-Castaway-
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#82 [主◆vzApYZDoz6]
ジェイト兄弟は、次々と人形を潰していく京介を眺めていた。
そのスピードは凄まじく、リッキーによる人形の復活が間に合わない。とうとう、リッキーが擬態化した人形と1対1になった。
京介「藍を返しやがれ」
リッキー「ふん…まぁまぁのスピードだが、もう時間だ。彼女は、もう一度取り返しに来たまえ」
リッキーと藍、ハル兄弟は消えかかっていた。
京介を纏う赤い光が消え、髪と瞳は元に戻る。
京介「…待ってろ藍、必ず助けてやる」
リッキーが薄く笑い、藍とハル兄弟と共に完全に消え去った。
:07/12/22 13:27 :P903i :VB.q.IRE
#83 [主◆vzApYZDoz6]
-バウンサー本部4階 指令室-
ラスダン、ラスカが静かに待つ中、京介、内藤、ハルキン、ジェイト兄弟が戻ってきた。
ラスダン「戻ってきたね」
内藤「あぁ。結果的に…向こうの思惑通りになってしまったが。何で寝ていたんだ?」
内藤がハルキンを睨んだ。
ハルキン「いや、まぁ不覚にも爆睡してしまってな」
内藤「ふざけるな、お前が起きていればなんとかなったはずだ」
ラスダン「まぁまぁ、みんな無事だったんだし…」
京介「いや、藍がまだ助かってない!」
:07/12/22 21:19 :P903i :VB.q.IRE
#84 [主◆vzApYZDoz6]
京介が少し語尾を強めながら割り入った。
京介「なぁ、藍はどこに連れていかれたんだ?」
内藤「恐らくウォルサーの本拠だ。…お前の能力が発現した以上、長いこと放ってはおけないな」
内藤が一瞬、京介に視線を向けた。
京介「俺…?」
ハルキン「説明は後だ。この際だし、奴らの本拠に乗り込むぞ」
内藤「ん?本拠の場所分かってるのか?」
ラスダン「君が地球で『内藤篤史』を演じていた間、何もしていなかった訳じゃないさ」
ラスダンが自慢気に親指を立てた。
:07/12/22 21:50 :P903i :VB.q.IRE
#85 [主◆vzApYZDoz6]
ハルキン「奴らの本拠地は、北のローシャだ。早いとこ行くぞ」
ハルキンが踵を返し部屋を出た。京介達も後に続く。
エレベーターを降り外に出る。
ジェイト兄弟のバイクと、1台のワゴン車があった。車の前にはシーナとリーザの2人が立っている。
ハルキン「治ったのか?」
シーナ「バッチリ」
リーザ「私達も戦うわ」
ハルキン「よし。…ラスダン、車を出してくれ」
ラスダン「了解」
ラスダンが運転席に乗り込み、エンジンをかける。ハルキンは助手席に、内藤達は後部座席に乗り込んだ。
ジェイト兄弟もバイクに跨がり、スロットルを回す。
最後の戦の舞台、ウォルサー本拠へ向け、発進した。
:07/12/22 23:04 :P903i :VB.q.IRE
#86 [主◆vzApYZDoz6]
京介は、暫く車の中から外を見ていた。
車は、雪がちらつく町外れの一本道を走っていた。辺りに建物は見当たらず、遠くに山が広がっている。
車の隣では、ジェイト兄弟が併走して走っていた。
視線を車の中にやる。
京介の前の助手席にハルキンが機嫌良さそうに座り、その右の運転席にラスダンが座っていた。
内藤は京介の右に座り、前を見ている。その右に座るラスカは外を眺めていて顔は見えない。
後ろには、リーザとシーナが座っている。2人ともウェーブがかかっだ長いブロンドの髪に、青い瞳。顔立ちはそっくりで、整った日本人のような感じがした。
:07/12/22 23:38 :P903i :VB.q.IRE
#87 [主◆vzApYZDoz6]
年齢は2人とも京介より明らかに若く見えた。14、5歳くらいだろうか。
傍らには、剣道の竹刀を入れる細長い袋のようなものが置いてある。
少し見とれている京介の視線に気付いたのか、左側に座っていたリーザが京介に可愛らしく微笑んだ。
リーザ「そう言えば自己紹介がまだでしたね…私はリーザ、隣は妹のシーナです」
シーナが微笑みながら頭を少し下げる。
京介も慌てて頭を下げ、恥ずかしそうに前を向いた。その様子を見ていた内藤がクックッと含み笑いをした。
:07/12/22 23:58 :P903i :VB.q.IRE
#88 [主◆vzApYZDoz6]
内藤「浅香がいなくてよかったな」
京介「うるせぇよ!」
京介が内藤の視線を逸らすように外を眺める。いつの間にか雪は本降りになっていて、景色は真っ白に染まっていた。
京介「……そういや、さっきの続き聞かせてくれよ。ほら、俺の能力がどうとかいう…」
内藤は少し考え、前を向いたまま答えた。
内藤「…今は知る必要はない。お前は浅香を取り戻す事だけ考えているんだ」
:07/12/23 00:10 :P903i :BXLbCLgc
#89 [主◆vzApYZDoz6]
内藤の複雑な表情を見た京介はそれ以上聞けなかった。
京介は再び視線を外に戻す。車はさっきまでは遠目にあった山々の麓を走っていた。
ハルキン「そろそろだ。あのトンネルを抜けると、奴らの本拠地だ」
トンネルに車が入っていく。
トンネルは長く、なかなか外に出ない。
京介は黙って俯いていた。
10分程トンネルの闇が続いたあと、開けた場所で車が止まった。
:07/12/23 00:24 :P903i :BXLbCLgc
#90 [主◆vzApYZDoz6]
京介達が車を降りる。
内藤「ふん、うちの本部とは大違いだな」
そこは切り立った山に囲まれた盆地になっており、京介達が出たのはその端。幸い木に囲まれていて、向こうからはこちらが見えない位置だった。
対面の山のフェンスに囲まれた辺りに、まるでどこかの基地かと思うような白い建造物群があった。
端には監視塔があり、中央には一際大きな要塞のような建物、両脇に倉庫のような建物がある。
ラスカ「あの監視塔は飾りじゃなさそうね。どうにか穏便に侵入できないかな」
内藤「つうかここどうやって見付けたんだ?」
ラスダン「実は、さっきの戦いの後、何者かから『思念』が飛んできたんだ」
内藤「…俺が地球にいる間に調べたんじゃなかったのか?」
ラスダン「ごめん、あれ嘘。かっこつけてみようかと思って」
内藤「…まぁいいけど」
:07/12/23 00:57 :P903i :BXLbCLgc
#91 [主◆vzApYZDoz6]
ハルキン「ラスダン、とりあえず『調査』を頼む」
ラスダン「了解」
ラスダンが手を前に翳すと、ノートパソコンのようなものが出現。画面には、基地の様子が映像で写っていた。
ラスダンのスキルは『サイレントハッカー』。カメラや通信機器等を一切使わずに、特定した場所の映像や音声を頭の中で見ることができる。ラスダンが具現化したパソコンを使えば、映像や音声を他の者に見せる事もできる。
ラスダン「本拠地なのは間違いなさそうだね。中に洗脳された人達と人形がいる」
:07/12/23 01:20 :P903i :BXLbCLgc
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