○ビー玉ラバーズ○
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#485 [向日葵]
今の会話で約2分……。

私の胸はウズウズして仕方なかった。

早く早くと体を揺らしたい気分。
でも貧乏揺すりは品が無いと思い、必死に高まる体を押さえつけた。

すると段々と喫茶店に甘い香りが漂ってきた。

カウンターを見ると丁度マスターと目が合い、私ににっこり微笑んだ。
それだけで私の心臓がドキンとする。

「な、何を作ってるの……?」

「もう少しお待ち下さい。すぐ出来ますから。」

⏰:07/11/26 01:51 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#486 [向日葵]
しばらくしてテーブルに出てきたのは

「キャラメルマキアーとです。いい香りでしょう。」

甘い匂いの原因はこれだった。

「あ……ありがとう……。」

一口飲もうとしたけど、見るからに熱そうなのでじっと見るだけにした。

マスターは私の向かい側に座って黙っている。

「――っ何か喋ってぇ!」

⏰:07/11/26 01:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#487 [向日葵]
沈黙に耐えきれなくなった私はマスターに懇願した。
いきなりの私の言葉に珍しくマスターがビクッとしていた。

「いえ……何かジリジリしておられましたんで、黙っていた方が良いと思いまして。」

「黙られた方がジリジリするわよ……。」

ため息をついて時間を見た。
只今56分……。

「梨子さんが……。」

その名前を聞いて、今度は私がビクッとしてしまった。
何しろ気まずくなった元はあの子にもあるのだから。

⏰:07/11/26 01:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#488 [向日葵]
「私を好きだと……おっしゃいました。」

「……うん。そう……。」

57分……。

マスターは指先を絡めたり外したりを繰り返している。
私はそれをじっと見ながら、マスターの次の言葉を待っている。

「失礼ながら……お断りさせて頂きました。」

「失礼ながら……?」

失礼って何?
断るのなんか……当たり前だと思ってた。

⏰:07/11/26 02:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#489 [向日葵]
「マスターは優しすぎる!」

ガタッと席を立った。
机に少し当たってしまい、振動でキャラメルマキアートがチャポンと音を立てた。

「マスターは、私が好きじゃないの?!なのに「失礼ながら」って……っ。マスターはあの子の事が少しでも好きだったとかそういう訳?!」

58分……。

「違いますよ。大切なお気持ちを私は踏みにじってしまったんです。だから」

「そういうのが、私は嫌なのっ!」

⏰:07/11/26 02:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#490 [向日葵]
ああ!私仲直りするつもりで来たのに何ケンカしちゃってるのよ!

……でもどうしよう……止まらない……。

「目の前で他の人の頭撫でたり、優しく笑ったりするの嫌なの!仕方ないって分かってる!それがマスターの仕事だもんっ!……でも納得出来ない所があるんだもん!」

「世津さ」

「マスターが私を大事にしてくれてるのは分かってるの!でも、そんな寛大に見れるほど私には余裕がないのっ!」

59分……。

あと1分と気づいた所で私は黙った。
一気に言いたい事を言ったから息が軽く上がっていた。

⏰:07/11/26 02:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#491 [向日葵]
感情が高ぶって、涙ぐんでるのが分かる。

マスターは、唖然と、だけどどこか冷静に私を見つめていた。

もう終りだ。
そんな気がした。

自分の隣に置いてあるプレゼントを掴んでマスターに押し付けた。

「プレゼントです……。本来なら私が一番におめでとうって、お祝いしてあげたかった……。」

そう告げて、私は席を立った。
現在、0時1分。

「じゃあ……帰りますんで……。」

⏰:07/11/26 02:14 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#492 [向日葵]
ドアを開けたと思うと、すぐにしまった。
ドアノブにかかっている私の手に、マスターの手が重なっている。

「マス……。」

マスターが後ろからゆっくり私を抱き締めた。
私はドキドキしながら固まる。

「私は……そんなにも世津さんを傷つけていたんですね……。」

マスターの腕の力が少し加わった。

「でも嬉しいんです。世津さんがここまで打ち明けて下さった事が……。」

⏰:07/11/26 02:17 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#493 [向日葵]
腕をほどいて、マスターに向き直った。
マスターはいつものように穏やかに笑っている。
手は、私の腰辺りを抱き締めている為、マスターとの距離は近かった。

「世津さんは何かいつも我慢してるようだったので不安だったんですよ。」

「だって……こんな私は嫌われると思ったから……。」

マスターはゆっくりと首を横に振った。

「嫌いになるだなんて……絶対にしませんよ。」

急に、マスターがとても愛しくなって、腕をマスターの首に巻き付けた。
マスターも抱き締め返してくれる。

⏰:07/11/26 02:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#494 [向日葵]
「あれ、いいですね。大事にしますよ。」

マスターが指してる“あれ”は、私が渡したプレゼント。
中身はコーヒーカップだ。

「無理しなくていいですよ。あんまり嬉しくないでしょ。」

「そんな事ないですよ。世津さんから頂いた物ですから……。」

「じゃあ使って?今から一緒にコーヒー飲みましょうよ。那月さん……。」

クスッとマスターの笑い声が聞こえた。
体を離すと、マスターの顔が少しだけ赤くなっていた。

⏰:07/11/26 02:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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