○ビー玉ラバーズ○
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#401 [向日葵]
「そっか。あ、もしかして私に応援しろって言いたいの?もちろん応援するよ。だからさ、私にかまってないで、早く行かなきゃ。」

桜井君は黙ったまま流れている川を見つめていた。
私の頭にハテナが何個も浮かぶ。

一体どうしたんだろうか……?

「あぁぁ――――っ!!」

立ち上がったと思ったら、いきなり桜井君は叫びだした。
そこらを通っていた人は何事?と私達をじろじろ見ていく。

⏰:07/11/12 09:56 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#402 [向日葵]
私は恥ずかしくなって桜井君の服の裾を引っ張ってとりあえず座るように指示した。

「お、落ち着け桜井君よ!何があったか知らないけどまぁ落ち着けっ!!」

「落ち着け……?人の気も知らねぇくせにっ!!」

空が見えるなぁと呑気に考えていたら、実は私は押し倒されていた。
こんな経験ない事をされて、頭がぐるぐるしだす。
だって上には桜井君が覆い被さってるんだから。

「え?!桜井君?!何何何!!」

「どうしてお前はそんなんなんだよ……。」

⏰:07/11/12 10:00 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#403 [向日葵]
「いやー……デブなのは最早どうしようもない事で」

「そうじゃない!どうして俺を追いかけてくんないんだよ……!!」

は、はい……?

「俺ばっかりかよ……好きなのは……。神崎なんか知るかよ!俺は千広が好きに決まってるだろ!!」

まっすぐ見つめられて、私は目をハッと見開いた。

桜井君は……嘘なんかついてない。
それは騙されやすい私でも分かってしまうくらい、偽りない気持ちだった。

⏰:07/11/12 10:04 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#404 [向日葵]
「俺の事、嫌いなの……?」

どうしよう……言いたい事がいっぱいあって……喉に絡まって言えない。

私は嬉し涙を初めて流した。
それを見て焦ったのか、桜井君は慌てて私を起こして、背中についた土をはらってくれた。

「ご、ごめんな。強く言い過ぎた……。」

「違います……。私、こんなだから……離れて行く気持ちに慣れてるから……。桜井君も、「しょうがない」って、思ってたんです……。」

⏰:07/11/12 10:08 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#405 [向日葵]
可愛い子ならまだしも、私みたいなのがいくら引き止めても無駄な事は経験上分かってた事だった。
だから私は何もしなかった。

「私も……桜井君が好きです……。」

涙を拭いていると、桜井君の香りが近づいた。
すると、私は抱き締められていた。

「あーもー良かったー!俺疲れたっつーの!」

涙が大分おさまった頃、桜井君は私を離してくれた。
そして優しく笑って私を見つめる。

⏰:07/11/12 10:12 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#406 [向日葵]
「千広はさ、自分が嫌いみたいに言うけど、俺は千広が可愛いと思うよ。外見とかそんなんじゃなく、全部大好き。」

「それに。」と言って、桜井君はクククと笑った。
なんだろうと私は首を傾げて桜井君の言葉を待った。

「千広随分前から俺の事好きでしょ?」

「……っ?!」

顔が赤くなるのが分かる。

「ど……っどうして……!」

「言葉遣いだよ。冷静さなくなったら、いつも千広は普通に喋るの。だから神崎が現れたりした時、もしかしたらヤキモチかなぁーって。」

⏰:07/11/12 10:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#407 [向日葵]
知らなかった。
自分がそんな事になってるだなんて……。

「ひ、……引かないで下さいね……。」

「何が?」

「私、こう見えて……ものすごいヤキモチ妬く人なんです。」

すると桜井君はアハハハハ!と笑った。

「引かないよ。可愛いじゃんか。」

私は顔が赤くなっていった。




今日も相変わらず何も変わらない1日。

⏰:07/11/14 02:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#408 [向日葵]
でも隣には、いつの間にか大好きな人が……。

私達は今日も手を繋いで笑い合い、一緒に歩いている。





19年で、一番の宝物です。

⏰:07/11/14 02:03 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#409 [向日葵]
ビー玉ラバーズ*スペシャルストーリー1*きらきら











あぁ……。

「いいかー。今回のテストで赤点があった奴は冬休みな最初、追試だからなー。」

クラス中から非難の声が続々上がる中、私は下を向いて目を見開いていた。

⏰:07/11/14 02:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#410 [向日葵]
皆さん、お久しぶりです……。
只今氷河期が一気にやって来た東雲 友姫です。

久しぶりなのにテンションが低くてすいません。
でも私に大変な事が起こってしまいました……。

「友姫!テストどうだった?」

「ちょ、アンタなんでそんな顔色悪いのよ!」

「秋帆……律ぅ……。」

ご存知友達の秋帆と律です。

「友姫……もしかして……。」

「ウン……律正解……。」

⏰:07/11/14 02:14 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#411 [向日葵]
そうなのです……。

私、東雲 友姫は……、人生初の赤点を取ってしまったのです……っ!!
しかも悲しいかな苦手な数学……。

私のテンションは谷底へと消えていきました。

「友姫ちゃん赤点取っちゃたの?」

「あ、佳苗ちゃん……。」

佳苗ちゃんはフワフワした髪の毛を揺らして心配そうに私の顔を覗き込んだ。

私はうなだれながら小さく頷く。

⏰:07/11/14 02:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#412 [向日葵]
「友姫ちゃんお揃い!俺もだよ!」

「暁頭悪そうだもんな。」

「アンタも人の事言えないでしょ直。」

皆ありがとう……勇気づけてくれて。
でも赤……赤……赤点だなんて―――っ!

