*柴日記*
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#114 [向日葵]
「拾いもんとかゴミとか人を人とも思ってない人がえっらそうな事を言うなっ!!アンタ達何様よ!?神様!?なら神々しく輝いてみなさいよ!大体ねぇ、お母さんは私達を大事に大事に育ててくれてる!少なくとも人の事を嘲るような目で見るようには育てない!」

それに……。

「柴の事、見ただけなのに何もかも分かったみたいに私の家族を悪く言うな!!こんの馬鹿親子っっ!!」

部屋に、私の声が反響する。
ワーンと耳の中で自分の声が響く。

先生も、女の子もおばさんも、お母さんも柴も、口をぽっかり開けたまま私を見つめていた。

⏰:08/03/30 03:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#115 [向日葵]
握り拳で息をゼーハー繰り返している事に気付いた私は、ハタッと我にかえる。

そして皆をみれば、今自分がした事に一気に血の気が引いた。

「あ……えと……だ、だから、あまり悪口は言わないで下さいって事です……」

私がそろそろ座ると同時に、お母さんが豪快に笑った。

その声に皆ハッとして、瞬きを繰り返した。

「とりあえず、和解って事でよろしいかな?奥さん」

⏰:08/03/30 03:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#116 [向日葵]
「な、なんて……人なの……。もう帰らせて頂きます!」

そそくさと、おばさん達は出て行って、その後を先生が追って行った。

横でお母さんがソファーにゆったりと座り、足を組んでポケットからタバコを取り出した。

そんな一連の動作を見ていた私に気付いたお母さんは、ニカッと笑って頭をぐしゃぐしゃ撫でてくれた。

「ありがとう。家族の為に怒ってくれて。」

「そんな、私……」

戸惑う私を、お母さんは抱き締めてくれた。

⏰:08/03/30 03:14 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#117 [向日葵]
「アンタ達の事よその子だなんて思った事はないよ。皆あたしとお父さんとのだーいじな子供」

お母さんは柴の方を向いて優しく微笑む。

「柴、アンタもおんなじようなもんなんだからね」

そんなお母さんに、私は泣いてしまった。

どうして誰も分かってくれないんだろう。

血が繋ってないからって嘆く事が無いくらいお母さんやお父さんは私達を大切に育ててくれた。

なのに何故、ダメなんだろう……。

⏰:08/03/30 03:18 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#118 [向日葵]
しゃっくりをしながら泣く私をあやすように頭を撫でてくれるお母さん。
服にタバコの匂いがついてて、お母さんらしい。

くやしい。
歯がゆい。

どうすれば伝わるんだろう。

幸せだよって、伝わるんだろう……。

――――――……

お母さんと柴は帰り、先生から事情をまた聞かれた。

1から10まで真実を話し、その場にいた人を連れて来てまでのちょっとした大事になってしまった。

⏰:08/03/30 03:22 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#119 [向日葵]
幸い、クラスの方は立川君がしっかりと指示してくれてたおかげで問題なかったらしい。

クラスの皆に侘びれば、快く許してくれた。

1人だけ作業が遅れたので、放課後引き続きポンポン作りと、紙で花を作る。

気づけば5時を回っていた。

「フゥ……」

軽くため息をして、イスの背もたれに身を預ける。

明日は迷惑かけないようにしなきゃなぁ……。
クラスにも、お母さんにも……。

⏰:08/03/30 03:25 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#120 [向日葵]
こんなだから、私がしっかりしないから、今日みたいな事があるんだ……。

ため息をついて、少しぼんやりした後、戸締まりをして帰る支度を始めた。

自転車の鍵を片手に校舎を後にして、いつものように家路を急いだ。

暗い気分を自転車で走ってる間に消し去ろうと決意して、顔を上げると、校門に誰かいた。

その誰かも、こちらに気付いた。

「やっど出てきた」

「柴……っ!今まで待ってたの!?」

長時間待っていただろう柴だけれど、別に気にした風もなく私に近づく。

⏰:08/03/31 02:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#121 [向日葵]
そんな柴を見て、今日の出来事を思い出せば、柴に嫌な思いをさせた事で罪悪感いっぱいになった。

「柴……今日は、ごめんね……」

「ううん。越が謝る事なんてないよ。それに、嬉しかった」

「え……」

柴はにっこり笑うと、私の頭に手を乗せてくしゃくしゃ撫でてくれた。

灰色の瞳が、夕焼けのオレンジと混ざって変わった、だけどいつも以上に温かな色になっている事に気づく。

⏰:08/03/31 02:14 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#122 [向日葵]
「越が俺の為に怒ってくれて、嬉しかった。だって今までの生活は、俺の為に怒ってくれる人なんていなかったから……」

「柴……」

「ありがとう、越」

自転車を手放して、柴の胸に抱きついた。

支えて持っていた自転車が、大きな音を立てて地面に倒れる。
でもそんな事気にならなかった。

家族じゃなかった柴に、少しでも私の家族の事を分かってもらって、それで幸せになってくれたなら私も嬉しい。

⏰:08/03/31 02:28 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#123 [向日葵]
少しでも、自分が力になれた事が嬉しい。

とても、抱きつきたくなったのだ……。

柴は少し驚いたけど、肩を優しく抱いてくれた。

それから2ケツをして帰った。
もちろん柴がこいでくれた。

「越」

「ん?」

「越のキレた顔って怖いね」

「うるさいっ!」

なぁんて言葉を楽しく交しながら、大好きな家族が待つ家へと帰って行った。

⏰:08/03/31 02:32 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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