*柴日記*
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#380 [向日葵]
「柴は今の自分を受け入れたらいいと思うよ。変わる事は怖くなんかないから。怖かったら助けてあげるから」

柴が目を細めて、口をゆっくりと笑みの形にする。
太陽の光で、柴の目が輝いて見える。
それに私はまたドキドキした。

私……なんか恥ずかしい事言っちゃったかも……。

「い、いつの間にか頂上過ぎちゃったね!あ、あれって駅かな!わーあんなに小さい!」

恥ずかしさを紛らわす為に窓に張り付く。

⏰:08/06/24 23:58 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#381 [向日葵]
目は窓の外でも神経は私を見つめているだろう柴にそそがれていた。

すると柴が言った。

「そっち行っていい?」

「え?」

私が返事するのも待たず、立ち上がった柴は、私の隣に座った。

「え、ちょ、柴!?」

動揺してる私とは違って、柴はにっこり笑っているだけだ。

「肩貸してくれない?」

肩……?

⏰:08/06/25 00:04 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#382 [向日葵]
また私が返事する前に、柴の頭が柔らかく私の肩に触れた。
重さは感じない。
本当に軽くのせている程度だ。

いつもの甘えている雰囲気のようだけれど、どこかまた違う甘い雰囲気……。
茶色い綺麗な髪の毛が、私の頬と顎をくすぐる。

不思議と恥ずかしくはなかった。
それよりなんだか柴が泣いているような気がして、つい頭を包むように抱き締めてしまった。

大丈夫、そばにいるよ……。

そう言っているつもりで抱き締める。

⏰:08/06/25 00:09 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#383 [向日葵]
その時の2人を包む沈黙は、意外にも心地良いものだった。

―――――――……

帰り道。
何故か手を繋いで帰っている私と柴。
口数も少なかった。
まるで手だけで会話しているようだった。

時々ちらりと顔を上げて柴を見れば、柴は私の視線にすぐ気づきにこりと微笑むだけだった。
それが恥ずかしい私はまたすぐ前を向く。
そんな一連の流れを何回か繰り返した。

もうすぐ家だと思えば、ちょっと物足りない気がした。

⏰:08/06/25 00:14 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#384 [向日葵]
門の鍵を開けなくちゃならない。
その為には柴の手を離さなくちゃならない。

「えと……鍵、出すね……」

名残惜しそうに手を離す。

そして門を開けた。
その時だった。

「大和君!」

女性の声だった。
門を1歩入った私が振り向くと、柴が女性に抱き締められている所だった。

思わず目を見開く。

誰……?それに、なんで柴の本名を知って……。

⏰:08/06/25 00:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#385 [向日葵]
「早代……っ!なんで……」

体を離しながら柴が言う。

この人が、早代さん……っ。

「探したのよ!あれからずっと……。どうして何も連絡をくれなかったの……っ!」

うつ向いて顔を覆う早代さん。
柴に負けないくらい綺麗なこげ茶色の長い髪の毛をさらりと垂れる。

「俺は勘当された身だよ。今更連絡なんてする訳ないじゃないか」

「ううん大和君。旦那様はまだ正式にはしてないって仰ってるの。旦那様も大和君を探してるわ……っ!だから帰りましょう……」

⏰:08/06/25 00:24 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#386 [向日葵]
>>385
×長い髪の毛を
○長い髪の毛が

⏰:08/06/25 00:26 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#387 [向日葵]
柴は私を見る。
私はどうしたらいいか分からないから柴を見つめ返すしかなかった。

そして柴はまた早代さんに視線を戻す。

「帰らないよ、早代……。俺はもう、あの家には帰らない。絶対……、帰りたくないんだ……」

早代さんは涙を流したまま柴を見つめる。

「私がいても……?私がいるから、変わらず貴方を愛するわ。……息子としてだけれど……だから」

「早代」

静かな、だけど強い口調で柴は早代さんを呼ぶ。

「無理だ。早代はまだ俺の事を息子として見てない。また父さんの怒りを買うだけだ……。帰ってくれ」

⏰:08/06/25 00:30 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#388 [向日葵]
早代さんは一際涙を流すと、踵を返して走って行ってしまった。

そんな早代さんを見てから、柴を見る。
柴の表情は厳しくて、悲しそうだった。

柴……貴方もしかして、まだ早代さんが好きなの……?

今の柴は柴じゃない……。

伊勢屋 大和。

過去の柴だ。
そんな柴を、このまま家にいれる訳にはいかない。
そう思った。

「柴、追いかけなきゃ……」

⏰:08/06/25 00:34 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#389 [向日葵]
柴は驚いたように私を見る。

「なんで?」

「早代さんが、気になるんでしょ?」

「そんな事……」

「嘘つかないで」

柴の言葉を遮る。
困ったように柴は眉を寄せた。

でもそんな表情ですら柴でないような気がしてならなかった。

そしてそう思えば思うほど、私の心は段々と不安になっていくのだった。

⏰:08/06/25 00:37 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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