危ナイ兄弟愛ノカタチ:)BL
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#827 [東脂ヤ転
―――――――――――――
― ピピピ…ッ ピピピ…ッ
「…ん…?」
枕元で鳴り響く機械音に気付いた俺は、無意識に携帯へと手を伸ばす。適当なボタンを何度か押すと耳障りな音が止んだ。
徐々にハッキリしてくる意識の中で何となく、俺は時計に目をやると一気に現実へと引き戻される。時計は既に8時を過ぎていた。
「…っ!ヤバい…遅刻…!!」
:09/02/07 17:19
:auSN3G
:☆☆☆
#828 [東脂ヤ転
「─…ッい!?」
慌てて勢い良くベッドから飛び降りた瞬間、腰に激痛が走り不自然な声を出してしまった。
情けないことに目に涙まで少し浮かべながら腰に手をやる。
[そっか…昨日静兄に…]
そこまで考えると急に顔が火照るのを感じた。昨日は嫌な不安を消し去りたくて、夢中で静兄に抱かれたんだった。でもまさかその代償がこんなカタチで来るとは…。
俺は腰に負担が掛からぬようゆっくりと立ち上がった。
ふ、と隣に寝ていた静兄を見ると穏やかな表情で熟睡しているようだった。
:09/02/07 21:04
:auSN3G
:☆☆☆
#829 [東脂ヤ転
黒く長いまつ毛とその端正な顔に思わず見とれてしまった俺は、ハッと気が付くと静かに静兄の部屋を出た。本当はいつまでもあの寝顔の隣で一緒に寝ていたかったけど、そんな余裕が今の俺には無いことを時計が示していた。
俺は大きく溜め息をつくと急いで自分の部屋へと戻った。とりあえず新しいシャツに着替えようとクローゼットに手をかけたその時、机の上に置き直した携帯がチカチカと光っていることに気付く。
どうやらメールを受信していたようで、俺は乱暴に携帯を手に取った。
:09/02/08 21:20
:auSN3G
:☆☆☆
#830 [東脂ヤ転
しかし次の瞬間、思考回路が一瞬停止するのを感じた。
そこに表示されていた受信メールの送り主は、
「…北…原」
出来れば今最も会いたくない相手だ。その名前を見た途端昨日遭った様々なことが蘇り、再びとてつもない不安を身体が覚える。俺は微かに震える指先でボタンを押し、恐る恐る受信メールを開いた。
― 鳴、おはよう。 まだ家?
メールの内容はたったこれだけだった。しかしその1行のメールの返事に俺は戸惑う。そして少し考えた後、当たり障りの無い返事を返した。
:09/02/09 21:11
:auSN3G
:☆☆☆
#831 [東脂ヤ転
― おはよう。俺今日寝坊したから先行っといて!
送信完了の表示を見て、何故か安堵の溜め息をついた俺は新しく出したシャツに腕を通す。
この家からそう遠くない所に住んでいる北原とは、ここに越して来てから時間が合えば一緒に登校していた。
[でも…さすがに今日は…]
昨日の今日では気持ちの整理がつく筈もなく、今日は出来るなら学校も休みたい程気分は憂鬱だった。
まぁ小学生じゃあるまいし、そんなワガママが通るわけないことを分かっていた俺はなるべく急いで教科書をカバンに詰め込む。
:09/02/10 12:31
:auSN3G
:☆☆☆
#832 [東脂ヤ転
― ピピピ…ッ
「…っ!?」
突然の着信音に俺は驚き、思わず手に持っていた教科書を落としてしまった。
この音はメールの受信音。
[またメール…?]
何となく嫌な予感がしながらも、再び携帯を手に取り開くと案の定送り主は北原だ。さらにメールの内容はさっきと同じように1行だけ書かれていた。
― 今お前んちの前だから、待ってるよ。
「俺の…家の前…!?」
:09/02/10 17:20
:auSN3G
:☆☆☆
#833 [東脂ヤ転
[……なんで…]
俺の頬を嫌な汗が伝う。
恐る恐る、閉めっぱなしだったカーテンに手を掛けそっと開いてみると、丁度向かいの自販機の前に見覚えのある学生服を来た男が立っている。
「北原…」
俺はその姿に小さく呟く。
北原は下を向いたまま携帯をいじっていてこちらには気付いていない様子だ。
― ビビピ…ッ
その時、手に持っていた携帯が再び鳴り始める。
目で北原を見ながら携帯を開くと受信メールが1件。
― 早く出てこないと、インターホン鳴らすよ?
:09/07/30 18:24
:W64S
:ZTYjh7sc
#834 [東脂ヤ転
その文面にドキッとして外を見ると、さっきまで携帯を見ていた北原は真っ直ぐ俺の方を見ていた。
その笑顔から微塵も悪意は感じられず、逆に変な胸騒ぎを覚える。
― すぐ行くからそこで待ってて
素早くそれだけ打ち込んで送信ボタンを押す。
「送信しました」の画面を確認した後、急いで制服のズボンを手に取った。
インターホンなんか押されたら静兄は絶対起きてしまう。今の俺にとって、静兄に気付かれないように家をでることが重要なのだ。
:09/07/30 20:55
:W64S
:ZTYjh7sc
#835 [東脂ヤ転
「よし…っ」
簡単に制服に着替えると制カバンを手に取る。
教科書や辞書なんかは全部学校に置いてあるので、持って行く荷物など僅かなものだ。
忘れ物がもしあったとしてもそんなこと大したことじゃない。どうせ遅刻なのだ。それなら1秒でも早くこの家を出なければ。
慌て過ぎて思わず転びそうになりながらも俺はドアを開けた。
すると、
「あ…おはよ、鳴」
何も知らない笑顔の静兄がそこに居た。
:09/07/31 21:40
:W64S
:Q0uThy8w
#836 [東脂ヤ転
「静…兄」
「…ん?どうかした?」
あまりに驚いてしまったせいで声も出ず一瞬、思考回路まで止まってしまったかのように思えた。
油断してた。
寝てる、と思っていたのに。
それでも意外と早くに頭の中は動き始め、どんどん冷静になっていく自分が居た。
「ゴメン…ちょっと急いでるから」
:10/07/14 01:30
:W64S
:mhPY5WmM
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