○ビー玉ラバーズ○
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#300 [向日葵]
急いで3階まで向かう。

「ハァハァ……ッハァッ!」

橘。
俺もっと橘に近付きたい。
近付いても……

ガラッ!

いいかな?

ドアを開けると、橘が帰ろうと立ち上がった所らしかった。

「ハァ……ハァ……。」

「え?日下君?」

不思議がってる橘をよそに、俺はドンドン橘に向かって行った。

⏰:07/11/04 03:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#301 [向日葵]
息が整うのを急かすように何度も深呼吸した。
何回目かにやっと落ち着いてきた。

「大丈夫?座る?」

「ううん。いい。」

教室に静寂がやって来る。俺達はただ見つめ合ったままだ。
橘までの距離はあと3歩。

「俺橘が好きだ。」

橘はただ瞬きをしていた。俺の言葉に動じていないかのように。
でも俺はそんなの気にせず続ける。

「ついこの間喋っただけで何言ってんだって思うかもだけど……。……でも、いくら考えてもやっぱり橘が好きなんだ。」

⏰:07/11/04 03:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#302 [向日葵]
橘はまだ俺を見つめたままだ。
俺はもう一度深呼吸した。

「橘の……側にいていいですか……?」

あぁ……俺ばっかが喋ってる。反応がこれだけ無いって事はきっと答えはNOだ。

そう思っていた時だった。

ポロ……

橘の左目から一筋涙が流れた。

え……えぇ――――っ?!?!泣く程俺が嫌だって事?!

⏰:07/11/04 03:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#303 [向日葵]
――――――――――――――

今日はここまでにします(◎・ω・◎)

>>284に新しい感想板がありますんで良ければ感想お願いします

⏰:07/11/04 03:20 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#304 [向日葵]
すいません
>>283でした

⏰:07/11/04 03:21 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#305 [向日葵]
「え……橘?!もしかして死ぬほど俺が嫌い?」

涙を流したまま橘は首を横にゆっくり振った。

「嬉しくて……。」

小さくそう呟くと、橘の涙は更に溢れた。

「いつも普通に私と接してくれたのは……日下君だけだった……私……嬉しかったの……。」

「なら、ずっと一緒にいてくれる……?」

今度は縦に首を振った。
そして涙を細い指先で拭うと、フワッと微笑んだ。

俺の胸が、熱を持つ……。

⏰:07/11/06 00:42 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#306 [向日葵]
“雪女を怒らすな。吹雪になるぞ。”

一体誰がそんな事を言い出したのだろう。

彼女はこんなにも可愛らしくて……優しくて……温かい……。

彼女の心は、今日も太陽のようにほっこりとして、俺の体を癒してくれる……。

⏰:07/11/06 00:46 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#307 [向日葵]
ビー玉8*歌にのせて*












「こんのぉ……ボケがぁぁぁっ!!」

バキッ!!

「お前なんか大っ嫌いじゃ!さいっなら!」

私は西海 碧(にしうみ みどり)もうすぐ16。

⏰:07/11/06 00:49 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#308 [向日葵]
先程彼氏に別れの一発をくらわして別れました。

原因は浮気。まぁよくある話で。

男兄弟に囲まれて育った私は拳で語り合う方法を覚え、以来こうしてケリをつけることもしばしば……いや毎回……。

初めて出来たら彼氏だった。自分でも自覚してる通り私は乱暴者だ。
でもこんな私を、彼は好きだと言ってくれたのだ。

「帰ってサンドバック殴りまくろー……。あぁムシャクシャ――!!」

「クスクスクス……。」

⏰:07/11/06 00:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#309 [向日葵]
ん……?

後ろを向いてみると、ギターを肩にかけたお兄さんがいた。

もしかして、笑われているのは私かい?

「クスクス……あーゴメンネ?いや、元気な子だなって思って。」

「お兄さん……何?」

見た目爽やかで落ち着いた感じなお兄さんはギターを持つとジャーンと1回だけ弾いた。

「よくいるでしょ?こーゆー場所に。ストリートミュージシャンってやつさ。」

⏰:07/11/06 00:58 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#310 [向日葵]
「へー。今日が初めて?」

「いや?何回も来てるよ。」

私はこの駅を通学に使うからお兄さんを見てると思うんだけど……時間帯が違うのかな……?

