*柴日記*
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#363 [向日葵]
気分治しで買ったペットボトルの水を手で遊びながら柴は考える。
私はそんな柴の前で腰に手をあてて待った。

「ゴーカートとか……」

「えー。私あれ上手く操作出来ないんだけど……」

「2人乗りだってあるよ。行こう」

ごく自然に、柴は私の手を取り歩き出す。

ちょっと!柴、手!手が!

嫌な訳じゃないけれど恥ずかしい。
デートみたいじゃないか!?と緊張していた事は忘れていた。

⏰:08/06/16 00:49 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#364 [向日葵]
だから忘れていた分余計恥ずかしくなる。

肌寒さを感じるくらいに涼しくなった。
柴の手は、いつもひんやりしている。
きめ細かい手はすべすべしていて、手を離すのがもったいないとすら感じる。

もっと……指先で、手全体を使って、触りたいな……。

……!?
今、なんか変態っぽくなかった!?

「越、2人乗り出来るよ。良かったね」

今思っていたピンク色した考えを片手で慌てて消しさる。
柴は時々鋭いから、気づかれたらヤバイ。

⏰:08/06/16 00:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#365 [向日葵]
「そだねっ!じゃあ柴に運転任しちゃおっかな!」

「顔赤いけど、どうかした?」

先ほどまで触りたいなどといやらしい気持ちを抱いて見ていた柴の手が、するりと私の頬を包む。
顔の赤さは更に倍増。

完全に気づかれた。

案の定、柴は意地悪そうに笑う。

「越、なんかいやらしい事でも考えてたの?」

「ち、違う!」

いやそうなんだけど……。

⏰:08/06/16 00:58 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#366 [向日葵]
「じゃあなんで赤いの?」

「暑いだけ!」

柴はクスクス笑って「そう」とだけ言った。

周りから見れば物凄いバカップルだなんて思われてるのを知らず、私の顔の赤さは引かないままだった。

順番がまわってきて、カートに乗る。
……けど、狭い……。
お互いの肩が触れてしまいそうだ。

「右がアクセル、左がブレーキとなっています。それではいってらっしゃーい!」

⏰:08/06/16 01:02 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#367 [向日葵]
と係のお姉さんが言った途端カートは派手な音を立ててギュンッと進んだ。

「わー、結構スピード出るー!」

と関心していたら伸びてコースにまで出てきていた枝に頭を当てた。
横で柴が笑いだす。

「しっかり前見てなよ」

「失礼な!見てたもん!」

ムキになれば、また柴は派手に笑って、アクセルを更に強く踏む。

「やっぱり越はそうでなきゃね」

「え?」

⏰:08/06/16 01:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#368 [向日葵]
片手でハンドルを持って、もう一方の手で私の頭をくしゃりと撫でた。

「うろたえて赤くなってる越も可愛いくて好きだけど、笑ってる越が一番好きかな」

そう思うならそんな事言わないでほしいんですけど……。
また顔が赤くなる。
あまり見られたくなくてそっぽを向いた。

「柴の頭文字のSはドSのS……」

このまままた気まずくなるのが嫌で、ぼそりとそう呟いてみた。

「俺どっちかって言うとMでしょ」

「カミングアウトしちゃうんだ!」

おかしくなって、今度は私が笑いだした。

⏰:08/06/16 01:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#369 [向日葵]
>>319に感想板ありますんで良ければお願いします

⏰:08/06/16 01:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#370 [向日葵]
それにつられて柴も笑い出す。
そうこうしてる間に、ゴーカートの短い道のりは終わってしまった。

「あー楽しかった!あ、風船配ってる!ちょっと待ってて!」

私はうさぎの着ぐるみを来た人の元へ興奮しながら走って行った。

********************

越が楽しそうに風船を取りに行く姿を柴は穏やかに見ていた。
そして近くのベンチに座る。

ベンチに座って、改めて周りを見れば、家族連れがやはり多かった。

⏰:08/06/20 00:34 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#371 [向日葵]
そう思えば柴は自分の小さい頃を思い出していた。

もちろん、遊園地など連れて行ってもらった覚えは無かった。
それもそのはず。
両親はずっと仕事だと言って柴を構う事なんてしなかったからだ。

柴を相手したのはメイドや家庭教師。

しかし彼らが柴の心を満たせるはずもなかった。

どうあがいても彼らは他人だからだ。
対等な関係、本気の愛情、そんなものは一切ない。
自分が彼らに相手してもらったのは、大企業の息子だからだ。

⏰:08/06/20 00:40 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#372 [向日葵]
ちゃんと愛情を与えて接してくれたのは早代だけだった。

冷たく閉ざされた心を温かく溶かしてくれた。
きっと忘れる事は出来ない。

そうして早代の事を考えれば彼女の事が気になりだした。
あれから早代は幸せに暮らしているだろうか。
もしかしたら別れて別の場所にいるのだろうか。

柴との関係がバレた時、彼女は酷い仕打ちにあっていた。
その悲痛な声は、まだ柴の耳の奥に鮮明に残っている……。

⏰:08/06/20 00:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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