・・・ゆめみる魚・・・
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#586 [向日葵]
あ、何だ。これ現実か。
……ん?珍しいな。
いつも目が覚めれば夢は忘れてる筈なのに、今回はちゃんと覚えてるや。
しかも何だろう……夢から覚めたのにがっかりしてる自分がいる。
「真いつ帰って来たの?」
「今。そしたらお前が寝てたの」
「そっか。……ん?」
机の上を見れば、ブランド物のつづりが入った小さな袋を見つけた。
「真どうしたのそれ。」
:08/03/17 00:54
:SO903i
:☆☆☆
#587 [向日葵]
袋を指差すと、真は何とも言えない表情をした。
つぐみさんからの貰い物だろうか。
貰ったはいいものの、自分はいらないから捨てる訳にもいかず、困っているのかもしれない。
物によっちゃあ私が貰おうかな。
「ねぇ、中見せてよ」
「え!いや、あの、これは……」
珍しく真の返事が歯切れが悪い。
眉を寄せて、真を見つめる。
:08/03/17 00:59
:SO903i
:☆☆☆
#588 [向日葵]
真は諦めたのか、長いため息をつきながら頭をポリポリかくと、袋を私に渡した。
渡した時に中身が揺れたのか、小さくコトッと音が聞こえた。
そして中身を取る。
「おー……」
袋から、ビロードのような手触りの更に小さな箱が。
何だろう……。
よくあるのはこんな箱を開けながら「これ……給料3ヶ月分の……」みたいなドラマな場面あるけど。
自分の馬鹿な想像に心の中で笑いつつ、私は真に聞く。
:08/03/17 01:07
:SO903i
:☆☆☆
#589 [向日葵]
「私が開けてもいいの?」
「ん?ああ……いいんじゃね?」
なんか投げやりな真にムッとしつつ、私は箱を開けた。
するとそこには……光で反射した、綺麗な銀色の指輪が2つ並んでいた。
思わず言葉を失う。
そしてさっき心の中で笑った自分を恥じた。
「え……真。あの……」
指輪を見ながら私は真に言った。
真はまたため息を吐くと、ソファーに座ってる私の前に回り込んで、あぐらをかいた。
:08/03/17 01:11
:SO903i
:☆☆☆
#590 [向日葵]
「いや……あの、一応ペアリングでもって思っただけだ。別に深い意味は……」
「あ、そう……だよね」
早とちり。
馬鹿だ私。
「深い意味は……ない……つもりだけど、あるんだよな……。」
「え?」
私は真を見つめた。
真は私を見ずに、下を向いて口元を片手で隠している。
深い意味?
真、どういう事?
私と思ってる事は同じ?
:08/03/17 01:15
:SO903i
:☆☆☆
#591 [向日葵]
「昨日、結婚とか話しただろ?お前はどうであれ俺は本気だったんだ」
「え……」
「でも、まだ実感すら沸かないお前に、大人目線からの意見を無理矢理通すのは……って思って……」
つまりそれは……。
「でも結婚って言っちまったら、みかげとの結婚生活の事ばっかり想像しちまって……。だからその指輪が、いつか婚約、それで結婚指輪になる事を意識してくれたらって、思ったんだ」
珍しく、真の顔が少し赤くなっていた。
:08/03/17 01:19
:SO903i
:☆☆☆
#592 [向日葵]
そんな真に油断した私は、本音をポロリと出してしまう。
「私もしたい。真と、結婚したい……」
真はバッと顔を上げて、驚いてるのか目を見開いて私を見る。
「あのね……さっき夢みたの。真と、結婚する夢」
ベタで馬鹿馬鹿しいって思った。
あり得ない。自分はなんて夢を見てるんだって。
……でも。
夢から覚めた時のあのがっかりした感じは、きっと夢から覚めてしまったからだ。
:08/03/17 01:23
:SO903i
:☆☆☆
#593 [向日葵]
「子供もいたの。私達の子供。真は嬉しそうにその子を抱っこしてた。私、そんな温かい空気が嬉しかった。……ねえ真。大人目線なんて関係ない。」
だって好きな人と幸せの時間を共有出来る……これ以上の幸せはないでしょう?
「真が私を望んでくれるなら、私は喜んで真についていくよ」
「みかげ……」
私は自分から真の首に腕を巻き付ける。
こんなに誰かを愛しいと思った事があるだろうか……。
ううんこの感情は真だけしか味わった事がない。
:08/03/17 01:30
:SO903i
:☆☆☆
#594 [向日葵]
真は私を優しくきつく抱き締めてくれる。
それが2人の結婚の決意を固めてくれた。
少ししてから離れて、真は2つの指輪の小さい方を手に取った。
「みかげ、一生かけて幸せにする。結婚してくれますか?」
改めてプロポーズされれば、こそばゆいような、胸がキューっとなるようなそんな感覚がした。
「仕方ないから……してあげるよ。」
何故素直に「ハイ」と言えない私よ……。
:08/03/17 01:34
:SO903i
:☆☆☆
#595 [向日葵]
そんな私を理解してくれてる真は、ハハッと笑って左薬指にその細い輪をはめる。
はめた瞬間、胸が高鳴った。
本物の結婚指輪でもないのに、もう結婚した気分になった。
「みかげ、ホラ、お前も俺にはめてよ。」
真は私より大きい指輪を私の掌に置くと、自らの左手を私に差し出した。
指先で、小刻に震えながらその輪を掴む。
「緊張……する……」
素直に感想を述べれば、真はまた笑った。
「変なの」
:08/03/17 01:40
:SO903i
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