*柴日記*
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#528 [向日葵]
共働きの両親に変わって家事と兄弟の事を面倒見ている彼女。
優しくて苺が大好きな姉だ。

越は抱きついてきた苺を抱き締めると、椅子に座らせて手際よく朝食の準備をする。
そして越の背後には、いつもべったりとくっついている人物がいた。

「ちょっと柴!準備出来ないから離れて!」

「えーやだー」

越の恋人である柴は、家の前にいたのを越に拾われた。
拾われた当時に、越から色々聞かされたが、幼い苺にはあまり理解は出来ず、とりあえず仲良くしなきゃならないとだけは分かった。

⏰:08/08/28 04:02 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#529 [向日葵]
「苺と仲良くご飯食べてて!」

渋々といった感じで、彼は苺のすぐ隣の席に座った。
それをじーっと見ていた苺に気づいた彼は、自分達とは違う色の目を細めて柔らかく微笑む。

「おはよう苺。さ、食べよっか」

苺には、何故自分達と色が違うのか分からなかったけれど、その色がとても温かい色に見えたし、何より苺はこの柔和な空気をまとっている柴が大好きだった。

にへーっと笑った苺は、柴と口をそろえて元気に「いただきます」と言った。

―――――――――…………

「じゃ柴、苺の事よろしくね」

⏰:08/08/28 04:07 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#530 [向日葵]
柴が来るまでは越が苺の保育園の送り迎えをしていたが、今は柴に任せている為越は学校へ向かう。

ちなみに桜と空はもう行ってしまった。

「苺、じゃあまた帰ってきたら遊ぼうね」

「うんっ!」

「じゃ、行ってきます!」

とドアを開けようとした越の腕を、柴が引っ張る。
そして苺がいるのも構わず、越の額にキスをした。

「いってらっしゃい」

満足気に笑って手を振る柴の一方で、越は真っ赤になって「いってきます」と呟いて出ていった。

⏰:08/08/28 04:12 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#531 [向日葵]
それを苺はにこにこしながら見守る。

苺にはまだ恋愛関係というのは分からないが、越も柴も、お互いがお互い大好きなんだなぁとは思っている。

「さて苺、カバン持って行こうか」

「うん!」

小さな黄色い肩かけのカバンを持って、小さな靴を履く。
柴と手を繋いで、苺は仲良く保育園へ向かった。

柴の存在は女だらけの保育園では注目の的だ。
苺は少し自慢気になる。

「じゃあ、また迎えに来るからね」

⏰:08/08/28 04:17 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#532 [向日葵]
そのまま去って行こうとする柴を、苺はじーっと見つめる。
柴は瞬きを繰り返して「何?」と訊ねた。

「しばちゃん、いちごにはちゅーうってしてくれないの?」

大好きなものにはキスをする。
ただ彼女にはそれぐらいの認識しかなく、その1つの動作に様々な想いがこめられているかは知らない。

だから柴は少し照れるように口元を片手で軽く隠す。

「あのね苺あれはー……。ま、いっか。いってらっしゃい」

かぶっている黄色い帽子を取って、頭にキスを落とした柴は手を振って苺を見送る。

苺は嬉しそうに笑い、教室へと向かって行った。

⏰:08/08/28 04:21 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#533 [向日葵]
「いちごちゃん」

「あ、みよちゃんおはよーっ」

苺の1番の友達だ。
可愛らしい星がついたゴムで高く2つにくくられている。

「いちごちゃんまたあのおにいちゃんときたの?」

「うんっ!しばちゃんっていうの!」

2人は教室にある、ままごとセットで遊ぶ為準備する。
プラスチックで作られた包丁やまな板、マジックテープでつけられた野菜は、真っ二つに離れるように出来ている。

フリルがついたエプロンをつけて、本当にお母さんになったような気分になれば、何故か嬉しくなる。
もっとも、苺の場合は越を思い浮かべるが。

⏰:08/08/30 03:09 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#534 [向日葵]
「そのおにいちゃん、やさしい?」

「すごくやさしいよ!いちごだいすきなんだぁっ!」

満面の笑みで答える苺を、お兄ちゃんがいないみよは羨ましく思った。
だから言ってみる。

「じゃあ、こんど、みよもいっしょにあそんでいい?」

すると苺の笑顔はゆっくり消えていき、逆に眉を寄せ、口を真一文字にキュッと結ぶ。

「だめっ!」

「どうしてー?」

「ぜぇーったいだめなの!しばちゃんとあそんでいいのは、いちごとそらくんだけっ!」

⏰:08/08/30 03:13 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#535 [向日葵]
何故怒られたのか分からないみよだが、これ以上言ってケンカをするのは嫌だったので、口を尖らせて渋々「わかった」と呟いた。

それを聞いた苺は元の愛らしい笑顔を浮かべてままごとを始めた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「皆ぁー。今からお絵描きしますが、今日は、皆が大好きな人を描いて下さいねー」

子供たちは元気に返事をし、自分専用の道具箱からクレヨンを取り出した。
配られた大きい画用紙に、それぞれの絵を描き始める。

「いちごちゃんなにかくのー?」

「えへへ、ないしょーっ!」

⏰:08/08/30 03:18 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#536 [向日葵]
みよは「ふーん」と言って肌色のクレヨンを握る。
隣では楽しそうに、でも真剣に苺が絵を描く。

先生は皆の絵を見回っていた。
そして苺の絵を目に止める。

「苺ちゃんは何描いてるのー?」

先生が近づいていた事を知らなかった苺は気づくとすぐに絵を隠した。
だが小さな手では全ては隠れきれていない。

「せんせいみちゃだめっ!せんせいみちゃったら、しばちゃんたちにきょう、なにかいたか、いっちゃうでしょっ?」

「しばちゃん?……ああ、苺ちゃんとこの頃一緒に来るお兄ちゃん?」

⏰:08/08/30 03:24 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#537 [向日葵]
「うんっ」

「いいなぁ、あんなカッコイイお兄ちゃんで。先生も欲しいよー」

先生は軽い気持ちで言っただけだった。
しかし苺の表情は曇り、険しくなっていった。

「あげないもんっ!せんせいにしばちゃんぜーったいあげないもんっ!」

クレヨンと画用紙を持つと、苺は教室の隅へと行ってしまった。
先生は呆然としてしまう。

何故なら苺があそこまで怒ったのは初めて見たからだ。
いつもはおっとりとしていて、聞き分けのいい子なのにと、先生は苺を見る。

⏰:08/08/30 03:29 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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