*柴日記*
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#508 [向日葵]
「なんで?」

椿は苦笑いする。
そんな彼女の代わりに、美嘉が説明してくれた。

「世界のデザイナー達が集まるクリスマスファッションショーとお正月ファッションショーがあるんだってさ。当然ファッション業界に君臨してるアイツは、顔出ししなきゃいけないって訳」

改めて、椿の婚約者さんは凄いんだなぁと感じる。

「会いに行けばいいじゃない。椿は寂しくないの?」

そう言いながら、この前自分が感じた寂しさを思い出して、少し胸が苦しくなった。

「会いにいけば、きっと迷惑がかかりますから」

⏰:08/08/19 01:09 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#509 [向日葵]
「美嘉はアイツが会いに来る気がするけどね」

どうやら要さんは椿にメロメロなご様子。
椿は要さんの事やっぱり好きだよね?

迷惑だからとか言ってるけど、本当は会いたくて仕方ないんじゃないのかなと思う。
私の場合はそうだった。

そう思えば…………たった今、柴に会いたくなった。

そんな思いをかき消すように、私は言う。

「なら、今からプレゼント探しに行かない?」

「美嘉はあげる人いないよー」

「椿にあげたらいいじゃい」

⏰:08/08/19 01:13 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#510 [向日葵]
私は家族皆にあげたい。

この何ヶ月かのうちで、私は改めて家族の大切さを学んだ。
愛情の大切さを知った。

それを教えてくれたのは、柴であり、神田家の皆だ。

血が繋がってるとか繋がってないとかなんて、大した事じゃない。
その人達を思い、思われたなら、それはもう家族なんだ。

デパートで、それぞれのプレゼントを選ぶ。
少し浮き足だってるのは気のせいではないだろう。

その時、プレゼントを選んでいた椿の手が止まった。
何を見つめているのかと思えば、携帯を見ていた。

⏰:08/08/19 01:18 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#511 [向日葵]
「み、美嘉ちゃん、越ちゃん。私、ちょっと帰らせて頂きます……っ!」

深々と頭を下げると、こちらの返事も待たずに椿は走って行ってしまった。

「ね、美嘉の予想通り」

少し拗ね気味の美嘉に、私は笑う。

あの椿が走って行く程の相手。
恋の力は凄いなとつくづく思う。

「美嘉、ちょっと電話してきていい?」

「ハイハイ。そうやって皆友情をほったらかしにするんだねーっと」

⏰:08/08/19 01:22 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#512 [向日葵]
「電話するだけっ!」

私より背の高い美嘉の頭を一撫でして、お店から少し離れた場所で私は電話をかけた。

「もしもし、柴……?」

――――――――…………

年末は美嘉の為にパーティーしてよね!
とまだ拗ね気味の美嘉と別れた私は家へと帰っていた。

ハァ……と息を吐けば、一瞬白くなって消えていく。
しているマフラーで口元を隠す。

「えーつっ!」

その声に顔を上げれば、まだ少し遠くの家の前で柴が立っていた。

⏰:08/08/19 01:27 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#513 [向日葵]
「ただいま柴っ!ごめんね、寒い中待たせちゃって」

「大丈夫っ。ところでなんで外に出なきゃいけなかったの?」

私は門から中に入る。
柴は私の冷えた手を取って包みこんでくれた。

「柴、もうすぐ何の日か知ってる?」

「なんかって……まさか越の誕生日とか!?」

「アハハ!違う違う!もっと簡単よ」

柴は眉間にシワを寄せて考える。
そんなに難しい質問をした訳じゃないんだけどなぁ……。

⏰:08/08/21 02:12 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#514 [向日葵]
「クリスマスだよ。クリスマス」

「あぁ、なぁんだ」

私は柴が包みこんでくれてる手をソッと放して、カバンからラッピングされた袋を出した。

柴はそれを見つめながら目をパチパチ瞬きさせる。

「少し早いんだけど、メリークリスマス!」

「え!?俺に!?」

頷くと、柴は目をキラキラさせた。
急いで、でも丁寧にラッピングを開けていく。

「マフラーだ……」

⏰:08/08/21 02:16 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#515 [向日葵]
プレゼントに選んだのは、柴の瞳と同じ、灰色のマフラー。
一目でこれだと思い、買ったのだ。

「ありがとう!すっごく嬉しい!」

本当に嬉しいのか柴は満面の笑みを浮かべて、いそいそとマフラーを巻いた。

巻いてまたニヒヒと笑う。

「どう?似合う?」

「うん!もちろん!」

柴は歯を見せて笑うと、私の両手をキュッと握って目を細めて微笑んだ。

「俺は越に色んなもの貰ってるね」

⏰:08/08/21 02:19 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#516 [向日葵]
「そうかな……?」

「ここで拾ってくれたのが越で本当に良かった。越が俺に色々教えてくれて、与えてくれて、幸せ。俺の幸せは、全て越のおかげだよ」

それは、私が望んでいた事。

柴の幸せを、私が与える事が出来ますようにって。

柴、あのね……。

私は柴が巻いているマフラーの端っこをグイッと引っ張った。
当然柴は前のめりになる。

その唇に、そっと私の唇を押し付けた。

柴が驚いているのが分かる。

⏰:08/08/21 02:24 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#517 [向日葵]
そして離れる。

「柴、あのね……。私、柴が大好き……っ!」

やっと言えた。
この溢れる想いを。

柴は私から色々貰ったって言うけれど、私だって柴から沢山のものを貰った。

それが嬉しくて、そしていとおしい……。

柴は急な私のキスと告白に呆然としている。
いつも私が戸惑う立場だから、なんかいい気分。

「……初めてのキスは俺からが良かったのに……」

ようやく口を開いたかと思ったら、なんだか拗ねている。

⏰:08/08/21 02:28 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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