・・・ゆめみる魚・・・
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#133 [向日葵]
4P・波にもまれて
しらないうみにやって来た魚は、あたりを見まわしていました。
『ここはどこ?』
そのうみは、おだやかで、ねむってしまいそうなくらいにここちよいものでした。
でも、魚はふあんでいっぱいでした。
なにせしらないばしょなのですから。
・・・・・・・・・・・・・・・
あぁ……。なんでだ。
いつもならこの時間は夢の世界へ飛び立っていると言うのに……。
:08/01/26 01:54
:SO903i
:☆☆☆
#134 [向日葵]
社会科準備室にいた私は、自分を呼び出した相手を睨みつけていた。
「俺の顔、そんなにみつめるほどカッコイイか?」
真はにやりと笑う。
コイツのナルシストぶりには頭が上がらない。
世の中の男集めても自分が秀でてるとでも思っているんだろうか。
「そんな事言いたいが為に私をここに呼び出したの?」
「うんっつったら?」
「蹴り飛ばす。」
そんな私を、真はクスクス笑う。
:08/01/26 01:59
:SO903i
:☆☆☆
#135 [向日葵]
それがまた私の神経を逆撫でする。
この前の苦しげな顔は芝居じゃないのかと思うくらい元気だ。
実際……芝居だったのかもしれないが……。
「まぁまぁ。ただ恋人が恋しくて会いたくなったってだけだよ。」
「真にそんな感情備わってるとは思えないんけど。」
「俺はいいぞー。彼女にはちゃーんと優しくしてやるし。」
出た。
自画辞賛。
:08/01/26 02:03
:SO903i
:☆☆☆
#136 [向日葵]
ごっこだけのくせに……。
……ん?
なんだ私。
まるで、ごっこじゃ嫌みたいな感じじゃないか?
……。いやいやいや。
まさかまさか。
この頃ロクに昼寝してないから頭がどうにかなったか?
「くだらない用なら帰っていい?」
イスから立つと同時に、真も立ち上がった。
すると距離を詰めて、右手をさりげなく優しく握った。
「抱き締めていい?」
:08/01/27 17:13
:SO903i
:☆☆☆
#137 [向日葵]
「は……はぁ?」
ふざけてなんかいないみたいだ。
あくまで真剣に尋ねているらしい。
「なんで?」
「ねぇ、いい?」
なんか……甘えたがってるようにも見える。
真は強引に抱き締めるわけでなく、黙って私の返事を待っている。
だから余計におかしい。
いつもの俺様な真は身をひそめている。
軽くため息を吐く。
:08/01/27 17:17
:SO903i
:☆☆☆
#138 [向日葵]
「ちょっとだけなら……。」
言った瞬間ぎゅっと抱き締める。
意外に力が強かったので、少し苦しかった。
「……。何かあった?」
聞いてみるけど、囁くように「別に。」と言ったまま、黙ってしまった。
あのお姉さんが現れてから、いつもの真じゃなくなった。
いや、真らしい態度をとってはいるけれど、どこか無理してるような……。
そんな真だからだろうか。
慰めてあげれるならば、私が癒してあげたいとか思ってしまった。
:08/01/27 17:22
:SO903i
:☆☆☆
#139 [向日葵]
どうしてしまったんだ私……。
*******************
「テスト前なので範囲のプリントを配る。各自するように。」
だるそうにプリントをするガキ共を見ながら、教卓まで空いてたイスを引きずって座った。
表向きの自分の演技をしつつ、俺はさっきみかげを抱き締めた感触を思い出していた。
華奢な体。
なのに柔らかくて、髪の毛からはシャンプーの香りが漂ってきた。
:08/01/27 17:41
:SO903i
:☆☆☆
#140 [向日葵]
すがりたかったんだ。
誰かに。
つぐみが現れてから、俺は苦い思い出に浸ることしかなかった。
だから安らぎの場所を求めたかったんだ。
みかげはさぞ驚いただろう。
恋愛経験がないアイツにとっては初めて抱きつかれただろうし。
そんな初めてな事を、ただすがりたい、救われたいと言う思いだけで抱き締めて良かったのだろうか。
なのにアイツは、そんな俺を心配してくれた……。
:08/01/27 17:46
:SO903i
:☆☆☆
#141 [向日葵]
[何かあった?]
はっきり言って彼女から見た俺は横暴で、あまりいい印象は与えていないかと思う。
自分が何か突拍子のない事を言えば必ず不機嫌になるし、自分はただみかげに現実の刺激を与える道具のようなもの。
そして今アイツが直面している現実を受け入れると言う事。
それを課したのは俺で、そのせいで苦しんでるって言うのに、そんな俺を、心配した。
体の感触を感じた手を、じっと見つめる。
:08/01/27 20:59
:SO903i
:☆☆☆
#142 [向日葵]
前にも抱き締めた事はある。
海でみかげが泣いていた時の事だ。
あれは抱き締めたと言うよりも、抱えたと言うか、何かから守った気分だった。
現実を見つめ直す気になったみかげはとても懸命で、自分に与えられた試練を必死になって越えようとする、健気で、どこか愛おしい気分にさせた。
だから、「大丈夫だ。」と言ってやりたかったんだ。
今度は違う。
どこか、お互いの気持ちが通じたような、そんな感覚を覚えた。
:08/01/27 21:03
:SO903i
:☆☆☆
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