・・・ゆめみる魚・・・
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#681 [向日葵]
「やだ!今飲みたいんだもん!」
どうやらポケットをあさっている方の人の財布が無いらしい。
真と私はまた顔を見合わせた。
すると真が私の手を離して財布を取り出した。
小銭入れから200円出すと、その女性の元まで歩いて行った。
「お嬢さん方、お金無いならどうぞ」
2人はびっくりしながらも、真にみとれていたのを見逃さなかった。
……特にダダこねてた方……。
嫌な予感が一気にしだす。
:08/04/29 18:52
:SO903i
:☆☆☆
#682 [向日葵]
ダダをこねてた方が真から貰ったお金を大事そうに両手で持って、白々しいくらいの笑顔で真に向き直った。
「ありがとうございます!あたし小恵子(サエコ)って言います!」
聞いてないから。
「良かったら一緒に散歩しませんかっ!」
「お誘い嬉しいけど、連れがいるから」
と真は親指を私の方へ向ける。
小恵子とか言う子は真の向こうから私を見ると、密かに鼻で笑ったような表情を(私にだけ)見せて直ぐに真にまた愛想のいい笑顔を向ける。
:08/04/29 18:57
:SO903i
:☆☆☆
#683 [向日葵]
「妹さん?なら一緒でも構いませんよ」
殴られたいのかコラ。
「違う。婚約者」
その言葉に、2人は愚か、私までもが驚いた。
こ……。
「婚約者ぁぁ!?」
小恵子が叫ぶ。
叫びたいのはこっちだ。
と言うより、婚約者だったんだと改めて実感した。
結婚の約束はしたものの、婚約者と言う言葉は思いついていなかった。
「行くぞ」
:08/04/29 19:01
:SO903i
:☆☆☆
#684 [向日葵]
私の元に帰って来た真は私の肩を抱いて歩き出す。
私はさっきまで小恵子に向けてた敵対心の炎を一気に消し、代わりに温かい感情がこみ上げてきて微笑んだ。
妹とか子供とか言われても関係ない。
真はありのままの私を求めてくれてる。
だったらいいじゃないか。
私は自分にそう言い聞かせた。
「妬いた?」
流れている川の上に橋が架けてある。
私達はそこで立ち止まり、景色を楽しんでいる。
「……何を」
:08/04/29 19:06
:SO903i
:☆☆☆
#685 [向日葵]
「妬きもち」
「……妬かない」
嘘だけど。
でも真はお見通しなのか、喉の奥でクククと笑う。
見抜かれた恥ずかしさに、私は口を尖らせて川をじっと見る。
そんな私を覗き込む。
今は見られたくないのにそんな事するもんだから、私の顔は不本意にも赤くなる。
それを見て、真は楽しそうにニヤリと笑った。
「悪趣味……」
「別に結構」
:08/04/30 00:17
:SO903i
:☆☆☆
#686 [向日葵]
ひょうひょうと言う真に悔しさを感じる。
「真はどうせ自分に自信あるから妬きもちを妬いたことすらないでしょうね」
「そんな事ないっつーの。じゃなきゃプール行った時不機嫌になるかよ」
きっと歩の事だと思った。
私はまだあの時、真の私に対する気持ちを疑ってたから、妬きもちと判断するのは難しかった。
それでも、妬いてくれてたんだと思えば嬉しかった。
「どうして……。……」
言いかけて私は黙った。
:08/04/30 00:22
:SO903i
:☆☆☆
#687 [向日葵]
「ん?何?」
聞けない……。
「どうして私が好きになったか」なんてそんな乙女チックモード全開のセリフ、私にはレベルが高すぎて無理だ……っ!
黙り込んでしまった私に更に近づいて、真は聞く。
「何?言ってみろよ」
無理です。
「絶対に笑う……」
「大丈夫だって」
「いやだー……」
真は「んー」と唸ってから私の肩を抱き寄せた。
:08/04/30 00:26
:SO903i
:☆☆☆
#688 [向日葵]
「言わないとキスする」
「は!?」
驚いてる私を無視して、真の顔が徐々に近づく。
近づいてくるごとに私は焦った。
誰に見られてるか分からない外でキスされるより、笑われた方が絶対マシだと思った私は、だけど近づいてくる真に恥ずかしさを隠せず、目をギュッと瞑って言葉を搾り出した。
「わ、“私のどこが好き”って聞きたかっただけ……っ!」
近づく気配が止まるのを空気で感じた。
そろりと片方の目を開ける。
:08/04/30 00:31
:SO903i
:☆☆☆
#689 [向日葵]
真はうつ向いていた。
どうかしたのかと心配になったけれど、何故そうしているか分かったので、半目にした。
「笑わないんじゃなかったっけ!?」
「だ……だってよ……そんな事聞いてくるとか、みかげからは想像つかなかったし……ククク……」
だから嫌だったんだ。
軽く頬を膨らませて、ふいっとそっぽを向く。
笑うだけ笑ってればいいさ……。
「そういうトコかな」
:08/04/30 00:35
:SO903i
:☆☆☆
#690 [向日葵]
「何の話?」
そっぽを向いたまま喋る。
「みかげのどこが好きかって話。いちいち反応が可愛いくて、実は物凄く寂しがりなところ。あとは……理由なんかなく、ただ好きと思っただけ」
素直に言われると逆に恥ずかしい。
これだからタラシは……。
と思っている半面、少し嬉しかったりもしている。
真は指先で私をこちらに向かせると怪しい笑みを浮かべた。
:08/04/30 00:40
:SO903i
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