○ビー玉ラバーズ○
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#1 [向日葵]
ビー玉って様々な色があるでしょ?
恋愛も同じ。
様々な恋模様がある。
そんな恋人達のあるお話……。
○ビー玉ラバーズ○
:07/10/12 23:36
:SO903i
:☆☆☆
#2 [向日葵]
ビー玉1*甘い煙
新入生である私達と一緒に転任してきた先生は、それは格好良くて皆の憧れの的だった。
私もその中の一人だけど、一つ違うこと。
それは、先生の彼女が、私、大原 初音(17)である。
:07/10/12 23:42
:SO903i
:☆☆☆
#3 [向日葵]
なんのヘンテツもない私は、どちらかと言うと地味で大人しめだ。
そんな私が、何故か先生にある日告白されてしまった。
「大原……付き合わねぇ?」
保健医だった彼は、放課後私を保健室に呼び出しこう告げた。
一瞬何を言われたかさっぱりだった私は、先生がつけていたタバコの煙で覚醒した。
先生の事は大好きだったから私はコクンと頷くだけで精一杯だった。
そんな私の赤い顔を見て、先生は微笑みながら煙を吐いた。
:07/10/12 23:50
:SO903i
:☆☆☆
#4 [向日葵]
その煙には、媚薬が入っていたかもしれない……。
**********************
「先生ー……?」
今日も密会の場所、保健室に私は足を踏み入れる。
「矢田先生ー……?」
言い忘れてたけど、彼の名は矢田光弥(やだみつや)です。
保健室を見渡すも、先生はいない。
いつもなら自分専用のデスクに座ってタバコを吸っているんだけど……。
ギシッ
ベッドのスプリングの音が聞こえた。
:07/10/12 23:54
:SO903i
:☆☆☆
#5 [向日葵]
「先生?」
ひょこんと顔を出すと、先生はベッドに横たわっていた。
どうやら寝てるみたい。よっぽど疲れてるのかな……?
そっと手を出して、先生の肩を叩く。
「先生?大原です。来ましたよ?」
「……ん?あぁスマン……。」
のっそりと起き上がった先生は、いつも以上にネクタイを緩めていて綺麗に型どられた鎖骨が見えていた。
:07/10/12 23:58
:SO903i
:☆☆☆
#6 [向日葵]
私はそれを見るなり顔を真っ赤にしてしまい、回れ右をする。
先生のフッて笑う声が聞こえたかと思うと、横を通り過ぎながら
「エッチ。」
と言われた。
「せっ、先生が悪いんじゃないですか!先生なんだから身なりは整えて下さいよっ。」
「クス。ハイハイ。」
先生は涼しい顔で笑いながらネクタイを縛り直した。
「今日も怪我しなかった?」
:07/10/13 00:04
:SO903i
:☆☆☆
#7 [向日葵]
デスクにもたれて、タバコに火をつけながら先生は私に聞いた。
私はと言うと、先生の行動に見とれていて、先生の言った事を聞いてなかった。
煙が……私の所まで漂ってくる。
普通なら、煙たい!っとか言って手で払い退けたりするんだけど、先生のタバコの匂いは好きだった。
「大原?」
呼ばれてハッとした。
タバコを片手に首を傾げる先生を見て、私は混乱した。
「えと、……何ですか?」
:07/10/13 00:08
:SO903i
:☆☆☆
#8 [向日葵]
「だから、怪我しなかった?」
「ハイ!ってか、怪我したら先生のトコに来ますよ!」
「そうか。」
クスッと笑って、先生はタバコを加えた。
素敵だなぁ……。
うっすら微笑みながら先生を見ると、先生と目があった。
先生は優しい眼差しで微笑む。
「何?」
「いえ。何でもっ!」
:07/10/13 00:11
:SO903i
:☆☆☆
#9 [向日葵]
――――……
「デートとかしないの?」
友達の弥生(やよい:通称やよちゃん)ちゃんが言った。
「デートなんてっ!」
やよちゃんは私と先生の関係を唯一知ってる人で、困った時にはいつも応援してくれる私の自慢の友達。
「休みとかにこっそり行けばいいのに。車持ってんでしょ?あの人。」
先生のイメージピッタリの黒い車。
私はいつも先生に送ってもらってる。
:07/10/13 00:16
:SO903i
:☆☆☆
#10 [向日葵]
「でも、どこか遠くに行ったとしても誰かに会いでもしたら……。」
「警戒しすぎだよ。……いっそ泊まりにでも行ったら?」
ゴンッ!!
