・・・ゆめみる魚・・・
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#640 [向日葵]
振り返ったはいいものの、私は何を言えばいいか分からず、下を向いてしまう。
真はと言うと、クスリと笑う声が聞こえたかと思えば、私がもたれていたシンクに手をついて私を閉じ込めるようにした。
体がさっきより近づいて、真愛用の香水の香りが漂ってくる。
これは、思いきり攻めの体勢だ。
「ちょ……何……」
うつ向いたままなんとか聞こえる音量で抗議してみる。
:08/04/15 20:27
:SO903i
:☆☆☆
#641 [向日葵]
「何って……楽しんでる」
本当に楽しそうな口調で言うもんだから、眉を寄せて赤くなるしかなかった。
じわじわと顔が近づいて、真の片手が私の頬に触れる。上を向くよう促されてる感じはするものの、私は頑なに上げようとはしなかった。
頭がパニックを起こす。
体はガッチリ固まってしまった。
「みかげ」
優しく呼ばれて、そろりと顔を上げれば、柔らかく微笑む真がいる。
:08/04/18 00:18
:SO903i
:☆☆☆
#642 [向日葵]
緊張していた体は力が抜け、真の片手が導くままに顔をしっかり上げた。
と同時に真の顔が近づく。
長いまつ毛が間近に迫れば、見つめるのが恥ずかしくなってそのまま真の唇が触れるのを目を瞑って待った。
[二人の気持ちは高まって……って事になる]
多香子の言葉がエコーがかって頭に響けば、私は叫びながら力一杯真を押し返していた。
「う……っわぁぁぁぁ!!」
「おわぁっ!!」
:08/04/18 00:23
:SO903i
:☆☆☆
#643 [向日葵]
突然の攻撃に容易く真は飛ばされてしまい、フローリングに尻餅をついた。
私はシンクに頼りなくもたれながら胸を押さえて心臓の音を聞く。
何急に意識しだしてんだ私……っ!さっきまでどうもなかったのにおかしい!
そこまで考えて私はハッとした。
真をほったらかしにしたまんまだった。
「ご、ごめん真っ!あの……」
「はぁ……いいよ。早く晩飯作ってくれ」
そう言うと、真はテレビをつけてソファーに身を投げ出した。
:08/04/18 00:27
:SO903i
:☆☆☆
#644 [向日葵]
あぁ……。真を傷つけてしまった……。
だから私は子供なんだよ。
……もういい。
全部多香子のせいにしてやる……。
頭のごちゃごちゃも、真となイザコザも、全て多香子に押し付けて私は晩御飯の準備にとりかかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「真ー。ご飯だよ」
台所からソファーの真に呼びかけても返事は無かった。
まだふてくされてるのかと、真に近づく。
:08/04/18 00:30
:SO903i
:☆☆☆
#645 [向日葵]
真を上から覗いて見れば、静かに寝息を立てて眠っていた。
いつも頑張っているし、(勝手にやってるんだとしても)学校の時と人格違うようにしてるから疲れてるのかもしれないなぁ……。
それを癒してあげるのが私の役目だと思う……のに。
突き飛ばしちゃった……。
その場で脱力するようにうなだれる。
座って、ちらりと真を見る。
相変わらず整った顔は寝ていても崩れない。
:08/04/18 00:34
:SO903i
:☆☆☆
#646 [向日葵]
「ごめん……なさい……」
寝返りをうった時に眼鏡を傷つけてはいけないと、眼鏡に手を触れた瞬間……。
素早く手首を掴まれた。
「ひぃっ!」
「んな化けもんに会ったみたいに驚かんでも……」
私は眼鏡に手をかけたまま固まった。
「外したいなら外せば?」
え、起きる気ないの?
特に理由もなく、せっかく外しかけたのだからと意味の分からない事を思いながら私は真の眼鏡を机に置いた。
:08/04/18 00:40
:SO903i
:☆☆☆
#647 [向日葵]
依然、私の手首はまだ解放されず、その掴まれてる手をぼんやりと見つめた。
「旅行行くの、やめる?」
そんな事言うもんだから、私は「え!?」と言いながら真をバッと勢いよく見た。
忘れていたけど、眼鏡を外した真の眼光は眼鏡をかけている時の2倍。
見えてるのかいないのか分からないながら見つめてくるけど、私はその視線にいつもクラクラする。
そんな事はとりあえず置いておいて、私は真に問うた。
:08/04/18 00:45
:SO903i
:☆☆☆
#648 [向日葵]
「な、なんで。あ、予定合わなくなった?それなら別の日……」
「じゃなくて」
私の言葉を遮って真が言った。
手を伸ばして、微笑みながら耳元を髪と一緒に撫でる。
「誰かさんが何かいやらしー事意識してるみたいだから」
理解しかねた私は首を傾げて真の言葉を口の中で繰り返した。
そして意味が分かった時、恥ずかしいようなムカつくような気分になった。
思わずそっぽを向く。
:08/04/18 00:49
:SO903i
:☆☆☆
#649 [向日葵]
「し……してない」
「顔真っ赤にしたくせに」
「真が迫る時はいつもでしょう」
「じゃあいつもいやらしい事考えてんだ」
「違うってば!」
ムキになればなるほど真は笑った。
笑い事じゃない……。
軽く口を尖らせていると、掴まれていた手首をぐいっと引っ張られた。
「わぁっ!」
:08/04/18 00:53
:SO903i
:☆☆☆
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