○ビー玉ラバーズ○
最新 最初 🆕
#575 [向日葵]
「紅葉……寒いから中入れ。」

静流の声は落ち着いていた。
まだ怒ってると思ってたから、口はその内聞くだろうと思って。

でも、反抗心からでなく、ただ単にその場から動けない私は、結果的に静流の言葉を無視して震えてるだけだった。

キシッとフローリングが軋んだ。
静流が近づいてくる気配を感じる。

体育座りしている足を包んでいる私の腕を見つめていた私の視界に、静流の手が出現する。

⏰:07/12/09 13:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#576 [向日葵]
そしてそのまま私をギュッと抱き締めた。

静流の体温が、冷えた体に心地いい。

「どうかした?まだ怒ってんの?」

優しく私に声をかける静流。
私は首を振って否定した。

「じゃあどうしたのさ。」

私は静流に向き直って、一瞬見つめてから静流の胸に抱きついた。
静流も優しく包んでくれる。

「私は……イルミネーションが恐いの……。」

⏰:07/12/09 13:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#577 [向日葵]
話を聞いてるだけだと、「何言ってんだコイツ」と反応されるだろう。
でも静流は、静かに「うん。」と言って、話の先を促す。

「だから静流と出かけるのが嫌なんじゃない。私の問題だから……だから……。」

言葉が途切れると、静流はゆっくり頭を撫でてくれた。

「分かったから。……大丈夫だよ。」

静流から離れて、顔を覗くと、理解ある顔で、優しく微笑んでくれていた。

無意識に、何故かホッとする。

⏰:07/12/11 11:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#578 [向日葵]
「辛いのに話してくれてありがとう。」

静流の掌が、私の頬を包む。外気で冷えた私の頬に、静流の掌はとても温かく感じた。

「出かけるのだったら別にいいの。まぁどちらにしても、静流はクリスマスは香月さんに監禁状態だとは思うけどね。」

静流はパチパチと瞬きした。

「なんでそんな事分かるの?」

「香月さんから謝罪メールが来たの。」

静流は「なるほど。」と呟く。

⏰:07/12/11 11:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#579 [向日葵]
静流は私の顔から手を離した。温かくなくなった私の頬はスースーする。
その離した手で、私の指先をいじりながら、しばらく静流は、夜の冷蔵庫みたいに「んー……。」と考え事をしていた。

「……。いけるかな……。」

静流が聞こえるか聞こえないかの声でボソッと呟いた。

「え?」

「いやな、クリスマス会出席するわするけど、早めに切り上げて紅葉とどっか行けないかなぁって。」

「私は別にいいわよ。クリスマスって2日あるし。」

⏰:07/12/11 11:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#580 [向日葵]
すると静流は私にデコピンした。
軽くのけぞり、おでこをさすりながら静流に非難の目を向ける。

「お前には乙女のロマンがないのか。イヴが一番盛り上がるっつーのに。」

「なんかその言い方、静流が乙女みたい。」

少しおかしくて、フフッと笑った。
すると静流の顔が少し赤くなった。

どうしたんだろう……。

「わ……笑うな。」

「ごめん。面白かったから。」

⏰:07/12/11 11:20 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#581 [向日葵]
「そうじゃ……なくて……。」

じゃあ何なんだ……?
歯切れが悪いなぁ。

「とにかく、それぐらいなら香月は許してくれると思う。帰り遅くなっても父さんは咎めないだろうし。な?行こう?」

私はうつ向いた。

私に待つ勇気があるだろうか。
もちろん、静流がほったらかしにする訳ない。
それは信じてる。

でも悪いイメージって、いつでも付いてくるものだから……。

⏰:07/12/11 11:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#582 [向日葵]
静流は今度は両手で私の顔を包む。
そして真っ黒な潤んだ瞳で私をじっと見つめた。
私も見つめ返す。

「……待つのは恐い?」

嘘はつけない。
目を伏せて、小さく頷いた。

「紅葉……。」

再び静流を見ると、優しく静流の唇が私の唇に重なった。
胸がドキン……と高鳴る。

離れて、間近くで見つめ合う。

「絶対、紅葉を1人ぼっちにはさせないから。俺の事信じて?」

⏰:07/12/11 11:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#583 [向日葵]
少し悲しそうな静流の瞳。

私もいつまでも立ち止まってないで、勇気出さなくちゃ……。

私はまた小さくコクンと頷いた。
頷いてから静流はゆっくり私を胸元に抱きよせた。

大丈夫。

静流の抱擁が、そう告げた気がした。

――――――……

「ま……それぐらい許してやるかな……。」

次の日。俺は昨日の件を香月に伝えた。

⏰:07/12/11 11:32 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#584 [向日葵]
「香月愛してるっ!」

香月は抱きつこうとした俺の顔を掌でがっつり掴んで阻止した。

「そーゆーのは紅葉にやってろ。」

「マジ感謝するっ!」

やれやれと言う風に香月はため息をついた。
そして「皆ちゅうもーく!」とクラスの視線を集める。

「クリスマス会は終業式の後、着替えてから行くぞー。だから着替え持参なぁ!時間は昼からー。学校近くのカラオケ予約してっからー。」

⏰:07/12/11 11:37 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194