俺の部屋が…《R18》
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#39 [我輩は匿名である]
パンツ?
トランクスなんて貸せるわけないし…
「コンビニで買ってきましょうか」
そう提案すると、少しだけ【ヒト】っぽい表情をしてくれた。
「…お願いします」
「はい。じゃあ行ってきます。吉田さんは気兼ねなくお風呂入っててください」
:08/01/17 10:43 :PC :asDiZhx6
#40 [我輩は匿名である]
僕は吉田さんにお風呂の場所を案内しようと、受け取ってくれなかったスウェットを持って立ち上がった。
「…吉田さん?」
なかなか立たない吉田さん。
「あの…お風呂嫌でしたか?」
「…立てないの」
泣きそうに呟いた彼女は、いつも学校で見ている吉田明日香とは、別人だった。
:08/01/17 10:45 :PC :asDiZhx6
#41 [我輩は匿名である]
「手、貸しましょうか?」
僕みたいなマイナーに触れたくないのは当たり前だろうが、吉田さんは妥協したのかな。
コクリと頷いた。
僕は吉田さんの体を支えて、立ち上がらせた。
:08/01/17 10:46 :PC :asDiZhx6
#42 [我輩は匿名である]
廊下、階段、ゆっくりだが歩いて進んでいく。
こんなに弱っているのに一人でお風呂なんて大丈夫だろうか。
「ここです」
脱衣所につき、吉田さんから手をゆっくり離した。
まるで、よちよち歩きの子供の歩行練習をさせている親のような気持ち。
「大丈夫ですか?立てますか?」
:08/01/17 10:48 :PC :asDiZhx6
#43 [我輩は匿名である]
吉田さんはコクリと頷き、何かに掴まりながら立っていた。
「それじゃあ行ってきます。あの…失礼ですけど下着のサイズは?」
「M…C65」
「はい、わかりました。すみません」
脱衣所のドアを閉めて、僕は家を出た。
自転車で隣町まで走った。
:08/01/17 10:52 :PC :asDiZhx6
#44 [我輩は匿名である]
隣町には服屋さんがある。
スーパー的な服屋さん。
僕みたいな野郎でも気兼ねなく入れる。
そこで、生まれて初めて女性の下着コーナーに行った。
「…」
恥ずかしさより、興奮より、驚きだ。
こんなに種類があるなんて…。
:08/01/17 10:54 :PC :asDiZhx6
#45 [我輩は匿名である]
「お客様、何かお探しですか?」
不審に思われたのだろうか。
店員が声を掛けてきた。
「あ、あの…知り合いが急に、泊まる事になったんですけど…その…下着がなくて…買いに来ました」
「そうですか。サイズは?」
店員はまだ疑いの目をしている。
:08/01/17 10:56 :PC :asDiZhx6
#46 [我輩は匿名である]
「M、C65と言ってました。いまいちよくわからないので…すみませんが見てもらえませんか?」
店員にお願いすると、少しは信用してもらえたのか、色々と見てもらえた。
色やタイプを聞かれたが、さっぱり。
だから一番ポピュラーなものをお願いした。
:08/01/17 10:57 :PC :asDiZhx6
#47 [我輩は匿名である]
10分ほどかかったが、店員さんは白の上下セット下着を選んでくれた。
支払いを済ませ、僕はダッシュで帰宅する。
「ただいま」
「…」
どうやらまだお風呂のようだ。
シャワーの音がする。
よかった。
シャワーが使えるまで体力は回復したんだ。
:08/01/17 10:59 :PC :asDiZhx6
#48 [我輩は匿名である]
脱衣所に入り、買ってきたばかりの下着を袋のまま置く。
はさみも添えて。
そして部屋に戻った。
:08/01/17 11:00 :PC :asDiZhx6
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