「え?友姫、お前赤点取ったのか?」

「あ……珊瑚君……。」

私の大事な人、珊瑚君。
綺麗な容姿を私に近づけ、心配そうに私を見ている。

⏰:07/11/14 02:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#413 [向日葵]
「ごめんなさい。せっかく珊瑚君が教えてくれたのに……。」

数学が苦手な私は、珊瑚君に教えてもらいなんとか勉強出来ていた。
今回は結構出来たと思ったんだけど……。
痛恨の計算ミスが響いてあえなく

「「「赤点……。」」」

皆が口を揃えて言うので私はさらにうなだれた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

頭に石が乗っているかのように私は下を向いて落ち込んでいた。

「友姫。元気出せって。」

廊下の窓で珊瑚君と2人で喋っていた。

⏰:07/11/14 02:27 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#414 [向日葵]
「だって計算ミスですよ珊瑚君……。ミスしすぎて赤点って……。」

自分がいかに抜けてて馬鹿かが分かる。
思わず現実逃避したくなるほどに。

すると頭をポンポンて軽く叩かれた。
見れば珊瑚君が頭にその大きな手を乗せている。

「追試なら問題がまだ簡単だから。大丈夫だ。教えてやるから。な……?」

その優しい微笑みにキューンとさせられながら私はコクリと頷いた。

「頑張る……。」

⏰:07/11/14 02:31 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#415 [向日葵]
そう言うとワシャワシャ珊瑚君は頭を撫でた。
軽く目を瞑りながらも、珊瑚君に頭を撫でられるのはすごく好きなので喜んだ。

「よし!やる気でた!珊瑚君、お願いします!!」

「分かった。」

「と言う訳でー!」

急にどこからか白月君がニュッ!と出てきた。

「俺達もお邪魔さしてもらうー!」

俺達……って……。

「赤点は私と白月君だけだよね?」

⏰:07/11/14 02:35 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#416 [向日葵]
「何言ってんの友姫!」

肩をガシッと掴んで秋帆と律が私に迫ってきた。
びっくりして体が少し反ってしまった。

「友姫。油断しちゃダメよ。寛和の事だから2人になったらエロいことしようと企んでんだから!」

「お前の彼氏と一緒にするな。」

「誰がエロいって?ナイト様。」

思わず苦笑い。
珊瑚君はそんな事考えてはない。……と思うけど。
実際今年の夏にそれまがいの事が起こったけど、それ以降はいつも通りだし。

⏰:07/11/14 02:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#417 [向日葵]
――――――――――――

今日はここまでにします(。・ω・。)

>>283に感想板がありますんで、よければ感想お願いします

⏰:07/11/14 02:41 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#418 [向日葵]
いや……いつも通りで十分なんですけどね。

「題しましてぇっ!」

秋帆が叫んだ声で我に帰った。

「友姫ちゃん追試合格までの道ー!」

「え?!俺は?!」

皆が騒ぐ中、私はふと思った事があった。

「それって……どこでやるの……?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あーナイト様の家久々ぁ!」

結局珊瑚君の家(私の家でも半分ある)でお勉強会を実施。
どこかでこうなる事を予想していた私。

⏰:07/11/16 00:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#419 [向日葵]
とりあえず皆は居間で適当に座る。
私は皆にお茶を出す為に台所に立った。

「友姫そんなんいいから。」

後ろから珊瑚君がコップを出しながら言った。

「あ、いいのいいの。気にしないで。これくらいしなきゃ。」

「じゃなくて。」

と言いながら棚から出したコップを置き、コツンと軽く私のおでこを叩いた。

「お前、まぁ暁もだけど。お前らの為の勉強会なんだから、友姫は勉強の用意して来い。」

⏰:07/11/16 00:21 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#420 [向日葵]
そこで私は大きくため息を吐いた。
珊瑚君が「何?」と言う風に首を傾げて私を見る。

「私も珊瑚君みたいに頭が良ければなぁ……。」

ポツリと言って、私は居間に向かい、カバンから勉強道具を出してセッティングしていた。

「友姫ちゃんはどこが分からないの?」

佳苗ちゃんがにこやかに聞いてきた。

「えっと……分からないって言うか、計算ミス。あ、でもここちょっと分かんないかも。」

⏰:07/11/16 00:25 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#421 [向日葵]
「これはね……。」と教科書に指を差しながら私に丁寧に教えてくれる佳苗ちゃん。
そんな佳苗ちゃんを見ながら、私はまたため息を静かにした。

可愛くて、頭が良いなんて……佳苗ちゃんは完璧すぎだよ……。

「あ、ここもう1回教えて!」

白月君が寄って来て、3人揃って佳苗ちゃんの話を聞く。

「ぐぇっ!!」

「え?!」

いきなりの白月君の変な声に、近くにいた私はびっくりした。
見れば珊瑚君が白月君の襟を引っ張っている。

⏰:07/11/16 00:30 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#422 [向日葵]
「くっつきすぎ。」

それを見ていたしい千歳君はプッ!と吹き出した。

「ナイト様何暁にヤキモチ妬いてんのさ!」

あ、近かったからかな。

「そんなに嫌なら友姫を連れて自分の部屋にでも行きなさいよ。」

律。それならば何故皆ここに来たのかが分からないよ。目的は仮にも私と珊瑚君を2人にしとはいけない!から始まったんじゃなかったっけ……?

「いくらなんでもそれは……。」

⏰:07/11/16 00:35 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#423 [向日葵]
と弁解をしていると、パタンと音が聞こえた。
「ん?」と思い、手元を見ると、珊瑚君の両手が私の勉強道具を片付けている。

……?何で……?

「ハイ友姫持つ。」

ずずいっと道具一式を渡されて、意味も分からず私はそれを受け取った。
すると珊瑚君が両腕を持って私を無理矢理立たせた。

「了承も得た事だし。じゃあ俺達は好きなようにさせてもらうから、皆ごゆっくりな。」

⏰:07/11/16 01:47 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#424 [向日葵]
え?

「珊瑚君何言っ……て――?!」

腕を引っ張られて、私は珊瑚君に無理矢理歩かされた。
何故急にそんな展開になったかパニックになっていた私は、気がついたら珊瑚君の部屋にいた。

バサッ!

その音に振り向くと、珊瑚君が制服の上着をベッドに投げたところだった。

「……え、さ、珊瑚……く……?」

まさか……え、まさかっ!そんなっ!

⏰:07/11/18 11:50 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#425 [向日葵]
「何?どうかした?」

どうしたもこうしたも!

「え、あ、えぇっ!」

パニックな私をよそに、珊瑚君は私の方に歩み寄ってきた。

嘘でしょ?!だって下には皆いるし……っ!!

「……っさ、珊瑚君待って!!」

「え?腹でも減った?ってか食べたら眠くなるぞ。なんてったって友姫が嫌いな数学だからなぁ……。」

あ、……あれ?

私は首からおでこの生え際まで真っ赤になっていくのが分かった。

⏰:07/11/18 11:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#426 [向日葵]
勘違い!

