-Castaway-
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#105 [主◆vzApYZDoz6]
兄「ジェイトソード出すぞ!」
弟「了解!」

ジェイト兄弟がハンドルのボタンを同時に操作し、巨人の両腰に位置していたスタンドが飛び出す。
剣を両手に握り、そのまま柄を合わせた。

弟「ツインジェイトソード!」

振り下ろされた巨大な両刃剣が、2足歩行戦車1機を袈裟懸けに真っ二つに切り裂いた。
機能を停止し膝をつく1機を尻目に、残り4機に刃を向ける。

弟「さぁ、こっからが本番だぜ!」

⏰:07/12/23 14:22 📱:P903i 🆔:BXLbCLgc


#106 [主◆vzApYZDoz6]
-要塞内部・ラスダンとラスカの場合-

扉を開けると、そこは予想に反して薄暗い。広い空間のようだが、灯りが点いている照明が少なかった。
壁には段ボールやコンテナ等が積まれている。どうやら戦車が格納されていた向こう側の建物と違い、完全な倉庫のようだ。
もう1つの扉から入れるであろう場所とは、壁で仕切られていた。ハルキンがその壁に地図を発見し、要塞の構造を確認する。

ハルキン「へぇー、これはまたご丁寧な地図もあったもんだな」

地図には全体像が描かれている。ハルキンとラスカが今いるのは左の格納庫で、単に真っ直ぐ行けば中央要塞に辿り着けるようだ。

⏰:07/12/24 01:10 📱:P903i 🆔:HXNfgySU


#107 [主◆vzApYZDoz6]
ラスカ「中心部までの道は特に問題ないとして…藍ちゃんはどこに捕まってるのかしら」
ハルキン「そうだな…管制コントロール室に行ってみよう。ここにこれだけの監視カメラがあるんだから、中央要塞にも設置されてるだろ」

ハルキンが壁と天井の境に設置されたカメラに目をやる。カメラの向く方向がオートで変わるタイプで、左右の壁に死角が無いように交互に設置されていた。
ハルキンとラスカが中央要塞に向けて走り出す。

ラスカ「これじゃ私達の行動は敵に筒抜けね…」
ハルキン「恐らく中央要塞に入ったら、いきなり攻撃される可能性が高い。注意しておこう」
ウィニー「その必要はない。お前らは死ぬからだ…今ここでな」

⏰:07/12/24 14:51 📱:P903i 🆔:HXNfgySU


#108 [◆vzApYZDoz6]
前方から声がした。
見ると、床との距離が10mはありそうな高い天井のスレスレを、ドラゴンに乗ったウィニーが滑空してきた。ガリアスも乗っている。

ハルキン「ん?お前誰だっけ?」
ウィニー「ふざけているのか?忘れたとは言わせないぞ」
ハルキン「……あぁ、思い出したよ」

少し考えるような素振りを見せていたハルキンが、笑みを浮かべながら言った。

ハルキン「スティーブの散歩に行くのを忘れていたよ」
ウィニー「貴様…!!」

⏰:07/12/25 09:41 📱:P903i 🆔:NYrpWQ/k


#109 [◆vzApYZDoz6]
ハルキン「とりあえず今は時間がない。さっさと終わらせて貰うぞ」

ハルキンが右拳を構え、天井スレスレにいるウィニーとの距離およそ10mを、空間制御を使い縮める。一瞬にして懐に飛び込み、渾身のストレートを撃ち出した。

ウィニー「今回は前のようにはいかない」

そう言った刹那、ウィニーが忽然と消え去り、ハルキンの拳が空を切った。ハルキンが少し驚いたような表情を見せる。

ハルキン「外した?」
ラスカ「会長後ろ!!」

戦えないため、下で結界を張り身を守っていたラスカが叫ぶ。
ハルキンが声に反応し後ろを振り返るのと、ドラゴンの尻尾がハルキンに叩き付けられるのは同時だった。

⏰:07/12/25 09:58 📱:P903i 🆔:NYrpWQ/k


#110 [◆vzApYZDoz6]
ハルキンが叩き付けられ地面に急降下する。ラスカが着地点に結界を張ったが、ハルキンが寸でのところで身を翻し受身をとった。
心配したラスカがハルキンに駆け寄る。