「バンド名みたいなのあるの?」

「いや。1人だから本名だよ。」

「私は西海碧。お兄さんは?」

「田浦 颯太(たうら そうた)。碧ちゃん。1曲聞いていかない?」

⏰:07/11/06 01:02 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#311 [向日葵]
にこりと笑ってお兄さんはまたギターを鳴らした。
ギターの音から、まぁ私は楽器の上手い下手は分からないけど、上手い感じがした。

私が聞こうとしているのが分かったのか、お兄さんは歌が書いてある楽譜をペラペラとめくる。

「どんな曲がいい?」

「分かんない。お勧めでいいよ。」

「りょーぅかいっ。」

ギターがさっきとは違い、大きく駅前に鳴り響く。

胸がハッとした。

お兄さんの歌声は澄んでいるのにとても甘くて、歩いてる人が次々止まっていくのが分かった。

⏰:07/11/06 01:07 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#312 [向日葵]
お兄さんの歌が終わると、聞いていた人達から大きな拍手が……。
私もその1人だ。

「ありがとうございます。良ければこのまま聞いて行ってください!」

そう言うと、お兄さんのギターがまた鳴り始めた。

もう足が動かない。

私はお兄さんの歌の虜になってしまった……。

―――――――――……

気がつけば、空が藍色になりかけていた。

「どうだった?」

私はピクッとして、我に返った。
まだ耳に余韻が残ってる。

⏰:07/11/06 01:12 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#313 [向日葵]
「なんて……?」

「俺の歌、どうだった?」

歌っている時とはまた違うお兄さんの声。
一体どうやったらあんな声が出せるのかが不思議で、お兄さんの喉元をじっと見た。

「?どうかした?」

「いやーすっごいね!あんな声出せるんだもん。お兄さんミュージシャンになれちゃうよー。」

喉元の観察を止めずに、でも気持ちは込めてお兄さんに言った。

すると頭にお兄さんの手が乗ったと思うと、ワシャワシャ撫でまわされた。

⏰:07/11/06 01:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#314 [向日葵]
――――――――――――


今日はここまでにします

>>283に感想板があるんで良ければ感想をお願いします

⏰:07/11/06 01:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#315 [向日葵]
「ありがとね。碧ちゃんはいい子だわ。」

髪の毛を直しながら「どういたしまして」と呟いた。

「そーいえばお兄さん何歳?」

「19だよ。」

ウチの兄ちゃんと同い年だ。ウチの兄ちゃんでもこんなに輝いてないべな。

「頑張ってね。また聞かせてもらうよ。」

「うん。いつでもおいでっ。」

私はお兄さんと別れて家に帰った。

⏰:07/11/08 11:58 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#316 [向日葵]
――――――……

「ただいまー。」

靴を脱いでいるとキョトンとしたお母さんが玄関へやって来た。

「いつもより早いじゃない。どうかした?」

「別にー。」

階段を上がりながら適当に答えた。
部屋に入ろうとすると、隣のドアが開いた。

「おぅ碧!お帰り。」

さっきのお兄さんと同い年の武(たけ)兄ちゃん。武兄ちゃんは次男だ。

⏰:07/11/08 12:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#317 [向日葵]
私の兄弟は8つ上でシェフをやってる啓(けい)兄ちゃん。フリーターでバイトばかりしてる武兄ちゃん。4つ下で小学生の柴(しば)。見事に男に囲まれた私だ。

私は武兄ちゃんを見てため息をついた。

「武兄ちゃんはさぁ、夢とかないのー?」

「ん?夢?んー……。特に!」

……。聞いた私が馬鹿だったか。武兄ちゃんは私でもびっくりする様な楽天家だ。柴がこうならない事を祈る。

「なんで?」

「別に。聞いてみただけだよ。」

⏰:07/11/08 12:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#318 [向日葵]
それだけ言って部屋に入った。
「あ゙ー。」と言いながらベッドにダイブ。

あ、そういえば私今日彼氏と別れたんだっけ?
さっきまであんなに腹が立って虚しかったのに、もうすっきりしてる。

それは、お兄さんの歌声聞いたからかな?

