○ビー玉ラバーズ○
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#569 [向日葵]
「君?」
呼ばれる方に、私は見た。
声をかけたのは警察官だった。
「ずっとここにいるけど何をしてるの?誰か待ってるの?それとも今から塾か何か?」
「母さん……来ない……。」
「家はどこかな?送ってあげよう。」
住所を教えると、警察官は私と手を繋いで家へと向かった。
その手の温かさは、今でも覚えている。
:07/12/09 02:01
:SO903i
:☆☆☆
#570 [向日葵]
家に帰ると、灯りがともっていた。
え……。
母さん……?
警察官がチャイムを鳴らすと、愛想良く母さんが出てきた。
「お宅の娘さんですよね?駅前でずっといましたよ?」
母さんは私をじっと見つめる。
そして悲しそうに笑った。
私はその顔を見ていち早く気付いた。
騙されたのだと。
:07/12/09 02:06
:SO903i
:☆☆☆
#571 [向日葵]
「すいませんお巡りさん……。この子精神状態がよくなくて、よく出歩くんですよ……。」
母さんが警察官に話してる間、全て私は把握出来た。
これも虐待の1つ。
希望を抱かせて一気に奈落の底へ突き落とす。
その絶望的な私に、母さんはまた一興する。
その証拠に、悲しそうな笑みは、私を哀れんでじゃない。
面白くてたまらないといった、ほくそ笑み……。
警察官との会話が終り、母さんは私の腕を引っ張ると、壁に私を叩きつけて一言。
:07/12/09 02:11
:SO903i
:☆☆☆
#572 [向日葵]
「バーカ。」
高らかに笑いながら、夜の暴力が始まる……。
――――
――――――……
「……っっ!」
寒さじゃない寒気が、私の体を駆け巡る。
両腕を強く抱いて、私はその場に座りこんだ。
当時の事を思い出すのはすごく辛い……。
自分の無力さを思い知らされ、あの鈍い痛みが、体に流れる。
私は少し息を乱した。
口からは白くなった吐息が漏れる。
:07/12/09 02:16
:SO903i
:☆☆☆
#573 [向日葵]
――――――

――――――
今日はここまでです(。・ω・。)
>>283に感想板がありますんで、よければ感想お願いします


:07/12/09 02:17
:SO903i
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#574 [向日葵]
「ただいまー。」
静流が帰ってきた。
私は振り向いて、「おかえり」の一言も言えないでいた。
それはケンカした気まずさとかじゃなくて……。
「おかえり。ちょっと今から出かけるからお留守番お願いしますね。」
「ハイヨー。」
そう言って、源さんは階段を降りて行った。
リビングに沈黙が流れる。
思い出の恐怖は、まだ私の心臓を休ませてはくれない。
:07/12/09 13:18
:SO903i
:☆☆☆
#575 [向日葵]
「紅葉……寒いから中入れ。」
静流の声は落ち着いていた。
まだ怒ってると思ってたから、口はその内聞くだろうと思って。
でも、反抗心からでなく、ただ単にその場から動けない私は、結果的に静流の言葉を無視して震えてるだけだった。
キシッとフローリングが軋んだ。
静流が近づいてくる気配を感じる。
体育座りしている足を包んでいる私の腕を見つめていた私の視界に、静流の手が出現する。
:07/12/09 13:23
:SO903i
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#576 [向日葵]
そしてそのまま私をギュッと抱き締めた。
静流の体温が、冷えた体に心地いい。
「どうかした?まだ怒ってんの?」
優しく私に声をかける静流。
私は首を振って否定した。
「じゃあどうしたのさ。」
私は静流に向き直って、一瞬見つめてから静流の胸に抱きついた。
静流も優しく包んでくれる。
「私は……イルミネーションが恐いの……。」
:07/12/09 13:28
:SO903i
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#577 [向日葵]
話を聞いてるだけだと、「何言ってんだコイツ」と反応されるだろう。
でも静流は、静かに「うん。」と言って、話の先を促す。
「だから静流と出かけるのが嫌なんじゃない。私の問題だから……だから……。」
言葉が途切れると、静流はゆっくり頭を撫でてくれた。
「分かったから。……大丈夫だよ。」
静流から離れて、顔を覗くと、理解ある顔で、優しく微笑んでくれていた。
無意識に、何故かホッとする。
:07/12/11 11:06
:SO903i
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#578 [向日葵]
「辛いのに話してくれてありがとう。」
静流の掌が、私の頬を包む。外気で冷えた私の頬に、静流の掌はとても温かく感じた。
「出かけるのだったら別にいいの。まぁどちらにしても、静流はクリスマスは香月さんに監禁状態だとは思うけどね。」
静流はパチパチと瞬きした。
「なんでそんな事分かるの?」
「香月さんから謝罪メールが来たの。」
静流は「なるほど。」と呟く。
:07/12/11 11:11
:SO903i
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