ラスカ「大丈夫!?」
ハルキン「あぁ、これぐらい大丈夫だ。奴は俺が倒すから、ラスカは自分の身を守っていろ」

ハルキンが天井近くのウィニーを見上げる。ウィニーがほくそ笑んでる後ろにガリアスがいるのが見えた。

ハルキン「よぉ、後ろの若造、今のはお前の能力か?」
ガリアス「教える訳ないだろ」
ウィニー「そうだ。お前は黙って死ねばいいんだよ」
ハルキン「お前には聞いてない…自力では何も出来ない低能が」

⏰:07/12/25 10:22 📱:P903i 🆔:NYrpWQ/k


#111 [◆vzApYZDoz6]
ウィニーの顔が強張った。明らかに怒りを顕にし、表情が歪んでいる。

ウィニー「あぁ?今カイトに吹っ飛ばされた癖に粋がんなや」
ハルキン「今俺を吹っ飛ばしたのもお前じゃなくドラゴンだろ雑魚低能」

ハルキンが前回と同じような余裕の表情で喋るのを見て、ウィニーの眉間が寄り、唇の端がひきつる。

ウィニー「お前はそんなに俺に…」
ガリアス「もういいよ、喋るなお前。勘に障る」

⏰:07/12/25 11:12 📱:P903i 🆔:NYrpWQ/k


#112 [◆vzApYZDoz6]
ガリアスが少し機嫌が悪そうな表情でウィニーの言葉を遮り、さらに続ける。

ガリアス「ハルキン、あんたも分かっただろう?俺のスキル『ヴィエロシティー』は物体を光速移動させることができる。あんたの空間圧縮や空間転移も、相手の位置が分からなければ出来ないだろう」
ハルキン「それがどうした?退いてくれ、とでも?」
ガリアス「その通りだ。俺は嫌でもこいつの手助けをしなくちゃならないし、あんたが邪魔をするならウォルサーの一員としてあんたを排除しなくちゃいけない」
ハルキン「……」

⏰:07/12/25 11:35 📱:P903i 🆔:NYrpWQ/k


#113 [◆vzApYZDoz6]
ハルキンはガリアスと目を逸らさずに沈黙した。後ろではラスカが不安そうに、まだ天井近くを飛んでいる2人とハルキンを交互に見ていた。
ウィニーはドラゴンの上に座って肘をつき、明らかに不機嫌そうな態度をとっていた。とうとう待ちくたびれて口を開く。

ウィニー「いい加減にしろや揃いも揃って黙りこくって気持ちわりぃ!!要するにお前はどう足掻いても勝てねぇんだよ!時間稼ぎに必死か!?」

ウィニーの甲高い笑い声が響く。
ガリアスは溜め息をつきながら俯き、ラスカは不機嫌そうにウィニーを睨み付ける。
皆が嫌悪感を顕にする中、ハルキンは自分がここに入って来た扉を見ていた。

⏰:07/12/25 11:47 📱:P903i 🆔:NYrpWQ/k


#114 [◆vzApYZDoz6]
ウィニー「余所見してんじゃねーよ!!」

ハルキンはウィニーを無視し、扉を見つめていた。軈て笑みを浮かべながら視線を戻す。

ハルキン「あぁ、悪いな何も聞いていなかったよ」
ウィニー「ははは!逃げる算段を考えるのに必死か?」
ハルキン「俺が逃げるなんていつ言った?妄聴も大概にしときな低能」

ウィニーの唇がより一層ひきつる。目は赤く血走っていた。

ウィニー「あぁもういいよ、お前は殺す。ガリアス、やるぞ」
ガリアス「……」
ウィニー「おい聞いてんのかガリアス!てめぇには耳ねぇのか!」

ガリアスは後頭部を掻きながら溜め息をつき、ハルキンに視線を向けた。

⏰:07/12/25 12:00 📱:P903i 🆔:NYrpWQ/k


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