
:☆☆☆
#328 [向日葵]
<恋を失ってしまった僕を切なげに空が包みこむ。>
そんな歌詞が、なんとなく耳に残った。
お兄さんが作っただろう歌詞は、どこか現実味に溢れていて、もしかしたら実体験をもとにしてるのかなと聞きながら思った。
最初は昨日の私みたいにお兄さんの声に驚いていた肇だったけど、やがてその声、その歌詞に感動してウルウルしていた。
また昨日みたいに、歩いていた人達の足が止まっていく……。
皆、お兄さんの声の引力に惹き付けられて……。
:07/11/10 16:49
:SO903i
:☆☆☆
#329 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「――……り。碧ったら!」
私はハッとした。
いつの間にかぼーっとつっ立っていた。
目の前には、様子がおかしい私を心配そうに見ている肇と、そんな私が面白いのかにこにこ笑いながらギターを片付けるお兄さん。
「あ……ゴメン……。」
「そんなに俺の歌良かった?」
「そ!そんなんじゃないっ!!」
図星だったので思わず否定してしまった。
本当はそうだった。
時間を忘れてしまうようなお兄さんの歌……。
:07/11/10 16:53
:SO903i
:☆☆☆
#330 [向日葵]
でもお兄さんはそんな失礼な態度をとった私ににこにこ笑うだけだった。
「またおいで。」
そう言って頭をグシャグシャ撫でてくれた。
それからと言うもの、「また」ではなく時間の許す限り私は毎日毎日お兄さんに会いに行った。
そんな私をウザがりもせず、お兄さんはやっぱり笑って「なんかリクエストある?」とギターを一鳴らしするのだ。
私はいつも「なんでも。」と言う。
だって聞いてみたいから。
:07/11/10 16:58
:SO903i
:☆☆☆
#331 [向日葵]
優しい曲のお兄さんの歌。
激しく、だけど楽しそうなお兄さんの歌。
寂しく切ないお兄さんの歌。
全て歌い終わった後で、私はやっぱりぼんやりしてしまう。
「クスクス。大丈夫?」
「だ、大丈夫だよっ!」
いつも乱暴に言ってしまう。カワイイ女の子ならここで一言感想を言うんだろうなぁ。
「ハハハ。じゃあ、また明日ね。」
いつからか、お兄さんとの別れの挨拶は「また」ではなく、「明日」になった。
:07/11/10 17:02
:SO903i
:☆☆☆
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