○ビー玉ラバーズ○
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#100 [向日葵]
足元を見ていた目を、家が近づいて来たので少し上にあげた。

「……っ。」

私は息を飲んだ。

塀に持たれながらしゃがんでいる先輩がいたからだ。

先輩は私に気付くと、見た事ないキリッとした真剣な表情をして立ち上がり、私を見つめた。

いつからいたんだろう。
あの時間からは、既に2時間は経ってる筈。
もう肌寒くなってる為夕暮れも早い……。

私は驚いて立ち尽くしていた足を無理矢理動かして先輩の横を通り過ぎた。

⏰:07/10/21 11:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#101 [向日葵]
門に手をかけた時だった。

「奏……。」

私はまた驚いた。
彼が私を「ちゃん」無しで呼ぶなんて。しかもそんな低い声で。

「俺が……嫌い?」

「……嫌いじゃないです。でも、もういいです……。」


すると腕を引っ張られて、私は先輩に抱きしめられた。
いつもとは違う先輩に、少しドキッとした私は直ぐに我に帰って先輩から離れようとした。

⏰:07/10/21 11:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#102 [向日葵]
「ちょ……!先輩やめて……っ!」

「…………。」

先輩は何も言わずに私を抱き締める。
その腕は1ミリも動かず私を締め付ける。

すると私はある異変に気付いた。
先輩の体が、少し震えているのだ。
寒かったのか?と思い、抵抗するのを少しやめた。

そして次の瞬間、耳元で先輩の息遣いを聞いて、私は分かった。

「先輩……泣いてるの……?」

⏰:07/10/21 11:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#103 [向日葵]
先輩は鼻をすすりながら、私をまだ抱き締めたままでいる。

「ゴ……メン。俺、全然別れたいとかそんなの思ってなくて……。ただ、奏が俺を好きか、試したかったんだ……。」

「……え?」

「奏は、俺みたいな子供っぽいのはもううんざりして、好きじゃなくなったのかなって……。でもいつも怒ってくれてる姿見たらホッとしてたんだ……。」

先輩はそれだけ言うと私をやっと解放して、シャツの腕で乱暴に涙を拭いた。
目を真っ赤にしながら私を見つめる。

⏰:07/10/21 11:27 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#104 [向日葵]
「だから、俺、奏が一番好きだから……。今日のはやり過ぎたと、思う。忘れてないよ。今日は記念日だもん……っ。」

先輩はまた涙をたくさん流した。
私はその姿を見て、すごく愛しくなって、先輩を抱き締めた。

「馬鹿ですね……。こうしてずっといるんですから、嫌いになんてなりませんよ。」

ううん。馬鹿は私か……。
知らず知らずの間に先輩を不安にさせていたのだから。
所詮私も子供だ……。

⏰:07/10/21 11:31 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#105 [向日葵]
先輩の顔を両手で包んで微笑んだ。
涙で濡れた先輩の目に鮮やかに私の姿が映っている。

「なんか、大人っぽい先輩、先輩らしくないですよ?無理しないでいつもの先輩に戻ったらどうですか?」

そう言うと、先輩のりりしかった顔が一気にふにゃあと崩れて、派手に泣き始めた。

「うぁぁ……か、な、で、ちゃぁあん……っ!」

「もうこんな事しないで下さいね?」

先輩はコクコクと何回も頷いて私に抱きついた。
耳元で「うぅぅ…っ!」と泣き声が聞こえる度、私はそっと微笑んだ。

⏰:07/10/21 11:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#106 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

寒かっただろうと、先輩を家に招き入れた。

働いてる母はまだ帰ってないらしい。
私は部屋に先輩を案内した。

「どうぞ。散らかってますけど。」

「わぁいっ!」

と一番にベッドにダイブした。
やっぱり子供だ。

「奏ちゃんの匂いがするー。」

私は微笑んで、先輩の近くに座った。

⏰:07/10/21 11:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#107 [向日葵]
「先輩……。」

「ん?」

「私、そんな子供っぽい可愛いらしい先輩が……す、……き……ですから。」

私は顔を真っ赤にさせた。
好きだなんて言い慣れてない!先輩はよく言えるなぁっ。

肩にトントンと何かが当たったので振り向くと、ベッドに座った先輩が、隣においでとベッドを叩いていた。
指示通り、私はベッドに座る。

「ありがとう。俺も奏ちゃん大好き!」

と言って、一瞬のキスをした。

⏰:07/10/21 11:45 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#108 [向日葵]
そして二人で微笑みあった。

