○ビー玉ラバーズ○
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#90 [向日葵]
「そんな事ないって!約束でしょ?買い物付き合うって。」

私は目の前が真っ暗になった。足が地面に付いてるかどうかさえ分からない。

何言ってんの先輩。
ついさっきまで覚えてたじゃない……。
今日は……記念日なんだよ……?

「あ!奏ちゃん!」

先輩の声で私はピクリと動いた。
いつもみたいに先輩は私の元へ駆けよってくる。

「どうしたのこんなトコでぇ!」

⏰:07/10/21 02:03 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#91 [向日葵]
体がズキズキする。
頭がフラフラする。

「先輩……今日何の日か、知ってますよね……?」

まさか、いつもみたいな返ししないわよね……?
しないよね先輩……っ。

でも先輩は見事に私の期待を裏切ってくれた。

「今日何かあったっけ?」

胸を、ナイフで一突きされたみたいな鋭い痛みが突き抜ける。

だって朝、先輩ちゃんと言ってたじゃない。私嬉しかったのに……。先輩は私なんてどうでもいいの……?

⏰:07/10/21 02:08 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#92 [向日葵]
「今からね、この子と買い物に行くんだ!楽しい事一杯するんだ!奏ちゃんも行く?」

楽しい……?

先輩は本当に子供なんですね。楽しい事があればそれを最優先して、大事な事なんてポーンとすっぽかして…………残酷なくらい胸をえぐって……。

「も……嫌……。」

「え?」

私は手を高くあげて先輩を殴ろうとした。
でも途中でどうでもよくなって、また手を下ろした。

⏰:07/10/21 02:12 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#93 [向日葵]
「も…ぅ……いい……。」

私は回れ右をしてスタスタ家までの道を歩き始めた。

「ま、待って奏ちゃん!」

先輩が後ろから追ってくるのが分かった。
でも私は歩く速度を緩めない。

グイッ!

腕を引っ張られて先輩の方を向かされた。

「待ってって……言ったのに……っ。」

「何故……?今から買い物なんでしょう……?」

⏰:07/10/21 02:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#94 [向日葵]
虚ろな目をして私は答えた。
先輩はどうしたらと思ってるのか目の前でまごまごしてる。

「言ったでしょ?……私、もういいですから……。」

「あのね奏ちゃ」

「先輩。」


私は言葉を遮った。
先輩は悲しそうな顔をしている。
何故?私なんかもう放っておけばいい。

「……私、先輩からデート誘われる度、正直嫌だったんです。また……今日もかって思っ……。」

⏰:07/10/21 02:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#95 [向日葵]
涙が流れてしまった。
泣くつもりなんてなかったのに……。
でもやっぱり辛かった。

果たされない約束に、いつまでも待たされる私はあまりにも惨めで虚しかった。

「もう先輩の好きなようにして下さい……。私はもう、先輩とは付き合えませんから……っ。」

先輩の手を振り払ってまた歩き出した。
とうとう別れの日が来てしまったんだ。
そう思うと余計に泣けてきた……。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ピリリリリ

⏰:07/10/21 10:47 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#96 [向日葵]
家に帰る訳でもなく、公園のベンチにボンヤリ座っていると携帯が鳴った。
ポケットから出して、サブディスプレイを見ると、津奈からだった。

{もしもし!お楽しみ中ゴメン!あのさぁ…………奏?どうかした?}

私はまたポロポロ涙が流れ始めた。

「……っつ……なぁ……っ。」

{やだ!どうしたの奏?!今どこ?!}

私は場所を告げると、津奈はすぐ行くと言って電話を切った。

⏰:07/10/21 10:53 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#97 [向日葵]
記念日を忘れられたのが悲しいんじゃない。
先輩が私を好きだったのかが不安なんだ。

あの毎日のように言ってた「大好き」は、偽りなの……?
子供のフリして、ずっと私を嘲笑ってたの……?