私の頭にでかでかとその3文字が出現する。

馬鹿だよ私っ!
私こそ本当のスケベかもしれないよぉ―――!!

「友姫?何してんだ?早く始めるぞ。」

「あ……ハイ……。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「で、この公式をここに当てはめるわけ。」

珊瑚君の教えにより、順調に問題を解いていく私。
珊瑚君は教え方上手いのか、学校の先生よりも理解しやすい。

⏰:07/11/18 11:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#427 [向日葵]
「……で、こう?」

自信満々でノートに書いた答えを指差した。
その答えをチェックしていた珊瑚君は、段々と眉間にシワを寄せて、最後にはハァァ……と大きくため息を吐いた。

「あのさ友姫……なんで8+3が21になってんだよ……。かけ算になってるし。」

またしても計算ミス。

あまりの凡(?)ミスに机に顔を突っ伏してしまった。
「本当……申し訳ありません……。」

ダメだ……こんな事じゃ絶対次の追試も不合格だよぅ……。

⏰:07/11/18 12:04 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#428 [向日葵]
「ハァァ……休憩でもするか……。」

珊瑚君は椅子から立ち上がり、部屋を出ていった。

呆れられちゃった……。

私は自分の頭をワシャワシャ乱暴にかき回した。

しっかりしなくちゃ。
珊瑚君にまで協力してもらって、父さん母さんを説得してここにいるんだから。
赤点なんか……取ってる場合じゃ……。

――――――……

ガチャ

帰ってくると、友姫は机に顔を付けたままだった。

⏰:07/11/18 12:08 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#429 [向日葵]
友姫の事だからまたいらん心配でもして落ち込んでるんだろう……。

「友姫。」

名前を呼んでも返事がない。

オイオイ……そこまでショックだったのか?

俺はただ単にトイレへ行って、その後飲み物でもと思って下に行っただけなんだが……それがなんかいけなかったか?

「友姫?どうした?」

友姫に近づいて、肩を揺すってみると……

スー……スー……

⏰:07/11/18 12:12 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#430 [向日葵]
え……。寝てるのか……。

「たく……。友姫、寝るなら布団いけ。風邪引くぞっ。」

「ぅんんー……。」

駄目だ。

なんとかして友姫を抱き上げてから、俺のベッドに横たわらした。

布団をかける時、ふと友姫の顔を見ると、目元がなんだか濡れていた。

「泣いたのか?」

指先で濡れている辺りを拭ってやる。

⏰:07/11/18 12:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#431 [向日葵]
……なるほど。

「俺が呆れたと思ったって?」

答える筈もない友姫の寝顔に穏やかな声で問う。

「本当お前は……。」

苦笑いしながら、友姫の瞼に唇を触れた。

「おやすみ。」

そう言って部屋の電気を消した後、俺は部屋を出て行った。

リビングではまだあの6人がワイワイ騒いでいる。
俺の姿が再び見えると、6人は一気に俺を見た。

⏰:07/11/18 12:20 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#432 [向日葵]
さっき水を飲みに来た時もだが、この6人はやけに俺をきらきらした眼差しで見るんだが……

「一体何……?」

「あー駄目だ!珊瑚普通通りだ!」

暁が面白くなさそうに床に倒れ込む。

「アンタホントに男な訳?」

石垣が腕組みしながら俺に寄って来る。
小さな背からは考えられない程強い眼光は、少し呆れて見えた。

「何を期待してるんだお前らは……。」

⏰:07/11/18 12:25 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#433 [向日葵]
佳苗がにこっと笑ってエライ発言をした。

「だって珊瑚君、友姫ちゃんとはまだでしょ?」

後ろの壁に後頭部を思いっきし打った。

佳苗はある意味恐ろしい。
そんなフワフワした雰囲気を漂わせておきながらそんな発言をするなんて……。

「あのね寛和君……友姫ってあー見えてお子様なトコあるからその気になるまで我慢してね?」

「真野……哀れんでるのか手を出すなと言ってるのかどっちだ。」

⏰:07/11/18 12:29 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#434 [向日葵]
「「両方?」」

一同が面白そうな顔で首を傾ける。
こめかみ辺りに瞬間的な青筋が出来た気がする。

「ナイト様……仲間仲間……。俺だってさ……律が……律がぁぁ!!」

と泣き真似をしながら俺に抱きつく千歳。
若干うんざりしながらされるがままになる。

「あら直。力づくでもいいのよ?」

「どうせその後往復ビンタ10回くらいして2ヶ月は俺を放置するんだろ?」

「よく分かってるじゃない。」

⏰:07/11/18 12:34 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#435 [向日葵]
満足気に石垣が頷くものだから千歳はよりきつく俺に抱きついてオイオイ泣き始めた。

「人それぞれだよね。」

穏やかに、少し遠慮がちに三浦が言った。
そんな三浦に暁はぐるりと振り向いて詰め寄る。

「三浦違う。珊瑚は理性が強すぎなんだよ。」

「その分弾けたら大変そうだよね〜珊瑚君は。」

誰かこのカップルを閉じ込めてはくれないだろうか……。

「理性の強い弱いじゃない。問題は友姫だろ。友姫が嫌がる内は何もしたくない。」

⏰:07/11/18 12:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#436 [向日葵]
すると一斉に6人(いや三浦は別)の動きが止まって、今度は変な視線を送ってきた。

「私が言うのも何だけど……寛和君クサイ台詞吐ける癖にそんな気配ってるのが不思議。」

「控え目に言ってるつもりかもしれないが真野の言葉が一番刺さるぞ。」

「ナイト様……男は時に狼にならなきゃいけないんだぜ?」

「「黙れエロ眼鏡。」」

ここには石垣も参戦。
いや、石垣も眼鏡じゃん……。

⏰:07/11/18 12:45 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#437 [向日葵]
――――――――――――

一旦キリます(◎・ω・◎)


>>283に感想板ありますんで良ければ感想お願いします

⏰:07/11/18 12:47 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#438 [向日葵]
ってそんなの恐いから言えないのが事実だけど……。

「意外にさ……友姫ちゃん待ってたりするんじゃない?ナイト様。」

「友姫に限ってあり得ない。」

断言した。
しかしこれには女子一同から非難の声が。

「そんな事ないと思うよ珊瑚君。」

「大体アンタのせいで友姫は大分色々と感化されてるんだからね。」

「友姫前とは全く変わっちゃったもんねー。」

⏰:07/11/19 23:33 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#439 [向日葵]
俺は最早頭を抱えるしかなくなった。

「もうお前ら帰れ……。」

そう言うと皆「あぁそうだな」とか言って帰る支度を始めた。

ようやく帰ってくれるのかと思うと心底ホッとした。どうして勉強会が「俺と友姫の色々な関係」について会議されなきゃならないんだ……。

「「お邪魔しましたー。また明日ねー。」」

台風一過。

騒がしい奴らがいなくなった部屋はシーンと静まり帰った。

⏰:07/11/19 23:37 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#440 [向日葵]
トントントン……

「ん……?珊瑚君?」

階段を降りながら、友姫が眠たそうに目をこすっていた。

――約3分前程

「ん……?」

あったかぁーい……。

少し身じろぎすれば珊瑚君の匂いがした。

……え?珊瑚君の匂い?

