*柴日記*
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#430 [向日葵]
でもそういうのって大切なのかもしれないと思うから、こっちで過ごしてみようかなって思ってる。
思ってるけど……。
早く越に会いたいよ……。
俺が帰ったらさ、1番に越が顔見せてね。
―end―
お父さんと仲直り出来たのかと少しだけ頬を緩めた。
それと同時に、お父さんと話し合った柴は、こちらに帰ってくるのかと心配になった。
もしかしたら、行ってしまう可能性だって……。
そこまで考えて私は首を振った。
:08/07/22 11:15
:SO906i
:☆☆☆
#431 [向日葵]
そしたら涙が流れてきた。
携帯を両手で握りしめて額に押しつける。
柴。
柴が幸せになるなら私はそれでいいよ。
でもね……幸せになるなら、私と、私達と一緒になる事で幸せになって欲しかったと思うのは、私のワガママかな……。
廊下の隅で、密かに泣いていると、肩を撫でられる感触に気がついた。
顔を上げれば、目の前に椿がいた。
何も言わず、静かに微笑んでいる。
「椿……」
「私も、越ちゃんみたいに心が潰れてしまいそうな時がありました……」
:08/07/22 11:23
:SO906i
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#432 [向日葵]
私は涙を拭きつつ椿の話に耳を傾ける。
「あまり、泣くという動作が出来ない私は、微笑む事が精一杯でした。……すると、ある方に怒られたんです。『こんな時まで平気なフリするな』って……」
クスクス椿は笑う。
私はそんな椿を、まだ潤んでいる視界で見つめた。
「だから越ちゃんも……無理なさる必要はないんですよ……」
そう言われると、また視界が滲んで、華奢な椿の肩に顔を埋めた。
「頭……ご、ちゃごちゃ……な……って……、何がた、だし……か、分からなくて……っ」
:08/07/22 11:29
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#433 [向日葵]
柴にとって良い事なら、喜んであげたいのに、行かないでって引き止めてしまう自分がいる。
その両方が、常に心の中で争って、私自身の本当の思いが分からなくてなっていた。
「も……やだ……こんな自分……、醜いよ……」
椿は優しく背中をさすってくれる。
涙は止まる事を知らない。
「越ちゃん……。完璧に、幸せを願うのは、難しい事です……。私も、そうですから……」
「だから」と椿は続ける。
私はまだ涙がたまっている目で、椿を見つめる。
「越ちゃんのその思いを、1番伝えたい方に、まず伝えましょう……。伝えないままだから、余計に苦しいんです……」
:08/07/26 00:53
:SO906i
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#434 [向日葵]
私……まだ言ってない。
大事な事……伝えてない……。
全ては……伝えた後に分かる。
柴が、決める事。
柴の幸せを願うなら、せめて柴の運命に従おう……。
<TO 柴>
元気そうで良かった。心配してたんだ。
お父さんとも仲直り出来たみたいで、本当に良かった。
あのね柴……。
柴に伝えたい事があるの。
伝えて、柴がどう思うか分からない。柴がこれからどうするかも、もちろん柴に決めて欲しい。
それが柴の生きていく道だから。
:08/07/26 01:01
:SO906i
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#435 [向日葵]
実は私、明日から4日間、椿の別荘にお邪魔する事になってるの。
柴が帰って来た時、きっと1番に「おかえり」って言ってあげられないけど許してね……。
柴は、そっちで色々考えたいって言ったよね。
私も、色々考えたい事があるの。
……ねえ柴。
私ね、柴が来てから欲張りになっちゃったみたいなの。
だから、そんな自分を反省する為にも、よく考えてくるよ。
柴、会いたいのは、柴だけじゃない。
私も……桜や空や苺、お父さんお母さんだって……、皆みんな、柴に会いたいんだからね……。
待ってるよ。
:08/07/26 01:07
:SO906i
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#436 [向日葵]
メールは作った。
でも送信が出来ずにいた。
ボタンを押そうとすれば、手が震えてしまう。
結局、メールを遅れたのは、寝てしまう直前だった。
:08/07/26 01:10
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#437 [向日葵]
―*10日目*―
柴がいなくなってから家が随分静かな気がするよ。
なんだかんだで、あの子はこの家のムードメーカだったのかね……。
(神田家・主婦・祐子談)
窓からの日差しが眩しい……。
そう感じて柴は寝返りをうつ。
そして気づく。
いつもの布団じゃない。
ガバリと起きれば、高級なシーツに自分はくるまっていた。
「あ……」
そうか……。ここは実家だ……。
:08/07/26 01:14
:SO906i
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#438 [向日葵]
結局泊まる事にしたんだっけか……。
大きなあくびをしながら頭をポリポリかいていた柴は、ふと窓の近くにあるテーブルを見る。
そこには自分の携帯を置いている。
よく目をこらせば、ピカピカとライトが点滅している。
そういえば、昨日バイブの音が聞こえていた気がする。
……もしかして、越……っ!?
柴は勢いよくベッドから降りて、携帯を取る。
開いてメールボックスを開けば、やはり越からだった。
一通りメールを読んだ柴は呟く。
:08/07/26 01:19
:SO906i
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#439 [向日葵]
「考えたい事って……何……?」
それに伝えたい事も。
しかも柴に決めて欲しいって……。
越は何か勘違いしていないか?
今日から別荘に行くという事は学校は休み。
柴は急いで越の携帯に電話した。
が、電源を切っているらしく繋がらない。
別荘から帰ってきてからでは遅すぎる。
彼女は別荘に行っている間に何かを考えようとしている。
考え終えて、結果が出てからでは遅いのだ。
こうしちゃいれないと、柴は部屋を出た。
出た瞬間、すぐそこに早代がいた。
思わずぶつかりそうになる。
:08/07/26 01:23
:SO906i
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