○ビー玉ラバーズ○
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#229 [向日葵]
それを信用したのが馬鹿だったのか、彼は浮気の最中に死んだらしい。
噂によれば、デート中に車が浮気相手の女に突っ込むのを助けたと言う正に英雄のように死んでいった。
「実砂。私は行くべき……?」
「……うん。行こうよ。」
私は頷いて足を進めて行った。
葬式場にはたくさんの人がいた。
私は周りの人に頭を下げながら奥へと進んで行った。
そして奥へ入った途端……
「ごめんなさい……!!あたしのせいです!!」
:07/10/31 22:02
:SO903i
:☆☆☆
#230 [向日葵]
見ると伊月が寝ている……いや、横たわっている布団に女の子がうずくまって、泣いていた。
「貴方のせいじゃないですよ……大切な人を守れたんならあの子も本望よ……。」
女の子を慰めるように、伊月と思われるお母さんはそう言った。
本命がここにいるとも知らず……。
いや、本命はあちらかもしれない。
私はいつからか浮気相手になっていたのかもしれない……。
「実砂……。私帰るよ。」
「え……薫……っ。」
:07/10/31 22:13
:SO903i
:☆☆☆
#231 [向日葵]
スタスタ歩く私を実砂は追いかけてきて、慌てて私を止めた。
「薫!お線香あげるだけでもしよっ?言いたい事あるの分かるけど……。」
「なんで?裏切られたのに私が惜別する訳ないじゃない。」
結局はそう言う事だったのだ。
私だけが騙されて、真実を聞けないまま勝手にいなくなられた。
涙は出なかった。
ううん。出したくなかった。出る訳もなかった。
私が泣く意味なんて、どこにも無いのだから。
:07/11/01 00:52
:SO903i
:☆☆☆
#232 [向日葵]
「じゃあね薫。」
「ウン。またメールするよ。」
実砂と別れて、私は家へ向かった。
着いてから、まるでそこら辺に遊びに行ってたように「ただいま」と言い、部屋に戻った。
着ていた制服を次の始業式の為にハンガーに綺麗にかけた。
そしてお葬式だからと思い、置いていった携帯を持ってベッドに仰向けにダイブ。
開けば2人で撮った写メの待ち受け。
しばらく黙ってみていた私は、伊月に関係あるアドレス、番号、写真を全部消した。
:07/11/01 00:56
:SO903i
:☆☆☆
#233 [向日葵]
伊月なんて人は、いなかったかのように…………。
暑い夏が始まった。
蝉はうるさい。
でも空は綺麗。
何もこんな天気の良い日にお葬式なんて…………。
「バイバイ。」
私は伊月に別れを告げた。
青い空に、入道雲が見えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その夜。夢を見た。
いや、夢かどうかも分からない。
もしかしたら現実?
:07/11/01 00:59
:SO903i
:☆☆☆
#234 [向日葵]
そこは私の部屋。
時は夜。丁度寝ている時間だ。
ベッドでいつも通り寝ていた私は、なんとなく意識が起きた。
時計を見ればまだ1時。
「薫……。」
少し視線を横にすると、そこには伊月がいた。
私が病気に伏せっているみたいに、すぐそこに座って頭を撫でている。
でも撫でられている感触は全く無い。
「い……つき……。」
……。違う違う。そうじゃない。アンタはもういないし、ここに来るのも間違ってる。
:07/11/01 01:03
:SO903i
:☆☆☆
#235 [向日葵]
未練があるの?
それなら、大事に出来なかった、あのアンタの元で泣いてたあの彼女の元に行きなさいよ。
「出ていけ。」
それだけ言うと、私の意識は彼方へ行って、気づけば朝だった。
首元に手をやってコキコキ骨を鳴らす。
結構……リアルだったなぁ……。
でも所詮夢は夢だ。
もう出てこないだろう。
ぼーっとしていると携帯が鳴った。
実砂からだ。
:07/11/01 01:07
:SO903i
:☆☆☆
#236 [向日葵]
「薫。お葬式行こう?今日は通夜だけど一目相馬君に会ってたほうがいいと思うよ?」
「いいから。もう伊月の話なんかしないで。行きたいなら実砂1人で行きなよ。」
「……知らないよ。後悔しても……。」
後悔?
なんで私が後悔なんてしなくちゃいけないの。
後悔する事なんて無い。
私は裏切られたと思う事で頭が支配されていた。
伊月の“い”の字も見たくないし聞きたくない。
もう知らない。
:07/11/01 01:11
:SO903i
:☆☆☆
#237 [向日葵]
そして次の日。
生身の伊月に会う事は出来なくなった。
伊月が火葬場へ向かったねだ。
今頃煙になって、入道雲に紛れてるのかなって、ベッドに寝転びながら空を見上げて思った。
本当のバイバイだ。
でもやっぱり私は泣かなかった。
冷たいかな。
冷たいよね。
なら聞くよ。
もし貴方の恋人が、こんな死に方をしたら、貴方達はどう思うの?
:07/11/01 01:15
:SO903i
:☆☆☆
#238 [向日葵]
―――――――……
その晩の事だった。
やっぱり夢か現実かわからない場所に私はいた。
そしてまた同じくシチュエーション。
伊月は私の頭を撫でている。
悲しそうな顔をしながら。
哀れみでそんな顔をしてるの?だったらいらないから。いちいち私の夢の中まで来ないでよ。
目を瞑って、彼方へ行く瞬間、伊月が私のおでこに唇を触れた。
それは頭を撫でているのと同じ様に感触なんかなかったけど、でも何故か分かった。
:07/11/01 01:19
:SO903i
:☆☆☆
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