・・・ゆめみる魚・・・
最新 最初 🆕
#534 [向日葵]
歩は苦笑いしながら、少しずつ話出した。

「一途に想ってたよ。でも、君も気づいてるだろうけど、つぐみは松川が好きだからねぇ。」

そう。
そしてつぐみさんの願いは叶って、現在2人は付き合ってる。

歩は、それを知ってるのかな?

「俺ね、松川と君が買い物してるの、1回見た事あるんだよ。」

「え。」

「だから君と前あった時、この子いじれば松川がなんか反応するかなって。だから君にちょっかいかけたの。」

⏰:08/03/14 00:42 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#535 [向日葵]
「だけど。」と、歩は話を続ける。

「あの松川があまりにも面白い反応してくれたから、貴重だったよ。よっぽど、みかげちゃんが大切なんだね。」

私は歩をぼんやりと見つめた後、少し視線をずらして下を向いた。

「……大人ってズルイよね。」

「え?」

「大切な人扱うフリしてからかうもの。歩だって、回りくどい事なんてしてないで直球で当たればいいのに。」

⏰:08/03/14 00:46 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#536 [向日葵]
自分のムシャクシャした考えを、何も関係ない歩にぶつける。

案の定、歩は困った顔をしてしまった。

ため息をつくと、防火扉にゆっくりと背を預けてまた話出した。

「みかげちゃん。君も経験した事ない?子供の頃、出来てた事が、大人に近づくにつれて出来なくなった事、ない?」

それは例えば、人前でギャーギャー泣き叫ぶ事は子供の時出来ても、今じゃ恰好悪くて出来ないと言う事だろう。

私はゆっくり頷いた。

⏰:08/03/14 00:50 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#537 [向日葵]
「ある。」

「それと一緒。大人はね、段々と駆け引きを覚えて行ってしまうんだよ。だから言いたい事もやりたい事も上手く出来ない。分かってくれるね?」

歩はまるで先生よりも先生らしく説明してくれた。

その様はとても誠実で、本来ある筈の彼のチャラチャラした部分を消してくれたのだった。

じゃあ、歩と性質的に類似している真は……?

誠実な想いを、私に注いでくれてたのだろうか。

そろそろ考えすぎで、頭がゴチャゴチャになってきた。

⏰:08/03/14 00:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#538 [向日葵]
「もう嫌!気持ちがまとまってくれない!だって真は、つぐみさんが好きって言ったんだもん!」

言ってしまってから、私はハッとして口を塞いだ。

「え……。何て……?」

ヤバイ……!

気づいた時には遅かった。

歩は私の肩を力強く掴んでガクガク揺らした。
振動で、軽く歯がカチカチなる。

「それ本当?じゃあアイツら両思いかよ!?」

「いや、それはあの」

「結局俺は無理じゃねぇかよ!」

⏰:08/03/14 00:58 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#539 [向日葵]
そんなの、私だってそうだ。辛いのは、歩だけじゃない。

「私を責めても仕方ないでしょ!離して……っ!」

力一杯歩を押すと、歩は肩から手を離してくれた。

それまでは良かった。

勢い余った私の体は、引力に従うかのように後ろへといき、階段へとまっさかさま。

「……!みかげちゃん!」

ズドン!!と大きい音と共に、私は下の踊り場へ転落。

頭に鈍い痛みが広がる。

⏰:08/03/14 01:02 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#540 [向日葵]
すると体のダルさまでが私を襲い、起きたくても起きれないくらい体の自由がきかなくなった。

それから、人のざわめきが少し聞こえて、私は意識を手放した。

・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『みかげ。貴方はどうして無理をしてしまうの?』

あ、お母さん……。

お母さんは困ったような怒ったような顔で私を見る。

無理なんてしてないよ。
ただ幸せならば幸せになって欲しいだけ。
でもね、あまりにヒドイ扱いを受けたから、腹が立ってるだけだよ。

⏰:08/03/14 01:06 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#541 [向日葵]
お母さんはため息をつく。

色白のお母さんはいつ見ても綺麗だなぁとか、怒らているにも関わらず、呑気にそんな事を考えていた。

『前、母さんが言った事覚えてる?』

ううん。
夢は起きた瞬間すぐ忘れちゃうから。

『ならね、もう一度言うわ。後悔だけは、しちゃ駄目よ。』

後……悔……?

『貴方今凄く後悔してる。彼に無理だって言ったんでしょ?』

⏰:08/03/14 01:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#542 [向日葵]
言った……。だって無理だもん……。
アイツ、つぐみさんが好きって……。私には、あんな真剣にも、あんな焦った姿も……見せてくれた事なんかない……っ。

ボロボロ涙が溢れる。
今にも泣き叫んでしまいそうな衝動にかられる。

『本人の口から、つぐみさんが好きって聞いた?』

聞いてないけど……でも……っ!

『それに、彼が貴方に接する時、本当に真剣じゃなかったり、焦ったりした事は無かったかしら?』

それは……。

⏰:08/03/14 01:14 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#543 [向日葵]
私の手を、柔らかく、風が包んでくれるようにお母さんが握る。

温かくて、更に涙が流れた。

『ねぇみかげ。彼からの話をもう1度、よぉく聞いてごらん?泣くのはそれからよ。』

でも……。

『それからね、これも前に言った事よ。もっと、彼を信じてあげなさい。前よりもずっとずーっと……。』

信じれるかな……私。
だってまた騙されたりするの、怖い……。

⏰:08/03/14 01:17 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194