ガバッと起きると、珊瑚君のベッドに入っていた。

「え?!何で?」

⏰:07/11/19 23:43 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#441 [向日葵]
記憶をフル回転で巻戻していく。

グルグルグルグル映像が頭の中で巻戻り、たどり着いた最後の記憶は、珊瑚君の後ろ姿だった。

「……あ……寝ちゃったんだ……。……あぁぁぁ……。」

バカバカ!
余計呆れられるような事してどうすんだ私!

しかもただでさえ珊瑚君に教えてもらう時間は限られてるのに……っ。

私どんだけ駄目になったら気がすむのよぉぉ……。

自己嫌悪していると、階下から声が聞こえた。

⏰:07/11/19 23:49 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#442 [向日葵]
「「お邪魔しましたー。また明日ねー。」」

あ!皆帰っ…………ちゃった……。

走って動く元気もなく、のそのそ起きて下へ行く事にした。

階段を降りると、リビングへ続くドアのヘリに珊瑚君がよっかかっていた。

「珊瑚君……?」

「?あ、友姫。目覚めたか?」

優しく言う珊瑚君だけど、その顔はどこか疲労感が漂っていた。

「ど、どうかした……?」

⏰:07/11/19 23:53 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#443 [向日葵]
「いや……自分達のダチはキャラが濃いぃなと今更ながらな……。」

と顔を手で覆って本当に参ったと言う感じで壁にもたれた。

一体何があったんだろうか……。

するとしばらく黙っていた珊瑚君が少し覆ってる手をずらして私を見た。

「……?」

*****************

果たして友姫はアイツらが言ったみたいにそんな欲望があるんだろうか……?

俺はと言うと別に友姫をどうこうしたいとは思っていない。

⏰:07/11/21 20:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#444 [向日葵]
一度夏休みに理性がぶっ飛びかけた事はあったが、それ以降はこれと言って何もない。

それは別に友姫に魅力を感じないとかそんなんじゃなくて、別にそんな気がないのだ。

[アンタ本当に男なの?]

石垣から言われた事が頭に響いた。

「なぁ友姫……。」

*******************

「なぁ友姫……。」

しばらく私を見つめていた珊瑚君がやっと口を開いてくれた。

⏰:07/11/21 20:21 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#445 [向日葵]
「は、はいっ!」

「お前は全てを俺に捧げたいと思うか?」

……。
ん?それはー……気持ち全てって事だよね?

「もちろんっ!ってか捧げてるつもりなんだけどなぁ……。」
********************

あー駄目だ……。
友姫やっぱり全然分かってない。

まぁ、問い正す必要はない事だし。
時期にその時が来るならば、その時は、これ以上ないほど友姫を優しく扱おうではないか……。

⏰:07/11/21 20:25 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#446 [向日葵]
********************

「あのー…。珊瑚君?」

再びフリーズしてしまった珊瑚君に首を傾げて動き出すのを待つ。

すると珊瑚君はフッ……と微笑んで私の頭を撫でた。

「晩飯の用意するか……。」

「うんっ!」

そして私達は今日も仲良く晩御飯を作るのでした。

――――――……

「友姫!」

次の日、教室に入るなり秋帆を筆頭に律と佳苗ちゃんに廊下へ連れて行かれた。

⏰:07/11/21 20:30 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#447 [向日葵]
「え。何ですか何ですか何ですかっ?!」

「昨日、あれからどうだったか気になってたんだぁ。友姫ちゃん寝てたみたいだったから。」

どうだったって……

「な、何が……?」

3人は目が点になって、少ししてからグリンと後ろを向いた。
残念ながら私にはその会話は聞こえない。

--------------------

「やっぱり何もなかったみたいだねー。」

佳苗の言葉に秋帆、律は頷いた。

⏰:07/11/21 20:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#448 [向日葵]
「あの2人は進展早いようで遅いからね。」

「なんて言うか……単にのほほんとしたカップルなのよ……。」

「友姫、図書室行かないか?」

珊瑚君の呼びかけに私は大きく頷いて珊瑚君の隣についた。

「はぁーぁ。なんって言うか。」

「幸せそうだよね。あの2人。」

友姫と珊瑚以外の一同が目論むおもしろい展開は、まだまだ先の話みたいだ。

「ま、仲良いいなら、いっか。」

⏰:07/11/21 20:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#449 [向日葵]
暁の言葉に「まぁね、」と呟く一同。

どんな事であれ、今日も笑ってあの2人が一緒にいることが、何より安心出来る事なのかもしれない。

友姫と珊瑚は、これからもずっと握ったその手を離さない事だろう。

そうしてくれる事を、心から願って……。







きらきら*END

⏰:07/11/21 20:52 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#450 [向日葵]
ビー玉ラバーズスペシャルストーリー

*恋愛喫茶店―世津&マスター―*









季節は秋に移り変わろうとしていた。

半袖では少し寒く、長袖では少し暑いこの時期。

そんなむしゃくしゃする季節には、あそこが一番。

その名も、「恋愛喫茶店。」

⏰:07/11/21 20:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#451 [向日葵]
私こと相模原 世津(さがみはら せつ)は、そのなんともうさんくさい喫茶店の常連だ。
いや、常連と言うか……。

カランカラーン……

「マスター。こんにちはー。」

挨拶をしながらドアをくぐると、カウンターにはお湯を沸かしているマスターがにっこり笑って私を迎えてくれた。

「世津さん。いらっしゃいませ。」

常連なんて半分嘘。

私はこの綺麗な顔立ちをしたマスターさんの恋人だったりします。

⏰:07/11/21 21:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#452 [向日葵]
マスターから告白されてもうすぐ4ヶ月程が経とうとしている。