目の前にあった柱に激突。
泊まりって……!
私は17年間、彼氏なんて出来た事なんてないのに……いきなりそんな……っ!
「初音。冗談だから…。そんな真っ赤にならなくても……。」
:07/10/13 00:25
:SO903i
:☆☆☆
#11 [向日葵]
:07/10/13 00:27
:SO903i
:☆☆☆
#12 [向日葵]
赤くもなりたくなる。
先生と私は、実は……キスすらまだなのだ。
私を子供扱いしてるのか、ほっぺくらいにはするけど、決して唇にはしようとしない。
でも唇に触れられてしまったら、きっと私は溶けてなくなってしまいそう。
「やよちゃん!そんな事嘘でも言わないでぇっ!」
頭がパンクしそうになって、思わず半泣きになった。
*********************
「あ、大原。」
「はい?」
担任に呼ばれて私は振り向いた。
:07/10/13 09:55
:SO903i
:☆☆☆
#13 [向日葵]
「お前保健委員だろ?保健だよりを保健室まで取りに行ってくれない?」
「はい。」
きっと私の顔ニヤけてる。だって先生に会えちゃうから……。
少し足取りを軽くして歩いていたら、いつの間にか保健室前にいた。
ノックを2回してからドアを開ける。
「失礼します。」
「もう辞めてくんない?」
「え?」
とりあえずドアを閉めて、先生の様子を伺った。
:07/10/13 10:00
:SO903i
:☆☆☆
#14 [向日葵]
よく見れば携帯で何か喋ってるみたい。
先生は苛立たし気にタバコに火をつけて、煙を吸った。
私は保健だよりをもらわなければならないので、部屋にある長椅子に腰をかけた。
そういえばよく考えてみれば、常に清潔でいなければならない保健室でタバコを吸うのはどうなんだろうか……。
しばらくして、先生は電話を終えた。
「よぅ。待たせたな。悪い。」
「いえ。保健だより取りに来ました。」
:07/10/13 10:07
:SO903i
:☆☆☆
#15 [向日葵]
「おう。ちょっと待って。」
加えタバコで、先生は枚数を数えながら保健だよりを準備する。
「ねぇ先生。」
「うん?」
「保健室でタバコなんて吸っていいんですか?」
先生はハハハ!と笑うと灰皿にタバコを置いた。
そして紙の束を私に渡す。
「ま、換気すりゃあどうにでもなるってなもんだ。」
喋る度、先生が動く度、タバコの匂いが私の鼻をくすぐる。大人の匂いに、私は少し酔いしれた。
:07/10/13 10:11
:SO903i
:☆☆☆
#16 [向日葵]
「―原。大原っ。」
「あ、ごめんなさい。なんですか?」
「今日も来んだろ?放課後。そん時に話したい事あるからよ。」
「あ、ハイ。じゃ、失礼しました。」
と言ってドアを開けようとしたら、司会に大きな手が入ってきた。
「ん?」と思うと
「大原。」
「ハイ?」
振り向くと同時に、先生の唇がおでこに触れた。
:07/10/13 10:15
:SO903i
:☆☆☆
#17 [向日葵]
一瞬でボッ!と熱をもつ私の顔。
先生はクスクス笑って頭を一撫ですると「あとでな。」と言ってドアを開けてくれた。
ギクシャクしながら保健室を出ると、後ろでドアが閉まる音がした。
先生は大人すぎて、いつも私はドキドキしっぱなしだ。
先生は……私にドキドキしたりすることあるのかな?
私に魅力感じてくれてるのかな……?