「奏!」

15分くらい経った時、息を切らした津奈がやって来た。
津奈が来ると手を伸ばして私は彼女に抱きついた。

「よしよし。何かあったのね。話せる?」

頭を優しく撫でてくれる津奈に私は頷いた。

⏰:07/10/21 10:59 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#98 [向日葵]
私はまたベンチに座って涙で切々ながら津奈にさっきの出来事を話した。

津奈は私が鳴咽で詰まる度に優しく背中を擦りながら「ゆっくりでいいよ。」と言ってくれた。

そして何分か時間をかけて、話を終えた。

「そっか……。辛かったね……。でもさ、なんで先輩追って来たんだろう。」

「……知らない。珍しく罪悪感がよぎったんじゃない……?」

私は先輩を悪く言う事しか出来なかった。
別れた男女によくある光景。
でも本当は悪口なんて嫌なのに……。

⏰:07/10/21 11:04 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#99 [向日葵]
「奏はもういいの?先輩の事。」

私は少し間を開けてコクリと頷いた。

「そっか……。」

そうだよ。
もう待ち合わせで待たされる事もない。
無駄に怒らなくてもいい。もういいんだ……。

……なのに、どうして

胸の奥がこんなに苦しいんだろう……。

津奈としばらく話した後、私は家に向かってトボトボ歩き始めた。

帰ってまず何をしよう。
宿題をやって、お風呂に入って……。今日は長風呂にしよ……。

⏰:07/10/21 11:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#100 [向日葵]
足元を見ていた目を、家が近づいて来たので少し上にあげた。

「……っ。」

私は息を飲んだ。

塀に持たれながらしゃがんでいる先輩がいたからだ。

先輩は私に気付くと、見た事ないキリッとした真剣な表情をして立ち上がり、私を見つめた。

いつからいたんだろう。
あの時間からは、既に2時間は経ってる筈。
もう肌寒くなってる為夕暮れも早い……。

私は驚いて立ち尽くしていた足を無理矢理動かして先輩の横を通り過ぎた。

⏰:07/10/21 11:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#101 [向日葵]
門に手をかけた時だった。

「奏……。」

私はまた驚いた。
彼が私を「ちゃん」無しで呼ぶなんて。しかもそんな低い声で。

「俺が……嫌い?」

「……嫌いじゃないです。でも、もういいです……。」


すると腕を引っ張られて、私は先輩に抱きしめられた。
いつもとは違う先輩に、少しドキッとした私は直ぐに我に帰って先輩から離れようとした。

⏰:07/10/21 11:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#102 [向日葵]
「ちょ……!先輩やめて……っ!」

「…………。」

先輩は何も言わずに私を抱き締める。
その腕は1ミリも動かず私を締め付ける。

すると私はある異変に気付いた。
先輩の体が、少し震えているのだ。
寒かったのか?と思い、抵抗するのを少しやめた。

そして次の瞬間、耳元で先輩の息遣いを聞いて、私は分かった。

「先輩……泣いてるの……?」

⏰:07/10/21 11:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#103 [向日葵]
先輩は鼻をすすりながら、私をまだ抱き締めたままでいる。

「ゴ……メン。俺、全然別れたいとかそんなの思ってなくて……。ただ、奏が俺を好きか、試したかったんだ……。」

「……え?」

「奏は、俺みたいな子供っぽいのはもううんざりして、好きじゃなくなったのかなって……。でもいつも怒ってくれてる姿見たらホッとしてたんだ……。」

先輩はそれだけ言うと私をやっと解放して、シャツの腕で乱暴に涙を拭いた。
目を真っ赤にしながら私を見つめる。

⏰:07/10/21 11:27 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#104 [向日葵]
「だから、俺、奏が一番好きだから……。今日のはやり過ぎたと、思う。忘れてないよ。今日は記念日だもん……っ。」

先輩はまた涙をたくさん流した。
私はその姿を見て、すごく愛しくなって、先輩を抱き締めた。

「馬鹿ですね……。こうしてずっといるんですから、嫌いになんてなりませんよ。」

ううん。馬鹿は私か……。
知らず知らずの間に先輩を不安にさせていたのだから。
所詮私も子供だ……。

⏰:07/10/21 11:31 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#105 [向日葵]
先輩の顔を両手で包んで微笑んだ。
涙で濡れた先輩の目に鮮やかに私の姿が映っている。

