俺の部屋が…《R18》
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#228 [我輩は匿名である]
………

まだまだ暑さの残る9月。

始業式も終わり、家に帰り、なんとなく適当に過ごしていた。

吉田さんに学校で話しかけられた事は嬉しかった。

でも昨日までいたのに、もう隣にはいない寂しさもある。

心に穴が開いた感じ。

⏰:08/01/27 23:33 📱:D902i 🆔:8COGvDXo


#229 [我輩は匿名である]
日が沈み、気付けばゴミ箱に手をかけている自分。

ほとんど無意識だった。

昨日、公園に行かなかったので一人で行く事にした。

…一人で歩くのは、やっぱり寂しい。

公園に向かうまで、吉田さんと何か話をすることもあまりなかったけど、存在だけがありがたかったから。

⏰:08/01/27 23:35 📱:D902i 🆔:8COGvDXo


#230 [我輩は匿名である]
カシャンッ

ゴミ箱に、昨日捨てなかったゴミを捨てる。

この公園のゴミ箱とも、もうお別れなんだなぁ。

僕はいつも吉田さんが座っていたブランコに座った。

ここからいつも空を眺めていた彼女は何を考えていたのだろう。

⏰:08/01/27 23:40 📱:D902i 🆔:8COGvDXo


#231 [我輩は匿名である]
「ちょっと!私の場所取らないでよ」

「えっ」

振り返ると…いつもここに座っていた人が笑いながら立っていた。

「エヘヘ。びっくりした?」

吉田さんは隣のブランコに腰掛けた。

⏰:08/01/27 23:42 📱:D902i 🆔:8COGvDXo


#232 [我輩は匿名である]
「え?なんで…」

「来ちゃ悪い?」

「いや。そうじゃなくて…」

「だっていつもこの時間だったからさ」

一昨日まで一緒にこの公園に来ていたのに、なんだかすごく懐かしい気がする。

「吉田さん…僕聞きたい事があるんですけど」

「あ、うん。昨日のことでしょ?」

⏰:08/01/27 23:45 📱:D902i 🆔:8COGvDXo


#233 [我輩は匿名である]
吉田さんはまた空を見上げながら説明してくれた。

朝、後ろの席から聞こえていた噂とほとんど一緒だった。

「私は被害者扱いだから、昨日帰してもらえたの。でもアイツらは…たぶんしばらく出てこれないと思う。出てきても退学決定だし」

高田高校の評判がまた落ちていく。

校長は大変だな、とつくづく思う。

⏰:08/01/27 23:50 📱:D902i 🆔:8COGvDXo


#234 [我輩は匿名である]
「そっか」

「昨日、私パトカーの中から見てたよ」

「え?」

「自転車で戻ってきてくれたでしょ?」

ニコッと笑いかけてくれた。

僕の心は信じられないくらい早さで鼓動を打っている。

⏰:08/01/27 23:55 📱:D902i 🆔:8COGvDXo


#235 [我輩は匿名である]
「見られてたんだ。なんか恥ずかしい」

「なんで?」

「助けるつもりで行ったのに結局何もできなかったし」

「来てくれただけで嬉しいよ」

「自分わ変えたくて立ち向かったのに…無駄だったのかな?」

⏰:08/01/27 23:58 📱:D902i 🆔:8COGvDXo


#236 [我輩は匿名である]
「無駄なんかじゃないじゃん。ちゃんと変われてるよ」

「え、どこが?」

「まだ気づいてないの?」

「何?」

「ほら、言葉遣いだよ。敬語じゃなくなってるじゃん」

「あ…」

⏰:08/01/28 00:03 📱:D902i 🆔:wNewNIxY


#237 [我輩は匿名である]
全然気づかなかった。

無意識だった。

家族以外にこんな口調で話した事ないのに…

「やっと打ち解けてくれた系?でも残念ながら監禁生活終わっちゃったよぉ」

そういって笑っている吉田さんは、きっと僕の中で大切な存在になっているんだ。

⏰:08/01/28 00:06 📱:D902i 🆔:wNewNIxY


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