*柴日記*
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#162 [向日葵]
「出血のわりに、傷は浅いから、ガーゼだけ貼っておくわね。」
厚めのガーゼを手早くつける頃には、暴れすぎによる疲れと痛みでぐったりとしていた。
「ハイいいわよ」
ペシリと膝を叩かれたので、そろりと立ち上がる。
ガーゼのおかげで、直に床と足がくっつかないので痛みはさっきより半減していた。
その事に少しホッとして、久々に新鮮な空気を取り入れた気分になった。
立川君は戸口でずっと立って待っててくれた様子。
:08/04/05 02:36
:SO903i
:☆☆☆
#163 [向日葵]
つまり、痛がって子供みたいに暴れていたみっともない私を見られていたと言う事……と思えば、恥ずかしくなった。
きっと面白かったに違いない。
その証拠に私と目が合うと、口にギュッと力を入れてる様子が伺えた。
多分笑いたいけど笑っては失礼と思ってるんだろう。
立川君はドアをまた開けてくれた。
まるで紳士みたいだなー……。
「ありがとう、立川君」
:08/04/05 02:41
:SO903i
:☆☆☆
#164 [向日葵]
立川君は無表情で首を振る。
「いつでも、また頼って下さい。僕は……」
「越っ!」
横を見れば、柴が率いて桜達が外へ出る広い戸口に立っていた。
出てくるまで待っていたみたいだ。
柴はさっきの怖い雰囲気を引っ込めて、心配そうに私を見ていた。
しかし隣にいる立川君を見ると、またじわじわと引っ込めていたオーラを出し始めた。
困りながら立川君を見れば、柴の視線を真っ向から受け、ふいっと私に視線を落とした。
:08/04/05 02:47
:SO903i
:☆☆☆
#165 [向日葵]
「ご家族が心配してるようなので、僕はもう行きますね」
「あ、立川君、ありがとう」
立川君は一度ほのかににこりと笑って、歩いて行ってしまった。
振り向けば、柴が靴を履いているにも関わらず校舎に入ってこちらにズンズンとやって来た。
なんだか勢いがあったので、微妙に後退ってしまった。が、がしりと腕を掴まれた。
「わ、ちょ……っ柴?」
「アイツ……」
:08/04/06 15:16
:SO903i
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#166 [向日葵]
立川君が歩いて行った方を睨んで、また私に視線を戻した。
「前も見た。何なの?」
「な、何って、説明しなかった?クラスメイトの立川君」
柴は眉にしわを寄せながら、唇をキュッと引き縛った。とても不機嫌みたい。
一体何だと言うのだろう。
「越、アンタ怪我してんだって?」
律儀に靴を脱いでやって来たお母さんが言った。
「え、何で知って……」
「柴が気付いたの。ね、柴」
:08/04/06 15:19
:SO903i
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#167 [向日葵]
話しかけられても、柴の目には私しか映っていない。
灰色の神秘的な目に威圧されながら、私は柴に言う。
「柴、心配してくれたの?」
「……」
柴の機嫌が直らない……。私まで難しい顔になってしまう。
どうしたらいいのよ……。
「ねえお姉ちゃん、午後に保護者リレーあるんだって?」
「あ、ウン。お母さんが出るの?」
:08/04/06 15:28
:SO903i
:☆☆☆
#168 [向日葵]
お母さんは「うーん」と唸ってからちらりと柴を見てからニヤッと笑った。
「柴を出すよ」
「えぇっ!?」
桜、空と一緒に私は叫ぶ。
指名された当の柴はキョトンとしているけれど、何か企んでいるお母さんの真意を読み取ったのか、特に大きなリアクションはしなかった。
「柴、アンタやるね?」
「ウン」
「え、即答?」
驚きを隠せない私を無視して、勝手に盛り上がり始める兄弟とお母さん。
:08/04/06 15:35
:SO903i
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#169 [向日葵]
「ねぇ越姉」
呆気にとられている私の体操服を空がクイクイと引っ張ってきた。
「柴が何で怒ってるか、本当に分からない?」
「え?怒ってるって言うか、拗ねてるんでしょ?」
空は大袈裟にため息をついてから、私を呆れた顔で見上げた。
まるで「越姉ダメだ……」と言われてる気がして、少しムッと口を尖らせた。
そんな訳で、何かが起こりそうな体育祭はまだまだ続くのでした。
:08/04/06 15:41
:SO903i
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#170 [向日葵]
―*4日目*―
えつおねえちゃんはみんなからだいすきってよくいわれてるの!でもね、しばおにいちゃんもみんなからだいすきっていわれてたよ!
(神田家・三女・苺談)
昼休みが終わって部活行進が終わり、部活リレーが終わった。
昼になれば朝よりも更に気温、湿度が上がってより汗がふき出す。
そのせいか一気に皆がだらけだしてきた。
:08/04/06 15:54
:SO903i
:☆☆☆
#171 [向日葵]
「な……なんなの。水分取っても流れ出ちゃうこの悪循環……」
「美嘉ちゃん……大丈夫ですか……」
日焼けと暑さよけの日傘をさして、心配そうに見る椿が美嘉にペットボトルの水を差し出す。
イスにぐったり寄っかかっている美嘉はダルそうにそれを受け取る。
喉を鳴らしながら半分まで一気に飲み干してしまった。
「……っくぁーっ!!あー美味い……」
「越ちゃんは大丈夫ですか……?」
:08/04/06 16:04
:SO903i
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