-Castaway-
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#289 [◆vzApYZDoz6]
>>286内藤「…さてと、残りのパンデモの人間も助けないとな」
少しの沈黙のあと、自分の胸に顔を埋めるアリサの肩を掴んで引き離す。
2人ともベットに座ったまま向き合った。
アリサ「母さんはどこに捕まってるか分からないわ…♪でもクルサちゃんなら、グラシアの側にいるはずよ♪」内藤「そうか…」
内藤が少し思案する。
2階で見た地図には、牢屋等の類は中央要塞には見当たらなかった。
管制コントロール室に行けば監視カメラを使って分かるかもしれないが、位置的に遠い。
内藤「…先にクルサかな。お前はどうする?」
アリサ「あら、そんなの決まってるじゃない♪」 :08/01/18 22:36 :P903i :c7QlUVWo
#290 [◆vzApYZDoz6]
アリサを勢いよく立ち上がり、拳を内藤に突き付けた。
アリサ「あたしをこんな話し方にしたグラシアを、ぶっ飛ばすのよ!♪」
自信満々に言うアリサを見て、内藤がニカッと歯を見せて立ち上がった。
内藤「よーし、なら行くか。多分浅香も一緒にいるはずだ」
2人が顔を見合せ、肩を並べて部屋を出、中央要塞の入口へ。
行き先は1つ。グラシアの待つ、敵陣の一番奥へ。
内藤「いざ、司令室―――4年前の借りを返しにな!」
アリサ「見てなさいよ、グラシア!♪」
パンデモの絆を取り戻すために、扉を開けて駆け出した。
:08/01/18 22:49 :P903i :c7QlUVWo
#291 [◆vzApYZDoz6]
-ウォルサー基地外部・トンネル付近-
京介とラスダン、ハルキンとラスカ、内藤とアリサ、シーナとリーザに代わりハル兄弟。それぞれが中央要塞に突入した頃。
京介達が乗ってきた車の側で、ジェイト兄弟がバイクに跨がり要塞の様子を見ていた。
中央に聳え立つ要塞の前には、5機の2足歩行戦車が機能を停止して蹲っている。
対戦車隊の殿戦闘は、少し前に終わっていた。ジェイト兄弟は、次にどう動くかを思案していた。
弟「やっぱ行った方がいいんじゃない?」
兄「でもなぁ、行ったところで銃器は弾切れ、合体無しのソードはそんな強くないしな…」
:08/01/18 23:06 :P903i :c7QlUVWo
#292 [◆vzApYZDoz6]
問題は武器。
ジェイト兄弟の武器は、殆んどが弟ジェイト・フラットが駆るジェイトドットに搭載されている。
搭載されている武器の内、銃器は対戦車バルカン、対歩兵マシンガン、ランチャーグレネード。その全ては弾薬がもう残っていない。
両刃剣ジェイトソードは、合体しなければバイクに乗って剣を振るのとたいして変わらないだろう。
そんな状態で援護に行ったところで役に立たないのは明白だったが、かといってこのまま何もせずにいる訳にもいかなかった。
兄「どうするかなー……あれ?」
項垂れる兄の視界が、遠くにいる人影を見つけた。
:08/01/19 05:44 :P903i :YFlO93FE
#293 [◆vzApYZDoz6]
兄「誰だあれ?」
人影は左側の倉庫からこちらへ走ってきている。
見たところ、1人ではなく、誰かを背負っているようだ。
弟「誰かが怪我でもしたかな?」
弟も気付き身を乗り出す。
軈て車まで走ってきたその人物は、負傷した味方ではなかった。
兄「おっと、ガリアスじゃねぇか」
弟「『思念』で話は聞いてるけど、人質取られてたんだって?」
やって来たのは、自分の母親を背負っているガリアスだ。
ガリアス「……ああ、母さんが監禁されてたんだ」
息を切らしながら、母親を背中から下ろす。
そのまま車のドアを開けて、母親を車内に入らせた。
:08/01/19 05:55 :P903i :YFlO93FE