保健だよりを教室まで持っていって、午後の授業が始まった。
:07/10/13 10:20
:SO903i
:☆☆☆
#18 [向日葵]
そわそわしながら放課後になるのが待ち遠しかった。ロクに授業も聞かず(駄目だけど……)、先生に会って、あの笑顔を見る事を想像する。
話を少し遡れば、先生と初めて言葉を交したのは1年の春だった。
――――
――――――――……
委員会なんて入るつもりがなかった私は、ジャンケンで負けて渋々保健委員になった。
なったその日、しょっぱなから委員会があると言われ、私は先生がいる保健室へ向かった。
「失礼……しまーす……。」
:07/10/13 10:27
:SO903i
:☆☆☆
#19 [向日葵]
「ん?何だ1年。」
そこには今と変わらず、自分のデスクでタバコを吸いながら仕事をしている先生がいた。
「え?あの、委員会があるって聞いたので……。」
とドアを閉めながら私が答えると、先生が「は?」と言った。
「保健委員は何もないぞ?ちゃんと委員プリント見たか?」
「え?!うそ!そんな……やよちゃん帰っちゃったのに……。」
私はしょんぼりして、先生に分かりましたと一礼して部屋を出て行こうとした。
:07/10/13 10:31
:SO903i
:☆☆☆
#20 [向日葵]
「なぁお前。」
「え?ハイ。」
「名前は?」
「え、お、大原……初音です。1年、4組……。」
先生は灰を灰皿に落として、私に微笑んだ。
当然私の胸はドキッと高鳴る。
「しっかり伝えてなくて悪かったな。送ってやるから仕事手伝ってくれないか?」
私は嬉しくなって、笑顔でハイと答えてしまった。
私の返事に、先生はまた微笑んでくれた。
:07/10/13 10:45
:SO903i
:☆☆☆
#21 [向日葵]
それから2ヶ月くらいが経った時だった。
私は先生から呼び出しをくらった。
「失礼します。」
「おー。入れ入れ。」
あれ?珍しい。今日はタバコ吸ってないんだ。
先生はヘビースモーカーらしく、タバコを吸ってない姿は初めてみた。
デスクにもたれた先生は、じっと貫くぐらい鋭い目つきで私を見つめた。
その目に、私の足は床にくっついて離れなくなった。
:07/10/13 10:59
:SO903i
:☆☆☆
#22 [向日葵]
:07/10/13 11:01
:SO903i
:☆☆☆
#23 [向日葵]
「大原……付き合わねぇ?」
―――――
――――――……
あー私って幸せ者だなぁ。なんて思いながら、放課後になったので保健室へ行く。
ガラガラ
「失礼し……っ。」
思わず言葉を飲み込む。
何故かって?
先生の機嫌が何故か最高潮に悪いからだ。
灰皿には山盛りになったタバコがそれを物語る。
「おー…。気にすんな。別にお前に対して怒ってんじゃねえからよー……。」
:07/10/13 22:38
:SO903i
:☆☆☆
#24 [向日葵]
「は、はぁ……。」
例え原因が私でなくてもなんだか気が引けた。
「さてと。」
先生はそう言いながら座ったまま椅子をクルリと回して私の方を向いた。
「今度の日曜、出かけようか。」
「えっ?」
唐突な事に私はすっとんきょんな声を出してしまった。
「出かけようっつってんの。OK?」
「いいですけど……どうして?」
:07/10/13 22:42
:SO903i
:☆☆☆
#25 [向日葵]
「ま、別にいいか。お前の友達に言われたんだよ。たまにはどこか連れて行ってやれって。」
「やよちゃんが……。」
先生は立ち上がって私に近づくと私の頭を撫でながら目線を合わせた。
「ゴメンナ。長い間どこにも連れて行ってやれなくて。」
申し訳なさそうな顔をする先生に、その心遣いが嬉しくて笑顔で首を振る。
「私全然何とも思ってませんよ。でもどこかに行けるのは、先生と1日一緒にいれるのは嬉しいです!」
:07/10/13 22:51
:SO903i
:☆☆☆
#26 [向日葵]
すると先生はにこぉっと笑って自分の胸に私を寄せた。
触れた瞬間先生が着ていた白衣からタバコの匂いがした。
私も遠慮がちに先生に腕をまわした。
本当に幸せで、大切にしてもらってるのが分かった。
でも、荒波は徐々に近づいていた。
私はそれに、まだ気づかずにいた。
――――――……
「明日何着ていけばいいかなっ?」
:07/10/13 22:55
:SO903i
:☆☆☆
#27 [向日葵]
※訂正
初音「明日〜」 ×
「明後日」 ○
----------------------
明後日なのに、私の頭の中は初デートの事で頭が一杯だった。
そのせいで今日は先生に怒られてばっかりだったけど……でもそんなのへっちゃら!