「ところで奏ちゃん。」

「ハイ?」

「俺、男なんだよね!こう見えても!」

「????はぁ……。」

すると先輩の顔がまた近づいてきて、唇が重なった。
またすぐに離れるだろうと思ってたのに、甘かった。

「ん?!ちょ……っ!」

先輩の唇が、少し離れると、先輩の顔が何故か笑ってるのに意地悪く見えた。

⏰:07/10/21 11:50 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#109 [向日葵]
「なんか……気分盛り上がっちゃった!」

と無邪気に笑いながら私を押し倒した。

「えぇ?!せ、先輩っ?!」

「奏ちゃん好きだよ……。」

そう言ってまた唇を重ねる。急で呼吸の準備なんてしてなかったから、私はすぐに呼吸困難になった。

「……っ。っ!!」

先輩の少しひんやりした指が、首筋に降りたのが分かった。

うそ――――っ?!

その時だった。

⏰:07/10/21 11:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#110 [向日葵]
「ただーいまー!」

母さんの声に、少し怯んだ先輩を見た隙に力一杯先輩を押し退けた。

「お、おかえりなさぁぁい!」

まだ心臓がドキドキしてる。体全体が熱を持つ。

「あーぁ!お預けかっ!」

先輩は無邪気にまた笑ってる。
「お預け」って……。近い将来つまりそんな事する日が来るってことっ?!

私が驚いた目を先輩に向けていると、先輩はにこっと笑った。

⏰:07/10/21 11:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#111 [向日葵]
そうかっ!今分かった!先輩がさっき言ってた意味!

先輩はこんな子供っぽいけど中身はちゃんとした男の人で……つまり……いつでもそういう準備をしている狼でもあったのだ……。

「…………っ!」

結局、中身が子供なのは、まるっきり私の方だったらしい。

満先輩のような彼をお持ちのそこの貴方!

子供の皮を被った狼にご用心を……。

⏰:07/10/21 12:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#112 [向日葵]
>>22に感想板表記してます
良ければ感想お願いします

⏰:07/10/21 12:02 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#113 [向日葵]
ビー玉3*Nineteen*










ブス、デブ。
この2拍子が揃えば悲しいかな好きな人が出来てもその恋は実のらない。

周りの人はそんなにブスじゃないよと言うがどう見たって私は……

「ブス……。」

こんな顔と、体の付き合いはもうかれこれ19年経っている。

⏰:07/10/21 16:24 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#114 [向日葵]
小学校、中1くらいまでは人生楽しくやっていた。
自分がデブでブスでも気にしないかのように明るくて、クラスの中心と言っても過言ではなかった。

でも、中3の時、好きな人が絡んだイジメに会い、それ以来男の子は恐くなり、高校では仲良かった友達何人かとは微妙にズレて付き合いがなくなった。
そんなこんなで対人関係にも嫌気がさして、自分がドンドン卑屈になって行った。

もちろん、ちゃんと仲良くしてくれる友達はいたけど、それに関係なく心の中はいつもどこかダークだった。

⏰:07/10/21 16:29 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#115 [向日葵]
「いってきまーす。」

そんな私も19歳。
短大生になった。

いつもの電車。混み合う車内。うっとおしいなぁ……。

私は音楽で耳を塞ぐ。
1人の時はなるべく自分の世界にいた方が落ち着くからだ。

……にしても混みすぎ。
苦しいっつーの。
……まぁ、私の体格が邪魔してるのもあるだろうけど。

モゾ……

ん……?何か、お尻に触れてる……?

⏰:07/10/21 16:33 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#116 [向日葵]
それに肯定するように、またモゾっと動いた。

えーマジッすかぁー……痴漢とか痴漢する人もっと人選べよー。なして私かぁぁ……。

意外にも、こういう時に何故か冷静になってしまうのが私で、とりあえず体を傾けようとするが、動かないのがオチである。

もしここで「痴漢です!」とか言ってもどうせデブの戯言と取る人が多いかもしれないなぁ。
とりあえずもうすぐ次の駅だし、手で避けながら待つか。そうすれば諦めてくれるだろう。

その時だった。

「おいオッサン。何してんだよ。」

⏰:07/10/21 16:39 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#117 [向日葵]
「?」

男の子の声……?

