*柴日記*
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#131 [向日葵]
次の走者の私は焦った。

今は9クラス中6位。
巻き返せるか心配だ。

走る位置についても、他のクラスの子達はドンドン行ってしまった。

「越ちゃん……っ!ごめんね!!」

転んだ子が私にバトンを渡した。
緊張が体を硬直させる。

……その時。

「おねーちゃぁん!頑張ってぇ!」

ん?苺?

走りながら、探せば、お母さんに抱き上げられた苺、桜、空、柴がいた。

⏰:08/04/01 00:56 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#132 [向日葵]
「お姉ちゃんいけー!」

「越姉!しっかり!」

皆恥ずかしいくらい叫ぶ中、柴は静かに、だけど面白そうに笑っていた。

ありがとう皆……お姉ちゃん、頑張ります!!

一気にやる気が出た私は、先に走る人をめがけて走り出した。

1人、2人、3人……4人……!

5人目抜けそうな所で、次の子にバトンを渡した。

息が上手く出来なくて苦しい。

⏰:08/04/01 01:00 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#133 [向日葵]
「越ナイスファイトー!」

「ま、前の人と……あまり差が無かったのが救いだったよ……」

襟元を持ってパタパタ仰ぐ。
ドッと汗が出てきて、何度も袖で拭いた。

しばらくして、美嘉にバトンが渡った。

しかしさすが美嘉。

1位との距離をグングン縮めて、ラストは逆転勝利。

ゴールテープを切ったと同時に、美嘉の「よっしゃー!」と言う声が聞こえた。

⏰:08/04/01 01:04 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#134 [向日葵]
席に帰れば、皆からの祝福が待っていた。

「おかえりー!」

「お疲れ!超すごかったよ!」

「ってか神田早すぎっ。何人抜くのかと思ったっつーの!」

「アハハ、ありがとう!」

タオルで汗を拭きながら、蒸発していった水分を補う為お茶を飲む。

だけど……自分でも驚いた。あんなに走れたんだ私……。

「越、美嘉炭酸飲みたいから自販機行くけど行かない?」

⏰:08/04/01 01:08 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#135 [向日葵]
「あ、行く行く」

体育祭、と言っても、皆が皆やる気な訳じゃない。

自販機に行くまでに、木陰でサボったりしている人を何人も見かけた。

でまこんな人達に限って、負けたら人一倍文句言うんだよなー……とか思いながら、サイダーのボタンをポチッと押す。

「おねーちゃぁん!」

膝に衝撃。
思わず膝カックン状態になったせいで、サイダーが入ったカップを落としそうになってしまった。

振り向けば、足元に苺がいた。

⏰:08/04/01 01:11 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#136 [向日葵]
「い、苺ぉー……」

「おねえちゃんはやかった!すごいすごぉい!」

太陽から守る為に被ってる麦藁帽子の下で苺はニヒッと笑う。

その後ろから空、桜、柴、お母さんがやって来た。

神田家勢ぞろいに、美嘉は「すげー」と面白そうに呟く。

サイダーを一気飲みすると、喉がシュワシュワして痛かった。

「お姉ちゃん早すぎ!見てて気持ちよかったけど」

「越姉って見掛けによらず足早いよなー」

⏰:08/04/03 01:30 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#137 [向日葵]
少し生意気な口を聞く空の口を軽くひねってから柴を見た。

柴は空の言った事に納得してる様子。

私ってそんなに足遅く見える……?

「いやーお母さんも若い頃は早かったよ。逃げるのに関しては」

逃げるのって……お母さん何にから逃げてたの……?

それについて何か言いかける柴の開けかけた口を頭と顎を持って急いで閉めた。

「あのね柴、苺とかいるんだからあんまり教育上悪い発言しないでちょうだいっ」

⏰:08/04/03 01:36 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#138 [向日葵]
こそっと柴に耳打ちすると、視線だけを動かして不服そうに私を睨んだ。
顎を持っていた私の手をはがすと、一応気を使ったのか、私と同じように声を小さくした。

「でもどう見たって祐子さんはヤンキー上がりでしょ……」

茶色の髪、少し薄目の眉毛、口はいつもくわえタバコ(今は学校だから吸ってないけど)、お酒大好き人間。

確かに見た目とか、中身とかはそんな感じだけど、お母さんの詳しい事はあんまり聞いた事がない。

お母さんは見た目こそ派手だけど、ノリがいいしサバサバしてるからあまり恨まれたりする事はない。

⏰:08/04/03 01:46 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#139 [向日葵]
私は柴の両頬を軽くつねった。

「柴の言い方はあんまり良い風には聞こえないよ。謝りなさい」

「……ごめん……」

やっぱり不服そうな顔をするから、少しその顔に笑ってしまった。

「越は本当、家族が好きだね」

「もちろん!自慢だもんっ!」

「……俺は?」

拗ねた口調で言うから、私は柴の頭をくしゃくしゃ撫でてやって、微笑む。

⏰:08/04/03 01:50 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#140 [向日葵]
「柴も家族じゃん!」

すると美嘉が呼んだので、私は「また後で」と言ってから私は席に帰って行った。

******************

変わってこちらは越が去った後の神田一家。

皆も元の場所に帰ろうと歩いていた。

「残念ね、柴」

柴の隣で桜が面白くてたまらないと言った風に呟く。その呟きが柴の耳にしっかり入ると、柴は眉を寄せ、口を尖らせて桜を睨む。

桜はその視線に気づき、にまぁと笑う。

⏰:08/04/03 01:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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