「なんか、大人っぽい先輩、先輩らしくないですよ?無理しないでいつもの先輩に戻ったらどうですか?」

そう言うと、先輩のりりしかった顔が一気にふにゃあと崩れて、派手に泣き始めた。

「うぁぁ……か、な、で、ちゃぁあん……っ!」

「もうこんな事しないで下さいね?」

先輩はコクコクと何回も頷いて私に抱きついた。
耳元で「うぅぅ…っ!」と泣き声が聞こえる度、私はそっと微笑んだ。

⏰:07/10/21 11:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#106 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

寒かっただろうと、先輩を家に招き入れた。

働いてる母はまだ帰ってないらしい。
私は部屋に先輩を案内した。

「どうぞ。散らかってますけど。」

「わぁいっ!」

と一番にベッドにダイブした。
やっぱり子供だ。

「奏ちゃんの匂いがするー。」

私は微笑んで、先輩の近くに座った。

⏰:07/10/21 11:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#107 [向日葵]
「先輩……。」

「ん?」

「私、そんな子供っぽい可愛いらしい先輩が……す、……き……ですから。」

私は顔を真っ赤にさせた。
好きだなんて言い慣れてない!先輩はよく言えるなぁっ。

肩にトントンと何かが当たったので振り向くと、ベッドに座った先輩が、隣においでとベッドを叩いていた。
指示通り、私はベッドに座る。

「ありがとう。俺も奏ちゃん大好き!」

と言って、一瞬のキスをした。

⏰:07/10/21 11:45 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#108 [向日葵]
そして二人で微笑みあった。

「ところで奏ちゃん。」

「ハイ?」

「俺、男なんだよね!こう見えても!」

「????はぁ……。」

すると先輩の顔がまた近づいてきて、唇が重なった。
またすぐに離れるだろうと思ってたのに、甘かった。

「ん?!ちょ……っ!」

先輩の唇が、少し離れると、先輩の顔が何故か笑ってるのに意地悪く見えた。

⏰:07/10/21 11:50 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#109 [向日葵]
「なんか……気分盛り上がっちゃった!」

と無邪気に笑いながら私を押し倒した。

「えぇ?!せ、先輩っ?!」

「奏ちゃん好きだよ……。」

そう言ってまた唇を重ねる。急で呼吸の準備なんてしてなかったから、私はすぐに呼吸困難になった。

「……っ。っ!!」

先輩の少しひんやりした指が、首筋に降りたのが分かった。

うそ――――っ?!

その時だった。

⏰:07/10/21 11:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#110 [向日葵]
「ただーいまー!」

母さんの声に、少し怯んだ先輩を見た隙に力一杯先輩を押し退けた。

「お、おかえりなさぁぁい!」

まだ心臓がドキドキしてる。体全体が熱を持つ。

「あーぁ!お預けかっ!」

先輩は無邪気にまた笑ってる。
「お預け」って……。近い将来つまりそんな事する日が来るってことっ?!

私が驚いた目を先輩に向けていると、先輩はにこっと笑った。

⏰:07/10/21 11:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#111 [向日葵]
そうかっ!今分かった!先輩がさっき言ってた意味!

先輩はこんな子供っぽいけど中身はちゃんとした男の人で……つまり……いつでもそういう準備をしている狼でもあったのだ……。

「…………っ!」

結局、中身が子供なのは、まるっきり私の方だったらしい。

満先輩のような彼をお持ちのそこの貴方!

