*柴日記*
最新 最初 全 
#496 [向日葵]
すると、柴のお父さんはプッ!と吹いて、喉で笑い出した。
「なるほど、大和が越さんに夢中になる筈だ。私達に無い発想をおもちのようだから」
「は……はぁ……」
柴のお父さんは門を出て、車に乗る。
帰るのかと、私も門を出る。
柴のお父さんは、ウィンドウを開ける。
「これからちょくちょく、大和をお借りしてもよろしいかな?楽しいで上書きしたいのでね」
嫌味も何もないその言葉は、私の思いをちゃんと分かってくれたようだった。
嬉しくて、私は心からの笑顔を向ける。
:08/08/17 01:08
:SO906i
:☆☆☆
#497 [向日葵]
すると柴のお父さんは、ウィンドウから手を出して、冷えてしまった私の指先をふわりと握った。
そして微笑む。
「私も、あなたに会えて良かったです」
そう言って手を放し、ウィンドウを閉めて、帰ってしまった。
「…………」
やっぱり、雰囲気が柴にそっくりだなぁ……。
……さりげないボディータッチ(?)も、そっくりだなぁ……。
「越」
柴が玄関のドアから顔を出す。
「マフラーくらいしたら?」
:08/08/17 01:21
:SO906i
:☆☆☆
#498 [向日葵]
「あ、いいの。お父さんもう帰ってしまったし」
「なんだ、帰ったんだ。なら早く入りなよ。風邪ひくよ」
「うん!」
私は家へ入った。
今になって体が冷えてしまったのが分かって、ブルッと震える。
「寒い?」
「大丈夫だよ」
あと1歩でリビングに続く戸口に着く所で、柴が後ろから私を抱き締めた。
今は2人っきりじゃない。
こんな所で、裏柴になられたらヤバイ……っ!
:08/08/17 01:26
:SO906i
:☆☆☆
#499 [向日葵]
「体冷たい……。本当に大丈夫?」
私の心配はよそに、柴は普段の柴だった。
「……大丈夫。ありがとう」
素直に笑顔を向けると、トンと背中に壁を感じた。
「ん?」と思っていると、柴の顔が近くにあった。
「え!?え!?柴っ!?あの……っ!」
「そんな可愛く笑う越が悪い」
ハイ―――ッ!?
実を言うと、好きって言ってない上に、柴とキスをした事はまだない。
頬とか、おでことかはあるけど、口ではまだ……。
:08/08/17 01:29
:SO906i
:☆☆☆
#500 [向日葵]
原因はこうなるとパニックを起こす私のせいなんだけど……でも……。
いざと言う時どうすればいいのぉ――っ!?
「しばちゃぁんっ!」
後ろから膝カックンを苺にされた柴は立てなくなって私に勢いよく寄りかかる。
そのせいで私は派手な音をたてて頭を打った。
そしてその音で何事か?と、リビングにいたお母さん達が出てきた。
「お姉ちゃんどうしたの!?」
「苺に攻撃された」
どこか不機嫌そうな柴が答える。
:08/08/17 01:33
:SO906i
:☆☆☆
#501 [向日葵]
実はキスをしていない原因は、私にもあるけれど、タイミング良く現れる苺にも原因があったり……。
そのせいで、お預け状態の柴。
密かにホッとする私。
それって変な事なのかなぁ……?
―――――――……
「お姉ちゃんのガードが堅い……ねぇ……」
今日は土曜日。
越は友達と遊びに行くと言って朝早くに家を出た。
空と苺は仲良くビデオに熱中してる。
残された部活がなく休みの桜と、越がいなくてつまらない柴はリビングでテーブルはさんで喋っていた。
:08/08/17 01:47
:SO906i
:☆☆☆
#502 [向日葵]
ついでなので、最近の越について柴は桜に相談している。
「堅いってか……ガチガチに緊張してるんだよね。前よりもすっごく。それも2人っきりになれば」
「柴さ、お姉ちゃんの性格分かってんでしょ?鈍くてうぶ。今まで恋愛経験なんてなかったって言うか、好意さえ悪気なくスルーしてたお姉ちゃんが、いきなり恋愛モードに集中出来るとは思えないね」
柴はテーブルに顎をのせ、頬を膨らます。
「柴も越より年上なんだから、余裕もたなきゃ」
それでも性急な柴だ。
触れていたいし、触れて欲しいと思う事すらいけないのだろうか。
:08/08/17 01:53
:SO906i
:☆☆☆
#503 [向日葵]
「お姉ちゃんはノロノロが1番なの。理性が強いのよ。柴みたいな狼精神がある人は刺激が強いのっ」
人をまるでケダモノみたいに……。
ますます頬を膨らます柴。
それを見て呆れたようにため息をつく桜。
「せめて今はいつもみたいに甘えて抱きつくぐらいにしてあげて。じゃないとお姉ちゃん、いつか知恵熱出ちゃうよ」
困らせるのは好きじゃない。
柴もため息をつく。
ただもう少しリラックスしてくれたらいいのにとだけ思う。
:08/08/17 01:59
:SO906i
:☆☆☆
#504 [向日葵]
「ってか柴……お姉ちゃんに何かしたの……?」
「普通に恋人達がするような事しかしてないよ」
「ちょっと、あんまりお姉ちゃん虐めないでよー?」
虐めてるつもりはないと言おうとしたが、顔を赤らめる越が面白くてからかっている柴は、やっぱり虐めてるのかなと口を閉める。
「ところで桜は好きな人とかいないの?」
「皆ナヨナヨしてるから恋人とか当分はいらないね」
「桜に敵う人はゴリラくらいだもんね」
その後しばらく、神田家には、叫び声が聞こえていたらしい。
:08/08/17 02:11
:SO906i
:☆☆☆
#505 [向日葵]
―――――――…………
美嘉と椿と遊んでいた私は、ふと後ろを振り返る。
「どうかした?」
美嘉の問いに、首を傾げながら答える。
「いや、なんか……桜の雄叫びみたいなのが聞こえた気がして……」
ポリポリと頭をかきながら、また足を進めた。
「さて、映画も見終わったし、次どこ行く!?」
「どっかでお茶でもしよっか」
と言いながらも、今は3時。
お茶する時間帯なので、どこの喫茶店もいっぱいだ。
:08/08/19 00:42
:SO906i
:☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194