俺の部屋が…《R18》
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#1 [我輩は匿名である]
山田崇。
なんて平凡な名前なんだろう。
18歳。
彼女いない歴18年です。
黒髪に眼鏡。
周りは僕をマイナーと呼ぶ。
:08/01/16 21:29 :PC :c342IJ/g
#2 [我輩は匿名である]
別にオタクでもガリ勉でもない。
ただの落ちこぼれ。
頭も顔も運動神経も悪い。
神様は意地悪だ。
僕のいいところ一つもつくってくんなかったんだから。
:08/01/16 21:31 :PC :c342IJ/g
#3 [我輩は匿名である]
ここ、高田高校は県内で1番バカの高校だった。
ろくな生徒はいない。
僕のようなマイナー。
算数レベルも危うい典型的なヤンキー。
化粧くさいギャル。
こんな生徒に、教師も呆れていたため、風紀の乱れは直りそうにない。
:08/01/16 21:35 :PC :c342IJ/g
#4 [我輩は匿名である]
「山田〜、カレーパン買ってきて」
「俺、焼きそばパン」
「俺もカレーパン」
ここ最近、ヤンキー集団の男たちに目を付けられてしまった僕。
パシリってやつ。
「はい、わかりました」
幸い、男達はお金を渡してくれる。
:08/01/16 21:39 :PC :c342IJ/g
#5 [我輩は匿名である]
バイトをしてない僕は、おごりだなんて無理だ。
こうやって、お金を渡されるのなら、パシられてもいいだろう。
痛い目に会うよりはマシだ。
:08/01/16 21:40 :PC :c342IJ/g
#6 [我輩は匿名である]
「山田、お前ん家って確か3丁目だよな?」
「え?」
ヤンキー集団のリーダーと思われる、戸木田くんが話しかけてきた。
「3丁目か?って聞いてんだよ」
「あ、はい、そうです」
:08/01/16 21:43 :PC :c342IJ/g
#7 [我輩は匿名である]
購買部からパンを買ってみんなに配っているとき、いきなり話しかけられてので、つい動揺してしまった。
「俺さぁ2丁目引っ越したんだよ。お隣さんだな」
そう言って戸木田くんは、怪しく笑った。
:08/01/16 21:45 :PC :c342IJ/g
#8 [我輩は匿名である]
「あ、はい、えっと…そうですね。よろしくお願いします」
何をお願いしてるんだろう。
パシり以外に、こんな日常的な会話をしてもらったことに、動揺が隠しきれない自分が少し恥ずかしい。
:08/01/16 21:46 :PC :c342IJ/g
#9 [我輩は匿名である]
〜〜〜〜〜
夏休み前、戸木田くんたちにいつものようにパシられて、パンを配っていた。
「まじ、むかつくし」
「一度痛い目合わそうぜ」
「そうだな。あーいう奴は痛い目に会わないとわかんねぇタイプなんだろうな」
どうやら、ご立腹のようだ。
どうか巻き込まれませんように。
:08/01/16 21:49 :PC :c342IJ/g
#10 [我輩は匿名である]
パンを配りながら盗み聞きをすると、どうやらターゲットは、このクラスらしい。
僕じゃないよね?
