*柴日記*
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#184 [向日葵]
顔が暑い。
それは湿気のせいでも、温度のせいでもない。
全て柴のせい。

でも何で?

早足で、高鳴ったままの鼓動を聞く。
「何で」と思う度、どんどんドクドクと早まる。

両手で顔を覆う。

早くおさまってー……っ!!

「わ!越、どうしたの」

「お顔、真っ赤ですよ……」

⏰:08/04/07 13:34 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#185 [向日葵]
席に帰ると、一番に顔の色の事を言われた。
多分2人共、この暑さのせいと勘違いしているだろう。

だから私はその勘違いを利用する事にした。

「や、温暖化ヒドイよね!」

高速で手をパタパタして団扇代わりに顔を扇ぐ。

大丈夫、家に帰ればすぐに元通りになる筈だよ。

そう言い聞かす。

「ねぇ越、あのカッコイイお兄さんなんて名前?」

美嘉が話かけてきたので、なんとか平静を装って答える。

⏰:08/04/07 13:39 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#186 [向日葵]
「柴って言って、さっきも言ったみたいにうちで居候してるの」

「私……どこかであの方見た事あるんですが……。名字はなんとおっしゃいますか……?」

椿の言葉に気づいたけれど、そういえば私は柴の本当の名前を知らない。

会った時に「好きに呼べば」と言われたから、そのまま私が付けた“柴”で今日まで通ってきたけど。

「聞いたけど……忘れちゃった。今は柴ってずっと呼んでるから」

「そうですか……」

⏰:08/04/07 13:44 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#187 [向日葵]
今でこそ、心を開いて、笑ったり甘えたりしてくれるようになったけど、初めの方は心身共にボロボロと言った感じだったし。

本人も、あまり深い所までは追求しないで欲しそうだったから、柴の家族とか、周りの環境とかは柴が話した事以外は知らない。

柴も話さない。

「名字……かぁ……」

本当の柴を、私はまだまだ知らないんだなぁー……。

と思えば、またさっきの柴を思い出して、顔が暑くなっていった。

⏰:08/04/07 13:49 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#188 [向日葵]
********************

「おねえちゃんどうしたんだろうね」

越が去ってしまった後、お母さん達の元に帰って行く中、柴に抱かれている苺が聞いた。

柴も分からない。

顔が赤かったので熱でもあるのかと、顔に触れた途端変な声を出された。

少し柴はショックを受けてたりもした。

さっきまで柴は越(と言うから立川)に対して不機嫌をあらわにしていたから、それに呆れられてしまったのかましれないと思っていた。

⏰:08/04/07 13:54 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#189 [向日葵]
「でも……」

と柴は考え直す。

呆れていたと言うより、越は驚いていた。
何故驚かれたんだろう。

いつも朝後ろから抱きついても慣れたように接するあの越が、ただ頬に、しかも真っ正面から触れただけで驚くなんて。

考えていると、視界に苺が入ってきて、眉間に小さな手が触れる。

「しばちゃんさっきからムーッてなってる。えつおねえちゃんのこと?」

苦笑いしながら柴は1つ頷く。

⏰:08/04/07 14:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#190 [向日葵]
苺は柴の眉間を擦りながらにこりと笑う。

「しばちゃん、えつおねえちゃんがだいすきなんだね!いちごもおねえちゃんだいすき!」

苺の無邪気な笑顔に、柴はくすりと笑った。

笑いながら、苺の“好き”と自分の“好き”は違うんだけどなーとか思いながら。

それでも、何だか苺に慰められた気分になり、柴の越に対する難しい考えが緩和された。

「あ、あの!」

声をかけらるたので、柴と苺は顔を合わせてから後ろに視線をやった。

そこには越と同い年くらいの女の子が2人いて、何か言いたげにこちらを見つめていた。

柴は「何?」と言う風に首を傾げると、1人の女の子が驚く事を行った。

⏰:08/04/08 01:01 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#191 [向日葵]
「一目惚れしました!付き合って下さい……っ!」

柴は瞬きを繰り返した。

一目惚れ?
今?早すぎない?
いやそれが一目惚れか。

「しばちゃん、ヒトメボレってなぁに?」

意味が分かってない苺は柴に聞く。

それを今この子の前でしては可哀想と思い、苺の質問はスルーした。

「……えっと、ごめんけど好きな子いるから……」

女の子は目を見開くと、涙を溜めてうつ向いた。

⏰:08/04/08 01:05 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#192 [向日葵]
「そうですか……すいません突然……」

それだけ言って、付き添いであろうもう1人の女の子と共に去って行ってしまった。

「しばちゃぁん、ヒトメボレってなぁーにー?」

襟元をグイグイ引っ張りながらしつこく聞いてくる苺に「ハイハイ」と答えてから、柴は苺に分かりやすく説明しながら歩いて行った。

******************

「うわぁぁ……っ!」

体育祭の歓声や、応援合戦の騒ぎの中、違う音を聞いた私はふとそちらに振り向いた。

⏰:08/04/08 01:10 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#193 [向日葵]
そこには顔を両手で覆った女の子と、なだめているような女の子がいた。
どうやら片方の人は泣いてるみたいだ。

どうかしたのかな……。

「あ、男子スウェーデンだよ!」

美嘉の声に、その子達からは視線を外し、グラウンドに向ける。

男子が入場して来た途端、女の子達の黄色い声が。
何故なら立川君がいるからだ。
今だけクラス別なんて忘れてるみたい。

「立川くーん!」

「頑張ってー!!」

⏰:08/04/08 01:16 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


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