「あまり顔緩みっぱなしになっちゃうと周りにバレちゃうよ?」
やよちゃんの言葉にハッとして、手で顔をグニグニしてしゃっきらさせるけど、やっぱりヘニャアとしてしまった。
:07/10/13 23:01
:SO903i
:☆☆☆
#28 [向日葵]
「駄目みたいね……。」
と苦笑いでやよちゃんに言われた。
ザワザワザワ
「「ん?」」
やよちゃんと顔を見合わせて、なんだか騒がしい事に気づく。
主に騒いでるのは男子だ。
その視線の先には……
「わぁ……。」
校門に、何だかまごまごしている綺麗なそれでいて可愛い女の人がいた。
女の人は私と目が合うとニコッと微笑んだ。
私は微笑まれてドキッとする。
:07/10/13 23:07
:SO903i
:☆☆☆
#29 [向日葵]
女の人は私に駆け寄って来た。
私はいきなり美人に駆け寄られて半ばパニックになっていた。
「こんにちは……。私、平塚麻(ひらつかあさ)って言います。」
「え?あっ!こんにちは!大原初音ですっ。」
「えと、矢田光弥って人ここにいるかな?」
遠慮がちにかきあげられた髪の毛から、とてもいい香りが私の鼻まで伝わってきた。
あぁ。この人も大人なんだぁ……。
:07/10/13 23:13
:SO903i
:☆☆☆
#30 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あ、ここです。保健医なんですよ先生。」
麻さんはまた綺麗に微笑んで頷いた。
どうやら知ってるみたい。
ガラガラ
開けた途端タバコの匂いがした。先生がいる証拠だ。
「失礼します。先生?お客さんです。」
「客?一体誰……。」
「……こんにちは。」
私は何回か2人を交互に見た。
そして何回かに分かってしまった。悟ってしまった。
:07/10/13 23:17
:SO903i
:☆☆☆
#31 [向日葵]
先生の驚いた顔。
麻さんの嬉しそうな顔。
私は静かに保健室から出て行った。
あの2人は…………元恋人だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日は日直だったから、教室に残って残りの日誌事項を書いた。
やよちゃんは陸上部に入っているので部活へ行ってしまった。
私はシャーペンの先を見ながら頭がパンクしそうなぐらい色々考えていた。
先生はまだ、あの人が……。あの人は私と先生が付き合ってる事知ってるのかな……。
:07/10/13 23:23
:SO903i
:☆☆☆
#32 [向日葵]
「ハァ……。」
ライバル関係になってしまうのなら……私勝つ自信なんてない。
相手は騒がれるほど綺麗で、いい匂いがして……。
試しに自分の毛先に鼻を近付けた。
シャンプーの匂いが微かにするけど、人の鼻に届く程の効力は無さそう……。
シャーペンを置いて、机に伏せる。
少し傾いた西日が眩しい。
私がいなくなった後、2人はどんな話をしたんだろう……。
もしかして……より戻したなんて無いよね……?
:07/10/13 23:28
:SO903i
:☆☆☆
#33 [向日葵]
「コーッラ。」
「へ?」
体を起こすと、側には先生がいた。
「何で今日は来ないの?」
「あ……日誌を書いてて……。」
先生はスルリと日誌を取ると、勝手に書きだした。
「なら早く書いて、いつもみたいに来いよな。寂しいだろ。」
「……っハイ。」
先生が、寂しいと言ってくれた。
わざわざ私のクラスまで来てくれた。
それが何より私は嬉しかった。
:07/10/13 23:34
:SO903i
:☆☆☆
#34 [向日葵]
「よし。じゃあ帰るか。」
「ハイ!」
そして私達はいつも通り家路を急いだ。
********************
来たる日曜は快晴!
見事なデート日和です!