ビビりながら、パンを配り終え、結局ターゲットは誰なのかわからないまま、自分の席に戻った。
:08/01/16 21:50 :PC :c342IJ/g
#11 [我輩は匿名である]
〜〜〜〜〜
夏休み。
事件は突然起こった。
「山田ー!いるかー!」
窓を開けて、2階の部屋で一人、ボンヤリと過ごしていた午後。
聞き覚えのある声が窓から入ってきた。
:08/01/16 21:52 :PC :c342IJ/g
#12 [我輩は匿名である]
下を見下ろすと、戸木田くんたちの集団が玄関前に溜まっている。
俺は、殺されると思った。
怖くなり、隠れる事も出来ず、窓を見下ろしたままの状態で固まってしまった。
「お、山田。いるじゃん」
:08/01/16 21:54 :PC :c342IJ/g
#13 [我輩は匿名である]
下を見下ろすと、戸木田くんたちの集団が玄関前に溜まっている。
僕は、殺されると思った。
怖くなり、隠れる事も出来ず、窓を見下ろしたままの状態で固まってしまった。
「お、山田。いるじゃん」
:08/01/16 21:54 :PC :c342IJ/g
#14 [我輩は匿名である]
:08/01/16 21:55 :PC :c342IJ/g
#15 [我輩は匿名である]
誰かが僕の存在に気づき、名前を呼んだ。
フリーズ状態の僕は現実に引き戻される。
「あ、こんにちわ」
とりあえず挨拶をした。
「山田ー。家入れてー」
:08/01/16 21:56 :PC :c342IJ/g
#16 [我輩は匿名である]
戸木田くんが叫んだ。
とうとう殺されるんだ。
「え、あの…」
「今日お前の親いる?」
「あ…いません」
父も母も仕事で日中は家にはいない。
:08/01/16 21:58 :PC :c342IJ/g
#17 [我輩は匿名である]
「んじゃ、おじゃましまー」
そういって戸木田くんたちは家に入ってきた。
え?何?本当に?
テンパっていると、戸木田くんたちは僕の部屋にゾロゾロと入ってきた。
:08/01/16 21:59 :PC :c342IJ/g
#18 [我輩は匿名である]
「へー、なかなか広いじゃん。決定だな」
「な…何がですか?」
ビビりながら聞いた。
次の瞬間、戸木田くんは冷たい目を光らせて呟いた。
「監禁場所」
:08/01/16 22:00 :PC :c342IJ/g
#19 [我輩は匿名である]
意味がわからなかった。
「え?か…監禁?」
僕が殺されるのなら、監禁場所は自分の部屋なわけないし…
となると、監禁されるのは別の誰か?
「おう、こいつをな」
戸木田くんは冷たく言い放つと、後ろの人たちが一人の【ヒト】を、僕の部屋に投げ入れた。
:08/01/16 22:02 :PC :c342IJ/g
#20 [我輩は匿名である]
僕は凍りついた。
「…吉田さん?」
投げ込まれたヒトは、同じクラスの吉田さんだった。
「つーわけで、今日から明日香ここに監禁すっから」
吉田さんは、化粧くさいギャル代表というか…
僕なんかとは正反対の世界のヒト
:08/01/16 22:05 :PC :c342IJ/g
#21 [我輩は匿名である]
学校だというのにいつも着飾っていて化粧もバッチリ
それなのに、今、僕の目の前にいる吉田さんは…
服はグチャグチャだし、
化粧も落ちてパンダ状態。
髪の毛もボサボサだ。
:08/01/16 22:07 :PC :c342IJ/g
#22 [我輩は匿名である]
「あの…一体…」
僕は戸惑いながら問いかけた。
すると山下くんが答えてくれた。
「明日香、俺ら裏切ったんだよ。だから痛い目合わせた。でも全然反省してねぇし、監禁すっかって話しになったんだよ」
:08/01/16 22:09 :PC :c342IJ/g
#23 [我輩は匿名である]
次に、久田くん。
「山田ん家って、よく考えたら一番便利なとこにあっからさぁ」
そして、三木くん。
「山田〜。嫌だなんて言わねぇよなぁ〜?」
ほとんど脅しだった。
僕は逆らえず頷いてしまった。
同時に…共犯者。
:08/01/16 22:12 :PC :c342IJ/g
