*柴日記*
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#438 [向日葵]
結局泊まる事にしたんだっけか……。

大きなあくびをしながら頭をポリポリかいていた柴は、ふと窓の近くにあるテーブルを見る。
そこには自分の携帯を置いている。

よく目をこらせば、ピカピカとライトが点滅している。

そういえば、昨日バイブの音が聞こえていた気がする。

……もしかして、越……っ!?

柴は勢いよくベッドから降りて、携帯を取る。
開いてメールボックスを開けば、やはり越からだった。

一通りメールを読んだ柴は呟く。

⏰:08/07/26 01:19 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#439 [向日葵]
「考えたい事って……何……?」

それに伝えたい事も。
しかも柴に決めて欲しいって……。

越は何か勘違いしていないか?

今日から別荘に行くという事は学校は休み。
柴は急いで越の携帯に電話した。
が、電源を切っているらしく繋がらない。

別荘から帰ってきてからでは遅すぎる。
彼女は別荘に行っている間に何かを考えようとしている。
考え終えて、結果が出てからでは遅いのだ。

こうしちゃいれないと、柴は部屋を出た。

出た瞬間、すぐそこに早代がいた。
思わずぶつかりそうになる。

⏰:08/07/26 01:23 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#440 [向日葵]
「あ……おはよう大和君。昨日は……寝れた……?」

「……早代、頼みがある。車を出してくれないか?」

「どうして」と言いかけて、早代はハッとする。

「帰るの?」

「うん……」

早代は一瞬悲しそうな顔をしたが、やがて諦めたように小さくため息をついて、微笑んだ。

「そう……分かったわ……」

車の準備をしようと踵をかえした早代を、柴は呼び止めた。

「ねえ早代。父さんからヒドイ事されてもここに居続けたのは、父さんの寂しさに気づいていたから?」

⏰:08/07/26 01:28 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#441 [向日葵]
こちらに背を向けたまま、早代は小さく2回頷いた。

「放っておけなかったの……。きっとこの人は、私までいなくなってしまっては、泣いてしまうんじゃないか……って……」

「そっか……」

早代は、柴が好きだった。
しかしそれと同時に、父の事も好きだったのだ。
その事に、柴はホッとした。

2人の間に、愛が無い訳では無かったのだと。

「早代……今までありがとう……」

初めて、愛情を注いでくれていた人。
柴と共に父を支えてくれていた人……。

⏰:08/07/26 01:33 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#442 [向日葵]
********************

「越ー!」

お母さんの声にハッとした。

ぼんやり座っていた私は返事をする。

「いつ出るんだったー?」

「あと10分くらいー!」

そう答えたキリ、お母さんからの返答はなく、それが「分かった」と言う意味だろうと思った。

「越姉!」

「おねーちゃん!」

空と苺が仲良く手を繋いで入ってきた。
そして私の隣に座る。

「おねーちゃんいつ帰ってくるのー?いちごおねーちゃんいないとさみしいなぁー」

「日曜には帰ってくるよ。それまでいい子で待っててね」

「お土産忘れんなよー」

ニヒッと笑う空の頭をわしゃわしゃ撫でてやる。
されるがままにされていた空はふと何かを思い、私の手を止めた。

⏰:08/07/27 23:49 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#443 [向日葵]
「なぁ越姉……」

「ん?」

首を傾げて空の答えを待つ。
しかし空は口を開いては閉じ、開いては閉じと、何だか言いにくそうにしていた。

やがて「なんでもないっ」とまた笑った。

「よし苺、母さんの手伝いしに行こう」

「うん」

パタパタと出ていく2人に入れ替わりで、桜が入ってきた。
それと同時に私は笑い出す。

「何よお姉ちゃん」

「だって、なんだか私がこの家出ていくみたいな雰囲気なんだもん」

⏰:08/07/27 23:53 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#444 [向日葵]
桜はドアをパタンと閉めて、私の隣に座った。

「そんな雰囲気漂わせてるのは、お姉ちゃんだよ」

「え……」

「本当に別荘から帰ってくる?」

「もちろんだよ、何言ってんの桜」

桜は泣きそうな顔をしながら私の服の裾をキュッと掴む。

「柴がどこかへ行ってしまってからのお姉ちゃんは怖い……。急にどっか消えちゃいそうなんだもん……」

「桜……」

⏰:08/07/27 23:57 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#445 [向日葵]
空にしてやったように乱暴にではなく、丁寧に桜の頭を撫でてやる。

そこまで、私は皆に心配かけていたんだと思えば反省した。

周りの事、全然見えてなかったんだ……。

「大丈夫だよ桜。考えたい事があって、丁度いい機会だから、気分転換もかねて行くだけ」

安心させるように微笑めば、少しだけ桜の肩の力が抜けた。

「越ー!時間だよー!」

下からお母さんが叫ぶ。
荷物を持って、桜と下へ行った。
すると丁度呼び鈴が鳴った。

⏰:08/07/28 00:02 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#446 [向日葵]
「おはよう!」

ドアを開ければ、楽しみなのか、満面の笑顔の美嘉と、静かに微笑み会釈する椿がいた。

「準備はよろしいでしょうか……?」

「うん。よろしくね」

「迷惑かけんじゃないよ。気をつけてね」

お母さんは私の頭をかき乱す。
片目を瞑ってそれをやり過ごし、乱れた髪の毛を手ぐしで整える。

「じゃあ行ってきまーす!」

私はいつも椿が送り迎えしてもらっている真っ黒な車に乗った。

⏰:08/07/28 00:06 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#447 [向日葵]
―――――――…………

―――それから2、3分後の事だった。

空と苺が庭で仲良くボールで遊んでいると、1台の車が家の前に止まった。

空と苺は首を傾げる。

一瞬、越が何か忘れ物をしたのかと思ったが、その車は越達の車とは逆にくもりない真っ白な車だった。

バタン!とドアが閉まる音が聞こえると、門の所に姿を表した人物に、空と苺は声をあげた。

「柴!」

「しばちゃぁんっ!」

⏰:08/07/28 00:11 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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