告白はなんとマスターからだった。

マスターと言っても私とは6歳差。
そこらにいるおじさんではない。

「なんか飲み物下さいな。」

「かしこまりました。丁度新しい紅茶の葉が入りましたんで。少々お待ち下さい。」

用意しているマスターを見ながらふと思った。

「ねぇマスター。私そういえばマスターの誕生日知らないですけど。」

⏰:07/11/21 21:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#453 [向日葵]
コポコポお湯を注ぎながらマスターは穏やかに笑った。

「あまり、誕生日と言うのは好かないもので。なんと言っても私を捨ててしまわれた両親の元に生まれた日ですからね。」

いい香りの紅茶が出てきた所で私は「しまった……っ。」と後悔した。

マスター。もとい那月さんは、幼い頃捨てられ、今は亡き喫茶店のマスターに育ててもらったと言う。

23歳の大人とは言え、捨てられた傷は大きい筈。
出来るだけ触れないようにしてたんだけど……。

⏰:07/11/21 21:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#454 [向日葵]
――――――――――――

キリます(◎・ω・◎)

>>283に感想板がありますんで良ければ感想お願いします

⏰:07/11/21 21:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#455 [向日葵]
「ごめんなさい……。」

「何故謝るのです?世津さんは何も悪い事はしてませんよ。だから……。」

と言って、カウンター越しに片手を伸ばして、優しく私の頬を包んだ。

その行為に、反省で少し伏せていた目を開き、固まった。

「そんな顔なさらないで下さい。」

マスターを見ると、やっぱり穏やかに微笑んでるだけで、でもその笑顔に苦しみのような感情はなさそうだった。

「……ハイ。」

⏰:07/11/24 00:02 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#456 [向日葵]
喫茶店ならではの温かな雰囲気が私達を包もうとした。

その時だった。

バターン!
ガランガランガラン……

派手に喫茶店の扉が開いて、来客を告げるベルがうるさいくらいに鳴り響いた。

「マスター!」

振り向くと、中学2年生くらいの活発そうな女の子が満面の笑みで入ってきた。

「あぁ梨子(りこ)さん。いらっしゃいませ。」

⏰:07/11/24 00:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#457 [向日葵]
「ウフフー!いらっしゃいましたぁっ!」

と言いながらカウンターに座り、マスターに「アイスカフェオレ!」と元気よく頼んだ。

半ば驚いていた私は彼女を呆気にとられて見ていた。
でも私は気付いた。

この子、マスターが好きだな……?

「ねぇマスター!私今日部活のレギュラーに選ばれたんだ!誉めて誉めて!」

見た所彼女は体育系で、しかも外の競技っぽい。
小麦色に焼けたその肌が物語っていた。

⏰:07/11/24 00:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#458 [向日葵]
マスターは注文されたカフェオレを作りながら相槌を打っていた。
すぐ近くの私は少しいたたまれなくなって、後ろのテーブル席に移動した。

「だからマスター頭撫でて!いつもみたいに!」

移動して座ろうとしていた私はピクッと反応してしまった。

頭撫でる……?

いつもみたいに……?

「偉いですねー。」

マスターは何の躊躇もなくその子の頭を丁寧に撫でた。

⏰:07/11/24 00:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#459 [向日葵]
「……。」

落ち着け。落ち着け私……。
大丈夫。ヤキモチなんて……妬くだけ無駄って言うか。マスターが好きなのは(自分で言うのも何だけど)私な訳だし……。

と思いつつも気持ちを抑えられない私は飲もうとしていた紅茶のカップをプルプル震わせた。

再び「落ち着け」と暗示をかけていると、お店の奥から電話が鳴りだした。

「あ、少し、失礼しますね。」

そう言って奥へ消えて行ったマスター。
なんとなく気まずい空気が流れていると感じているのは私だけだろうか……。

⏰:07/11/24 00:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#460 [向日葵]
「ねぇちょっと。」

「え……?」

さっきより低めの声はまさしく梨子ちゃんとか言うあの子から発せられたもので、私は紅茶から彼女に目を向けると、梨子ちゃんは椅子を少しクルリと回してカウンターに肘をつきながら私を見ていた。

「あの……何か?」

「アンタ、マスターの彼女でしょ。」

おおっと落ち着け私ぃ。
いくら年上に敬語が使えない上“アンタ”呼ばわりされたからって怒るな怒るなっ。

⏰:07/11/24 00:24 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#461 [向日葵]
「そ……そうだけど……。」

作り笑いをしていても自分の顔がどうなっているかが薄々分かっていた。
多分青筋立ててる。

「ハァ……やっぱりね……。」

そっぽを向きながら梨子ちゃんは呟いた。
そして何か考えてからまた(偉そうに)私を見た。
私はその目線に不快感を隠せそうになかったが、なんとか頑張った。

「最近、マスターの感じ変わったからもしかしたらと思ったのよねー……。まさか先に越されてるだなんてなぁー。」

⏰:07/11/24 00:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#462 [向日葵]
「ハァ……。」

「一体どんな手を使ってマスター落とした訳?色仕掛け?……でもないか。」

コイツ……今確実に胸当辺り確認しやがった……っ。
どうせAカップだよバカヤロウ!!

「私、マスター好きなの。アンタみたいなおばさんに負ける気しないから。むしろ奪うし。」

「そ……そう……。」

「落ち着け」の代わりに、今度は「私の方が大人」と暗示し続けた。
でなければ今直ぐにでも胸ぐらを掴んでしまいそうな自分が怖かった。

⏰:07/11/24 00:32 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#463 [向日葵]
「別に10歳差とか、この頃じゃ普通じゃん?だから「無理だ」とか余裕ぶらない方がいいと思うよ?今の中学生舐めたら痛い目見るかんね。」

それだけ饒舌なら舐めてなんかいられないって…。

「お待たせしました。」

奥からマスターが帰ってくると、目を見張るぐらいの早さで梨子ちゃんは椅子をマスターの方へ戻した。

「ぜぇんぜんっ!そこの美人なお姉さんとお話してたからっ!」

あぁ……どうしよう……女って怖いなぁー……。なんだその極端な二重人格。

⏰:07/11/24 00:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#464 [向日葵]
―――――――……

結局梨子ちゃんは私が帰ろうと思う時間までいて、ロクにマスターとは会話する事が出来なかった。
諦めて、カバンとお金を置いた私は静かに喫茶店をあとにした。

しかし……最近の中学生ってすごいなぁ……。
私が中学生の時ってあんなだっけか?

