・・・ゆめみる魚・・・
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#726 [向日葵]
俺は笑顔のままゆっくりと彼女を壁際まで追い詰める。
片手をゆっくり壁につければ、お互いの距離は短くなった。

小恵子は恥ずかしそうに、でも嬉しそうに口を開いた。

「だ、駄目ですよお兄さん……。貴方には婚約者がいらっしゃるでしょ」

「えぇ。でも、君には言っておきたい事があったもんでね……」

表情崩さず、俺は小恵子の髪の毛をぐっと後ろに引っ張り、首がのけぞるような形にさせた。
小恵子の顔は一変し、驚いたように俺を見た。

⏰:08/05/07 23:53 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#727 [向日葵]
俺は笑顔を消し去り、冷たく彼女を見つめ、いつもの2倍は低い声で言葉を発した。

「いいか。今度みかげ泣かしたりしたら今みたいにこんな生ぬるいのんじゃすまねぇ。次はその顔変形させてやるからな……」

パッと手を離せば、小恵子は腰が抜けたのかズルズルと座り込んだ。
そんな彼女に冷笑を浮かべながら俺は告げる。

「ワガママだけで思い通りになると思ったら大間違いだ。世間知らずも大概にするんだな」

「な……っ、アンタ……二重……」

“二重人格”とでも言いたいのだろうか。
俺の豹変ぶりの恐怖と驚きで上手く喋れないみたいだ。

⏰:08/05/08 00:00 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#728 [向日葵]
まぁ……コイツにどう思われようと俺にメリットはないからどうでもいい。

「好きなように妄想すればいいさ。明日以降は2度と会わないだろうから最後に言っておいてやるよ。俺が優男面してんのはアイツの前だけだよ」

それだけ言って、小恵子を置いたままその場を立ち去った。

部屋に戻ってくると、窓辺にみかげが立っていた。
月明かりで青白くなっている為少しビビった自分が情けない……。

俺の気配に気づいたみかげは振り向くとすぐに俺の元へやって来て抱きついた。

⏰:08/05/08 00:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#729 [向日葵]
寝ていたせいか、みかげの体温が温かく、外へ出て少し冷えた俺の体が心地良さを感じていた。

「どこ行ってたの……?」

「少し散歩」

「側にいて……1人にしないで……」

「しないよ……」

頬に手を添えて、唇を寄せようとすると急にみかげの体が傾いたので慌てて受け止めた。

見れば規則正しく寝息をたてて寝ていた。
どうやら寝ぼけていたらしい。

⏰:08/05/08 00:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#730 [向日葵]
呆然としながらも、おかしくなって喉の奥で笑ってからみかげを布団まで運んだ。
そして今度は朝まで離れないようにみかげをしっかり抱いて、俺も目を瞑った。


*****************

―――――――……

真が小恵子を脅したのも、昨日寝ぼけていただなんて知らない私は穏やかな朝を迎えた。

目をショボショボさせながら開けば、真がそこにいてホッとした。

「真。起きて……」

⏰:08/05/08 00:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#731 [向日葵]
真は少し唸ってから私をキツク抱き寄せる。

ちょ……っ!
浴衣!薄い!そんなに密着しないで……っ!

「真……っ!朝だっつーのっ」

「まだチェックアウトまで時間あんだろうよぉ……もう少し寝たい……」

「じゃあ離して」

「なんで?」

なんでってアンタ……。


朝風呂入ってみたいなーなんて思ったりしてる訳で。
だって露天風呂だよ!?
朝も楽しまなきゃ駄目っしょお!!

⏰:08/05/08 00:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#732 [向日葵]
「やりたい事あんの!」

「俺もやりたい事ある」

と真は私の上に覆い被さってきた。

「朝のキスしたい」

「はぁ!?」

「いいでしょ」

「や、ちょっと待ってぇぇぇ!!」

――――――
――――――――……

「お、終わり!?」

次の日、多香子にまたもや廊下へ呼び出された私は、「旅行中どんなラブラブな事があったか」を聞かれて、1つ1つ淡々と答えた。

⏰:08/05/08 00:23 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#733 [向日葵]
そうこれだけ。
多香子が想像している事なんてこれっぽちも無かったのだ。

「だ、だって下着は!?しかもなんの為の1泊2日!?意味がないじゃない……っ!」

そんな事言われてもタイムマシーンがある訳でなし。

それに、改めて真が私を大切にしてくれている事が分かった。
布団じゃなく、人肌の温かさは私の心さえ温かくしてくれた。

「皆が皆、そうなればいいってもんじゃないの。私達は私達の付き合いがあるんだから」

⏰:08/05/15 22:08 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#734 [向日葵]
そう言って、密かに薬指にはまっている銀の輪を撫でた。
するとアナウンスが流れてきた。

<葛みかげ、葛みかげ。至急職員室まで来なさい>

「あれ?今の松川だよね?珍しい。準備室じゃないんだ」

私も「あれ?」と首を傾げた。
珍しくも学校の用事で私を呼び出したのだろうか。

多香子と別れて、私は職員室へと向かった。

前まで来ると、既に真は廊下へ出ていた。

⏰:08/05/15 22:12 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#735 [向日葵]
外面装備なので、学校的な用事らしい。
近くまで行くと、平たくて黒い物体で頭を軽く叩かれた。

「日直。仕事忘れんじゃない」

あぁ。なるほどね。

「すーいませーん」

頭に置かれている日直日誌を受け取り、回れ右をして帰ろうとする。
と、腕を引かれた。

「ちょっとこっち来て」

小声で言われ、導かれるがままに階段がある場所まで連れて行かれた。

⏰:08/05/15 22:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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