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#359 [氷雨]
葉山さんからは…

――【From 葉山 美咲】――

わかった

私も話があるんだ…真剣な話

学校が終わるくらいに校門にいるね
――――――――――――――
明らかにいつもより元気がないメールだった。


俺のせいだ……。


放課後になり校門を見ると人影が見えた。

⏰:08/03/01 09:01 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#360 [氷雨]
「俺、行ってくる!!」


俺は小宮と高槻に言うと走りだした。

「「おう!頑張れよーー」」

2人の勇気のでる言葉を背に階段を駆け下りた。


―――……

校門近くまで行くと葉山さんはいつものように笑って手を振ってた。

⏰:08/03/01 09:04 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#361 [氷雨]
「葉山さ…………」


「陽君!!」


俺の足が止まる。
目の前には北原 愛美。


顔を真っ赤にしてふわふわのマフラーを首に巻いて、ちょこんと立っていた。


「え……?北原さん?どうしたの?」

⏰:08/03/01 09:07 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#362 [氷雨]
俺は北原さんがなんでいるのかわからなくて、混乱した。

「だって…陽君、メール苦手っぽいな…って思って会いに来たの」


愛美はふんわりと笑うと、陽にぴったりくっつく。


「へへ……」

可愛らしく笑ってくれるんだけど、葉山さんが目の前なのに…
俺は残酷にもそんな事を思ってしまった。

⏰:08/03/01 09:12 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#363 [氷雨]
「は……る…、…もう彼女…でき……た…んだ…」


葉山さんの途切れ途切れに聞こえた声にハッと顔をあげる。

さっきの笑顔は大粒の涙に変わっていた。


「私……ツ…ラい……よ…」

葉山さんは走り出して、学校から遠ざかる。

「葉山さん!!」

⏰:08/03/01 09:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#364 [氷雨]
今度は足が動く。

けど…

「ごめん!北原さん!離して……」


北原さんの腕が離れない。


「嫌っ…!陽君は私のなの!!」

女の子の手を払いのけるなんてできない。

⏰:08/03/01 09:19 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#365 [氷雨]
俺は北原さんの方を向き直すと、こういった。


「ごめんな……、大切な人なんだ。行かせて……?」

今度は北原さんの目から涙が零れた。


「私は陽君が好き!!愛してる!絶対に諦めない……」


北原さんは手を離してくれた。
「ありがとう」

⏰:08/03/01 09:23 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#366 [氷雨]
俺は極上の笑顔を北原さんに贈ると葉山さんを追った。


―――……


「ふっ……ンっ………」

美咲は声を抑える。

こんなに泣いたの久しぶりだ。

けど…陽は追ってこない。

あの子と今ごろ、楽しくやってたりして…

⏰:08/03/01 09:26 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#367 [氷雨]
そう思うとまた涙が溢れた。


「陽…………ふッ…ヒック…」

涙は泣いても泣いても止まらない。


陽には彼女ができてた。


「はは……いつの間に……」

美咲は言いながら下を向く。

⏰:08/03/01 09:29 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#368 [氷雨]
「見つけた……ハァハァ…」


陽が美咲の手を掴む。


「は…る……?どうしたの……?彼女は…?」

美咲は嬉しくて嬉しくてまた涙が溢れた。


「葉山さんと話したかったから……」

陽は彼女じゃないと否定しなかった…。

やっぱり彼女なの……?

⏰:08/03/01 09:33 📱:D704i 🆔:☆☆☆


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