*柴日記*
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#289 [向日葵]
「やだ立川君。私がいなくても別になんともでしょ?そりゃ委員長としては、仕事しっかりやらなきゃいけないけど」

立川君は今度は真っ直ぐに私を見る。
私の席は窓際だけれど、教室の端と端でも立川君の眼光は届いた。

「なんともない?」

呟いたその声は怒っているようにも聞こえた。
なので私は何か悪い事言ったかと不安になった。

「貴方は何も分かっていない」

立川君はそう言って、ゆっくり私との距離を詰めて来る。
その威圧感に、後退りしたくても後ろはもちろん窓なので無理だった。

⏰:08/05/02 00:46 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#290 [向日葵]
「た……立川君?」

名前を呼ぶと同時に、立川君はぴたりと止まる。
私との距離は1メートルほど。

「僕は、貴方が必要です。貴方ては毎日でも会いたい」

「必要って……。私は立川君みたいにしっかり仕事も出来ないし……あ、そりゃ頑張ってるつもりだよ!?でも必要って言われるほど大事な役割を担ってる感じは……」

「だから分かってないと言うのです」

立川君は手を伸ばし、私の腕を掴んだ。

⏰:08/05/02 00:50 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#291 [向日葵]
そして次の瞬間、私は立川君の腕の中にいた。

「ここまで言っても分かりませんか……。いや、前に言っても分かっていなかった。だからもう1度言います」

柴のような、細く力強い感じではなく、たくましい立川君の体に抱き締められた私は動揺を隠せないでいた。

「僕は貴方が好きです。友人としてではなく、異性として貴方が好きなんです。神田越さん……」

「……っ!」

驚いて、体が硬直した。

立川君が私を……っ!?

⏰:08/05/02 00:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#292 [向日葵]
※訂正

>>290

×貴方ては
○貴方とは

⏰:08/05/04 01:29 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#293 [向日葵]
「神田さんの悩みや辛い事は僕に打ち明けてもらいたい……。貴方は無茶をしすぎるから、僕は助けてあげたいんで……」

立川君の言葉を聞き終える前に、両手を突っ張った。

頭が混乱した。
そして何より……柴じゃない腕に抱き締められるのが嫌だと感じてしまった。

別に立川君が嫌いな訳じゃない。
ただいつもと違う腕の感触が違和感を覚えてしまったのだ。

私はうつ向いて言葉を無くす。
なんて言えばいいのか、どうすれば立川君を傷つけないだろうか。
傷つけないと結論が出ているのならば、私はやっぱり立川君の告白を受け止める事が出来ないと言う事だ。

⏰:08/05/04 01:34 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#294 [向日葵]
たまらず出て行こうとすると、腕を掴まれた。

「待って下さいっ!」

私は立川君を見た。
いつもクールで冷静沈着な立川君が、困った顔をして焦っていた。

何故か荒くなる息を、私は静めようとする。
耳の奥では、ドクドクと鼓動が聞こえた。

「こんな事してすいません……でも、嘘偽りはありません。これが自分の気持ちですから……。でも、だからと言って、気まずくなるのだけはやめて下さい……」

「う……うん……分かった……」

⏰:08/05/04 01:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#295 [向日葵]
「でも」と私は続けた。

「きっと……立川君の気持ちを、受け止める事は出来ない……」

立川君は軽く目を見開く。

「それは、体育祭に来ていた男性ですか?」

思えばその時からだった。
私が柴を意識し始めたのは。
初めて柴をかっこいいと思った。
知らない一面を見れば本当の柴を知りたくてドンドンのめり込みそうになる自分に驚いた。

本当は知っていたのかもしれない。
この気持ちが何なのかを……。

⏰:08/05/04 01:43 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#296 [向日葵]
でもその気持ちを拒否された時、私はどうすればいいか分からない。
ならば今のままでいいじゃないか。

心の底では、そう感じていたかもしれない。
だから分からないフリをし続けていたのだろうか……。

「柴は……守ってあげたいと思った人だから……」

大切に、大切にしてあげたい……。

「そう自覚したのはいつですか?」

「えっと……分からないのだけれど、気づいたのはさっきで……」

「ならチャンスはあります」

⏰:08/05/04 01:46 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#297 [向日葵]
え?

するりと立川君の手が私の腕を離した。

「その気持ちが、実は勘違いかも……となれば、俺にもまだ挽回のチャンスはありますよね」

「あ、いや、それは……」

そんな事を言われれば更に困ってしまう。

勘違い?
そんな筈ないと思う。
だって柴を思い出す度に胸が苦しくなるんだもの……。

「とにかく……まだ決定打を打たれるまでは、俺は諦めませんから」

⏰:08/05/04 01:50 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#298 [向日葵]
それだけ言って、立川君は行ってしまった。

力が抜けて、その場に座りこむ。

なんなんだ今日は……。

柴にキスされそうになるし、立川君には好きだとか言われるし……。

いっぺんに言いたい放題言わないで!したい放題しないで!
一番困っているのは……私だよ……。

と、急にクラリときた私は、そのまま床に倒れてしまった。

そういえば過労とか言われてたっけ……。

⏰:08/05/04 01:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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