電車の速度は弱まり、駅に着いた。
すると私は最寄りの駅でもないのに、手を引っ張られて無理矢理降ろされた。

思わず私の乙女思考が妄想へと繋がる。

何故かと言えばその引っ張った男の子はタイプの顔だてた。

……いやそんな場合じゃなくて。

男の子は痴漢であろうおてさんを駅員に渡して私を振り返った。

⏰:07/10/21 16:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#118 [向日葵]
男の子と目が合う。

妄想を押し止めて現実的な事を考えた。

絶対「なんだよこんなデブスかよー!絶対可愛い女の子だと思ったのに助けて損したじゃねぇかよー!」とか思っているに違いない。

はぁ……なんとせちがらい世の中だよ。
性格いいとは言えないけど人は中身だよ君達。

と頭の中で┐(´〜`;)┌ ←この絵文字を描いた。

「ねぇ。大丈夫なの?」

「へ?」

⏰:07/10/21 16:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#119 [向日葵]
「いやだから、痴漢にあったからショックじゃないの?」

ショック……。
あぁ。か弱い人ならここで泣いたりするって?
残念ながら私は痴漢に同情しちゃうよ。何故私を狙ったかと。

「あー……大丈夫です。」

「は?!アンタそれでも女?」

「まぁ……生物学上は……。」

「助けるんじゃなかった……。」

あーすいませんねぇ。こんな奴で。

⏰:07/10/21 16:52 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#120 [向日葵]
私は男の子にとりあえずもう一度お礼を言ってからホームに並んで、私は次の電車を待つ事にした。

早く行かねば学校に遅れちまうよ。

あぁそれにしても貴重な体験したなぁ。男の子に助けてもらえるなんて夢のまた夢だよ。

そこで私の妄想モードに少しスイッチが入る。

もしかして……漫画でよくある、これが運命みたいな……っ?!…………ウン無いな!!

ボケツッコミを1人で終え、私は来た電車に乗った。

あれ。そういえば男の子どうしたんだろう。
私に呆れてどっか行っちゃったかね。

⏰:07/10/21 16:58 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#121 [向日葵]
**********************

「おはようチロル!」

申し遅れましたが私は五十嵐千広(いがらしちひろ)。あだ名は何故か中学の頃からチロルなのだ。
そんな可愛いあだ名の顔じゃないんだけどねぇ……。

「おはよう暁子(きょうこ)ちゃん。」

暁子ちゃんは私と同じ美術学科で、とてもいい子だ。こんな私と仲良くしてくれてすごく嬉しい。

「聞いてよ暁子ちゃん。あたくし今朝痴漢に会っちまいましたよ。」

「え?!大丈夫?!」

「なんか素敵なお兄さんが助けてくれたよ〜。いやぁ好青年でねー。」

⏰:07/10/21 17:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#122 [向日葵]
私はまるで年とったおばはんみたいな喋り方をした。

私が可愛いかったり積極的だったらお兄さんの名前とか聞いて恋に発展するんだろうなぁとしみじみ思う。

はぁ……私はあと何年こんな思いをしなくてはならないのだろうかねぇ……。

「チロル……もしかしてそな人に惚れたとか?」

「あーないない。それ以前に向こうが私をお断りだよ。」

いかにも気のない素振りだが、少しもう一度会えないかと思う自分に少し呆れた。

アンタそんな身分の奴じゃないだろうっちゅーのに。

⏰:07/10/21 17:09 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#123 [向日葵]
「さ、イーゼル用意しよ!」

ガラガライーゼルを用意しながら、私達はいつもの他愛ない話をした。

――――――――……

「じゃバイバーイ!」

「バイバーイ。」

あ゛ー今日も終わったぁー。家帰って早く漫画読みたーい。

私は少女漫画が大好きだ。
あの胸を切り裂かれるような痛み……そして感動的な告白。甘い2人の時間。全てが憧れ。

⏰:07/10/21 17:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#124 [向日葵]
私もあんな恋がしたいなぁと読んだ後は悶えに悶えてそして落ち込む。