先生と待ち合わせする場所は、知り合いがいなさそうな駅が5つ向こうの花壇。
大きな時計もあって、行くと私の様に待ち合わせしてる人が一杯だった。
思わず観察してしまう。
:07/10/13 23:38
:SO903i
:☆☆☆
#35 [向日葵]
あの人は誰と待ち合わせしてるのかな?
あの人は彼女からメールが来たのかな?
あ!初々しい可愛いカップル!私も今日が初デートですよぉっ!
自分が幸せだと、人も幸せに見えてしまう。
待ち合わせの時間が迫る度、私の心はワクワクした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あ、あれ……?
待ち合わせ……11時だったよね?
時計を見上げると、11時10分になろうとしていた。
10分くらい!と私は周りを観察しながら、先生を待ち続けた。
:07/10/13 23:43
:SO903i
:☆☆☆
#36 [向日葵]
15分……25分……40分……。
流石に遅すがると思い、電話をかけてみる事にした。
{……もしもし。}
「?!」
女の人?!それも……この声……麻さん……?
私は素早く何故か電話を切った。
「せ……先生……?」
どうして麻さんが?
……ううん。落ち着こう。何かがあったのかもしれない。
とりあえず、改札に行って先生をいち早く見れる様に待ってみよう。
:07/10/13 23:49
:SO903i
:☆☆☆
#37 [向日葵]
>>22に感想板を掲載してますんで、良ければ感想よろしくお願いします


:07/10/14 00:26
:SO903i
:☆☆☆
#38 [向日葵]
電車は来るも、先生は来なくて、不安が私を何度も押し潰しそうになった。
その時だった。
「……!」
先生が、エスカレーターから降りてくるのが見えた。
私の顔が、ほころんでいくのが分かる。麻さんとは、やっぱり何も無かったんだ。
「先……っ。」
手を、大きく振り上げた時だった。
人混みをかきわけて、麻さんが後ろから追ってくるのが見えた。
:07/10/16 23:48
:SO903i
:☆☆☆
#39 [向日葵]
少し振り上げたやり場のない手は、静かに下げられた。
不思議な感じ……。
これだけ人がいるのに、先生と麻さんがやけにはっきり見える。
ガヤガヤうるさい人混みの雑音と距離のせいで、エスカレーターを降りて何か言い合ってる2人の会話は聞こえない。
だから、私は直ぐに待ち合わせ場所へ戻れば良かった。
何も知らない、何も見てないかの様に……。
そうすれば……
2人のキスシーンなんて見なくて良かった……。
:07/10/16 23:52
:SO903i
:☆☆☆
#40 [向日葵]
あまりにドラマチックなシュチュエーション。
人混みの中、まるで別れを惜しむ男女。
人はそんな2人を赤い顔をして見つめる。
ねぇ先生……。
私にキスしてくれなかったのは、麻さんを忘れられなかったから?
私が子供だったから?
私は……私みたいな子供は……あの煙すら吸えない子供は……大人の貴方にとって、只の玩具でしたか……?