#24 [我輩は匿名である]
面白い
:08/01/16 22:13 :W43H :l8QaluFw
#25 [我輩は匿名である]
「そういう訳だ。今日から夏休みが終わるまで、明日香は俺らの玩具だ。ヤリたい時にヤる女。山田には悪いけど、ここラブホ変わりになるからな」
戸木田くんの冷めた目には、逆らえない。
「あ、はい」
すると山下くんが言った。
「山田もヤリたかったら、ヤッていいからな。童貞捨てちゃえ」
:08/01/16 22:15 :PC :c342IJ/g
#26 [我輩は匿名である]
:08/01/16 22:15 :PC :c342IJ/g
#27 [我輩は匿名である]
山下くんの言葉に周りは笑った。
僕は笑うどころでわない。
「じゃあな、山田」
「あ、はい」
戸木田くんを先頭に、みんながぞろぞろと帰っていく。
:08/01/16 22:16 :PC :c342IJ/g
#28 [我輩は匿名である]
二階の窓から、みんなが帰っていくのを見届けると、今度は吉田さんに目をやった。
床にへばりつくように倒れている。
随分弱り切っているようだ。
さっきから一度も顔を上げようとしない。
「あの…吉田さん?」
「…」
反応がない。
:08/01/16 22:19 :PC :c342IJ/g
#29 [我輩は匿名である]
「吉田さん」
そっと肩に触れた。
すると、吉田さんはビクンと体を跳ね上がらせた。
怯えているのだと、この僕にでもわかる。
「大丈夫です。変な事はしませんから」
「…」
:08/01/16 22:20 :PC :c342IJ/g
#30 [我輩は匿名である]
目の前には綺麗な女性がいる。
だけど、襲うだなんて思いもしない。
そんな勇気、僕にはない。
ここで逃がせてあげたかったけど、戸木田くんのあの目は本気だ。
:08/01/16 22:21 :PC :c342IJ/g
#31 [我輩は匿名である]
吉田さんには悪いけど、僕は戸木田くんには逆らえないんだ。
「吉田さん、とりあえず…お風呂入りますか?」
「…うん」
そう言った僕に、初めて答えてくれた。
吉田さんの声は、小さくてか細かった。
:08/01/16 22:24 :PC :c342IJ/g
#32 [我輩は匿名である]
「じゃあお風呂わかしてきます。あの…床なんかじゃなくてベッドで寝てくれてもいいですよ?僕は、その…変な事、絶対しないんで」
「…うん」
そう返事したものの、吉田さんは動かなかった。
僕は急いで一階に下りて、お風呂のお湯を入れた。
:08/01/16 22:25 :PC :c342IJ/g
#33 [やす]
おもしろいわ
:08/01/16 22:32 :SH703i :esH56NLg
#34 [◆kN0IECN0SQ]
めちゃおもろいx
更新頑張れ〜印~
:08/01/17 01:19 :W51T :raMsOow6
#35 [我輩は匿名である]
:08/01/17 10:32 :PC :asDiZhx6
#36 [我輩は匿名である]
20分もすればお風呂が溜まった。
「これ僕の着替えです。もしよかったら使ってください」
たんすからスウェットを取り出して、吉田さんに差し出した。
「…」
「あ、汚くないです。ちゃんと洗濯してあるんで」
そういうと、吉田さんはやっと体を起こした。
:08/01/17 10:37 :PC :asDiZhx6
#37 [我輩は匿名である]
これはひどい。
ちゃんと改めて見ると、服はビリビリに破かれている。
こんなに汚らしいのに、胸元が見えたとき【綺麗だな】と思ってしまった僕は不謹慎だろうか。
:08/01/17 10:39 :PC :asDiZhx6
#38 [我輩は匿名である]
「…下着」
「え?」
「下着は…ないよね?」
消えていきそうな声で問いかけてきた吉田さん。
「あ、えっと…下着は…」
僕は戸惑っていると、顔を上げて虚ろな目で僕を見た。
「…パンツとブラジャー」
:08/01/17 10:40 :PC :asDiZhx6
#39 [我輩は匿名である]
パンツ?