ってか……嫌だったな……。

マスターがあの子の頭に優しく触れた瞬間、胸の奥がジリジリ痛くなった。

「馬鹿みたい……。」

年下に妬くだなんて……。

⏰:07/11/24 00:42 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#465 [向日葵]
――――――――――――

今日はここまでにします(◎・ω・◎)

>>283に感想板がありますんで、良ければ感想お願いします

⏰:07/11/24 00:43 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#466 [向日葵]
トボトボ家へ帰る。
足取りは驚くほど重い気がした。

「世津さん!」

「え?」と思い、重かった足を止め、後ろを振り向いた。
すると、蝶ネクタイもチョッキも、どこかの貴族のような片方だけの眼鏡も外したマスターが向こうから走ってきといた。

私の前まで辿り着いたマスターは息を少し切らしながら私を見つめた。

「帰らないで下さいよ……私は毎日送らせて頂いてるじゃないですか。」

⏰:07/11/25 01:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#467 [向日葵]
「だ…っ、……だって……。」

お客さんの機嫌を損ねてしまえば、マスターに迷惑がかかる。
それならば、私が幾分か我慢した方が事は丸くおさまるし

……何より、私があそこにいたくはなかったんだもの……。

「…?世津さん……?」

マスターは気遣わし気に私を見る。
そして右手をそっと差し出して、私に触れようとした。

それを視界の隅に認めた私は、反射的にその手を払ってしまった。

⏰:07/11/25 01:32 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#468 [向日葵]
パシッと乾いた音が響いた所で私はハッとした。

「あ、ごめんなさ……。」

マスターはびっくりしていた。
目には少し悲しそうな雰囲気が漂っていた。

「ごめんなさい……。」

私はもう1度謝った。

でも、触れて欲しくはなかった。

あの子を触った手で、私を触って欲しくはなかったの……。

「私は、世津さんに何か気に障る事をいたしましたか……?」

⏰:07/11/25 01:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#469 [向日葵]
それがあの子に対する嫉妬だと知ったら、マスターは私をみっともないと蔑ずんでしまうかもしれない……。

「す……拗ねてたんですっ!」

だから嘘をついた。

「マスターが誕生日を教えてくれないから。何でよ!って。ただそれだけです。」

マスターはしばらく私の顔をじっと見つめた。
私は嘘と見極められない為ぐっと神経を集中させた。

するとマスターの顔から緊張がとけた。

⏰:07/11/25 01:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#470 [向日葵]
「10月14日ですよ。丁度明後日の日曜に24になります。」

「え?!そんな間近だったの?!」

もっと余裕がある事を期待していたから、嘘をついたのは自分と言えど動揺を隠せないでいた。

「でも……教えてくれて、ありがとう。お陰で、マスターの誕生日見逃さずにすみましたっ。」

マスターは、今度は嫌がらなかった方の手で私の顔を包む。
それに気づいたから、私は今度は抵抗しなかった。

⏰:07/11/25 01:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#471 [向日葵]
「こんな事で、世津さんの笑顔が見れるならばいつでもお教えしますよ。」

私は嬉しくなって、顔をほころばせた。

「ありがとう。」

そう言うとマスターも穏やかに笑った。
と、急にマスターの顔が近づいて、ほんの2秒ほど唇が重なった。

半時遅れて、私の体温が首から上がっていくのが分かった。

「……マッ……!マスター!」

「クスクス。すいません。」

⏰:07/11/25 01:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#472 [向日葵]
顔が赤い私を引っ張る形で、マスターはいつもみたいに私をちゃんと家まで送ってくれた。

――――――――……

「マスターの誕生日明日なんですってね。」

土曜日。
本来なら中学生で部活をやっているのならば学校に行ってる時間に梨子ちゃんはいた。

「……ん?なんでそれ……。」

「昨日マスターアンタが出ていったって気づいてからあたしを放って出て行ったのよ。」

その言葉に少し胸が温かくなる。

⏰:07/11/25 01:52 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#473 [向日葵]
そんな私を気にもせず、梨子ちゃんは喋り続ける。

「で、気になって追い掛けたら思わぬ収穫ってわけ。ってかさ、キスされたとか超ムカつくんですけどっ。」

つまり尾行されてたんだマスター……。
しかもキスされてたトコまで見られてただなんて……っ。

「で、でも、私彼女なんだからキスぐらいするもん。」

とりあえず威厳みたいなものを見せ付けるために反論してみる。

効果はまぁまぁあったみたい。梨子ちゃんは悔しげに歯を食い縛っている。

⏰:07/11/25 01:56 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#474 [向日葵]
「アンタなんか……マスターにふさわしくないっ!」

「それを決めるのは貴方じゃない。」

その時マスターが奥から出てきた。

「お2人共仲がよろしいんですね。」

「ウンそうなのぉーっ!」

相変わらずの豹変ぶりは拍手を送りたくなる。
私には絶対不可能だ。
梨子ちゃんは猫なで声を続ける。

「マスター、そこのお姉さんから誕生日の事聞いたの!お祝いしたいんだけどダメェ?!」

⏰:07/11/25 02:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#475 [向日葵]
おいおいっ!それは私のセリフなんだけど?!

「そんなお気遣いいりませんよ。梨子さんがこうしていつも来て頂く事が何よりも宝物です。」

梨子ちゃんはお祝いを断られて明らかなシュンとしていた。
これはきっと演技でもなんでもなく、この子の素の部分だろう。

「じゃあ!私が一番にお祝いするっ!」

え?

