俺の部屋が…《R18》
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#35 [我輩は匿名である]
:08/01/17 10:32 :PC :asDiZhx6
#36 [我輩は匿名である]
20分もすればお風呂が溜まった。
「これ僕の着替えです。もしよかったら使ってください」
たんすからスウェットを取り出して、吉田さんに差し出した。
「…」
「あ、汚くないです。ちゃんと洗濯してあるんで」
そういうと、吉田さんはやっと体を起こした。
:08/01/17 10:37 :PC :asDiZhx6
#37 [我輩は匿名である]
これはひどい。
ちゃんと改めて見ると、服はビリビリに破かれている。
こんなに汚らしいのに、胸元が見えたとき【綺麗だな】と思ってしまった僕は不謹慎だろうか。
:08/01/17 10:39 :PC :asDiZhx6
#38 [我輩は匿名である]
「…下着」
「え?」
「下着は…ないよね?」
消えていきそうな声で問いかけてきた吉田さん。
「あ、えっと…下着は…」
僕は戸惑っていると、顔を上げて虚ろな目で僕を見た。
「…パンツとブラジャー」
:08/01/17 10:40 :PC :asDiZhx6
#39 [我輩は匿名である]
パンツ?
トランクスなんて貸せるわけないし…
「コンビニで買ってきましょうか」
そう提案すると、少しだけ【ヒト】っぽい表情をしてくれた。
「…お願いします」
「はい。じゃあ行ってきます。吉田さんは気兼ねなくお風呂入っててください」
:08/01/17 10:43 :PC :asDiZhx6
#40 [我輩は匿名である]
僕は吉田さんにお風呂の場所を案内しようと、受け取ってくれなかったスウェットを持って立ち上がった。
「…吉田さん?」
なかなか立たない吉田さん。
「あの…お風呂嫌でしたか?」
「…立てないの」
泣きそうに呟いた彼女は、いつも学校で見ている吉田明日香とは、別人だった。
:08/01/17 10:45 :PC :asDiZhx6
#41 [我輩は匿名である]
「手、貸しましょうか?」
僕みたいなマイナーに触れたくないのは当たり前だろうが、吉田さんは妥協したのかな。
コクリと頷いた。
僕は吉田さんの体を支えて、立ち上がらせた。
:08/01/17 10:46 :PC :asDiZhx6
#42 [我輩は匿名である]
廊下、階段、ゆっくりだが歩いて進んでいく。
こんなに弱っているのに一人でお風呂なんて大丈夫だろうか。
「ここです」
脱衣所につき、吉田さんから手をゆっくり離した。
まるで、よちよち歩きの子供の歩行練習をさせている親のような気持ち。
「大丈夫ですか?立てますか?」
:08/01/17 10:48 :PC :asDiZhx6
#43 [我輩は匿名である]
吉田さんはコクリと頷き、何かに掴まりながら立っていた。
「それじゃあ行ってきます。あの…失礼ですけど下着のサイズは?」
「M…C65」
「はい、わかりました。すみません」
脱衣所のドアを閉めて、僕は家を出た。
自転車で隣町まで走った。
:08/01/17 10:52 :PC :asDiZhx6
#44 [我輩は匿名である]
隣町には服屋さんがある。
スーパー的な服屋さん。
僕みたいな野郎でも気兼ねなく入れる。
そこで、生まれて初めて女性の下着コーナーに行った。
「…」
恥ずかしさより、興奮より、驚きだ。
こんなに種類があるなんて…。
:08/01/17 10:54 :PC :asDiZhx6
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