トランクスなんて貸せるわけないし…
「コンビニで買ってきましょうか」
そう提案すると、少しだけ【ヒト】っぽい表情をしてくれた。
「…お願いします」
「はい。じゃあ行ってきます。吉田さんは気兼ねなくお風呂入っててください」
:08/01/17 10:43 :PC :asDiZhx6
#40 [我輩は匿名である]
僕は吉田さんにお風呂の場所を案内しようと、受け取ってくれなかったスウェットを持って立ち上がった。
「…吉田さん?」
なかなか立たない吉田さん。
「あの…お風呂嫌でしたか?」
「…立てないの」
泣きそうに呟いた彼女は、いつも学校で見ている吉田明日香とは、別人だった。
:08/01/17 10:45 :PC :asDiZhx6
#41 [我輩は匿名である]
「手、貸しましょうか?」
僕みたいなマイナーに触れたくないのは当たり前だろうが、吉田さんは妥協したのかな。
コクリと頷いた。
僕は吉田さんの体を支えて、立ち上がらせた。
:08/01/17 10:46 :PC :asDiZhx6
#42 [我輩は匿名である]
廊下、階段、ゆっくりだが歩いて進んでいく。
こんなに弱っているのに一人でお風呂なんて大丈夫だろうか。
「ここです」
脱衣所につき、吉田さんから手をゆっくり離した。
まるで、よちよち歩きの子供の歩行練習をさせている親のような気持ち。
「大丈夫ですか?立てますか?」
:08/01/17 10:48 :PC :asDiZhx6
#43 [我輩は匿名である]
吉田さんはコクリと頷き、何かに掴まりながら立っていた。
「それじゃあ行ってきます。あの…失礼ですけど下着のサイズは?」
「M…C65」
「はい、わかりました。すみません」
脱衣所のドアを閉めて、僕は家を出た。
自転車で隣町まで走った。
:08/01/17 10:52 :PC :asDiZhx6
#44 [我輩は匿名である]
隣町には服屋さんがある。
スーパー的な服屋さん。
僕みたいな野郎でも気兼ねなく入れる。
そこで、生まれて初めて女性の下着コーナーに行った。
「…」
恥ずかしさより、興奮より、驚きだ。
こんなに種類があるなんて…。
:08/01/17 10:54 :PC :asDiZhx6
#45 [我輩は匿名である]
「お客様、何かお探しですか?」
不審に思われたのだろうか。
店員が声を掛けてきた。
「あ、あの…知り合いが急に、泊まる事になったんですけど…その…下着がなくて…買いに来ました」
「そうですか。サイズは?」
店員はまだ疑いの目をしている。
:08/01/17 10:56 :PC :asDiZhx6
#46 [我輩は匿名である]
「M、C65と言ってました。いまいちよくわからないので…すみませんが見てもらえませんか?」
店員にお願いすると、少しは信用してもらえたのか、色々と見てもらえた。
色やタイプを聞かれたが、さっぱり。
だから一番ポピュラーなものをお願いした。
:08/01/17 10:57 :PC :asDiZhx6
#47 [我輩は匿名である]
10分ほどかかったが、店員さんは白の上下セット下着を選んでくれた。
支払いを済ませ、僕はダッシュで帰宅する。
「ただいま」
「…」
どうやらまだお風呂のようだ。
シャワーの音がする。
よかった。
シャワーが使えるまで体力は回復したんだ。
:08/01/17 10:59 :PC :asDiZhx6
#48 [我輩は匿名である]
脱衣所に入り、買ってきたばかりの下着を袋のまま置く。
はさみも添えて。
そして部屋に戻った。
:08/01/17 11:00 :PC :asDiZhx6
#49 [我輩は匿名である]
〜〜〜〜〜
「…あの」
30分後、吉田さんは出てきた。
「…ありがとう」
部屋の扉のところで僕に、頭を下げた吉田さん。
「気にしないで。体力戻ったみたいでよかったよ」
:08/01/17 11:02 :PC :asDiZhx6
#50 [我輩は匿名である]
スッピンの吉田さんは、別人だった。
僕は化粧をしないほうが可愛いと思う。
「ほんと…なんて言ったらいいか」
困った顔をする吉田さん。
実は学校でも話したことなくて、初めて会話する。
:08/01/17 11:04 :PC :asDiZhx6
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