今でも耳に残るお兄さんの声。低すぎず高すぎない心地よい声。
かき鳴らすギターの響き方……。

また、聞きたいと……会いたいと、心から思った。

⏰:07/11/08 12:12 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#319 [向日葵]
―――――――――……

「碧――っ!」

「あぁ。肇(はじめ)。おはよう。」

肇は私の友人。
男の子みたいな名前だけどれっきとした女の子。

「ん?なんかすっきりした顔してるね。どうかした?」

「んー。別に?」

「え――何その曖昧な返事ー!」

歩いてると、前から元カレがやって来た。
耳打ちで肇が「旦那さんの登場だよー。」と言ったけど、私はその言葉を無視して元カレの横を通り過ぎた。

⏰:07/11/08 12:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#320 [向日葵]
その行動に驚いた肇はパタパタ後ろから追いかけてきて

「え?!何?どーしたのっ?」

と何故かパニクっていた。

「別れたの。昨日たまたま浮気が発覚したから。」

さらりと告げて教室に入った。
私があまりにあっさりしているので、情報を根掘り葉掘り聞きたい肇は物足りなくて私に詰め寄った。

「どーして昨日連絡くれなかったのよー!言ってくれたら行ったのにぃっ!」

⏰:07/11/08 12:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#321 [向日葵]
「別に悲しくもなかったし。見なかった?アイツのほっぺ。腫れてたでしょ?あれですっきりしたの。」

まぁそれだけじゃないけど。

肇はなんとかして私を慰めたいのか、いきなり抱きついてきた。

「もー!心配するでしょ!」

「あーハイハイ。ゴメンネ。」

今日の帰り、あそこに行けば、またお兄さんの歌聞けるかな……?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「碧!かーえろっ!」

⏰:07/11/08 12:25 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#322 [向日葵]
「あ、ゴメン。私行きたいトコ……そうだ。肇も一緒に行かない?」

肇は何が何だか分からないようだったけど「ウン」と言って一緒についてきた。

「あ、碧っ。」

教室を出るとすぐに呼び止められた。
元カレ。もとい、浮気男の長田。

「あ、のさ!昨日は……ゴメン。」

「もういいから。昨日の彼女とお幸せに。」

今頃何言っても遅い。ってかアンタに未練なんかない。

⏰:07/11/08 12:29 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#323 [向日葵]
私は肇の手を引っ張って走って行った。
後ろで長田が何回も私を呼んだけど、私はもう長田なんて眼中になかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ん?駅前に来てなんかするの?」

人が行き交うのを避けながらキョロキョロしてる私に肇が聞いた。

「違うの?確かこの辺だったんだけどなぁ……。」

人混みがさっと切れた時、その人はいた。

「あ!」

私はまた肇の手を引いて、あのお兄さんがいる場所に行った。

⏰:07/11/08 12:32 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#324 [向日葵]
――――――――――――

キリます(。・ω・。)

>>283に感想板がありますんで良ければ感想お願いします

⏰:07/11/08 12:34 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#325 [向日葵]
お兄さんは丁度準備してる所で、ギターを肩にかけていた。

「お兄さん!」

私の声に気づいたお兄さんは準備する手を止めて私の方を向いた。

「こんにちはっ。私のこと覚えます?」

「……誰?」

……昨日の今日なのにもう忘れるだなんて、早いよお兄さん……。

シュンとうなだれていると、クククと声が聞こえた。

「嘘嘘っ。覚えるから。碧ちゃん。」

⏰:07/11/10 16:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#326 [向日葵]
私の顔が笑っていくのを自覚した。

良かった。覚えてもらって。

「今日はお友達と一緒?」

「うん!肇って言うの!」

お兄さんは肇に向かってにっこりと笑うと、ギターの調子を確かめ為か小さく音を鳴らした。

「ウン。今日もいい音。」

まるでギターが恋人かのようにお兄さんは優しく柔らかく笑った。

⏰:07/11/10 16:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#327 [向日葵]
お兄さんの恋人がうらやましい……。
こんな素敵な歌を毎日側で聞いていられるんだもん。

