僕⇒俺
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#465 [氷雨]
唇をぐっと噛みしめて、また小さく聞こえないくらいの声で、
「さよなら」

震える声で言い、北原さんの元へ急いだ。







「陽君!!」

北原さんは可愛く首にマフラーを巻いて、白い息をはきながら掛けて来る。

⏰:08/04/06 12:37 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#466 [氷雨]
ちょこちょこと小さくて、俺はにっこり笑った。


「ごめんね?待たせたよね?」

俺はごめんのポーズをして、謝る。

俺が迎えに来た時間はメールがきてから40分はたっていた。

「んーーー、大丈夫だよ?友達とお話してたから。ほら!三依!!」

⏰:08/04/06 12:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#467 [氷雨]
北原さんは友達の名前を呼ぶと手を振った。


「愛美!なーーーに?あ、もしかして、その人が愛…し…の…………………………、陽兄!!?」


目の前にいる、俺の彼女の友達はよく知った子で、今日も昨日もこの17年間一緒に暮らしている子でした。

俺はサーと血が引くのを聞いたような気がした。

⏰:08/04/06 12:50 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#468 [氷雨]
「三……依………」


俺は無意識に妹の名前を呼んだ。


北原さんは俺と三依の顔を交互に見て言った。


「似てるーーー!!」

なんだか嬉しそうに手を叩いた。

三依は俺、はははっと笑った。

⏰:08/04/06 13:00 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#469 [氷雨]
「愛美らしい。陽兄が愛美の愛しの君だったんだ」


三依は納得したように優しく北原さんに笑うと、くしゃくしゃと頭を撫でた。


北原さんも三依ににっこり笑うと、嬉しそうに俺を見た。


「陽兄、愛美さ……、女子高なのに他の学校の奴らから、スッゴいモテての、守ってあげてね」

ニっと笑うと、耳元に一言残して帰って行った。

⏰:08/04/06 13:08 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#470 [氷雨]
「あーーー…、どっか行こっか?」


最初に声をかけたのは、俺だった。

北原さんは嬉しそうに返事すると、歩き出した。

足は自然と街の方へ向かい、カップルの定番デートスポットについていた。

「ここ……」

俺は最初を思い出していた。

⏰:08/04/06 13:14 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#471 [氷雨]
―ATTRACTIVE―の和樹さんや雅さんのお店や多くのオシャレなお店があり、若者の集まる大きなビル。


初めて葉山さんとデートをした所。


【デート】と呼んでもいいのかという程、主旨は違っていたけれど。


「陽君………、あの、ね。手つないでもいい?」

⏰:08/04/06 13:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#472 [氷雨]
北原さんは真っ赤になっていた。

勇気を出して言ってくれているだな。と思うと、少し愛しかった。


「どうぞ」


俺は手を差し出して、にっこり笑った。

北原さんは笑い返すと飛びつくように俺の手をとった。

「カップルだ」と嬉しそうに笑いながら。

⏰:08/04/06 13:43 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#473 [氷雨]
「どこか、行きたい所ある?」

俺が聞くと北原さんは考えるような仕草をする。


可愛いな…。

そんな気持ちになれた。


「陽君と一緒ならどこにいても嬉しい」

そう上目遣いで言われれば、やっぱり俺は嬉しくて、笑った。

「じゃあ、そこら辺歩こうか」

⏰:08/04/06 13:48 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#474 [氷雨]
「うん!」

北原さんも嬉しそうに笑い返してくれた。


けれど、歩いている内に北原さんの機嫌が少しずつ悪くなっているのに気が付いた。


俺、何かしたかな?


不安になる。

「どうしたの?」


俺はつい聞いてしまった。

⏰:08/04/06 13:51 📱:D704i 🆔:☆☆☆


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