あぁ……私には無理だっけと……。

現実なんてつまらない。
漫画みたいな奇跡、偶然、運命はそうそうそこらに転がっているものじゃない。

ホームの向かいでイチャつくカップル。
思わず履いてる靴を脱いで力一杯叩いてやりたい衝動にかられた。

あぁ……つくづく思う。
人生は辛いと。

電車に乗り、窓の外の暗くなった街並みを見ながらため息を吐いた。

⏰:07/10/21 17:21 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#125 [向日葵]
耳から流れてくる音楽はこんなにも素敵なのに……どうして私は素敵じゃないかねぇ。

窓に映る自分。
にらめっこは決着つくけとなく、私とのにらめっこは引き分けで終わった。

味わってみたいな……。

冬に一緒に手を温めてくれるような相手。
甘いキスをくれて、ギュッと抱き絞めてくれる相手。

私にとって全て幻想。
いいんだ。
行きてるだけで幸せなんだと思うし……。
そうだよ。私は幸せなんだよ。

⏰:07/10/21 17:25 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#126 [向日葵]
――――――――

休憩します

>>22に感想板あるんで良ければ感想お願いします

⏰:07/10/21 17:26 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#127 [向日葵]
そう思って、私は良しとした。

――――――――……

あぁ……今日もホームに人が溢れかえってる……。何故……。

プシュー……

電車到着と共にドアが開き、人が入れ替わる。

なんとかして車内に乗り込む。今日も昨日と変わらずギュウギュウだ。

あぁ嫌だ……。

すると、前にいた人が揺れのせいで私にもろにぶつかってきた。
私は顔がその人の胸元に埋まった。

⏰:07/10/24 00:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#128 [向日葵]
「んぐっ……!」

思わず少し声を漏らす。

全く……満員電車はやっぱり好かない。まぁ好きな人はいないだろうけどさ。
ってか昨日から微妙についてないな私……。

「オイッたら!」

ん?

もしかして私に言ってる?

聞いてる音楽の間間に人の声が混ざって聞こえた。

多分頭上からだろうと顔を少し上に上げた。

「あっ。」

「やっと気付いた……。」

⏰:07/10/24 00:24 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#129 [向日葵]
話かけた相手は昨日痴漢から私を助けてくれたあのお兄さんだった。

……そうすると何かい?さっきまでこのお兄さんの胸に顔を埋めてたっていう……。

顔が暑くなって、少しだけ汗ばんでしまった。

「あ、その節はどうも…。」

「別に。あーゆーの嫌いなだけだから。」

おぉ。正義の見方ですか。凄いなお兄さん。最近の若者にしては珍しい。

私はそう思いながら会話は終了したと思い、またうつ向いて音楽に集中し始めた。

⏰:07/10/24 00:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#130 [向日葵]
するとまたもや揺れ。
人が垂れているイヤホンのコードを引っ張ってしまったせいで、それでなくても私の耳の穴にしては少し大きいイヤホンなのに簡単に外れてしまった。

次の駅まで片耳状態は嫌いなので、なんとかして手を出そうとした。

「ねぇ、何聞いてんの?」

突然お兄さんが話出したので、出そうとしていた手がまた引っ込んでしまった。

「何……って……。色々ですけど……。」

「何を一番聞いてるの?」

⏰:07/10/24 00:33 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#131 [向日葵]
「え、EXIL●とか……。Y●Iとか……。」

ってか何でんな事聞く?

自分でも顔を少し歪めているのが分かった。

何故こんな私にそこまで構うかな。

「何かいつも真剣に聞いてるからそんなに好きなのかなと思って。」

「はぁ、そうですか……。……ん?いつも?」

「ウン。俺いつもアンタ見かけてたから知ってるんだよね。アンタは全然ぽいけど。」

だって周りになんて然程(さほど)興味ないんだもん。

⏰:07/10/24 00:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#132 [向日葵]
逆に興味持ってキョロキョロしてる方が怪しいだろうし……。

また会話が途切れた時、すぐに駅についた。

「じゃあな。」

「あ、ハイ。どうも。」

私はお兄さんを見ながらイヤホンをつけた。

なるほど。昨日お兄さんがいなくなったのはこの駅で降りるからだ。

着いた駅は昨日降りた駅と同じ。

それにしても変わったお兄さんだ。
私が近くにいても嫌な顔ひとつしないなんて。

⏰:07/10/24 00:42 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#133 [向日葵]
大抵は私の様なデブスは遠ざける筈なのに。

