○ビー玉ラバーズ○
最新 最初 🆕
#311 [向日葵]
にこりと笑ってお兄さんはまたギターを鳴らした。
ギターの音から、まぁ私は楽器の上手い下手は分からないけど、上手い感じがした。

私が聞こうとしているのが分かったのか、お兄さんは歌が書いてある楽譜をペラペラとめくる。

「どんな曲がいい?」

「分かんない。お勧めでいいよ。」

「りょーぅかいっ。」

ギターがさっきとは違い、大きく駅前に鳴り響く。

胸がハッとした。

お兄さんの歌声は澄んでいるのにとても甘くて、歩いてる人が次々止まっていくのが分かった。

⏰:07/11/06 01:07 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#312 [向日葵]
お兄さんの歌が終わると、聞いていた人達から大きな拍手が……。
私もその1人だ。

「ありがとうございます。良ければこのまま聞いて行ってください!」

そう言うと、お兄さんのギターがまた鳴り始めた。

もう足が動かない。

私はお兄さんの歌の虜になってしまった……。

―――――――――……

気がつけば、空が藍色になりかけていた。

「どうだった?」

私はピクッとして、我に返った。
まだ耳に余韻が残ってる。

⏰:07/11/06 01:12 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#313 [向日葵]
「なんて……?」

「俺の歌、どうだった?」

歌っている時とはまた違うお兄さんの声。
一体どうやったらあんな声が出せるのかが不思議で、お兄さんの喉元をじっと見た。

「?どうかした?」

「いやーすっごいね!あんな声出せるんだもん。お兄さんミュージシャンになれちゃうよー。」

喉元の観察を止めずに、でも気持ちは込めてお兄さんに言った。

すると頭にお兄さんの手が乗ったと思うと、ワシャワシャ撫でまわされた。

⏰:07/11/06 01:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#314 [向日葵]
――――――――――――


今日はここまでにします

>>283に感想板があるんで良ければ感想をお願いします

⏰:07/11/06 01:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#315 [向日葵]
「ありがとね。碧ちゃんはいい子だわ。」

髪の毛を直しながら「どういたしまして」と呟いた。

「そーいえばお兄さん何歳?」

「19だよ。」

ウチの兄ちゃんと同い年だ。ウチの兄ちゃんでもこんなに輝いてないべな。

「頑張ってね。また聞かせてもらうよ。」

「うん。いつでもおいでっ。」

私はお兄さんと別れて家に帰った。

⏰:07/11/08 11:58 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#316 [向日葵]
――――――……

「ただいまー。」

靴を脱いでいるとキョトンとしたお母さんが玄関へやって来た。

「いつもより早いじゃない。どうかした?」

「別にー。」

階段を上がりながら適当に答えた。
部屋に入ろうとすると、隣のドアが開いた。

「おぅ碧!お帰り。」

さっきのお兄さんと同い年の武(たけ)兄ちゃん。武兄ちゃんは次男だ。

⏰:07/11/08 12:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#317 [向日葵]
私の兄弟は8つ上でシェフをやってる啓(けい)兄ちゃん。フリーターでバイトばかりしてる武兄ちゃん。4つ下で小学生の柴(しば)。見事に男に囲まれた私だ。

私は武兄ちゃんを見てため息をついた。

「武兄ちゃんはさぁ、夢とかないのー?」

「ん?夢?んー……。特に!」

……。聞いた私が馬鹿だったか。武兄ちゃんは私でもびっくりする様な楽天家だ。柴がこうならない事を祈る。

「なんで?」

「別に。聞いてみただけだよ。」

⏰:07/11/08 12:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#318 [向日葵]
それだけ言って部屋に入った。
「あ゙ー。」と言いながらベッドにダイブ。

あ、そういえば私今日彼氏と別れたんだっけ?
さっきまであんなに腹が立って虚しかったのに、もうすっきりしてる。

それは、お兄さんの歌声聞いたからかな?

今でも耳に残るお兄さんの声。低すぎず高すぎない心地よい声。
かき鳴らすギターの響き方……。

また、聞きたいと……会いたいと、心から思った。

⏰:07/11/08 12:12 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#319 [向日葵]
―――――――――……

「碧――っ!」

「あぁ。肇(はじめ)。おはよう。」

肇は私の友人。
男の子みたいな名前だけどれっきとした女の子。

「ん?なんかすっきりした顔してるね。どうかした?」

「んー。別に?」

「え――何その曖昧な返事ー!」

歩いてると、前から元カレがやって来た。
耳打ちで肇が「旦那さんの登場だよー。」と言ったけど、私はその言葉を無視して元カレの横を通り過ぎた。

⏰:07/11/08 12:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#320 [向日葵]
その行動に驚いた肇はパタパタ後ろから追いかけてきて

「え?!何?どーしたのっ?」

と何故かパニクっていた。

「別れたの。昨日たまたま浮気が発覚したから。」

さらりと告げて教室に入った。
私があまりにあっさりしているので、情報を根掘り葉掘り聞きたい肇は物足りなくて私に詰め寄った。

「どーして昨日連絡くれなかったのよー!言ってくれたら行ったのにぃっ!」

⏰:07/11/08 12:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194