「マスター!おめでとう!」

マスターは目を細めて喜んだ。

⏰:07/11/25 02:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#476 [向日葵]
私はそんなマスターと梨子ちゃんをぼんやり見ていた。

あ……また胸がザワザワする……。

「世津さん?」

私はハッとしてマスターを見た。
その横には「してやったり」とニヤけている梨子ちゃん。
私はあり得ないくらいの怒りの炎を燃やした。

「マスター。ごめんなさい、一旦帰りますっ。まだ朝なので送るのはいいですからっ!」

出て行く時に、マスターが私の名前を呼んだ気がした。

⏰:07/11/25 02:09 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#477 [向日葵]
――――――――――――

今日はここまでにします(◎・ω・◎)

>>283に感想板がありますんで、良ければ感想お願いします

⏰:07/11/25 02:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#478 [向日葵]
家に帰ると双子で妹の世衣せい)が私を出迎えてくれた。

「お帰りせっちゃんっ。マスターのトコに行ってたんじゃなかったの?」

「ウン……。ちょっとね。ねぇ世衣。ちょっと買い物行かない?」

「行くー!あたしね、服せっちゃんと見たかったんだぁ!!」

本当は買い物なんて気分じゃない。
でもなんとかして怒りの炎を沈めたかった。

マスターが追いかけてこない。
それもイライラしてる1つなのかもしれない。

⏰:07/11/26 01:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#479 [向日葵]
自分で「追いかけてくんな」と言ったようなものなのに……。
矛盾してるよね……。

――――――……

買い物から帰ってきてから私はずっと部屋に閉じ込もった。

モヤモヤ考えながらベッドの上で行ったり来たりとゴロゴロする。

「ハァー……。明日どうしよう……。」

チラッと、ベッド前に置いてあるミニテーブルの上を見た。

ラッピングされた小包が1つだけコソンとある。

⏰:07/11/26 01:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#480 [向日葵]
私はそれを今度はジーッと見つめた。

それはマスターへのプレゼントなのだ。

明日、渡したいんだけど……今日あんな態度を取ってしまったからなぁ……。

マスターも別にあれから何も言ってこないし……。
今度こそ……嫌われちゃったのかもしれない。

「短気は損気……。」

言葉の意味がよく分かる。

でも……私はウジウジするのが人一倍大っ嫌い。

時計を見ると、もうすぐ10時。
部屋を出てお風呂に入り、隅々まで洗う。

⏰:07/11/26 01:27 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#481 [向日葵]
そしてあがってから階段を駆け上り、ドアを閉める前に家の皆に聞こえるくらいの声で

「おやすみっ!」

と言った。

でも実際は寝るんじゃない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

11時40分。

私はそろーっと部屋のドアを開けた。
家の中はシーンとしている。

ここで嬉しいのが私の家の就寝時間が早いって事だ。

⏰:07/11/26 01:30 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#482 [向日葵]
私がやる事。
それは1つ。

今からマスターに会いに行くのだ。

マスターに24歳おめでとうって、仲直りするつもりで言いに行く。

足音を出来るだけ立てず、玄関のドアを静かに閉めて、作戦へ移る。

とにかくダッシュでマスターの元へ。
秋になりかけの夜中は思っていたよりも涼しかった。

せっかくのお風呂も汗ばんだ肌には意味がないような気がしたけど、多分マスターは気にしないだろう。

⏰:07/11/26 01:34 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#483 [向日葵]
「ハァ……ハァ……あれ……?」

閉店時間はとっくに過ぎている筈の喫茶店に、灯りがまだついていた。
さすがにドアには「Close」の看板がかけてあったけど。

中を覗くと、マスターがまだカウンターにいた。

思い切って、ドアを軽くトントンと叩いてみる。

「こんな時間なのに誰だ。」と言う驚きは見せなかったマスターだが、訪問者が私と分かると目を見開いてすぐにドアを開けに来た。

「世津さんっ!何をなさってるんですかこんな時間にっ!」

⏰:07/11/26 01:39 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#484 [向日葵]
腕を引っ張って中へ入れてもらった。

マスターの少し怒った目を無視して、私は携帯の時計を見た。

「……50分……。」

「え?」

「マスター、文句は後で聞くから、黙って10分間私をここにいさせて。」

マスターは何が何だかと言った風に顔をしかめたが、直ぐに口元に笑みを戻した。

「お飲み物でも用意しますね。」

そう言ってカウンターに行ってしまった。

⏰:07/11/26 01:43 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#485 [向日葵]
今の会話で約2分……。

私の胸はウズウズして仕方なかった。

早く早くと体を揺らしたい気分。
でも貧乏揺すりは品が無いと思い、必死に高まる体を押さえつけた。

すると段々と喫茶店に甘い香りが漂ってきた。

カウンターを見ると丁度マスターと目が合い、私ににっこり微笑んだ。
それだけで私の心臓がドキンとする。

「な、何を作ってるの……?」

「もう少しお待ち下さい。すぐ出来ますから。」

⏰:07/11/26 01:51 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#486 [向日葵]
しばらくしてテーブルに出てきたのは

「キャラメルマキアーとです。いい香りでしょう。」

甘い匂いの原因はこれだった。

「あ……ありがとう……。」

一口飲もうとしたけど、見るからに熱そうなのでじっと見るだけにした。

マスターは私の向かい側に座って黙っている。

「――っ何か喋ってぇ!」

⏰:07/11/26 01:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#487 [向日葵]
沈黙に耐えきれなくなった私はマスターに懇願した。
いきなりの私の言葉に珍しくマスターがビクッとしていた。

「いえ……何かジリジリしておられましたんで、黙っていた方が良いと思いまして。」

「黙られた方がジリジリするわよ……。」

ため息をついて時間を見た。
只今56分……。

「梨子さんが……。」

その名前を聞いて、今度は私がビクッとしてしまった。
何しろ気まずくなった元はあの子にもあるのだから。

⏰:07/11/26 01:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#488 [向日葵]
「私を好きだと……おっしゃいました。」

「……うん。そう……。」

57分……。

マスターは指先を絡めたり外したりを繰り返している。
私はそれをじっと見ながら、マスターの次の言葉を待っている。

「失礼ながら……お断りさせて頂きました。」

「失礼ながら……?」

失礼って何?
断るのなんか……当たり前だと思ってた。

⏰:07/11/26 02:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#489 [向日葵]
「マスターは優しすぎる!」

ガタッと席を立った。
机に少し当たってしまい、振動でキャラメルマキアートがチャポンと音を立てた。

「マスターは、私が好きじゃないの?!なのに「失礼ながら」って……っ。マスターはあの子の事が少しでも好きだったとかそういう訳?!」

58分……。

「違いますよ。大切なお気持ちを私は踏みにじってしまったんです。だから」

「そういうのが、私は嫌なのっ!」

⏰:07/11/26 02:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#490 [向日葵]
ああ!私仲直りするつもりで来たのに何ケンカしちゃってるのよ!