子供の皮を被った狼にご用心を……。

⏰:07/10/21 12:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#112 [向日葵]
>>22に感想板表記してます
良ければ感想お願いします

⏰:07/10/21 12:02 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#113 [向日葵]
ビー玉3*Nineteen*










ブス、デブ。
この2拍子が揃えば悲しいかな好きな人が出来てもその恋は実のらない。

周りの人はそんなにブスじゃないよと言うがどう見たって私は……

「ブス……。」

こんな顔と、体の付き合いはもうかれこれ19年経っている。

⏰:07/10/21 16:24 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#114 [向日葵]
小学校、中1くらいまでは人生楽しくやっていた。
自分がデブでブスでも気にしないかのように明るくて、クラスの中心と言っても過言ではなかった。

でも、中3の時、好きな人が絡んだイジメに会い、それ以来男の子は恐くなり、高校では仲良かった友達何人かとは微妙にズレて付き合いがなくなった。
そんなこんなで対人関係にも嫌気がさして、自分がドンドン卑屈になって行った。

もちろん、ちゃんと仲良くしてくれる友達はいたけど、それに関係なく心の中はいつもどこかダークだった。

⏰:07/10/21 16:29 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#115 [向日葵]
「いってきまーす。」

そんな私も19歳。
短大生になった。

いつもの電車。混み合う車内。うっとおしいなぁ……。

私は音楽で耳を塞ぐ。
1人の時はなるべく自分の世界にいた方が落ち着くからだ。

……にしても混みすぎ。
苦しいっつーの。
……まぁ、私の体格が邪魔してるのもあるだろうけど。

モゾ……

ん……?何か、お尻に触れてる……?

⏰:07/10/21 16:33 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#116 [向日葵]
それに肯定するように、またモゾっと動いた。

えーマジッすかぁー……痴漢とか痴漢する人もっと人選べよー。なして私かぁぁ……。

意外にも、こういう時に何故か冷静になってしまうのが私で、とりあえず体を傾けようとするが、動かないのがオチである。

もしここで「痴漢です!」とか言ってもどうせデブの戯言と取る人が多いかもしれないなぁ。
とりあえずもうすぐ次の駅だし、手で避けながら待つか。そうすれば諦めてくれるだろう。

その時だった。

「おいオッサン。何してんだよ。」

⏰:07/10/21 16:39 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#117 [向日葵]
「?」

男の子の声……?

電車の速度は弱まり、駅に着いた。
すると私は最寄りの駅でもないのに、手を引っ張られて無理矢理降ろされた。

思わず私の乙女思考が妄想へと繋がる。

何故かと言えばその引っ張った男の子はタイプの顔だてた。

……いやそんな場合じゃなくて。

男の子は痴漢であろうおてさんを駅員に渡して私を振り返った。

⏰:07/10/21 16:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#118 [向日葵]
男の子と目が合う。

妄想を押し止めて現実的な事を考えた。

絶対「なんだよこんなデブスかよー!絶対可愛い女の子だと思ったのに助けて損したじゃねぇかよー!」とか思っているに違いない。

はぁ……なんとせちがらい世の中だよ。
性格いいとは言えないけど人は中身だよ君達。

と頭の中で┐(´〜`;)┌ ←この絵文字を描いた。

「ねぇ。大丈夫なの?」

「へ?」

⏰:07/10/21 16:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#119 [向日葵]
「いやだから、痴漢にあったからショックじゃないの?」

ショック……。
あぁ。か弱い人ならここで泣いたりするって?
残念ながら私は痴漢に同情しちゃうよ。何故私を狙ったかと。

「あー……大丈夫です。」

「は?!アンタそれでも女?」

「まぁ……生物学上は……。」

「助けるんじゃなかった……。」

あーすいませんねぇ。こんな奴で。

⏰:07/10/21 16:52 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#120 [向日葵]
私は男の子にとりあえずもう一度お礼を言ってからホームに並んで、私は次の電車を待つ事にした。

早く行かねば学校に遅れちまうよ。

あぁそれにしても貴重な体験したなぁ。男の子に助けてもらえるなんて夢のまた夢だよ。

そこで私の妄想モードに少しスイッチが入る。

もしかして……漫画でよくある、これが運命みたいな……っ?!…………ウン無いな!!

ボケツッコミを1人で終え、私は来た電車に乗った。

あれ。そういえば男の子どうしたんだろう。
私に呆れてどっか行っちゃったかね。

⏰:07/10/21 16:58 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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