先生……。
先生……。
:07/10/16 23:56
:SO903i
:☆☆☆
#41 [向日葵]
――――
――――――……
学校がこれだけ億劫な事はなかった。
足が重いとは正にこの事。
ゆっくりした速度で靴を履き替える。
「……ん?」
上靴の上に紙切れ。2つにたたんである。
中を開いた。
<放課後。保健室に来る様に。矢田>
そっか……。私昨日結局すっぽかした事になるんだ。
:07/10/16 23:59
:SO903i
:☆☆☆
#42 [向日葵]
ううん違う。
私恐くて逃げた。
だってきっと先生からは別れの言葉が出てくるだろうから……。
傷つくのが恐くて……私逃げたんだ。
折り畳んであった紙切れを、手のひらで潰して、靴箱近くのゴミ箱に捨てた。
ごめんなさい先生……。
ダメージを受ける準備をさせて下さい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「どうしたの初音。なんか元気無いみたいだよ?」
移動教室の時、やよちゃんが私に言った。
:07/10/17 00:03
:SO903i
:☆☆☆
#43 [向日葵]
やよちゃんには一杯迷惑かけてるから、出来れば何も言わない方がいいと思い、「お腹痛くて」と嘘をついた。その後に「でもすぐ治るよ」と付け足して。そうじゃないと保健室行きを命じられるからだ。
「……っ。」
「初音?!そんな痛いの?!」
いつの間にか、涙が流れた。「違う」と首を振るのが精一杯で、私はうつ向いたまま足を進めた。
どうして今になって流れたんだろう。
・・・
あの時は、まったく出て来なかったのに。
:07/10/17 00:09
:SO903i
:☆☆☆
#44 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
保健室行きの約束を破って、私はやよちゃんがいるグランドの端っこで座っていた。
やよちゃんはさっきからダッシュしたりして綺麗な体を鍛えている。
私もせめて、何か他の事に集中出来る事があれば、こんなグチャグチャな思いを紛らわす事が出来るんだろうに……。
ヴーヴー
カバンの中の携帯が鳴った。
でも今は見れない。
校則違反で没収されてはいけないからだ。
:07/10/17 00:13
:SO903i
:☆☆☆
#45 [向日葵]
どうせメル●ガ類の物だろう。
帰ったらみよう……。
日も大分落ちかけた頃、やよちゃんの部活が終わった。
「ゴメンネ。さて、帰ろう!」
「ウン。」
「私靴履き替えてくるから先に校門で待ってて。」
「分かった!」
そうして二手に別れて私達は歩いた。
校門の外で待とうと思い、私は校門近くの花壇に近付いた。
:07/10/17 00:17
:SO903i
:☆☆☆
#46 [向日葵]
「よう。」
「!!」
もっと早く気づくべきだった。
この慣れた煙の匂いに。
先生は校門近くにいつもの黒い車を止めて、少し離れた私の後ろでタバコを吸っていた。
「ちょっと付き合えや。」
「今日は……無理なんですっ!帰ってやる事が一杯あるんでっ!」
出来るだけ普段通りにと、明るく言ったけど、その裏にある感情が先生に伝わってしまった。
:07/10/17 00:21
:SO903i
:☆☆☆
#47 [向日葵]
「よく言うよ。俺から逃げてるだけのくせに。」
図星を突かれて顔が赤くなる。早くやよちゃんが来ないかと視線を横にずらすと、その間に先生は間合いを詰め、私の腕を痛いくらいに掴んだ。
「来いよ。言う事があるからよ。」
「私、やよちゃんと……っ。」
「お待たせー!…あれ?先生?」
「おう。ちょっとコイツ借りるわ。気を付けて帰れよ。」
そう言って先生は私をズルズル引っ張っていく。
下校時間が少し過ぎてる為、生徒がいなくて良かった。
:07/10/17 00:25
:SO903i
:☆☆☆
#48 [向日葵]
強制且つ乱暴に助手席に載らされて、私は唖然としていた。
私が脳内機能を停止させてる間に先生は運転席に乗り、エンジンをかけ始めた。
その音で覚醒した私は車をお料理とすると
バンッ!!
窓ガラスが割れるくらいに手をついて、先生に行く手を阻まれた。
「逃がすかよ。」
その声は、機嫌が悪い声よりも遥かに低く、恐ろしいものだった。
:07/10/17 00:29
:SO903i
:☆☆☆
#49 [向日葵]
氷ついた私をよそに、先生は猛スピードで車を走らせた。景色がグングン通り過ぎていく。
運転してる間、終始無言だった。
私は胸の奥でバクバク言ってる心臓を落ち着かす事で精一杯だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キキィッ!
ブレーキ音と共に、少し体がつんのめる。
止まった場所は、どうやら海岸近くらしい。
夜で海が真っ黒だった。
ってそんか場合じゃない。
:07/10/17 00:34
:SO903i
:☆☆☆
#50 [向日葵]
※訂正
ってそんか場合×
ってそんな場合○
-----------------------
先生の方に顔が向かない。それ以前に体が動かない。
座ってるせいでお尻が痛くて身動きとりたいのに、この重い空気がそれすらも許してくれないみたいに上手く体が動かせない。
不規則な息遣いになる。
吐息で少し窓ガラスが曇った。
「大原。」
:07/10/17 00:37
:SO903i
:☆☆☆
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