・・・ゆめみる魚・・・
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#748 [向日葵]
時刻は6時。
真はまだ帰っていない。
早く帰って来いと念を送る。
すると念の効果か、鍵を開ける音が聞こえた。
ホッとして、玄関に駆けて行った。
「おかえ……!り……」
語尾が小さくなったのは真の後ろに続いて入って来る人がいたからだ。
「ただいま。外であったから連れて来た」
私は真のお母さんにまず目がいった。
「あぁ!」
「こんばんわ。この前は助けてくれてありがとう」
:08/05/17 22:03
:SO903i
:☆☆☆
#749 [向日葵]
「コ、ココアの人……!」
まるでハムの人みたいに無礼にも指をさして驚く。
そんな私を気にもせず、真のお母さんはにっこり笑った。
そうなのだ。
その人は旅行に行く前日、自販機からココアが出なくて困っていた人だった。
「何度見ても可愛いわね。ね、あなた」
そこで初めて真のお父さんを見た。
見てから私は息をひくつかせる。
見るからにすごく厳しそうな人だったからだ。
:08/05/17 22:48
:SO903i
:☆☆☆
#750 [向日葵]
「こ、こんに……いや、こんばんわ!」
深々とお辞儀をする。
心臓は既に限界だ。
すると急に両肩を掴まれて体を起こされた。
お父さんと間近で向き合う形になる。
ひーっ!
目が泳ぎそうになるのを必死に堪えてお父さんと目を合わせる。
と、お父さんの顔が少し厳しさを増す。
顔は真と同じくらいカッコイイのだからもう少し柔らかな表情を浮かべて欲しいものだ。
:08/05/17 22:54
:SO903i
:☆☆☆
#751 [向日葵]
「真一……何故早くこの子を連れて来なかった」
「あ、あの、スイマセ……」
「こんな可愛い子お父さんに教えないなんてどういう事だ!」
え。
目が点になった。
真剣な顔で、その厳しそうな顔で、今、なんて言った……?
「みかげさんとか言ったかな?初めまして、真一の父、倫太郎です。」
手を取って、淑女のようにキスされる。
:08/05/17 23:01
:SO903i
:☆☆☆
#752 [向日葵]
私は唖然としながらその動作を見ている。
「お前が誰かれ構わずそうやって口説くから行くの躊躇ってたんだよ!」
お父さんから私を離しながら真は抗議した。
「倫太郎さん昔からそうよねー」
コロコロ笑いながら言うお母さんに、「そんな軽い……」と既にこの空気について行けずにいた。
「女性は皆素晴らしいからね。口説かずにはいられないのさ」
真のタラシ具合いはお父さん譲りらしい……。
:08/05/17 23:13
:SO903i
:☆☆☆
#753 [向日葵]
>>744に感想板がありますんで、良ければ感想お願いします

:08/05/17 23:15
:SO903i
:☆☆☆
#754 [向日葵]
「そんな事より、言っておきたい事があるんだ」
「あぁ。結婚でもするのか?」
「どうして先に言っちゃうんだよ!」
「そんなもんさっさとすればいいのよ」
アップテンポの会話に私はついていけなかった。
さすが真のご両親……。ただものじゃない……。
「みかげさん」
「あ、ハイ!」
突然呼びかけられたので、背筋をシャッキリ伸ばしながら返事をした。
:08/05/23 19:07
:SO903i
:☆☆☆
#755 [向日葵]
お母さんは私の両手を握って優しく微笑んだ。
「貴方の事は真一から聞いてるわ。早くにご両親を亡くして辛かったわね。でもこれからは真一だけじゃなくって、私達にも甘えていいんだからね」
真のお母さんに、私のお母さんの影を重ねる。
きっとお母さんも微笑んでくれてる気がした。
そう思った瞬間、胸が一杯になった。
涙が勝手に溢れ出る。
「ありが……ございます……」
一生懸命繋いだ言葉は、たどたどしくも心はこもっていた。
:08/05/23 19:12
:SO903i
:☆☆☆
#756 [向日葵]
真のお母さんもそれを分かってくれたのだろう。
優しく抱き締めて、私の頭をまるであやすみたいに撫でてくれた。
「さて、将来の娘との挨拶もすんだし、呑むぞ」
お父さんはビニール袋一杯のお酒を掲げた。
「俺仕事あんだけど……」
「父さんだってあるさ。でもな真一、適度な酒は長生きの元なんだぞ?」
「てめぇは呑みすぎなんだよ!」
余裕たっぷりの真がうろたえてる姿は本当に珍しくて、私は沢山笑った。
これからこんな日が続くのかと思えば、夢のように思えたのだった。
:08/05/23 19:18
:SO903i
:☆☆☆
#757 [向日葵]
ねぇ真……。
私は貴方に沢山の幸せをもらってる。
だから私は一生をかけて、貴方を幸せにするね……。
:08/05/23 19:19
:SO903i
:☆☆☆
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