……まぁ満員電車で動けって方が無理か。
お兄さん私なんかが近くでスイマセンでした……。

私は心の中でそっとお兄さんに手を合わした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

学校までは坂道だ。
涼しくなったとは言え坂道を登れば多少は汗をかいてしまう。
この体が1つは原因だろうがね。

タオル片手に私はひーこらひーこら上がり、やっと学校に着いた。

⏰:07/10/24 00:45 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#134 [向日葵]
教室に行って、即効でさらさらシートと脇シューをする。体が少し清潔になった気がする。

念のため帰りの電車乗る前にもしておこう。
汗臭い奴が乗ってきたら迷惑だよね。ただでさえデブって邪魔なのに。

「おはよーチロル!」

「あぁ暁子ちゃん。」

暁子ちゃんは私の隣に座ると、何だか意味あり気に私を見つめてきた。

私は暁子ちゃんを見つめ返しながら瞬きを何回かする事で「何?」と言う意味を示した。

⏰:07/10/24 00:49 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#135 [向日葵]
暁子ちゃんはにまぁと笑った。

「いやね、昨日の王子様とは会えたのかなってっ。」

私は思わず大笑いしてしまった。

「アハハハハハ!!お、お、王子さ…っまって!んな素敵な言葉ウチの人生にはないねっ。」

「えーっ!そんなことないよ。で、やっぱり昨日っきり?」

「今朝会ったけど?」

それを聞くと暁子ちゃんは目を輝かせた。

可愛いらしいのう……と私は暁子ちゃんのキラキラした目の光を浴びながら思った。

⏰:07/10/24 00:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#136 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

>>22に感想板がありますんで、良ければ感想などお願いします

⏰:07/10/24 00:55 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#137 [向日葵]
「名前は?!」

「さぁ。」

「歳は?!」

「さぁ。」

「どこの人?!」

「さぁ。」

「えぇー!」

「えー。」

私の答えに暁子ちゃんは心底がっかりした。

だって何故に名前やら歳やらを聞かねばならないのだろうか。
別に私がその人にズキュン!ときた訳じゃないのに。

⏰:07/10/25 11:51 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#138 [向日葵]
いやズキュン!ときたとしても、私はそんなに積極的タイプではないし。

「暁子ちゃん。知ってるでしょ?私が男の人恐いって。」

「でも彼氏は欲しいでしょ?なんならその人好きになったらいいじゃない!」

どちらかと言えば相手に選ぶ権利があると思うんだが……。
第一私なんかに好きになられたら相手は困るだろうに。

私は遠い目をしながらそう思った。

「あ、そういえば、どっかの大学から生徒が美術学科の作品見に来るらしいよ。」

⏰:07/10/25 11:55 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#139 [向日葵]
え、何その迷惑な話。

「何の為に……。」

「知らない。でも来るって。今日。」

「今日―――――っ?!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

授業の油絵で私は頭を悶々とさせながらキャンバスに向かっていた。

飾られているのならまだしも、今からここに来てじろじろ見られるだなんて辛抱ならなかった。

あぁ……どこかへ消えてしまいたい……。

唯一それを止めてくれるのが聞いてる音楽だった。
何かに集中したい時はこうするのが一番なのだ。

⏰:07/10/25 11:59 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#140 [向日葵]
ガラガラガラ

「こんにちわー。」

!!!!
来た……。

先生達の挨拶を微かに聞きながら私はキャンバスに集中しようとしていた。
しかしチロリと視線を来た人達に向けると私は絶句した。

なんと女の子だけじゃなく男の子もいたのだ。

あぁー最悪……。

一切私はそちらに気にならない様に音楽の音量をさっきより上げた。

これでいいだろう。

筆をまた動かせた。

⏰:07/10/25 12:03 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#141 [向日葵]
するとトントンと肩を叩かれた。

暁子ちゃんかな?
何かあったのかも。

私はイヤホンを外しながら振り向いた。

「よ。」

「え?!」

私は目を剥いた。
そこにいたのはあの「お兄さん」だったのだ。

「アンタここだったんだ。」

「え……な……えぇっ?!」

明らかに動揺。まさかこんなトコで会うなんて思ってもみなかった。

⏰:07/10/25 12:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#142 [向日葵]
「俺らの大学とアンタの短大ってなんか交友あるらしいんだわ。」

んな事あるの……?
だって短大と大学よ?