……でもどうしよう……止まらない……。

「目の前で他の人の頭撫でたり、優しく笑ったりするの嫌なの!仕方ないって分かってる!それがマスターの仕事だもんっ!……でも納得出来ない所があるんだもん!」

「世津さ」

「マスターが私を大事にしてくれてるのは分かってるの!でも、そんな寛大に見れるほど私には余裕がないのっ!」

59分……。

あと1分と気づいた所で私は黙った。
一気に言いたい事を言ったから息が軽く上がっていた。

⏰:07/11/26 02:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#491 [向日葵]
感情が高ぶって、涙ぐんでるのが分かる。

マスターは、唖然と、だけどどこか冷静に私を見つめていた。

もう終りだ。
そんな気がした。

自分の隣に置いてあるプレゼントを掴んでマスターに押し付けた。

「プレゼントです……。本来なら私が一番におめでとうって、お祝いしてあげたかった……。」

そう告げて、私は席を立った。
現在、0時1分。

「じゃあ……帰りますんで……。」

⏰:07/11/26 02:14 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#492 [向日葵]
ドアを開けたと思うと、すぐにしまった。
ドアノブにかかっている私の手に、マスターの手が重なっている。

「マス……。」

マスターが後ろからゆっくり私を抱き締めた。
私はドキドキしながら固まる。

「私は……そんなにも世津さんを傷つけていたんですね……。」

マスターの腕の力が少し加わった。

「でも嬉しいんです。世津さんがここまで打ち明けて下さった事が……。」

⏰:07/11/26 02:17 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#493 [向日葵]
腕をほどいて、マスターに向き直った。
マスターはいつものように穏やかに笑っている。
手は、私の腰辺りを抱き締めている為、マスターとの距離は近かった。

「世津さんは何かいつも我慢してるようだったので不安だったんですよ。」

「だって……こんな私は嫌われると思ったから……。」

マスターはゆっくりと首を横に振った。

「嫌いになるだなんて……絶対にしませんよ。」

急に、マスターがとても愛しくなって、腕をマスターの首に巻き付けた。
マスターも抱き締め返してくれる。

⏰:07/11/26 02:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#494 [向日葵]
「あれ、いいですね。大事にしますよ。」

マスターが指してる“あれ”は、私が渡したプレゼント。
中身はコーヒーカップだ。

「無理しなくていいですよ。あんまり嬉しくないでしょ。」

「そんな事ないですよ。世津さんから頂いた物ですから……。」

「じゃあ使って?今から一緒にコーヒー飲みましょうよ。那月さん……。」

クスッとマスターの笑い声が聞こえた。
体を離すと、マスターの顔が少しだけ赤くなっていた。

⏰:07/11/26 02:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#495 [向日葵]
「世津さんから名前を呼ばれるのは、またとない幸福ですね……。」

私達はまた笑い合って、一緒にコーヒーを飲みながら時が経つのを忘れて話した。

ぬるくなってしまったキャラメルマキアートは、その日の後何回も飲んだけど、マスターの誕生日程、美味しいとは思わなかった。

一緒に飲んだからこそ、美味しくそして、優しい味がするんだと、後々に分かった。




*恋愛喫茶店*END

⏰:07/11/26 02:32 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#496 [向日葵]
ビー玉ラバーズ*スペシャルストーリー*
*黒蝶・蜜乙女*












「大っっ嫌い!!!!」

「なんだと?!」

冒頭から何事と思いますよね。
でも私はどうしても許せなかったんです。
なので……ケンカ勃発中……。

⏰:07/11/26 02:35 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#497 [向日葵]
どうもこんにちわー!
お久しぶりですっ!

専門学生になって早4ヶ月の本山 蜜(もとやま みつ)。18歳です。

何故私達がケンカしてるかと言うと、原因は皆さんご想像の通り……

・・・
アイツです。

そう。忘れもしない超超超美形でクサくてサブいセリフが大好きでスケベで横暴でミスター俺様!

その名も……

「セツナ!!」

そして私達がケンカをしてるかと言うと、今から数時間前に上ります……。

⏰:07/11/26 02:41 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#498 [向日葵]
――数時間前――

「くぁーっ!あっつーい……。」

夏休みに入った私は、いつもの様に家事を頑張っていました。
只今外で洗濯干してまぁーす!

「蜜。」

「なぁにラフィーユ。」

「俺とラフィでちょっくら蜜吸ってくるわ!」

ラフィーユとオウマ君は私の友達のような存在で、今は家に一緒に住んでます。ついでに学校も一緒だったりしています。

「そう。気をつけてね。」

⏰:07/11/26 02:45 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#499 [向日葵]
「おうよぉ!」

と2人は元気に飛んでいきました。
残りは……。

「おい蜜。」

ほーら来た。

「何ですかセツナ。」

「何ですかじゃない。いつになったら相手をしてくれるんだ。」

実はこの所、課題やら家事やら睡眠やらでセツナをおざなりにしすぎていて、セツナのご機嫌急降下……。

そりゃいいですよねセツナは。単位とか気にしなくていいんですもの。

⏰:07/11/26 02:49 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#500 [向日葵]
というか、セツナは学校には行ってない。
セツナはセツナで、あちらの世界で忙しいらしく、私達はほとんどがすれ違い状態だった。

ところが、私が夏休みと言う理由から、セツナも仕事を放棄して私にべったり……と言うことらしい。
しかし、私がそれどころしゃなかったって事で……。

「仕方ないじゃないですか。ラフィーユにはお料理やら何やら手伝ってもらってるんですから。たまには私がしないと。」

と言いながら洗濯物を干していると、「チッ」と聞こえよがしに聞こえた。

⏰:07/11/26 02:53 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#501 [向日葵]
「舌打ちしてイライラしてるリアクション見せても急ぎませんからね。」

「イライラさせて後でヒドイ事になるのはお前だからな蜜。」

それを思うと多少急ぎたくなるけど……。
でも私も忙しいんだいっ!

反抗心を持ちながら、後の事を聞かされた私はどこか焦りながら洗濯を干し終えた。

「フー……。オッケーオッケー。」

と思ったら。

「うわぁぁ!」

⏰:07/11/26 02:56 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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