「では初めてのお客さんの肇ちゃん。なんかリクエストありますか?」

お兄さんはにっこり笑って肇に聞いた。
肇はリクエストが出来る嬉しさに目を輝かせていた。

「私、恋の歌がいいな!」

「かしこまりました。」

ギターを鳴らし始めるお兄さん。
恋の歌はバラードのようで、優しく、そしてどこか切ないメロディーだった。

⏰:07/11/10 16:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#328 [向日葵]
<恋を失ってしまった僕を切なげに空が包みこむ。>

そんな歌詞が、なんとなく耳に残った。

お兄さんが作っただろう歌詞は、どこか現実味に溢れていて、もしかしたら実体験をもとにしてるのかなと聞きながら思った。

最初は昨日の私みたいにお兄さんの声に驚いていた肇だったけど、やがてその声、その歌詞に感動してウルウルしていた。

また昨日みたいに、歩いていた人達の足が止まっていく……。

皆、お兄さんの声の引力に惹き付けられて……。

⏰:07/11/10 16:49 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#329 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「――……り。碧ったら!」

私はハッとした。
いつの間にかぼーっとつっ立っていた。
目の前には、様子がおかしい私を心配そうに見ている肇と、そんな私が面白いのかにこにこ笑いながらギターを片付けるお兄さん。

「あ……ゴメン……。」

「そんなに俺の歌良かった?」

「そ!そんなんじゃないっ!!」

図星だったので思わず否定してしまった。
本当はそうだった。
時間を忘れてしまうようなお兄さんの歌……。

⏰:07/11/10 16:53 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#330 [向日葵]
でもお兄さんはそんな失礼な態度をとった私ににこにこ笑うだけだった。

「またおいで。」

そう言って頭をグシャグシャ撫でてくれた。

それからと言うもの、「また」ではなく時間の許す限り私は毎日毎日お兄さんに会いに行った。

そんな私をウザがりもせず、お兄さんはやっぱり笑って「なんかリクエストある?」とギターを一鳴らしするのだ。

私はいつも「なんでも。」と言う。

だって聞いてみたいから。

⏰:07/11/10 16:58 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#331 [向日葵]
優しい曲のお兄さんの歌。
激しく、だけど楽しそうなお兄さんの歌。
寂しく切ないお兄さんの歌。

全て歌い終わった後で、私はやっぱりぼんやりしてしまう。

「クスクス。大丈夫?」

「だ、大丈夫だよっ!」

いつも乱暴に言ってしまう。カワイイ女の子ならここで一言感想を言うんだろうなぁ。

「ハハハ。じゃあ、また明日ね。」

いつからか、お兄さんとの別れの挨拶は「また」ではなく、「明日」になった。

⏰:07/11/10 17:02 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#332 [向日葵]
――――――――……

「っと言う訳で、碧はあのお兄さんに惚れちゃったって訳か。」

ブー!!

飲んでいたフルーツオーレを吹き出してしまった。

「あら何?違うかった?」

「違っ……。」

[碧ちゃん。]

お兄さんが私を呼ぶ声が頭の中で響く。

「ち、ち、……違わ……ない……。」

⏰:07/11/10 17:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#333 [向日葵]
私の答えに満足したのか、肇はにーっこり笑った。

「じゃあ早いとこ告白しなきゃね。」

「ムリムリムリムリ!!」

「あのねぇ。あれだけ素敵な声の持ち主だよ?早くしないと誰かに取られちゃうんだからっ!」

誰かに……。

それは……嫌かも。

「分かったら、今日にでもちゃんと言ってきな!これ使命ね!」

使命って……。そんなヒーローじゃないんだから。

⏰:07/11/10 17:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#334 [向日葵]
でも……。

「ウン。分かった……っ。」

―――――――――……

とは言ったものの。

いつもの様に私は駅前にいた。
このまま真っ直ぐいけば、多分お兄さんがいつもの場所にいるんだろうな。
って場所で私は立ち止まったままだった。

告白だなんて、人生初だ。
前は告白された側だったし。

少し人の波が切れた時、お兄さんはいた。

⏰:07/11/10 17:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#335 [向日葵]
……っ。よし!!

