・・・ゆめみる魚・・・
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#231 [向日葵]
つぐみの事は、早く終わらせなきゃならない。

今度こそ、傷つけずにすむように……。

******************

今日はテストの日。

寝不足と言う言葉とは無縁な私は、多香子の目の下のクマを見て笑った。

「笑うことないでしょー。仕方ないじゃない。暗記する事がいっぱいだったんだから。」

「それにしたってひっどー。普段からやっておけばそんな残念な事にならなかっただろうに。」

⏰:08/02/09 00:29 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#232 [向日葵]
怒る多香子を尻目に、私は外を眺める。

真の事。

自分で自分の気持ち気づいたとたんに気づかれるだなんて……なんたる失態。

アイツは多分これからその事を良いことに絡んでくるに違いない。

時々、真を好きなのは錯覚じゃなかろうかと思う。

アイツといたら、言動にムカつき、余裕の笑みに暴力反対派の私がグーで殴りたい衝動にかられる。

私は一体、真のどこに惹かれたのだろうか。

⏰:08/02/09 00:33 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#233 [向日葵]
「席につけ。」

チャイムと共に入って来たのは、真だった。

相変わらず裏表は使い分けてて、未だ裏の真を知るものはいない。

多香子にも、裏の性格は言ってない為、家でもあんな堅物面してると思ってるらしい。

そんな事をぼんやり思っていると、ふと真と目があった。

意味もなく、どきりとさせられる。

そんな私に、真が意地悪な笑みを浮かべたように見えた。
いや、誰にも分からないように、ほくそ笑んだんだ。

⏰:08/02/09 00:39 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#234 [向日葵]
内心で「くそっ。」と悪態つく。

本当に私おかしいんじゃないか?!
なんであんな悪魔の化身みたいな奴をっ!!

頭をひそかに抱えている内に、答案用紙が配られ、教室内は一気に緊張した。

――――――――……

「葛。ちょっと来い。」

今日は1科目だけしかテストじゃない為もう下校。

そんな私を、真は呼び出した。

向かった先は、いつも2人の溜り場になってる社会科準備室。

⏰:08/02/09 00:43 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#235 [向日葵]
真は先に私を入れて、ドアを閉めて、念のために鍵をかけた。
別に何の意味もない事は知ってるけど、ガチャンと音がすると、心臓がドキンと跳ねた。

「何のよう?」

「会いたかっただけ。彼女に甘えても罰は当たらないだろ?」

「ふざけんな。彼女だなんて、思った事もないくせ……っ。」

急に後ろから抱き締められて、硬直する。

この前、抱き締められたらすぐに突き放すと誓いをたてたのに、そんな誓いすらどこかへ消え去ってしまった。

⏰:08/02/09 00:48 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#236 [向日葵]
耳元で、くすりと笑う音が聞こえた。

「何?緊張してんの?うぶだねー。」

「は……?べ、別に?びっくりしただけ!離しなさいよ!」

「説明させてくんない?」

「何を。」と聞く前に、真は答えた。

「首の痕の事。」

こんな状態でそんな事言われては、居心地が悪い。

私は身をよじって離れようと試みたけど、意外にも、真ががっちりと抱き締めていた為、無理だった。

⏰:08/02/09 00:51 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#237 [向日葵]
「聞くって言わないと、お前にも痕、つけるよ?」

怪しげな囁きに、される事を想像して、一気に頭に血が上った。

「聞く聞く!聞くから離せぇぇっ!!」

ともがくと、あっさりと腕から解放された。

私は出来る限り狭い部屋で真から距離をおく。

「何もないよ。」

「は?」

何が……?

「だーかーら。何もない。つぐみとは、別にいやらしい事なぁーんにもしてない。」

⏰:08/02/09 00:55 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#238 [向日葵]
近眼の人かと言うくらいの目つきの悪さで私は真を見た。

何にもない?
んな訳ないじゃないか。
なんてったってコイツは女タラシのスケベ野郎なのに。

「そんな嘘に、私が騙されるとでも思ってんの?」

「あのね、キスマークぐらい簡単につけれるの。なんだったら試してみっか?」

「は、話をそらさないで!」

そこで真はスッと真剣な表情になる。

「本当だよ。つぐみとは、何もない。この前うろたえたのは、キスマーク見つかった事に対する驚きだけ。」

⏰:08/02/09 01:31 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#239 [向日葵]
「……信じてほしいかもしれないけど、私はそこまで良心的じゃないから。」

この居心地が悪い空間から早く抜け出したくなって、私は真の隣をすり抜けようとした。
でも、腕を掴まれて、私の動きは止まった。

「何で信じてくれないの?」

真の顔は、珍しく悲しそうだった。
その顔に、少し心が痛む。

「本当だ。つぐみがただつけたいって言ったから好きなようにやらせただけだ。お前も過去の話を聞いたのなら、アイツの精神力がどれだけ脆いか知ってるだろ?」

⏰:08/02/09 01:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#240 [向日葵]
知ってるけど、事実が分からない以上、手放しで信じる事はまず難しい。

そんな私の心を読んだのか、真は黙ってしまった。

沈黙が流れたと思うと、ため息が聞こえた。

「証明してやるよ。いかに簡単な事か。」

何の事だか、始めはよくわからなくて、あれこれ考えている内に掴まれていた腕を引っ張られた。

すると、首筋に温かさを感じた。

それは紛れもなく、真の唇だった。

⏰:08/02/09 01:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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