そういう面に関しては私は全く知識がないので知らなかった。

「これがアンタの絵?」

「――っ。」

見られた。

しばらく黙って私の絵を見るお兄さん。筆を動かしたくても手が上がらなかった。

「綺麗な色遣いすんだな。」

「え……。」

私が視線を向けると、絵じゃなくなんだか上を見ていた。

⏰:07/10/25 12:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#143 [向日葵]
「千広っつーの?名前。」

「あ……ハイ。」

どうやらイーゼルに貼ってある名前の紙を見ていたらしい。

「敬語いらないから。多分同い年だし。俺は桜井惇樹(さくらいあつき)な。」

私はポケッとしていた。

さっき暁子ちゃんから質問された事を一気に言われた。

「もうしばらく千広の絵見てていい?」

桜井君はニコッと笑った。

⏰:07/10/25 12:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#144 [向日葵]
ヤバイ……暁子ちゃん……。

[その人の事好きになったら?!]

[千広。]

私……ズキュン!ときてしまったかもしれない……。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「「「チロル!!!!」」」

桜井君の学校が帰った後の休憩時間。
絵画コースの子達が一気に私の所へ集まってきた。

「は……はい……。」

思わずタジタジになる私。

⏰:07/10/25 12:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#145 [向日葵]
「いつの間に彼氏出来たの?!」

「や、違うんですけ」

「ってか相手めちゃめちゃ格好いいじゃん!」

「そうですね。けどあの人は」

「そうならそうと言ってよー!!水くさいなぁ!!」

もう好きなように言っててくれ……。

言い返す元気もなくなった。
質問責めしてきた子達はまだやんややんやと私の恋路について盛り上がっている。
そんな中、暁子ちゃんが言った。

⏰:07/10/25 12:24 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#146 [向日葵]
「あの人が王子様なんだ?」

「大当たり。桜井君だって。」

名前を口にした途端、桜井君が頭の中にポンッと出てきた。
顔が赤くなるのを自覚しながら脳内で桜井君像をパタパタパタと消した。

「「千広」って呼ばれてたじゃーん。」

「暁子ちゃんの聞き間違いだよ!」

これ以上混乱させないでくれー!

久々のズキュン!に私は少し戸惑っていた。
このまま気持ちに身を委ねていいものだろうか。

⏰:07/10/25 12:29 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#147 [向日葵]
――――――――

ここまでにします

>>22に感想板がありますんで、良かったら感想お願いします

⏰:07/10/25 12:30 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#148 [向日葵]
いい訳ないか……そんなの桜井君に迷惑だもの。

―――――……

帰りの電車に揺られながら私はうとうとしていた。

あぁ眠い……。
今日は一段と眠い……。

電車は帰宅ラッシュで多い為当然立ちっぱ。なので立ったまま寝る訳にはいかない。
どうにかして目を覚まさなければっ。

しかし電車の揺れが意外にま心地よく、目はやっぱり閉じていく。

駄目だってば私……。

⏰:07/10/25 23:49 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#149 [向日葵]
スポッ

イヤホンが外れた。

目を瞑ったままイヤホンを付けようとすると、勝手にイヤホンが耳へ入ってきた。

え?

頑張って眠気と闘い、目を開けた。

「……あ…っ。」

「寝てていいよ。アンタの降りる駅知ってるし。」

横にはいつの間にか桜井君がいた。

この人すっごい神出鬼没だなぁとか思いながら、せっかく付けてくれたイヤホンを片方外した。

⏰:07/10/25 23:55 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#150 [向日葵]
「いつそこに……。」

「さっきの駅。千広は熟睡しかけてたから気づいてなかったんだな。」

ドキ……

また“千広”って呼ばれた……。

私はそんな事に慣れてないせいですぐにときめく。
もしかしたらこんなの今時の人達にしたら普通なのかもしれない。

「千広の絵ってさ、優しいな。」

「え……や、そんな、大した……。」

すると桜井君は私をじっと見た。
男の子の目を見るのは怖い。私は口元らへんを見た。

⏰:07/10/26 00:03 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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