・・・ゆめみる魚・・・
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#381 [向日葵]
ギシ……と床を軋ませながら、真が近づく。

いつになく、真が慎重なのに私は驚いた。
いつもなら、こちらの事などおかまいなしなのに……。

月明かりで、真の顔が青白く見える。
幽霊のようなのに、何故か色っぽく見えて目が離せない。

妖艶とでも言うのだろうか……。

私がいるベッドに一緒に座った真は、ゆっくり手を出すと私の頬に指先を触れた。

びくりと体が少し反応する。
暗闇に近いせいか、五感が鋭くなってる。

⏰:08/02/27 00:59 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#382 [向日葵]
お互いの息遣いがよく聞こえる。
真の香水の匂いがいつもより漂ってくる。
触れる指先から僅かな体温が伝わってくる。

頬にあった真の指が、私の唇をさまよって止まる。

「何か、喋ってくんない?沈黙って結構キツイ……。」

声までが、いつもと違うように聞こえる。

あぁそうか。
だから大人の情事と言うものは、暗闇で行われるのか。

でも、今はお互いそんな気がないのは確かだ。

私はなんとかして言葉を搾り出さなければならない。

⏰:08/02/27 01:03 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#383 [向日葵]
「―――……水着、買ってきた……。」

「……うん。」

何を言うかと思えば水着か、と思ったかもしれない。

でも、例えば「私のどこを好きになったの?」とか「私の事本当に好き?」とか聞けるものでもなかった。

と言うか、そんなの聞いたら、すごく重い気がして言えなかった。

「どんなの買ったの?」

真が聞いた。

「普通。どこにでもあるようなやつ。それに、ガバガバだから、真はつまんないと思うよ。」

⏰:08/02/27 01:07 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#384 [向日葵]
すると真は、唇から指先を離して、その手で私の頭をワシャワシャ撫で回しながらクククと喉の奥で笑った。

とりあえず、気まずいわだかまりは無くなったらしい。

「そっか……。でも俺は、お前の水着姿見れるだけで嬉しいよ。」

暗くて良かった。
顔が赤くなってるに違いない。

「ナンパされた。」

唐突に口に出たのがそれだった。

自分でも突然に言葉が出てきた事にびっくりした。

⏰:08/02/27 01:12 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#385 [向日葵]
頭に置いてあった真の手がピクリと動いた。

直感的に「ヤバイ」と感じる。

「なんて?どこのどいつに?」

声の低さから言って完璧ご機嫌ななめ。

「あの、センター街の近くにあるデパートで……。」

名前……。

[……き あゆ……っ!]

チョコチョコしか思い出せない。
なんだったか本当に忘れてしまった。

「忘れた。でも、真によく似てた。」

「ふーん。顔の良さは五分五分か。」

自画自賛……。

⏰:08/02/27 01:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#386 [向日葵]
どこまで自分に自信があるんだか。

「でも相手にしなかった。チャラチャラしてたし。」

「チャラチャラしてなくても相手になんかすんな。お前は俺のだろ。」

そうやって荷物みたいに言わないでほしい……。

小さくため息を吐いていると、柔らかい物が頬に触れた。

真の唇だ。

何が起こったか分からなかった私は、しばらく呆けていた。

⏰:08/02/27 01:41 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#387 [向日葵]
「絶対、どこにも行くな。」

真剣で強い言葉。
耳から脳へ行って焼き付く。

「……はい。」

馬鹿みたいな声を出して、何故か敬語で返事をしてしまった私。

返事を聞いた真は、笑ったのか、微かに息を漏らした。

その時、携帯のバイブが鳴った。
キョロキョロ探せば、少し離れた場所で点灯している。

取りに行こうとした時、後ろからふわりと抱きしめられた。

⏰:08/02/27 01:46 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#388 [向日葵]
空気を抱くようなその行動が、私の胸を鼓動でいっぱいにする。

「出なくていい。」

耳元で喋らないで。

駄目だ。絶対この暗いのがいけない。

「多香子からだったら明日うるさいから離して。」

納得いかないように少し唸った真は、「風呂用意してくる。」と言って出て行った。

急いで携帯を手にした私は、胸の中が空になるほど息を吐いた。

明らかに、今はヤバイ雰囲気だった。
私があの時携帯に出なかった真は…………もしもの事をするかもしれない。

⏰:08/02/27 01:52 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#389 [向日葵]
冷静になる為、深呼吸してから携帯を開けば、メールだった。

<今、電話しても平気?>

つぐみさんからだった。

一旦ドアの方を見て、真が来ないか確認した後、部屋の明かりをつけた。

返信をしてしばらく、電話が鳴った。

{もしもし?みかげちゃん?つぐみです。}

「こんばんわ。」

真に聞かれてはいけない気がして、出来るだけ小声で話した。

{プールの事なんだけど、こっち1人増やしていいかな?私の友達なんだ。}

⏰:08/02/27 01:57 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#390 [向日葵]
女ばっかり増やして真は居づらくないだろうか……。……アイツなら喜ぶかな。
ハーレムとかつって。

「私は別にいいです。多分友達も、し……松川も。」

{そ、ありがとうっ。じゃあ私の友達に伝えとくわ。場所とか待ち合わせ時間とかは松川君に言っておくね。}

「あ、ハイ。」

「バイバイ!」と心底楽しみらしい声で別れを告げられると、通話が終了した。

つぐみさんの友達だから、多分大人っぽくて可愛い人なんだろうな……。

⏰:08/02/27 02:02 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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