俺の部屋が…《R18》
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#123 [我輩は匿名である]
3日後にまた違う場所で花火大会があった。

「ねぇ山田くん」

「はい?」

「屋根上らない?」

窓からじゃ見えないので、諦めようかと話をしていたが、吉田さんは子供のように笑いながら提案してきた。

僕も子供のように賛成した。

そして、壁や段差を上手く利用して屋根に上った。

⏰:08/01/19 11:00 📱:PC 🆔:C4gmiZ9A


#124 [我輩は匿名である]
「あ!見えた!」

指さす先には散らばる光。

二人並んで、三角座りをして眺めた。

「山田くん」

「はい?」

急に話し始めた吉田さん。

⏰:08/01/19 11:01 📱:PC 🆔:C4gmiZ9A


#125 [我輩は匿名である]
「山田くんって眉毛や髪型変えれば、普通にいい男だと思うよ」

「え?」

「眼鏡も辞めてさ、コンタクトにしちゃえば?」

「いや…似合いませんよ」

「綺麗な二重だし、顔も小さいじゃん?髪型や眉で、ヒトって変わるもんだよ?」

「…そうですか?」

⏰:08/01/19 11:03 📱:PC 🆔:C4gmiZ9A


#126 [我輩は匿名である]
こんなに褒められた事なんて、後にも先にもこれっきりかもしれない。

だから、少しはうぬぼれようと思った。

「そうだよ。あと、私に敬語もいい加減やめて。タメだしオナクラなんだから」

「た…ため?おなくら?」

「アハハ。そんな事も知らないの?」

「はい、すみません」

⏰:08/01/19 11:06 📱:PC 🆔:C4gmiZ9A


#127 [我輩は匿名である]
花火をBGMにして、僕たちはたくさんの話をした。

自信持ってもいいのかな?って思えた日。

一生忘れない。

こんな僕を褒めてくれて、ありがとう。

⏰:08/01/19 11:07 📱:PC 🆔:C4gmiZ9A


#128 [我輩は匿名である]
〜〜〜〜〜

とうとう夏休み最終日。

明日からどうなるのだろう。

何も聞かされないまま、一人…また一人と客はやってくる。

この5週間、一度も来なかった戸木田くん。

あの人の指示がないと、どうすればいいのかわからない。

⏰:08/01/19 11:09 📱:PC 🆔:C4gmiZ9A


#129 [我輩は匿名である]
23時。

僕の携帯が鳴った。

身内から以外の初めての着信。

知らない番号だった。

誰にも教えてないはずなのに、その電話主は戸木田くんだった。

⏰:08/01/19 11:10 📱:PC 🆔:C4gmiZ9A


#130 [我輩は匿名である]
どうやって番号を調べたのだろう。

そんな疑問はどうでもよかった。

やっと指示されるのかと思うと、うれしさ、安心、そして寂しさが僕を襲った。

「山田。明日香を連れて2丁目の廃ビルに来い。自転車なら10分で来れるな?今すぐだ」

そう告げると一方的に切られた。

⏰:08/01/19 11:13 📱:PC 🆔:C4gmiZ9A


#131 [我輩は匿名である]
僕は吉田さんを連れて、2丁目に急いだ。

自転車に初めて人を乗せたので上手く走れなかったが、なんとか10分以内に到着できた。

「山田ー、こんばんみー」

廃ビルに入ると、戸木田くんがいた。

その後ろには見た事ある男がたくさん。

みんなウチに来ていた人ばかりだ。

⏰:08/01/19 11:16 📱:PC 🆔:C4gmiZ9A


#132 [我輩は匿名である]
みんな何をしているのかわからない。

僕の目は戸木田くんだけに向いている。

「こんばんわ」

「山田ー、あの5万まだ残ってる?」

「あ、はい。少し使ったので3万円だけ残ってます」

「んー」

すると財布を触りながら僕に近づいた戸木田くん。

「ほい」

そう言って7枚の紙を渡された。

「え?」

「バイト代。残ってる3万と合わせて10万な」

⏰:08/01/19 11:19 📱:PC 🆔:C4gmiZ9A


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