#294 [◆vzApYZDoz6]
ガリアス「車、使わせてもらうぜ?」
兄「ああ、使え」
ガリアスが返答を確認してから、車のドアを閉めた。
そのままジェイト兄弟と向き合った。
ガリアス「なぁ、ずっとここにいるのか?」
兄「今のところはな」
ガリアス「なら、母さんを護っていてくれ」
ガリアスが言いながら踵を返す。
弟「お前は?」
ガリアス「もう一度要塞へ行く。グラシアを殴らないと気が済まない」
ガリアスが目を細くして要塞を眺める。
中央に聳え立つ要塞。その右側にある倉庫から、人影が近付いてきているのが見えた。
ガリアス「あれは誰だ?」
:08/01/19 06:04 :P903i :YFlO93FE
#295 [◆vzApYZDoz6]
兄「ん?どいつだ?」
ジェイト兄弟がガリアスの指先を追う。
その人影も、後ろに誰かを背負っている。まだ遠くて顔はよく分からないが、剣袋には見覚えがあった。
軈て負傷した仲間が車まで走ってきた。
兄「リーザ!シーナは何かあったか?」
リーザ「ええ、ちょっと敵との戦闘で」
リーザが息を切らしながら車を開けると、中にいたガリアスの母親が視界に入った。
リーザ「…後ろ、失礼しますね」
リーザが軽く会釈をし、後部座席にシーナを寝かせてドアを閉める。
そのままジェイト兄弟に向き合った。
:08/01/19 06:12 :P903i :YFlO93FE
#296 [◆vzApYZDoz6]
リーザ「私はもう一度要塞へ向かいます。私に代わって、シーナを預かってもらえませんか?」
リーザが要塞を横目に訊いた。
弟「あれ…これなんてデジャヴ?」
リーザ「どうしました?」
弟「あ、いや何でもないよ。シーナちゃんは護っとくよ」
兄「ところで2人共走ってきたばっかなのに大丈夫か?なんなら俺が送っていくぜ?」
兄が、要塞を見据えるガリアスとリーザに訊いた。
2人共、返答は同じ。
ガリアス「いや、いい。『ヴィエロシティー』を使えばすぐ行けるし」
リーザ「私も大丈夫です。それに、それでは2人を護る人がいなくなりますわ」
?「護る人がいればいいんじゃない?」
:08/01/19 06:23 :P903i :YFlO93FE
#297 [◆vzApYZDoz6]
突然の何者かの声に、全員が振り返る。
トンネルの入口に、1人の男が立っていた。
兄「バンじゃねぇか!どうしてここが?」
兄が車に近付いてくる男に訊いた。
(バン。内藤の弟です)
バン「そろそろ最後の戦いになるらしいから、って兄ちゃんに言われて。助太刀に来たよ!」
バンが車のドアの前に回り、腕を組んで仁王立ちした。
バン「ここは俺が護っとくから、ジェイトさん達も行ってきなよ」
兄「…悪いな!さぁ、2人共そうゆう事だ、乗りな」
兄が笑って2人を見る。
ガリアスが兄の後ろ、リーザが弟の後ろに座った。
:08/01/19 06:30 :P903i :YFlO93FE
#298 [◆vzApYZDoz6]
リーザは後ろを振り返って、心配そうに訊いた。
リーザ「彼に任せて大丈夫なんでしょうか」
弟「多分、今の俺や兄ちゃんよりかは強いよ。大丈夫さ」
弟が後ろを振り返る横で、兄がスロットルを回す。弟もそれに倣った。
雪山にエンジン音が響く。マフラーの排気熱で、足下の雪が水に変わっていく。
ガリアス「てゆうか俺は別に1人でも大丈夫なんだけど…」
兄「何言ってんだよ、俺達も行こうってのに。ノリ悪いな」
ガリアス「つうか俺のスキル使った方が…」
弟「何でもいいから早く行こう!」
ガリアスはまだ愚痴っていたが、弟の声を合図にバイクが駆け出した。
:08/01/19 12:36 :P903i :YFlO93FE
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