○ビー玉ラバーズ○
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#455 [向日葵]
「ごめんなさい……。」

「何故謝るのです?世津さんは何も悪い事はしてませんよ。だから……。」

と言って、カウンター越しに片手を伸ばして、優しく私の頬を包んだ。

その行為に、反省で少し伏せていた目を開き、固まった。

「そんな顔なさらないで下さい。」

マスターを見ると、やっぱり穏やかに微笑んでるだけで、でもその笑顔に苦しみのような感情はなさそうだった。

「……ハイ。」

⏰:07/11/24 00:02 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#456 [向日葵]
喫茶店ならではの温かな雰囲気が私達を包もうとした。

その時だった。

バターン!
ガランガランガラン……

派手に喫茶店の扉が開いて、来客を告げるベルがうるさいくらいに鳴り響いた。

「マスター!」

振り向くと、中学2年生くらいの活発そうな女の子が満面の笑みで入ってきた。

「あぁ梨子(りこ)さん。いらっしゃいませ。」

⏰:07/11/24 00:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#457 [向日葵]
「ウフフー!いらっしゃいましたぁっ!」

と言いながらカウンターに座り、マスターに「アイスカフェオレ!」と元気よく頼んだ。

半ば驚いていた私は彼女を呆気にとられて見ていた。
でも私は気付いた。

この子、マスターが好きだな……?

「ねぇマスター!私今日部活のレギュラーに選ばれたんだ!誉めて誉めて!」

見た所彼女は体育系で、しかも外の競技っぽい。
小麦色に焼けたその肌が物語っていた。

⏰:07/11/24 00:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#458 [向日葵]
マスターは注文されたカフェオレを作りながら相槌を打っていた。
すぐ近くの私は少しいたたまれなくなって、後ろのテーブル席に移動した。

「だからマスター頭撫でて!いつもみたいに!」

移動して座ろうとしていた私はピクッと反応してしまった。

頭撫でる……?

いつもみたいに……?

「偉いですねー。」

マスターは何の躊躇もなくその子の頭を丁寧に撫でた。

⏰:07/11/24 00:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#459 [向日葵]
「……。」

落ち着け。落ち着け私……。
大丈夫。ヤキモチなんて……妬くだけ無駄って言うか。マスターが好きなのは(自分で言うのも何だけど)私な訳だし……。

と思いつつも気持ちを抑えられない私は飲もうとしていた紅茶のカップをプルプル震わせた。

再び「落ち着け」と暗示をかけていると、お店の奥から電話が鳴りだした。

「あ、少し、失礼しますね。」

そう言って奥へ消えて行ったマスター。
なんとなく気まずい空気が流れていると感じているのは私だけだろうか……。

⏰:07/11/24 00:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#460 [向日葵]
「ねぇちょっと。」

「え……?」

さっきより低めの声はまさしく梨子ちゃんとか言うあの子から発せられたもので、私は紅茶から彼女に目を向けると、梨子ちゃんは椅子を少しクルリと回してカウンターに肘をつきながら私を見ていた。

「あの……何か?」

「アンタ、マスターの彼女でしょ。」

おおっと落ち着け私ぃ。
いくら年上に敬語が使えない上“アンタ”呼ばわりされたからって怒るな怒るなっ。

⏰:07/11/24 00:24 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#461 [向日葵]
「そ……そうだけど……。」

作り笑いをしていても自分の顔がどうなっているかが薄々分かっていた。
多分青筋立ててる。

「ハァ……やっぱりね……。」

そっぽを向きながら梨子ちゃんは呟いた。
そして何か考えてからまた(偉そうに)私を見た。
私はその目線に不快感を隠せそうになかったが、なんとか頑張った。

「最近、マスターの感じ変わったからもしかしたらと思ったのよねー……。まさか先に越されてるだなんてなぁー。」

⏰:07/11/24 00:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#462 [向日葵]
「ハァ……。」

「一体どんな手を使ってマスター落とした訳?色仕掛け?……でもないか。」

コイツ……今確実に胸当辺り確認しやがった……っ。
どうせAカップだよバカヤロウ!!

「私、マスター好きなの。アンタみたいなおばさんに負ける気しないから。むしろ奪うし。」

「そ……そう……。」

「落ち着け」の代わりに、今度は「私の方が大人」と暗示し続けた。
でなければ今直ぐにでも胸ぐらを掴んでしまいそうな自分が怖かった。

⏰:07/11/24 00:32 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#463 [向日葵]
「別に10歳差とか、この頃じゃ普通じゃん?だから「無理だ」とか余裕ぶらない方がいいと思うよ?今の中学生舐めたら痛い目見るかんね。」

それだけ饒舌なら舐めてなんかいられないって…。

「お待たせしました。」

奥からマスターが帰ってくると、目を見張るぐらいの早さで梨子ちゃんは椅子をマスターの方へ戻した。

「ぜぇんぜんっ!そこの美人なお姉さんとお話してたからっ!」

あぁ……どうしよう……女って怖いなぁー……。なんだその極端な二重人格。

⏰:07/11/24 00:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#464 [向日葵]
―――――――……

結局梨子ちゃんは私が帰ろうと思う時間までいて、ロクにマスターとは会話する事が出来なかった。
諦めて、カバンとお金を置いた私は静かに喫茶店をあとにした。

しかし……最近の中学生ってすごいなぁ……。
私が中学生の時ってあんなだっけか?

ってか……嫌だったな……。

マスターがあの子の頭に優しく触れた瞬間、胸の奥がジリジリ痛くなった。

「馬鹿みたい……。」

年下に妬くだなんて……。

⏰:07/11/24 00:42 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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