「お兄」

「碧!」

名前を呼ばれたと同時に私は後ろに腕を引かれた。

誰かと思って振り向くと、そこには長田がいた。

「何?」

自分の声が冷たいのが分かる。
目も絶対据わってる。

「ゴメン!気づかなくて!お前がそんなに俺の事思ってたなんて!」

え?どうやったら放しがそんな方向に行くの……?

訳が分からず私はポカンとしてしまった。

⏰:07/11/10 17:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#336 [向日葵]
「お前、俺の気を引く為にワザと冷たくしてたんだろ?今日だって、俺がいるの知ってて告白するとか言ってたんだよな?」

……。……はぁ?

何を勘違いしてんだこの馬鹿男。
浮気した分際でよくそんな思考が働くよな。

「そんな気一切ないから。離してくんない?」

「んな照れんなってーっ!」

長田は嬉しそうに私に抱きついた。
私は逆に殴りたくて仕方なかったけど、腕ごと抱き締められてるせいで自慢のパンチが打てない。

⏰:07/11/10 17:27 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#337 [向日葵]
「馬鹿っ……ちょ、離して!」

こんなトコ、お兄さんに見られたら……っ!

そう思い、お兄さんの方に向くと。

「……っ!!」

抱き合ってる私達を不謹慎だと見る人達に混じって、驚いた顔をしているお兄さんがいた。

違う!違うのお兄さん!!
私こんな奴、好きじゃないよ……っ!

「これからは大切にするからな。」

と強制的に長田の方に顔を向けられ、その瞬間長田の唇が重なった。

⏰:07/11/10 17:31 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#338 [向日葵]
「っ!!」

長田がキスに夢中になって、腕の力が少し緩るまった時、思いきり押し退けてグーをお見舞いした。

急な事にしりもちをつく長田。

反撃してやりたいのに、涙が先に出てしまった。

「最低……っ!!」

お兄さんの前で、よくも……よくも……っ!

ゴォォォン!!

「へ?」

えらい音にびっくりして、悔しさでギュッと閉じた目を開けると、お兄さんがギターで長田の頭を殴っていた。

⏰:07/11/10 17:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#339 [向日葵]
「いけないなぁ。女の子を泣かしちゃあ。しかも俺の常連さんじゃない。」

いつもみたいに、にこにこ笑ってるお兄さん。
でも目が笑ってない。どうやら怒ってるみたいだ。

「お兄さ……ギター……!」

お兄さんは私の方を向くと「へーき。」と言う風に頭をポンポンとしてくれた。

「お前……なんだよ!」

長田がキレて、お兄さんに掴みかかった。
私が止めに入ろうとすると、少し手を上げてお兄さんが私を止めた。

⏰:07/11/10 17:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#340 [向日葵]
――――――――――――

キリます

>>283に感想板がありますんで良ければお願いします

⏰:07/11/10 17:42 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#341 [向日葵]
お兄さんは相変わらず笑っている。
そして掴まれた長田の手を力強く掴んだ。

「ただのしがないストリートミュージシャンだよ。でもね、そんな俺でもこんな事は許せないんでね……っ。」

最後の言葉らへんで手をギュウッと握ると、長田は「痛い痛い痛い!」と騒いだ。

「さ、行こうか碧ちゃん。」

「え、あ、え、ハイ……。」

⏰:07/11/10 23:43 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#342 [向日葵]
片手にはギター。もう片方は長田の手を投げるように捨てて優しく私の手を包んだ。

「オイ碧!」

私は立ち止まって振り向いた。

「だから言ったでしょ?彼女と幸せにって。」

私はそれでまた歩き出した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ゴメンネ。早く止めてあげれば良かった。」

公園のベンチに座って、お兄さんがジュースを買ってくれたので、それを一緒に飲んでた。

⏰:07/11/10 23:50 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#343 [向日葵]
「別に大丈夫。あんなの回数にはいれてやらんから。……それより、私の方がゴメン……。」

私は傷ついたギターを見た。弾けない事はないだろうけど、もし変な音しか出なくなってたらどうしよう……。

そんな私を見て、お兄さんは頭を撫でる。

「大丈夫。ギターが壊れても俺には」

と言って喉を指差した。

「があるからね。」

優しい言葉をくれるお兄さんにホッとして、私は微笑んだ。

⏰:07/11/10 23:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#344 [向日葵]
「私、お兄さんの声好きだよ!歌も!」

お兄さんはパチパチ瞬きしてから何か残念そうにハァーとため息をついた。

「好きなのはそれだけ?」

「へ?」

言ってる意味が数秒後に分かって、首から赤くなっていく。

「ミュージシャン向いてるって言ってくれたのは碧ちゃんだけだよ。他は皆駄目の一言。だから俺、嬉しかったよ。」

と言ってお兄さんはギターを持った。
ジャーンと鳴らすと、なんとか綺麗な音を奏でていた。

⏰:07/11/10 23:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#345 [向日葵]
「今度新しい歌作りたいんだ。碧ちゃんのリクエストで。何がいい?」

お兄さんは相変わらずにこにこして私の答えを待っている。
私もつられて笑顔になった。

「じゃあね、私の為に作った歌がいいな。」

貴方の歌にのせた想いを受け止めた後、今度は私が貴方に想いを告げるよ。

声の限りに、大好きと……。

⏰:07/11/11 00:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#346 [向日葵]
ビー玉9*Sixteen〜相変わらずの日々〜*












あぁ……だから夏は嫌いなんだ。
暑いし……なんてったって暑いし……。それこそデブには最大の敵だ。

「ねぇ寒くない?」

「ウン。冷房少し消しちゃおっかぁ。」

⏰:07/11/11 00:08 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#347 [向日葵]
おのれ小娘どもー!!少しはデブの気持ちを知れ!ってか寒くなるの大体分かってんだから何か羽織る的なものを持ってこい!

と、冒頭からの暴言失礼。

私は五十嵐 千広。夏が大嫌いなご存知デブスです。

只今授業中。
はっきり言って冷房無しの授業と言うのは私にとって拷問に近いものなのですが……。
近頃の娘さん方は細いせいかやたら寒がりだ。

こちら側代表として言わせてもらおう。

デブの気持ちも分かれ!

⏰:07/11/11 00:13 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#348 [向日葵]
そして拷問のような時間が終わり、外の蒸し暑ーい空気を肌で感じながら私は帰るのだった。

さ……さらさらシート……。

この時期に、タオルとさらさらシートほどかかせないものはない。

人の目がないか周りを見ながらさっと出してさっと拭いて空き缶のゴミ箱に入れた。

はぁ。もうすぐ夏休みか……。
高校の友達と遊びたいなぁ。漫画も山ほど買いたいし。ちょっとワクワクしてきたかも……。

⏰:07/11/11 00:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#349 [向日葵]
さて、帰り支度をするか。

携帯にイヤホンのコード装着。右耳よーし。左耳よーし。携帯の音楽モードよー

「ちっひろーぃ!」

ガバッ!

「?!」

「今帰り?ぐっうぜーん!俺も!だから一緒に帰ろうよ!」

「さ、桜井君……っ。」

この人は桜井君。
なんだかんだあって出会ったのは丁度1ヶ月前くらい。

⏰:07/11/11 00:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#350 [向日葵]
そしてなんと……この今私に抱きついているかっこいい方は……あろう事か私が好きとかおっしゃいました!!

[覚悟しとけよ。]

と言われたのは2週間前ほどでしたか……。
私は桜井君の想いを素直に受け入れられず、拒否した所、私を惚れさすと言う宣言をしました。

そんな事をしなくても私は既に桜井君が好きなんですが……私は自分に自信がないせいで未だ彼に返事をしていません。

「あの……いい加減離れてくれませんか……。」

「まった他人行儀!同い年だっつってんのにぃ!」

⏰:07/11/11 00:27 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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